ポジティブ思考になりたい人が気をつけておくべきこと

この記事が気に入ったらシェア

スポンサーリンク

物事をひねくれた視点で見ず、なるべく前向きに捉えてポジティブ思考を心がけることは、モヤモヤとした気持ちで苦しむのも避ける意味でも、そして人間関係で相手に不快感や心配をかけないためにも効果的なことと言えます。

しかし、「ポジティブになりたい!」という気持ちが空回りした結果、まるでお花畑思考のように現実離れした支離滅裂な思考を招き、周囲の人から理解や共感が得られない。

むしろ、若干引き気味に接っして、関係に溝ができてしまう事になってしまえば、社会生活を送る上で別の悩みを抱える原因になります。

今回は、そんなポジティブ思考を身に付けたいと願う人が心がけておくべき事について、お話し致します。

「ポジティブ思考=万能、完璧」という思い込みを手放す

確かにポジティブ思考は自分が抱いている辛さを和らげたり、過度に落ち込んでいる自分の気持ちを切り替えて奮い立たせてくれることが期待できますが、その効果がどんな場面や状況でも有効であり万能の思考である…というような強い思い込みを手放すことが大事です。

自己啓発本やビジネス書などでは「ポジティブ思考をすればどんな悩みも解決しますよ!」とでも言いたげなほど、ポジティブ思考が持ち上げられている。そして、ポジティブ思考を信奉する人たちも、自分たちが信奉しているポジティブ思考は、絶対に安全であり、安心であり、安定しているという類の考えを持っていることでしょう。

しかし、ポジティブ思考を世の中に数多く存在している物の見方(=思想)の一つであると考えた場合、一つの思想に全てを委ねることは、自分の考え方や視野を狭めてしまい、柔軟な考えをしづらくなることとも言えます。

また、一つの思想に全てを委ねてしまうために、自分と違う思想…とくに、ポジティブ思考と対になるネガティブ思考を持つ人に対して、過度に排他的な態度を取ったり、不要な衝突を起こしてしまう可能性もあります。

関連記事

ポジティブ思考の強すぎる人が疲れる理由について
一般的にポジティブ思考は良いことである、積極的に見習うべきである…という意見があるものですが、過度なポジティブ思考を持っている人にうざさを感

自分のネガティブな感情や心理を徹底的に排除しようとない

ポジティブ思考を持ちたいと願う人に多いのが、自分が持つネガティブな感情(卑屈になる、暗い気持ちを抱える、嫌う、嫉妬する、羨む、怠けたい、他人を支配したい…など)があることを認めたくない気持ちの強さがある。

自分は、人間の内面の醜くさや愚かさとは無縁で、美しく穢れのない人間でありたいという願望の強さゆえに、それを体現してくれるポジティブ思考に強い憧れを抱くことがあります。

そんなポジティブ思考への強い憧れは、自分がポジティブ思考に順応しており快適な場面では問題は起こりません。

しかし、事故、病気、親しい人との死など、自分の力ではどうにもできない受け入れがたい状況に陥ったときに自ずと感じる、悲しさ、辛さ、苦しさなどの感情を持つときに、強い葛藤を覚えてしまう。ポジティブでいられない自分に対して、自己嫌悪の念を抱いてしまうことがあります。

こうした葛藤を防ぐためには、自分の内面にはポジティブ・ネガティブ両方の部分があることを認め、その上で少しでもいいからポジティブになることを理解することです。

ネガティブな感情を抑圧することは、道徳的には正しいことかもしれませんが、言い換えればトイレに行きたいのを我慢して、苦しくなっているのと同じです。

当然我慢してばかりでは体調を崩しますし、不安や苛立ちなどを感じて、いずれポジティブでいられなくなる懸念があるので、ネガティブな部分もしっかりあると認めることは、ポジティブ思考にがんじがらめになって、自分で自分を追い込まないためにも大事なのです。

スポンサーリンク

ネガティブな人を見下さない、敵視しない

ポジティブ思考のおかげで明るくなった。そして、周囲からの評判も良くなり、褒められたり、尊敬されるようになったことで、気分が増長して傲慢な態度を取ってしまうことがよくあります。

暗い性格をしている人や卑屈な考えをしている人を見下したり、ポジティブ思考を大事にしている自分の宿敵かのように接した結果、相手に余計なプレッシャーを与えてしまうことは、あまり好ましいとは言えないでしょう。

