他人に対してマウントを取る人は、見境なく他人にマウントを取るというよりは、なるべく見下しても問題ないと判断できる相手、見下して反撃を受けづらいであろうことが予想できる相手をよく狙ってマウントをしてきます。
つまり、マウントをとりたがる人は、マウントをしやすい特徴を持っている人を狙ってマウントをとる(小)賢しさがある人と言えます。
では、具体的にどういう特徴を持つ人がマウントを取りやすいと見られるのか…今回は、このテーマについてお話いたします。
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目次
自己主張が少ない、あるいは自分の意見を持っていない人
マウントを取りやすい人の特徴としてよくあるのが、自己主張が少ない、あるいは自分の意見を持っていないことです。
マウントを取りたがる人からすれば、下手にマウントをとってきて反論されたり、逆に自分の不勉強さや未熟さを指摘するおそれがある人は避けたいものです。もしも、自己主張をしたがりガツガツとした性格の人に迂闊にマウントしようものなら、逆に自分がマウントされかねない自体になるおそれがあります。
しかし、自己主張が少ない、自分の意見をもってない人であれば、そうした不安を抱くことなく、安心してマウントを遂行できる可能性が高まります。
いわゆる、大人しい人、物静かな人、コミュニケーション能力に自信がない人、などはマウントの対象としては好都合なのです。(もちろん、マウントされる方からすればいい迷惑ではあるが‥)
自責感情、罪悪感を感じやすい
そもそもマウントをすること…つまり、他人を見下して悦に浸る行為自体、見下された人のみならず、その様子を見ている人にも不快を抱かせてしまい、マウントを行った本人に怒りが向きやすいリスキーな行動であることは明白です。
そのため「マウントを取る」という失礼な行動に出る以上は、なるべく怒りの矛先が自分に向かいにくい場面や相手をよく考えて選ぶことが大事です。
そして、怒りの矛先が剥きにくい人の特徴として挙げられるのが、自責感情が強い人や人一倍罪悪感を感じやすい人です。
この人達を狙ってマウントを取れば、マウントしてくる人に怒りが向くのではなく、マウントしてくる人に対して不快感を覚えてしまう自分に怒りが向く。
例えば、罪悪感の強さ故に他人の失礼な行動を我慢できない自分の人としての器の小ささを自覚してしまい、良心の呵責に苦しみ続けてしまう人はマウントをする相手としては好都合です。自分を責めることに囚われた結果、マウントしてきた人に不快であることを伝えられないままになり、マウントを取られる状況を受け入れてしまからこそ、好都合と言えるのです。
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周囲から「いい人」だと思われたい願望を持っている
マウントを取りやすい人は、周囲から見て「いい人」だと思われたい願望を強く持っている人という特徴があります。
多少失礼なことをされてもすぐに怒ったりしない優しさを持っているだとか、迷惑な人でもちゃんと向き合おうとする徳の高い人だと見られたい願望を持っていることを、普段の言動から察する。そして、その願望を逆手にとってマウントの成功確率を上げようとします。
もちろん、マウントを取る人は失礼なことをしでかしていることには変わりは無く、きっちり怒ることそのものに躊躇いや罪悪感を感じる必要性はありません。
しかし「他人からよく見られたい」という願望を持っている人は、その願望故に「怒り」という感情を顕にしたり、取り乱した自分を晒すことそのものに強い忌避感を覚えてしまっている。怒りたくても怒れない葛藤に苦しむ癖がある人だからこそ、マウントを取りたい人からすればカモと見られ、マウントのターゲットになりやすいのです。
集団から孤立している
集団から孤立していること…つまり、グループに入っていない、友達づきあいがなさそうに見える人もまた、マウントしやすい特徴を持っている人です。
身も蓋もないですが孤立しているために、マウントをする人からすれば、友達に告げ口されたり、悪評を広められて反撃を受ける可能性は低いので安心感がある。(もちろん、先生や親に告げ口されるリスクがあるが、その場合は「大人に告げ口する冗談のわからない奴」という更なる攻撃&マウント材料を入手して相手を追い込むこともできる。)
