距離感が近すぎる、すぐ距離をつめてくる人の心理について

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心理学に関する書籍やネット上の情報を探していると「初対面の人と仲良くなりたい、打ち解けるための方法」というタイトルで、お互いの仲を近づける方法や距離感を縮める方法について詳しく知ることができます。

もちろん、初対面の人と打ち解ける技術は学校や仕事などで豊かな人間関係を送る上では欠かせないもだと思いますが、時々妙に距離感が近すぎる、すぐに人との距離を詰めてくるという接し方をする人がいます

そんな人の接し方をよく観察していると

  • 適度な距離感ではなく、べったりくっつくような近づき方をしてくる。
  • 妙に馴れ馴れしくて、舐めてかかるような接し方をしてくる。
  • 初対面なのに過去の不幸な話やデリケートな話題をする、あるいは聞きたがる。
  • こちらの反応を無視して「自分が自分が自分が…」と自己中心的な態度で接してくる。
  • 物理的な距離感の詰めてきて、パーソナルスペースに踏み込んでくる
  • あだ名、下の名前、呼び捨て、「あんた」、「お前」と呼んでくる。

という特徴が、リアル・ネットの人間関係で共通しているように感じます。

しかし、これらの特徴は、そういった付き合い方が普通だと考えている人にとっては全く気にならず、むしろ気にする人の方がおかしい、自意識過剰であると思われてしまうことが多いので厄介です。

何より、距離感が近すぎる人は、表面的には社交的でコミュニケーション能力が高く第一印象は良いために、違和感を覚えてもなかなか口に出せなく、共感も得られにくいものです。

今回は、そんな距離感が近すぎる人の心理についてお話いたします。

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距離感が近すぎる人の心理

友達がいる自分にアイデンティティを感じている

相手の事をもっと知りたい、仲良くなりたいという純粋な好意や関心から距離感を近づけようとしてくる人の中には「友達がいる自分」にアイデンティティ(自分らしさ)を感じていることがあります。

自分らしさに「友達がいること」が含まれているので、関係を維持するために積極的に距離を詰めてきたり、友達の秘密やプライベートを探って自分らしさをより深めようとするのです。

この場合当然ながら「友達が離れてしまう=自分らしさの喪失」となるので、友達が離れないように弱みや秘密を握ったり、一方的に貸しを作らせて、半ば支配するように距離を詰めてきます。

これが恋愛の場合なら、独占欲が強いことから、モラハラ、DV(orデートDV)、共依存などにつながります。

近づく事だけが仲の良さだと考えている

「人間関係における仲の良さ=距離感が近くなる事」だと考えている人は、一方的に距離感を詰めてくる接し方をします。

仲がいい事そのものは社会通念上でも一般常識としていい事なだけあってか、一方的に距離を詰める行動自体に疑問や違和感を覚えない人も多いものです。

そして、近づかれている側も「(一般的には)いい事をしている相手の好意を拒むのは良くない」と感じてしまことで、つい我慢してしまいます。

しかし、パーソナルスペースという心理学の言葉にもあるように、人間は縄張り意識のようなものを持っており、親しく間柄であっても縄張り内に入られると不快感を感じるものです。

他人への依存心、承認欲求が強い

初対面なのに妙に慣れ慣れしく接してくる人は、他人に対する依存心、他の人から認められたいという承認欲求が強い人だということもあります。

他人から受け入れられたい、認められたいという気持ちが強いことから、自分のことを客観的に見ることができず、初対面なのについその場にそぐわない出しゃばった行動を取ってしまうのです。

接するときは相手が自分の話をを聞いてどう感じるか、とにかく自分の言いたいことばかりを考えているために、自分に関する話題…それも同情を引くような不幸自慢や、共感を誘うようなプライベートなネタを親しくもない内に喋ってしまう傾向があります。

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相手も自分と同じぐらい興味を持っていると感じている

「自分は仲良くなりたい○○さんに対して興味がある」という自覚があったとしても、だからと言って「○○さんも自分と同じくらい自分に興味を持っている」と決め付けるのは正しいとは言えません。

「自分→○○さん」への興味は自覚できるのしっかりわかりますが、「○○さん→自分」への興味は、実際に○○さんに聞いて確かめないとわからないものです。

このように、たとえ初対面の相手であっても「相手も自分と同じぐらい興味を持っているに違いない」という考えが強い人は、自分に関する話題を話せば相手も喜んで聞いてくれるに違いない、と考えてしまうので一方的に距離を詰めるような接し方になりがちです。

また、このタイプの人はプライドが高い人に見られ、「自分が思っているほど他人は自分に対して興味がない」という現実を受け入れようとしないことから、人間関係でトラブルを招きやすい人とも言えます。

人間関係を支配・服従・上下関係として見ている

先ほど触れましたが、誰かと仲良くなるために近づくことは、一般的にはいい事とされており、それを拒む言動は無粋、野暮、空気が読めない、ひねくれていると否定的な目で見られがちです。

距離感を近づけてくる人に困っている人は、「本当は嫌だけど、そのことを言ったら相手を不愉快にさせてしまう」と感じることから、つい「自分さえ我慢すればいい」と自分を納得させてしまうことで、相手からの干渉を受け入れてしまいがちです。

意図的に距離感を近づけてくる人は、自分の距離感の取り方を我慢して受け入れてくれる…つまり、自分にとって都合のいい支配しやすい人を見抜く方法として、無意識の内に身につけていることがあります。

