ポジティブ思考の強すぎる人が疲れる理由について

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一般的にポジティブ思考は良いことである、積極的に見習うべきである…という意見があるものですが、過度なポジティブ思考を持っている人にうざさを感じたり、なんだか危なっかしいものを感じる人は少なくないと思います。

ポジティブ思考がいいものとして扱われているだけに、正直やめてほしいとは言いにくい。

また、良いとされているものに対して断りを入れようものなら「そんなネガティブではダメだよ!」とお節介アドバイスされて、非常に扱いに困った経験をした人は、それなりおられようかと思います。(「ネガティブはダメだよ」というお節介は、ネガティブなものでありポジティブ主義に反するのではないかとツッコミを入れたいが…)

今回はそんなポジティブ思考の強すぎる人が疲れる理由についてお話し致します。

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ポジティブ思考の押し売り、押し付けがめんどさくい

どんなに苦しい時でも笑顔を絶やさないだとか、何事にも感謝の気持ちを忘れないだとか、他人の成功や幸せを喜ぶことこそ人間のあるべき姿だとか、お金の「円(JPY)」を「縁」と書いたり「私」のことを「和多志」と書いたりするとか…そういうポジティブ思考を自分一人のポリシーとして持つのならともかく、それを他人に押し付けてくるのが、ポジティブすぎる人がウザがられる主な原因です。

なにせ、ポジティブ且つ善意で押し付けているために、自分のやっていることが実は他人の迷惑になっている事や、相手の意見や主張を否定している事をなかなか自覚できない。

自分はいいこと、ポジティブで感謝されるはずのことをやっているのに、どうしてそのことが他人からウザがられているのか…という原因が自分にあること理解できないまま、押し売りをしつこく繰り返してしまうので煙たがられるのです。

単刀直入に言えば余計なお世話、ありがた迷惑をしているからこそウザがられるのですが、当の本人はそれを認めようとしない。

もし仮に認めようものなら、ポジティブ思考を重んじている自分が、他人に対してネガティブなことをしているという矛盾を認めることと同じです。そのことで精神的な苦痛を味わう恐怖があるからこそ、無意識のうちに自分に原因がある可能性を徹底的に排除しているとも考えられます。

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ネガティブな人をナチュラルに見下している態度が気に食わない

「自分はネガティブな人を救済する大事な役目がある。ネガティブな人は不幸でかわいそうな人だから、そんな人がポジティブ思考をできるように導美ければハッピーだ!」とでも言いたげな、尊大で傲慢な態度を無意識にしていることが、めんどくささを感じる原因です。

ナチュラルにポジティブである自分の方が格上であり、清らかで美しい存在とみなす。一方で、ネガティブ思考を持っている人は、無条件に哀れで惨めで可哀想で醜く汚い格下の人間であるとみなし、自分たちが信奉しているポジティブ思考を授けて幸福にしてあげよう…という、自分勝手な態度が嫌われる諸悪の根源なのです。

何がハッピーかどうかを決めるのは、ポジティブ思考をしている人ではないですし、個々人がそれぞれ持つ価値観が決めているものです。そこに、優劣を挟めば衝突が起きるのも無理はありません。

また、一般的に「ポジティブ思考=良い事」という、常識という名の後ろ盾もあるために、ポジティブ思考の強い人は増長してだんだん傲慢になることがあります。まるで「ポジティブにあらずんば人にあらず」というような、驕り高ぶった態度を見せることもあります。

しかし、たとえネガティブ思考を持っているからといって、相手の意見や主張を聞かずに、一方的に考えを改めるように圧力をかけることは、言うなれば相手を一人の人間として尊重せず、自分の支配下に置こうとするのと同じです。

たとえその行為が善意からくるものであっても、相手への尊重や配慮が欠けているために、煙たがられてしまうのも無理はありません。

「ポジティブであるべき」という強迫観念に追われているように見えてハラハラする

やたらポジティブ思考に傾倒している人を見ていると、なんだか「どんな時でもポジティブであらねばならない」という、強迫観念のようなものを感じて、危なっかしさを感じます。

まるで、潔癖症の人が何度も手を洗って綺麗であることを確認するように「自分に関わるもの全てをポジティブに染めなければ気が済まない!」というような気迫を感じて、見ていて怖くなることがあります。

