HSP(ハイパーセンシティブパーソン)の人は恋愛をするのが難しいのではないかと言う問題があります。
この理由は自身の繊細すぎる気質ゆえに、つい人の気持ちを先読みしてしまったり、相手と自分との気持ちの境界線が薄くなることからくるトラブルが原因として考えられています。
恋愛は友達以上に親密になる間柄だけに、繊細すぎるHSPの人だと気苦労や過度なストレスを抱えてしまったり、繊細さを受けいれてもらえないことから恋愛が難しくなる傾向があるように思います。
もちろんHSPだからといって、必ずしも恋愛そのものが無理だと言うわけではありません。
ですが恋愛で起きる苦労を少なくするためにも、自分の繊細すぎる気質を理解し、安心感を得られるパートナーを選んでいくことが辛く苦しい恋愛にならないためには大事なことなのです。
今回はそんなHSPの人の恋愛できない問題についてお話ししたいと思います
HSPの人が恋愛で抱えるトラブル
相手の気持ちを汲み取りすぎて自分も辛くなる
HSPの人は、人の気持ちに敏感に反応してしまうために、相手の気持ちに寄り添いすぎたり話に共感しすぎたりして、自分も辛さを感じてしまうことがあります。
特に恋愛関係ともなれば、お互いに親密な間柄となるため、ときには辛い話や人には言いにくいプライベートな話をする機会もあるでしょう。
そういった場面において、HSPの人は
- 相手の辛い過去に共感しすぎて心痛めてしまう
- あるいは自分の過去の話を話してしまったら、どう思われてしまうだろうかと考え込んでしまう。
などが起きることがあり、恋愛関係に辛さを感じることがあります。この傾向は男性・女性関係なく、HSPの人であれば見られるものといえます。
自分の敏感さが受け入れられなくて辛い思いをする
恋愛関係において、自分の敏感な気質についてコンプレックスを抱いている人の場合、それが原因となり親密な関係を抱けなくなることがあります。
恋愛関係ともなれば自分の恥ずかしい側面や人には言いにくい自分の姿を相手に開示する場面も出てくるでしょう。
もしも、「自分の敏感な気質を恋人に打ち明けてしまったら、ひょっとして自分のことを嫌いになってしまうのではないか‥」という不安が、HSPの人にはよく見られます。
特に男性の場合、敏感な気質は男らしくない、女々しいと見られてしまうこともあり、本当は敏感な気質なのにそれを隠して付き合うことで辛さを感じてしまうことがあります
相手の優しさや好意に対して申し訳のなさを感じてしまう
敏感な気質のために、相手の優しさについてもいろいろ考え込んでしまうことで辛くなることがあります。
また、相手の純粋な好意からくる行動であっても、その好意を素直に受け取れずどこか申し訳なさを感じたり、精神的なプレッシャーだと受け取ってしまうこともあります。
また、相手の優しさにのめり込んでしまうあまり、勝手な期待を抱きすぎて相手に余計な負担をかけてしまったり、一方的に依存して相手に負担をかけてしまうこともあります。
恋人と自分との気持ちの区別がつかなくなり疲れる
HSPの人は自分と他人との境界線が薄いので、恋人との気持ちと自分との気持ちの区別がつかなくなり、お互いに振り回されてしまうこともあります。
他人との気持ちの区別がつかない事は、嬉しい事を自分のことのように感じる一方で、不快なことや辛いことまで自分のことのように思ってしまうという側面もあります。
恋人同士気持ちを共有することがお互いの中を確認する意味でも大事ではありますが、適度な距離感保てないため、一喜一憂したり自分に関係のないことで不快な気持ちになって精神的に疲れてしまうことにつながります。
敏感さをネタにいじられてしまう
敏感な気質が誰からも好意的に見られるとは限りません。人によっては、敏感さを笑いのネタにしたり、いじるための材料として利用してしまうこともあります。
HSPの人は自分がいじられてしまうことに慣れていなかったり、いじられることそのものにも敏感に反応してしまうため、人付き合いで抱えるストレスが増える傾向があります。
また、いじりがエスカレートしてしまうことでモラハラやDVにも発展してしまうリスクがあると言えるでしょう。
HSPの人が気をつけておきたい恋人選びのコツ敏感
繊細な気質を理解してくれる人を選ぶ
恋人選びの時に気をつけておきたいのが、自分の繊細さを理解してくれる相手をしっかりと選ぶことです。
繊細さと言うものはどうしても人によって解釈が別れるものですし、簡単に理解が得られるものばかりだとは限りません。
例えばHSPの人によくある、人間関係の雰囲気、臭い、音、些細な音、人の感情に左右されるなどの微妙に分かりにくい繊細さは誰でもすんなり受け入れてくれるものとは限りません。
