「共感的理解」を知って、良好な人間関係を作るコツ

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心理学やカウンセリングを学んだことがある人なら「共感的理解」という言葉を耳にした方もおられると思います。

共感的理解の知識はカウンセリングなどの特別な場面に限らず、学校や職場、友達付き合いや恋愛などの人間関係でも役に立てることができるヒントが詰まっています。

  • より良好な人間関係を築きたい。
  • お互いにお互いのことを知りたい。
  • もっと仲良くなって色々話をしたい

と、感じている人は、共感的理解について知れば、その願いを叶えるヒントが見つかるかもしれません。

今回は、共感的理解の知識をもとに人間関係に活かすためのコツについてお話いたします。

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共感的理解とは

共感的理解とは臨床心理学者カール・ロジャーズが提唱したカウンセリング手法のひとつを指します。

ロジャーズは現在の心理カウンセリングで多く使われている「来談者中心療法(クライエント中心療法)」の第一人者であり、話を聞くことを中心にしたカウンセリングを世に広めたことで有名です。

心理カウンセリングにおける共感的理解とは、カウンセラーがクライエントの気持ちをまるで自分のことであるかのように受け止め、それをもとにカウンセリングを行っていきます。

ただ共感をするではなく、同時に相手の気持ちや心理、置かれた状況や立場などを想像して理解することが共感的理解の基本です。

心理カウンセリングの他にも介護職や医療的ケアなどの福祉、医療の分野でも共感的理解の知識が生かされている事もあります。

共感的理解をするとなると、表面的な同情や共感とは異なり、

  • 相手の気持ちを想像する
  • 相手の気持ちに寄り添う
  • 抱えている悩みや問題について理解を示す

といった、より深く相手の事を知ろうとすることになります。

こういった話をするときの姿勢は心理カウンセリングの場面だけでなく、学校や職場で誰かと仲良くなりたいという場面でも使えるだけでなく、自分の身近な人が悩みを抱えている時に、相談相手になりたいという時にも役立てることができます。

ちなみですが、来談者中心療法は共感的理解の他にも

  • 無条件の肯定的配慮:クライエントの人格や行動などお無条件に肯定して受け入れる。
  • 自己一致:カウンセラー自分の気持ちや認識と表現・行動が一致している。

も重視され、どれも心理カウンセリングを行う土台となる大事な考え方となっています。

共感的理解を用いた人間関係の築き方

相手の話を聞く姿勢を持つ

誰かと仲良くなりたい、いい関係になりたいと思うと、どうしても何か喋らなくてはいけない、どんどんアプローチをかけなきゃいけない、という焦りに駆られて、自分から話しっぱなしなってしまうことがありますね。

しかし、自分が喋ってばかりでは、相手の話を聞くことはできませんし、話を聴いて相手の立場や状況をしっかり想像することすらままなりません。

来談者中心療法」と言われているように、共感的理解は相手の話を聞くことが基本です。

まずは「仲良くなりたい」「相手のことを知りたい」という気持ちを脇において、相手の話をしっかり聞く姿勢を持つことから始めましょう。

相手の話に対して反応を返す

相手の話を聞く際に、ただ何の反応も返さずにただ聞かれているだけでは

  • 「この人は私の話を聞き流しているのではないか?」
  • 「私の話に全然興味を持ってくれていないのでは?」

と不安にさせてしまう原因になります。

打ち解けるためには話を聞くという姿勢は大事ですが、ただ聞くばかりでは話す方もしんどくなるので、適度に相槌を打ったり、状況に応じて表情を変えたりして、話をしっかりと聞いていることが伝わるようにしましょう。

また、反応の仕方が誰にでも同じだと、「あの人は誰にでも同じような反応を返す人だ」と思われて、話を真剣に聞かない人だと見られてしまう恐れがあります。

話への反応も相手や状況に応じていくつか用意して、ワンパターンにならないように心がけるのがいいでしょう。

相手の話をすぐに自分の立場や状況に置き変えて話すのを控える

話を聞いたあとに「そうなんだ…私がその状況だったら…」と、すぐに自分の立場に置き換えて話をするのは、相手に理解を示しているように見せて実は自分の立場や価値観で意見を述べているだけだと思われることがあります。

せっかくの話をしても「俺なら…」「私なら…」「自分なら…」と自己主張の強い反応ばかり帰ってくると、相手にとっては

  • 「この人は私の話に本当に共感してくれたのだろうか?」
  • 「自分の話題に持っていくために私は利用されたのでは?」
  • 「やっぱり私の目線に立って、話を理解してくれる気はないんだ…」