なお、強迫観念の根底には、不安や恐怖を抱えている。この場合なら、ネガティブなものを絶対的な悪や穢れたものと認識して強く拒絶するものの、自分の内面にネガティブな感情や心理があると気づいて苦痛を感じてしまった。その結果、自分が関わるもの全てをポジティブに染め、不安から逃れることに必死であるように見えます。

表面的には明るくてネガティブな感情とは無縁に見えるのですが、その様子はどこか苦しそうであり、決してポジティブを楽しんでいるようには見えません。

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何事も「ポジティブ」と「ネガティブ」の二種類しかないという二元論的な思考に危うさを覚える

ポジティブ思考が強すぎる人は、何事も「ポジティブ」と「ネガティブ」の二種類しかないという、単純すぎて中庸さを欠いた両極端な思考をしていることが目立ちます。

たしかに、白と黒、光と闇、陽と陰、善と悪…など、二項対立で語られるものは多数ありますが、全てが白か黒かではっきり分けられるほどに世の中単純ではないことは、冷静に考えればわかるものだと思います。

ポジティブでもネガティブでもない中立的な意見であったり、ポジ・ネガの双方を取り入れた折衷案など、きっぱりポジとネガの二つに別れるということは少なく、雑多で、曖昧で、多面的で白でも黒でもない、あらゆる濃度のグレーな意見が点在しているものです。

しかし、ポジティブ思考が強すぎる人は、そうした雑多さや曖昧さを無視して、白黒はっきりさせて考えてしまう。「ポジティブ=善、ネガティブ=悪」という極端な二元論に陥り、現実を歪んで認識していると言えます。(=認知の歪みの「オール・オア・ナッシング」、完璧主義な人にもこの傾向が見られます。)

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ポジティブがそぐわない場面でもポジティブにしていて危なっかしさを感じる

借金が大量にある、仕事をやめて収入源を失った、他人に騙されて被害を受けた…など、直面している問題に対して冷静に対処することが大事なのに、それを無視して「でもそんなの関係ねぇ!なんとかなる」と、行き過ぎた開き直りとも取れるポジティブ思考をすることは、なんだか見ていて不安を感じます。

受け入れがたい現実を目の前にして、冷静さを失うことはおかしくありませんが、だからといってポジティブという感情に流されて、余計に現実を見失ってしまうのは、お世辞にも推奨できる事だとは感じません。

受け入れがたい現実を受け止める苦痛から逃れられるかもしれませんが、逃れたからといって、借金が消えるわけでもないですし(むしろ利息で返済額が増える)、収入が絶たれた状況は依然として残り続けます。

ポジティブという名の現実逃避をせず、現実と向き合っていくことが、長い目で見れば自分の幸せにつながるのではないかと、他人事ながら感じます。

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余談:過度なポジティブ思考と悪徳商法

余談になりますが、過度なポジティブ思考は「会社員をやめて、1日たったの10分で会社員時代の百倍以上の給料や不労所得を稼ぐ方法を教えます!詳しくはこちらのメールマガジンを購読!」というような、いかにもアレで胡散臭いネットビジネス、情報商材、副業指南セミナー、マルチ商法に関わっている人、つまり悪徳商法をしている人によく見られる傾向があります。

楽というか何もせずに稼げる…という夢を見てる人が夢から覚めないための、マインドコントロールとして利用されているようにも見えます。

そもそも悪徳商法と言っても、それだけで十分稼げるということはまずない。実際はロクに稼げないのに「稼げますよ」という、期待感、雰囲気、情報、夢などを売ることで(みみっちい)収入得ているに過ぎない。依然として困窮している、将来への不安が消えない、不安定な収入であるために不安を感じやすいのが実情です。

そんな強い不安を感じているからこそ、反動として過度なポジティブ思考にのめり込み、見たくない不都合な現実から必死に目を背けているのだと考えられます。

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国立大教育学部卒、専攻は心理学。発達心理学、教育心理学、スポーツ心理学、社会心理学を中心に心理学に関する記事を執筆中。そのほかにも、人間関係やコミュニケーション、性格、スマホ、SNS、ゲームなどのあらゆるテーマを心理学の知識を用いて詳しく、面白い記事を書くことを心がけております。

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