いわゆる打たれ弱くて豆腐メンタルな自分を変えるために、メンタルを鍛えようとする心意気は素晴らしいものです。
しかし、いざメンタルを鍛え始めるために専門書や自己啓発書などの本を読んで実践してみたところ、逆に不安を強く感じてしまったりストレスを感じてしまって、思うようにメンタルが強くならない自分を責めてしまう人もいます。
トレーニングに真面目に取り組めば取り組むほど、どんどん不安は増えてしまい気が付けばトレーニングを始める前よりも、心が弱くなっているような気すら感じてしまうこともあります。
今回は、メンタルを鍛えようとした結果、逆にメンタルが弱くなったと感じてしまう人のために向けてまとめです。
メンタルを強くするには、まずは自分の性格や考え方の癖を知るのが重要
メンタルを強くする方法に正解を見つけようとしてませんか?
本屋に行けば心理学に関する本やエッセイ、ビジネス書コーナーでよくある意識を高く持って仕事に取り組めるような自己啓発書など、メンタルを強くしたいと思う人に向けて書かれた本がたくさん揃えられている光景を目にします。
インターネットの世界にも、このブログも含めてメンタルを強くする方法に関する記事がたくさん存在しており、メンタルを強くする方法は数多く存在しています。
これだけ多くのメンタルトレーニングに関する情報があれば、メンタルを強くする方法は無数にあるように思えます。しかし、実際はメンタルを強くしようとしてあれこれいろんな情報を目にすればするほど、その内メンタルを強くするのには共通点を多く見つける事になるでしょう。
例えば「ポジティブ思考を身に付ける」「運動や筋トレで体を鍛える」「視野を広く持って自分の考え方を狭めない」「環境を変える」「達成感や自己肯定感を身に付ける」などの共通している考え方があります。
でも、それらの方法を試してもうまく行かない。じゃぁ、自分のメンタルを強くする方法って一体どこにあるのだろう…と迷い続けているうちに、精神的な疲労が重なりメンタルが弱くなっているという人をよく見かけます。
メンタルが強くする「正解」を探そうとしても、実際に誰にも当てはまる「正解」は存在しません。スポーツやビジネス成功している人の考え方は、あくまでも当人にとってはぴったりの考え方に過ぎず、生まれも育ちも違う人全員に同じで効果があると決め付ける事はできません。
一般的に良いと思われているポジティブ思考にも、それで不安を感じる人がいます。そんな人が無理やりポジティブ思考になろうとすれば、逆に不安やストレスを抱えてしまうのは想像しやすいと思います。
それでは、どうしていくのが大切かというと、自分の考え方の癖や性格をしっかりと知っていく、つまりメンタルの特徴を知った上で、メンタルを鍛えていくことが大切になります。
自分のメンタルの特徴を知ってからトレーニングに取り組もう
ただ、メンタルを強くしたいという気持ちで突っ走って、やみくもにトレーニングをしても、効果は当然出にくくなります。そして、効果が出ないのがわかっているのに、それでも続けてしまっていては意味がありません。
メンタルを鍛えるにあたっては、自分のメンタルの特徴をあらかじめ調べておくことが大切になります。
例えば、筋トレ初心者がいきなり短期間でムキムキになろうとして、負荷の強いウェイトトレーニングをすれば、怪我や故障が起きやすくなります。
初心者であれば、まずは筋トレの目的、運動歴、自分の筋力、一週間にトレーニングに割ける時間などのトレーニングを進めるにあたっての具体的な情報を把握する。その上で、怪我をしないような安全な負荷で、着実にトレーニングを進めていくのが基本になります。
メンタルもそれと同じです。メンタルを鍛える目的や、自分の性格、考え方の癖(認知の歪みなど)、などのトレーニングを進めるにあたっての具体的な情報をしっかり把握する事が重要です。
他人との比較はメンタルを鍛えるのに必要ない
筋トレの場合同じ回数、同じウェイト、同じフォームで筋肉を鍛えて、人によってはトレーニングの効果や効果が出るまでの時間の差は異なります。
メンタルもそれと同じです。例えば同じメンタルトレーニングをしていても、人によっては効果が出るのが早かったり、逆に時間がかかってしまうこともあります。そこでよくやってしまうのは、他人と比べて効果が出る(例えば自信がつくなど)のが遅いことで自分を責めてしまうという行動。
