自己評価が低い人は幼い頃に十分な愛情を受けて育ってこなかったことや、家庭環境に問題があったこと主な原因と考えられています。
自己評価が低い人には、自分を大切にできない、自信がない、自己肯定感が低いなど特徴が見られることから、コミュニケーションを通してお互いを深く知る恋愛関係でもトラブルを抱え込む傾向があります。
具体的にはモラルハラスメント(モラハラ)やDV(ドメスティックバイオレンス)のように、暴力や恫喝、脅迫めいた言葉で相手をコントロールしようとする人に依存してしまうような恋愛をしてしまいます。
また、あまりにも自己評価が低いために、恋人に対しても疑心暗鬼になったり、相手を試すような行動を取ってしまい、自ら恋愛関係を解消しようとすることもあります。
今回は、自己評価が低い人に見られる恋愛の特徴や心理についてお話しいたします。
自己評価が低い人が陥りやすい恋愛
すぐに恋に落ちてしまう
自己評価が低い人は自分のことを過度に低く評価してしまう一方で、自分以外の人のことを自分と比較して高く評価してしまいす。
「こんな惨めな自分に声をかけてくれるのだからいい人に違いない」」「こんな私のことを見てくれたのだから、きっといい人のはず」と、自己評価の低さゆえにちっぽけな自分のことを見てくれるだけでも相手のことを高く評価し、魅力的な人だと感じてしまいます。
世間一般で見れば「普通」の人でも、自己評価の低い人から見れば「中の上」「私にはない魅力がある」と思い込んでしまうので、社交辞令の挨拶であってもすぐに「自分に好意があるのでは?」と先走ってしまい、すぐに恋に落ちてしまいます。
もちろん、社交辞令ではなく本当に好意から接してくれることで恋愛感情を抱くこともありますが、自己評価の低さゆえに相手が本当に自分のことを好きなのかが気になったりなど、悩みは尽きません。
魅力がありすぎる人に対して引け目を感じる
自己評価の低さゆえに、自分よりも立派な人、魅力のある人に対しての高く評価しますが、一方で「あなたにはこんな惨めな私は似つかわしくない」「私なんかよりももっといい人がいるから」と、相手に対して引け目を感じてしまい、付き合っても辛く感じることがあります。
相手に魅力があると感じれば感じるほど、相手と比較して自分はなんて魅力がなくてちっぽけで不釣り合いな人間なんだと、自己否定や相手への申し訳なさを感じてしまい、自分から距離を取ってしまうこともあります。
魅力のある人への好意はあるものの、強すぎる魅力はそれだけで自分に対するプレッシャーだと感じることから、無意識のうちに相手を拒絶し、別れを切り出す原因にもなってしまいます。
相手に依存してしまう
自己評価の低さは時に自分の自信や精神的な拠り所を自分ではなく恋人に委ねてしまうために、精神的に相手に依存してしまうことがあります。
自己評価が低い人にとって、時に恋人がいることは「ちっぽけな自分でもこの世の中から必要とされている確たる証拠」「恋人がいるから自分には存在する価値がある」だと考えてししまい、自分の自信の源のように感じたり、自分らしさ(アイデンティティ)の根幹のように感じてしまいます。
しかし、自分以外の誰かに自信や自分らしさを求めてしまうと、関係が安定しているときは問題がなくとも、どちらかが我慢をし続けこれ以上恋人同士でいるのが辛くなった時に、自信や自分らしさが脅かされてしまいます。
また、残念ながら別れてしまうと自信を失ってしまってメンタルを病んだり、新たな拠り所を探して誰かに依存するように次から次へと恋人を作っては別れを繰り返すこともあります。
これはいわゆる「メンヘラ」と呼ばれる人にも見られる特徴で、恋人同士お互い我慢せず適度な依存関係が保てず、どちらか一報が我慢を強いられてしまう、長続きしない恋愛とも言えます。
モラハラやDVの被害者になりやすい
自己評価が低い人は、たとえどんなにひどい言葉の暴力や乱暴をされても、誰にも必要とされていない状況よりはマシだと考えてしまうことがあります。
孤独の淋しさで心を痛めるぐらいなら、どんなに乱暴な形であれ自分を必要としてくれる人がいる環境に、安心感を覚えてしまうのです。
そのため、言葉の暴力や理不尽な態度で行動を支配しようとするモラルハラスメント(モラハラ)やドメスティックバイオレンス(DV)の被害者になり、自分で傷つくことを選ぶような恋愛関係を築いてしまう傾向があります。