このようにして出来た友達関係は、実際は対等な人間関係ではなく上下関係や服従・支配といった立場差のある人間関係です。

そして、自分は親分ポジションとして振舞い、自分勝手な行動を我慢してくれる子分役を増やすために、リアル・ネット関係なく友達(もとい子分)作りに邁進するのです。

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距離感を詰める心理学でよくある勘違い

自己開示の返報性で距離を縮めようとして失敗している

心理学では「自己開示」という言葉があります。

自己開示とは、相手に対して心を開いて、自分の意見や主張、経験などのその人らしさを感じる情報を伝えることを指し、相手と距離を近づける基本とされています。

自己開示により、自分の過去の秘密やプライベートな話題、他人には言いにくいことを相手に伝えることで、その分相手との距離を近づけることができます。

そしてこれを応用した「自己開示の返報性」という言葉あり、これはプライベートな話をすれば相手もそれに応じてプライベートな話題を返してくれるという法則のことです。

試食販売や粗品進呈が代表例の返報性の原理と同じで、「普段言いにくいプライベートな話をしてくれたんだから、自分も同じ話題を返さなきゃ」と感じて、プライベートな話題を返し距離感が縮まっていくのです。

しかし、この自己開示の返報性は、

  • 相手とある程度打ち解けていなければ効果は薄い。
  • 打ち明けた内容次第では、たとえ仲がよくても引かれることがある。
  • 人によっては「自分の恥ずかしい話題をしろ」という無言の圧力だと感じる。

といった問題もあり、決して万能な方法ではありません

とくにプライベートな話題ともなれば、相手から聞き出す目的のために急かしたり、プレッシャーをかけるべきものではありません。

執拗にプライベートを知ろうと迫る行為は、ストーカーやセクハラと同じだということを理解しておくべきです。

「距離間が縮まらない=仲が悪い」ではない

人間関係における仲の良さは、距離感が縮まり具合で決まるものではありません。

ベタベタとくっつくような距離感でもお互いにしんどさを感じて険悪な仲の人もいれば、距離感がだいぶ離れているのに、お互い快適で仲良くできることもあるものです。

これに関して有名なのが「ヤマアラシのジレンマ」という概念です。

ヤマアラシとはハリネズミのように体に針を持った動物で、二匹のヤマアラシが寒さを凌ぐために近づいて温め合おうとすれば、お互いの針が体に触れることで痛みを感じてしまいます。

しかし、痛みをさけるために離れてしまえば寒さに苦しむ…快適な距離感を取ることの難しさを表すジレンマです。

人間関係もこれと同じで、近づきすぎたらそれが心理的な負担になりしんどくなる。一方で離れすぎると寂しくなって辛くなるものです。

お互い苦痛を感じない適度な距離感を保つ仲になることが、長く続けるための理想の友達関係と言えます。

人間関係をゲームのように攻略できるものだと考えている

心理学を使って人と仲良くなる方法を学んだり、人と仲良くなることそのものが好きという人の場合、人間関係をゲームのように攻略可能だと勘違いしているのではないかと感じることがあります。

人間関係はゲームのように単純ではありませんし、好感度やパラメーターなどで今相手がどれだけ自分に対して心を開いているかわかるようなものではありません。

また、ゲームは基本的に自分一人でプレイするものですが、実際の人間関係は自分一人ではなく、相手の意見や考えなどを尊重して相互にコミュニケーションをとるものです。

誰かを攻略するという考え方事態、そういった相手の意見や考えを無視した自分本位な考えであることを自覚すべきだと感じます。

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距離を詰めてくるは表面的には「いい人」なので困りもの

距離を詰めてくる人は、最初から嫌われたり変な人だと思われないために、

  • 笑顔になるのが慣れている
  • 自分を「いい人」に見せるのが上手
  • 敵を作らないような振る舞いに慣れている
  • 前向きで耳障りのいい綺麗な言葉をやたらと使う
  • ノリや気前がよく、集団の雰囲気を作るのが得意
  • 行動力がありリーダーシップが取れることから信頼が厚い

などの、人の心をつかむ技術が優れており、表面的には「いい人」だと思われます。

しかし、時間が経つにつれて、

  • 自分本意な性格がうっすらと感じ取れる。
  • 自分の意のままに動かない人に対する排他的な態度。
  • 「自分に逆らったら危険だ」という恐怖で他人を支配している。
  • 時々自分と付き合っている人をテストするかのような揺さぶり、かまってちゃん行為。

などの、友達という関係にそぐわない行動から、「あ、やっぱりこの人距離感の取り方がおかしい」と察するものです。

なお、こういう外面の良さと内面の醜さに気づけない人は、モラハラの被害者になる人にも共通しています。

人を積極的に疑えというわけではありませんが、やたら距離感を詰めてくる人に違和感を覚えたら、付き合い方を見直してみることが、自分が苦しまないためにも大事だと感じます。

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国立大教育学部卒、専攻は心理学。発達心理学、教育心理学、スポーツ心理学、社会心理学を中心に心理学に関する記事を執筆中。そのほかにも、人間関係やコミュニケーション、性格、スマホ、SNS、ゲームなどのあらゆるテーマを心理学の知識を用いて詳しく、面白い記事を書くことを心がけております。

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