と、相手からの信頼を失ってしまう恐れがあります。

話した内容がデリケートなことだったり、人には言いにくい過去の辛い思い出の場合だと、安易な同情だと思われ心を閉ざしてしまう事もあります。

人に言いにくいをするのは、ひょっとしたら嫌われたり、変に思われるかもしれないという不安があり、その不安に勝る勇気がいる行動です。

その勇気に対して、安易な同情やすぐに「自分なら…」という反応を返すのは、「この人は私の気持ちよりも自分の気持ちの方を優先しているんだな」と思わせてしまうことになります。

話しやすい雰囲気を用意する

話を聞くためには、聞く姿勢を持つだけでなく話しやすい雰囲気を作る事も大事です。

例えば仕事で言いにくい悩みを相談する場合、周囲に同僚や上司がおり誰でも話の盗み聞きできるような状態では、なかなか打ち明けにくいものです。

相手にとってなるべくプレッシャーを感じさせないように、例えば空いている部屋を使って話をする、外に出かけて話をするというように、話がしやすい状況をこちらで用意することが大事です。

秘密を守る、話したことを言いふらさないようにする

相手の話を聞くことができても、その話を第三者ぶベラベラとしゃべってしまうようであれば、二度と口を聞いてもらえなくなる恐れがあります。

とくに話しづらいことを話してもらった場合、そのことを不特定多数の人に言いふらすと自分の信用を損なったり、ハラスメントだと思われてしまうことがあります。

実際の心理カウンセラーでも守秘義務を守ることは、クライエントが安心して悩みを相談してもらうためには欠かせません。

メンタルの悩みという偏見が強く周囲に気軽に言いにくいことを、何のためらいもなくしゃべってしまうようなカウンセラーに相談をする気がなくなるのも無理はありません。

パーソナルスペースを意識する

人と話すときはパーソナルスペースについても意識してみるといいでしょう。

パーソナルスペースとは、人間が持つ縄張り意識のようなものであり、仲のいい人ほど物理的に近づかれても緊張を感じにくい。

逆に、親しくない人に物理的近づかれると、緊張したりや警戒される原因になります。

話を聞きたいあまりに相手との距離感が近くなったり、逆に話を聞きたいのに妙に距離を置かれていると、話をする方に余計な負担をかけてしまう原因になります。

パーソナルスペースについて詳しく知りたい方は、以前記事にしていますので下のリンクからご覧下さい。

共感的理解はわかったフリをすることではない

共感的理解は相手の話を聞く、相手の気持ちや立場を想像して寄り添うのが基本であり、なんとなくわかったフリをして相手に対して理解を示すのではありません。

例えば、仕事の苦労話を聞いて「俺も昔同じようなことが合った…でも、なんとかなるから心配するなよ」と相手を励ましたつもりでも、その励ましをお節介だと受け取られるケースをもとに考えてみましょう。

自分としては相手の辛い話しに共感して理解を示したつもりでも、その理解が相手から見ればただの自分勝手で無責任な意見だと感じてしまえば、励ましだと受け取れなくなります。

言ってしまうとこの場合の励ましは、相手を深く理解しようとしていない、ただわかったフリをされ、哀れみの目で見られているような気がするので、励ましだと受け取ることができないのです。

もちろん、人によってはちゃんと励ましているというメッセージを感じてくれる人もいますが、ちゃんとメッセージが届くかどうかは相手次第です。

励ましの言葉をかけたのに愛想の悪い返事が返ってきたからと言って「せっかく話を聞いてやったのに…」と相手を責めてしまうのではなく、「なんで愛想の悪い返事が帰ってきたのだろうか」と、より相手の気持ちに寄り添うことを忘れないようにしましょう。

共感的理解とビジネス

共感的理解は相手の気持ちに寄り添うというコミュニケーションの性質上、ビジネスの場面でも有効です。

しかし、ビジネスでは金銭トラブルや責任問題などがするために、時として悪用されてしまうリスクもないとは言えません。

例えば、自己啓発セミナーやマルチ商法、ネットワークビジネス、ねずみ講にハマる人は、とても話をよく聞いてくれる心優しい人に惹かれて胡散臭いビジネスにハマってしまうこともあります。

実際にそれらの商売は、どこか優しくて居心地がよい、今まで人前で言えなかった話を肯定的に受け入れてくれる人が多く安心感を覚えく、ゆるさや寛容さを持った人によってコミュニティが形成されているのをよく目にします。

それらのコミュニティを見ていると、共感的理解を示してくれて仲良くなるという方法が、実は悪用され悪徳商法に使われている疑念もあり、共感的理解は使い方によって毒にも薬にもなるのだと感じる次第です。

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【身体がおかしくなる前に】実はストレスの90%は仕事が原因という衝撃の事実

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