鈍感な人であれば「そんなのあなたの思い込みじゃないの?」と言われてしまい理解からは遠のいてしまいます。
ですので自分の繊細さを相手に伝える事はもちろんのこと、その繊細さを受け止め理解してくれる人を選ぶようにしましょう。
お互いにしんどくなったら距離を置くようにする
距離感が近すぎる、べったりとくっつくような関係になり、言葉にしにくい苦しさを感じているのであれば、お互いに適度な距離感を取るのが大事です。
例えば、
- 自分だけの時間を持つようにする。
- 恋人としばらく合わないようにする。
- 自分1人で楽しめる趣味や楽しみを見つける。
- 友達や家族自分の生きづらさを分かってもらえる人に相談してみる。
などをしてみて、お互いの距離がちょうどいい感じになるように、心理的な距離を探ってみるようにしましょう。
恋人と仲良くなりたいと言う気持ちは大事ですが、その気持ちのせいで自分も相手も生きづらさを感じてしまうのでは、関係が破綻してしまう恐れがあります。
適度な距離感を調べてみる事は、お互い心地の良い関係を続けていくためにも大事なことだと考えるようにしましょう。
相手に精神的に依存しないようにする
恋人と自分との心理的な境界線が薄く、近寄りがちな傾向にあるHSPの人は、相手に精神的に依存してしまったり共依存関係になってしまうことがあります。
精神的に依存して、自分の生き方や将来まで何もかも恋人に決めてもらう、恋人任せにすると言う生き方は、恋人がいなくなると成り立たなくなる恐れがあります。
そうならないためにも、適度に自立し自分の時間やプライベートをしっかり持ち、自分の人生を生きていけるようにしましょう。
よくも悪くも恋人と自分は他人であるので、相手に尽くしすぎず自分自身を大事にして適度な関係を持つのが大事です。
他の恋愛と比べすぎないようにする
HSPの人は、敏感な気質から自分以外の人の恋愛が気になったり、比較して自分の恋愛が正しいのかor間違っているのかと考え込んでしまうことがあります。
もちろん「共依存になって辛い」と言うような関係であれば、その辛さを取り除く必要がありますが、過敏になりすぎて正しい恋愛観、こうあるべきだと言う恋愛観にとらわれすぎるのもまた辛いものです。
恋愛は優劣を競うものではありません。HSPだからと言って自分は劣った恋愛をしているのだと卑下したり悩むのではなく「自分は自分にとって心地よい関係を楽しむんだ」と言う気持ちを持つように心がけてみましょう。
HSPは恋にのめりこみやすいので落ち着ける恋人やロケーションを選ぶように
HSPの人は感受性が非常に高いことをから、まるでドラマのような激しい展開の恋模様を繰り広げることがあります。
これは敏感な気質が、恋に必要な様々な妄想であったり思い込みを生み出すことで、ドラマティックな恋愛になってしまうのです。
例えば一目惚れ。HSPの人は、出会ってすぐの人に対しても
「自分にはこの人に気があるのではないか」と感じたり、少し優しくしてもらっただけで「この人は私に気があるのではないか」と敏感に感じしやすく、まさに漫画のような情熱的な恋をする傾向があります。
敏感な気質であるために恋に夢中になっている間は、その敏感さを発揮して恋を楽しめている状態を言えるでしょう。
しかし、恋から離れて1人になった時に今まで敏感に反応していた反動が来て、心身ともに疲れ果ててしまい生活に支障が出てしまうこともあります。
情熱的な恋は非常に楽しい一方で、HSPの人からすれば精神的な疲労が溜まりやすく、精神的にも体力的にもあまり長続きしない恋愛だと思います。
また、情熱的で衝動的な恋をエンジョイしているときに、気がつけば自分の身の丈に合わないような複数の人との関係を持ってしまったことが原因になり後々苦しめられることもあります。
恋に夢中になる事はとても楽しいことではありますが、そのせいで自分の生活や人生が台無しになってしまう事は避けなければいけません。それはHSPの人も同じでしょう。
刺激に敏感、とても繊細だと言う気質を理解していればこそ、長くそして安定したお付き合いが出来るように比較的性格が穏やかな人と付き合うようにしたり、飲み会やパーティーなどの大勢の人が集まるロケーションよりも、個室の料理店や静かな場所でのデートしてなるべく雑音や雑踏を避けた場所で楽しむようにしましょう。
HSPの人の恋愛は普通の人の恋愛と比べると超えるべき障害や壁がきっと多いことでしょう。
しかし、それに向き合う中で自分に本当に合っている人はどんなタイプなのか、自分が一緒にいて安心できる人はどういう人なの顔きっと見つけ出すことができるでしょう。
普通の恋愛と違って難しくなる事はある程度踏まえた上で、それを悲観するのではなく前向きな気持ちで自分に合った長く付き合える相手を探すようにしましょう