駄サイクルで馴れ合わず抜け出すためのコツ

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ネット上では「駄サイクル」というネットスラングがあります。

駄サイクルとは、駄目の「駄」と循環を意味する「サイクル」とを組み合わせた言葉であり、駄目な人間関係の中で一歩も前進せず、自己顕示欲を満たすためだけに馴れ合うことを指した言葉です。

最近では駄目という意味ではなくかっこ悪いという意味の「ダサい」をかけて、打サイクルと言われることもあります。

小説を書く、イラストや漫画を描く、バンド、映像作品、ゲーム制作、などのクリエイティブな趣味や創作活動をしている人の間では、駄サイクルという言葉を知っている人が多く、戒めや自虐を込めて使われることがあります。

もちろん駄サイクルは創作活動に限らず仕事や勉強などでも見られ、いわゆる馴れ合う仲でよく見られます。

馴れ合いの関係は確かに緊張感もなく気楽なものですが、自分を磨きたい、手に職をつけたいと強く願っている時にはとてもめんどくさい人間関係でもあります。

今回は、そんな駄サイクルから抜け出すためのコツについてお話いたします。

駄サイクルとは

駄サイクルという言葉が初めて登場したのは、2008年に発表された石黒正数さんによる漫画『ネムルバカ』です。

ネムルバカの作内では駄サイクルは、

輪の中で需要と供給が成立し、自称ア~チストが何人か集まって、見る→ホメる→作る→ホメられる→見る→ホメる(以下略)を繰り返している。

自己顕示欲を満たすための完成された空間。

と、閉じた人間関係の中で作品を発表し、満足感を得るための行動だと説明されています。

これだけを見ると問題があるようには見えませんが、この説明の後に

自称ア~チストってのは常々楽しいと思える程度の練習はするが、本当に身になる苦しい修行はツラいからせず…

一方的に発表できる個展はするが、正式に裁きを受けるコンペやコンクールには身の程知るのが怖いから出ず…

馴れ合いの中で自分が才能あるア~チストだと錯覚していく…

と、地味で基礎的な練習や客観的な評価から逃げ、あくまでも仲間内で褒められるばかりに徹する。

その結果、気持ちが増長して勘違いを起こしてしまうことが何よりの問題であると説明しています。

勘違いを起こした結果、ナルシストな言動が目立って周囲から浮いたり、「自分は特別な人間である」という自意識を肥大させてしまい、現実の自分が見えなくなる原因になります。

作中では気取った自称アーティストによる現代アートの個展が開かれている店に行ったあとに、この駄サイクルの言葉の説明が登場しています。

芸術家や創作趣味のように人から褒められたり評価されることが多い場面では、つい自分で自分を過剰に評価してしまい、勘違いしてしまうことが多いので、調子に乗らないための自戒の言葉として使われることがあります。

ちなみにですが、褒めると似た言葉に「おだてる」という言葉がありますね。

おだてるは漢字で「煽てる」と書き、人をしきりに褒めていい気分にさせる、煽る(あおる)という意味を持っている言葉です。

やたらと褒める人は、ただ相手をいい気分にさせるだけでなく、煽って自分の思い通りに動くように仕向けるという狙いがあると見ることもできます。

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駄サイクルにハマる原因

人間関係が良好で非常に居心地がよい

駄サイクル内は「褒める→作る→褒められる→見る→褒める…」と閉じた人間関係の中で循環しており、厳しい言葉を言ったり、自分を否定する人がおらず、打たれ弱い人にとってはとても快適な空間が広がっているのです。

駄サイクル内では、たとえ絵が下手であっても自分の絵を発表したら「下手くそ」「もっと丁寧に描くべき」「デッサンが狂ってる」と言われることはありません。

むしろ「すげー!」「うまい!」「アートだ!」自分のことを肯定的に受け入れてくれるために、とても居心地がいいのです。

現代ではネットやSNSで自分の作品を発表すれば、不特定多数の人から誹謗中傷やネガティブなコメントが来やすく、批判的な意見に対して敏感して創作活動をやめてしまう例が少なくありません。

そんな批判コメントが目につきやすい状況だからこそ、なるべく批判が少なく安全で閉じた人間関係の中で自分の作品を発表し、褒められたいと感じる人の受け皿が駄サイクルとなっているように感じます。

地道な練習をしなくてもいい

絵を上達させたいならデッサン、歌を上達させたいならボイストレーニング、基礎的な練習が必要になります。

創作活動において基礎的な練習はスポーツでいう基礎体力を鍛えるためのトレーニング(走り込み、筋トレ、ストレッチなど)であり、身につけたい技術を付けるための下積みや土台作りにあたります。

ただ、地道なトレーニングはどうしても退屈になりがちで、同時に「地道なトレーニングをしている=自分はまだまだ未熟である」と感じやすいので挫折を引き起こす一因となります。