モラハラやDVと聞くと、女性の方が被害者になりがちと思われがちですが、もちろん男性の被害者もいます。
相手に心理的に依存しているため、辛いと感じても相談せずに「ちっぽけな自分には相手をしてくれる人がいるだけでも幸せなこと」と自分を納得させて、辛さを一人で抱え込もうとして疲弊してしまいます。
相手に不信感や嫉妬を抱いたまま付き合ってしまう
無事に相手と付き合うことになっても、自己評価の低さゆえに相手の何気ない言葉や態度にいちいちネガティブに反応してしまいます。
褒められたり、好意を伝えられたりしても「ひょっとしてお世辞で言っているのではないか」「誰にでも言っている言葉じゃないのか」「真に受けるのは間違っているのでは」と、疑心暗鬼になり、相手と心理的に距離を取ろうとします。
また相手に依存することで安心感を得ようとする関係だと、その安心感を脅かさすような出来事が起きた時に不安や嫉妬の感情が芽生える原因となってしまいます。
可愛くいえばやきもち、キツくいえば嫉妬となりますが、どちらも自分の安心できる環境が脅かされることへの恐怖や不安といった感情が元になっています。
恋愛関係を自分から解消しようとする
自己評価が低い人にとって自分に自信が持てないからこそ、恋愛を続ける自信も持てません。
自分を受け入れてくれる人は心の支えになる一方で、相手の存在そのものが自分みたいなちっぽけな人間にとってはプレッシャーになってしまい、別れを切り出してしまうことも少なくありません。
最初のうちは魅力的に見えた相手も付き合っていくうちに、魅力的すぎて自分にはもったいない、自分は本当にこの人と付き合えるだけの価値のある人間だとは思えないと思いつめてしまった結果、自ら恋愛に終止符を打ってしまいます。
自己評価が低いと恋愛そのものができなくなることも
自己評価が低いと、恋愛に対して「自分にようなちっぽけな人には似合わない」「恋愛はもっと自信のある人がやるべきことだ」と考えてしまうことから、恋愛そのものを自分から避けようとすることがあります。
たしかに平成以前と比較すると恋愛をする若者は数は減っており、誰もが気軽にすることからスクールカースト上位の人のように、ある程度地位や名誉、実力のある人がするべきものだと考えてしまい、自分は恋愛をするだけんの価値がない人間だと思い込んでしまう人も少なくありません。
恋愛をするとなれば、お互いに心を開くことは避けられません。
「どうせ自分なんて…」と考えていると、相手に心を開いてしまうと迷惑をかけてしまう、相手をがっかりさせてしまう、相手に嫌な思いをさせてしまうことだと感じるため、恋愛そのものを躊躇することがあります。
もちろん、自己評価の低さは恋愛だけでなく仕事や学校、家族や友達といった関係にも悪影響が出ます。
自信のなさや申し訳のなさが原因になって、意図的に人と交わるのを避けてしまうことでますます人間関係が苦手になるだけでなく、引きこもってしまい社会からも距離をとってしまう原因にもなります。
適度に自己評価を高めることは恋愛に依存しないためにも必要
自己評価は高すぎず低すぎず適度にあることが恋愛をする上では重要です。
過度に自己卑下をしているときは自分のことで頭の中はいっぱいであっても、相手からすれば自分の好意を否定されたと感じたり、自分の発言で相手を傷つけてしまったという誤解を生む原因になってしまいます。
自己評価が低すぎるのを解消するために恋人に依存してしまえば、相手の言動に振り回されて疲れたり、勝手に期待して勝手に失望してしまうことがあるので精神的な健康を保つためにはおすすめできません。
しかし、恋愛において依存は決して悪いものではありません。
自分らしさのように自分の性格の重要な部分を依存するのは後々自分を苦しめる原因になりますが、相手がいることで得られる安心感や満足感は自分のモチベーションや頑張るエネルギーとなり決して悪いものではありません、
過度な依存ではなく適度な依存であれば、お互い我慢をせず且つ幸せや充実感、健康的な日々を過ごすための活力となります。
なお、自己評価を高める方法については以前に書いた記事をご覧頂ければ幸いです。