かつて自分がネガティブ思考にとらわれていたからこそ、見たくない過去の自分を想起させる現在進行形でネガティブ思考をしている人に対して、生理的な嫌悪感を抱くことがあるかもしれませんが、そこはぐっと堪えて露骨に見下さない、敵視しないこと。

そして、「自分はポジティブ思考を体得しただけではなく、ただ増長して付け上がっているだけではないのか?」という、自分への冷静な批判の懐疑の視点を持つように心がけることが大事です。

ポジティブな人とだけ付き合うことは避ける

ポジティブ思考を身に付けたからこそ、できれば同じようなポジティブ思考を持っている人ばかりと、衝突もない心地よい人間関係を構築したいと願うかもしれません。

しかし、いつもポジティブ思考な人ばかりと付き合っていると、ただ自分が周囲に流されているだけに思えて、自分で自分のことがよくわからなくなったり、「周囲にポジティブな人がいなければ、自分は安心を感じられない弱いな人間だ…」という悩みを抱える原因になります。

また、ポジティブ思考な人ばかりに囲まれる関係を続けたために、自分と価値観が合わない人に対してマウントを取り、自分の方が正しく優れた考えを持っていると、排他的な態度を取ってしまうことも起こりえます。

ポジティブな人同士と付き合いたい気持ちはあるでしょうが、ポジ・ネガ関係なく、なるべく多様な価値観に触れておき、自分とは違うタイプの人と出会うことがあっても、ひどく動揺しないよう訓練しておくことが大事です。

特に、仕事の人間関係やママ友との人間関係など、社会生活を送る上では自分が苦手だと感じる人と、それなりに上手く付き合うことが求められる場面が出てくるものです。

そうした場面で「この人はネガティブだからブロックする」とSNSのように関係を遮断することは、まず不可能です。不可能だからこそ、それなりに上手く付き合うという目的を果たすためにも、なるべく多様な価値観を持つ人との交流を重ねておくことが大事なのです。

スポンサーリンク

ポジティブでいることが楽しめないのならポジティブ思考をやめていいと心得る

ポジティブ思考を実践していても

  • なんとなく居心地の悪さを感じて落ち着かない。
  • なんでも「ポジティブじゃなきゃダメ」と強迫的に考えてしまって辛い。
  • むしろ、余計にネガティブなことに過敏に注目するようになって疲れやすい。

と、全然ポジティブ思考を楽しめていないのであれば、潔くポジティブ思考を諦めることも大事です。

ポジティブ思考は数ある思考の中のほんの一つでしかなく、無理なく合う人もいれば、合わせることに苦痛を感じてしまう人がいても、何ら不思議ではありません。

なお、心理学では、悲観的に物事を捉えやすいからこそ、石橋を叩くように何事も慎重さを忘れずに行動することで、安心感を得る人もいます。(=防衛的悲観主義)

ポジティブ思考になりたいと夢見る人は、ともすればポジティブ思考こそ至高にして絶対であり、それ以外の思考はどれもポジティブ思考未満で劣っている…というような、極端に偏った考え方をしているために、一度ポジティブ思考を始めると、合ってなくても無理に続けてしまうことがあるものです。

しかし、防衛的悲観主義という言葉があるように、なにもポジティブ思考だけが唯一の正解ではありません。

いろんな考え方、物の見方があって、それぞれ魅力も欠点もある。ただそれだけあり、そこに優劣や強弱と言った概念を挟まないこと。

そして、「自分はポジティブ思考以外の方が、実は緊張せずに済むのでは?変な緊張感や窮屈さを覚えずに済むのではないか?」と、一歩引いてポジティブ思考を見る姿勢を持つことも大事です。

関連記事

「防衛的悲観主義」ポジティブ思考になると不安を感じてしまう人の心理
メンタルを鍛えるためや、やる気やモチベーションを上げるためにポジティブ思考を心掛ている人は多くいます。 ネガティブ思考だと、不安やスト
ポジティブ思考でストレスを抱え込んでしまう人にありがちな特徴について
「ネガティブで後ろ向きな人生を送るよりも、ポジティブ思考になり明るく前向きな生活を送る方が何倍も良い!」というような記事や本はよく見かけます

国立大教育学部卒、専攻は心理学。発達心理学、教育心理学、スポーツ心理学、社会心理学を中心に心理学に関する記事を執筆中。そのほかにも、人間関係やコミュニケーション、性格、スマホ、SNS、ゲームなどのあらゆるテーマを心理学の知識を用いて詳しく、面白い記事を書くことを心がけております。

広告掲載、記事執筆のご依頼などはこちらから。