ところが、駄サイクルでは地道なトレーニングもせず、ありのままの自分が作った拙い作品でも認めてくれます。

地道な下積みの練習期間を経なくても、いつもスポーツでレギュラーになれるかのような気分を味わえるので、下積みなしで楽に認められたい、評価されたいと感じている人にとっては駄サイクルの沼にはまってしまうのです。

現実逃避には最適だから

駄サイクル内の人間関係では、本当に身になる地味で辛い基礎的な練習をしなくても誰も問題にはせず、基礎がなってない作品でも受け入れてくれるのです。

本当は上達したいけど、そのためにするべきめんどくさい練習から逃げている自分でも受け入れてくれるゆるい人間関係なのです。

現実逃避をしていても、自分のことを受け入れくれるので、つい甘えや奢りが出てもそれを直さず、自分を磨かなくてもいい馴れ合いの関係に依存してしまうのです。

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手軽に承認欲求を満たしやすい

駄サイクルにのめり込んでしまう人は、よその人間関係で散々下手言われたり、見向きもされなかった経験を積んだために心身共に疲れている人や、とにかく今すぐ認めて欲しいという承認欲求の強い人がのめり込む傾向があります。

まだまだ初心者で拙い自分でも、駄サイクル内ではそれこそ有名な芸術家のように賞賛が得られ、注目されるために、いままで認められてこれなかった人にとってはまさに探し求めていた場とも言えます。

しかし、まだまだ伸び代があるのに拙いままの自分でも褒められるという経験は、地に足つけて地道な基礎を重ねるためのやる気を奪います。

また、自分では拙いとわかっているだけに、駄サイクルの外に飛び出て自分の作品を発表して妥当な評価を受ければ肥大した自尊心が崩れる事を恐るので、馴れ合いから逃れられなくなる一因となります。

駄サイクルから抜け出すためにできること

馴れ合いばかりで練習しなければ実力は身につかない事を理解する

馴れ合いばかりに時間をつかい、本当にやるべき地道な練習に時間を使わなければ実力が身につかないのも無理はありません。

馴れ合いの関係は確かに心地の良いものですが、同時に馴れ合うことに依存したり、辛くめんどくさい練習をしない自分を正当化してしまう原因にもなります。

厳しい指摘を言ってくれる人を大事にする

駄サイクル内は基本的に厳しい事を言うひとはいません。

本当に自分の技術を磨きたい、何かを上達させたいと考えているのであれば、ただお世辞のように褒めてくれる人だけでなく、自分のためになる厳しい事を言ってくれる人を大事にするようにしましょう。

もちろん、最初のうちは厳しいことを言われて心が傷ついたり、自分の存在を否定されたかのように感じることもあろうかと思います。

しかし、そこで厳しさから逃げて駄サイクルに戻ってしまっては、今と同じままです。

厳しい言葉を言われても、実際に自分の人生や生き様を否定されたとショックを受けるのではなく、問題となっているところを直せば、「より自分の作品の質が上がる、いいものになる」のだと、指摘を受け入れたあとの自分の姿をイメージしてみるようにしましょう。

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目標を具体的にしてやるべき事をはっきりさせておく

初心者の人は、自分が打ち込みたいものに対して漠然とした目標を抱いていますが、具体的にその目標をするために何をすべきかいいか、何を始めればいいかわからないままであるということがよくあります。

例えば、絵が上手くなりたいと考えている人の場合、まず何から描けばいいのか、上手くなってどういう絵が描きたいのか…と具体的な目標まで考えられず、漠然と「絵が上手くなりたい」という目標だけで止まっていることが多くあります。

目標が漠然としているので、具体的に何をやればいいのかもぼんやりとするのは無理もありません。

ですので、絵が上手くなりたいという目標を更に詰めていき

  • 「まっすぐな線を描けるようにする」
  • 「3ヶ月で人間の顔を理解して描けるようにする」
  • 「デッサンを100枚描き通す」

と、締切を作ったり、目標を細かく具体的にしてよりやるべきことを明確にしていくことが大事です。

もちろん絵の世界に限らず、スポーツや仕事の世界でも同じです。

本当に「その道のプロになりたい」とか「技術を身につけたい、向上させたい」と考えている場合は、大きな目標を持つと当時に、その目標に関連した細かい目標を作っていくようにしましょう。

細かい目標まで決めることができたら、自分が馴れ合いや駄サイクルのような人間関係がはたして必要なのかどうかを客観的に考えることができるようになります。

国立大教育学部卒、専攻は心理学。発達心理学、教育心理学、スポーツ心理学、社会心理学を中心に心理学に関する記事を執筆中。そのほかにも、人間関係やコミュニケーション、性格、スマホ、SNS、ゲームなどのあらゆるテーマを心理学の知識を用いて詳しく、面白い記事を書くことを心がけております。

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