また、孤立していることそのものが、分かりやすいマウントのネタになる。加えて、「一人ぼっちはよくない」などの一般論や社会常識を持ち出して、劣等感を植え付けやすく、マウントしやすい特徴に事欠かない人と言えます。
マウントをする人と共通点があり、立場が同じか少し格下である
マウントを取る人からすれば、マウントを取る相手は自分よりも格下の存在であることが重要です。しかし、かと言ってあまりにも格下すぎてマウントする必要もなく見下せる相手の場合は、マウントをするに見合うだけの価値がなくなることがあります。
例えば、プロのスポーツ選手が初心者の小学生相手にプロとしての実力を見せて勝負に勝ったとしても、その行動はあまりにも大人気ないものとして見られ、周囲から冷ややかな視線を浴びてしまう。確実に見下せる相手に大人げないマウントをとった代償として「恥ずかしい存在」とみなされ、逆に自分がマウントの対象になるリスクがあります。
このことを踏まえると、マウントを取りやすい相手というのは、マウントを取る人から見てある程度見下しやすい立場や状況を持っていることが重要です。
その一例を挙げるとすれば…
- 年齢が近い
- 立場や境遇が似ている、共通点がある
- (スポーツや勉強などの)実力の差がそれほどない
- 自分が来た道を通ってきている人
など、共通点がある相手、立場が自分と同じくちょっと格下の相手こそ、マウントを取りやすい相手なのです。
大学生になったとたん高校生に説教臭くなったり「若いねぇ」と口にする人。部活や職場で後輩ができた途端に、先輩風を更かしていきがる人。
どれも、自分が来た道を通ってきており「共通点がある=粗探しがしやすい」ので、確実に相手が嫌がるような、重箱の隅をつつくかのごとく陰湿且つ陰険なマウントを取る相手としては絶好と言えます。
自虐する癖が多い人
自虐ネタを口にする人も、マウントしやすい特徴を持っている人と言えます。
まず、自虐ネタを口にしている時点で、他人にマウントをしてもいいネタを提供していると見られてしまう。
自虐ネタは自らのコンプレックスをネタとして昇華するようにも見えますが、マウントを取りたい人から見れば「自ら見下されるようなネタを差出している人」と受け取り、そのネタをありがたく利用し、いじりと称して堂々とマウントを行うことが可能です。
また、自虐ネタを言っている本人も、マウントの材料を与えた原因は自分にあると理解しているので、なかなか相手にマウントをやめてほしいとは言いづらく、結果としていじり倒されるようにマウントされっぱなしになります。
例えば、学歴が劣っていることを自虐ネタとして利用して人気を得たのに、そのネタを他人が利用して場を盛り上げている場面で「やっぱり学歴ネタは使わないで!」とは言いづらいものです。
学歴に関する自虐ネタを初めに出したのは紛れもない自分であること。そして、自分はネタとして使うのに、他人が同じネタを使うと嫌がる矛盾を指摘されると返答に困りやすく、また相手を納得させるだけの説明も難しいので、マウントを取る人に圧倒されやすくなります。
マウントを取りたがる人はこうした状況を理解した上で「自虐ネタの多い人=マウントをとれるだけの隙がある相手」と見なして、計画的にマウント取りを行っていると考えられます。
自己評価が低くマウントをしてくる人の方が居心地の良さを感じる人
卑屈でひねくれた性格をしており、自分で自分を過小評価している人…つまり、自己評価が低い人は、マウントを取らずに対等に接してくれる人よりも、マウントを取ってきて自分を雑に扱う人の方が居心地の良さを覚えてしまうことがあります。
これは、自己評価が低いために、その自己評価に合致した行動をとってくる人の方が心地よく感じてしまう心理が原因です。(=認知的斉合性理論)
自己評価の低い人から見て、自分のことを見下しもベタ褒めもせず対等に接してくる人は、「自己評価が低い」という自分の考えに合致しない行動をしてくる人と感じるため、付き合っても居心地が悪く、気まずさを覚えて疎遠になりがちです。
逆にマウントを取り自分を低く評価する人は、「自己評価が低い」という自分の考えに合致した行動をしている人と感じるため、居心地の良さを感じてしまい関係が続いてしまうのです。
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