とくに、今すぐにでもメンタルを鍛えたいという人ほど、メンタルが強くならない自分を責めてしまう行動を取ってしまう傾向があります。
メンタルを強くするのは、他人と比較したりマウンティングをするためではないはずです。メンタルを鍛えるのは自分自身の目標や夢を叶えるためにしている、という事を忘れず、自分の成長のペースに合わせて、じっくりをトレーニングを継続していくようにしましょう。
なお、実際にメンタルトレーニングの効果が出るのにかなんる時間は、スポーツの場面では2週~2ヶ月と言われています。普段からトレーニングを積んでいるスポーツ選手ですら長ければ2ヶ月もかかるので、なにもトレーニングをしていない一般の学生や社会人ならそれ以上かかることも十分あります。
長年かけて自分が今まで作り上げてきた思考の癖や考え方が、数日かそこらで180度変わると言うのは無茶のある話です。
毎日1度ずつでも変えていけば、半年で180度変えることができるように、長期スパンで見て。小さなことからコツコツとメンタルを変えていく習慣をつけるのがメンタルを強くしやすい考え方です。
専門家によるメンタル指導を受けている場合
有料で受ける指導には「損をしたくない」という心理が働く
メンタルを強くするために、本やブログに留まらず、実際にメンタルトレーナーや専門家に相談したり、カウンセリングを受けるというケースもあります。
ただ、当然ながらそれらサービスは無料ではなく、小学生のお小遣いではなく、1回で数千円~数万円、年間で数十万円のお金が必要になるというケースもあります。
けっして安くはないお金をメンタルトレーニングやセミナー、コーチングに費やすほど、途中で「実はこのセミナー…自分に向いていないのでは?」と感じてもやめにくくなってしまうのはよくある事です。
「自分からメンタルを強くしたいと思っ指導を受けているに、途中でやめるのは恥ずかしい」
「せっかく多額の金額と時間を投資したのに、個々で諦めてはもったいない!」と感じて、メンタルを強くするのではなく受講料を無駄にしないためにセミナーやコーチングを受けてしまっているという状況では、メンタルも強くなりにくくなるものです。
本なら自分に合わない場合中古で売ってしまうという自己完結で終われますが、実際に専門の人と会って話しをした場合だと、「嫌われたくない」「怒られたくない」という心理も働きやすく、途中でやめるのもなかなか言い出しづらくなります。
当初の「(スポーツや仕事のために)メンタルを強くしよう」という目的を見失い、ただ自己投資したお金や時間を無駄にしたくない、投資した分の元を取りたいという気持ちでは、メンタルが強くならないのは無理もありません。
元を取りたいという心理自体、今まで費やした時間やお金が無駄になってしまうのを恐れる心理なので、メンタルにいい状況とは呼べません。
課金ありのスマホゲームがなかなかやめられないのと同じで、メンタルの強化にお金や時間を費やす人ほど、今まで費やしてきたものを無駄にしたくないという心理が働きます。
セミナー主催者が受講者の事を考えていないケースも
また、セミナーを主催しているメンタルトレーナーや講師も、当然受講者のためにという純粋な気持ちから指導をしているのが大半ですが、中にはリピーターを確保したい、もっと利益を上げたいという方針で、受講者のことよりも自分の商売を優先している可能性もあります。
そんな人から見れば「すみませんけど、コーチングを受けるのを止めたいと考えています…」と打ち明けられればなんとしてでも止めようとして、受講者にとってはストレスです。
あまり綺麗な言葉ではありませんが、セミナー講師にとっては受講者が金づる、ネギをしょったカモに見えてしまっていては、メンタルどうこうの話ではありません。
病院で複数の医者に診てもらう「セカンドオピニオン」という言葉のように、複数の専門家の意見を聞いた上で、自分で判断を下していくという姿勢を持つようにこころがけましょう。
そもそもで言えば、メンタルを強くしたいと思ってセミナーやコーチングを考えている人は、あまり広い視野を持っているとは言えず、漠然とした不安や悩みを抱えていて精神的に余裕がない状態です。
そういった余裕のない人の不安に漬け込んで、売上のためだけに気持ちのいいポエムのような言葉を投げて、根本的なメンタルの強化に結びつけるという商売方法も残念なことに存在しています。傍から見れば宗教やマルチ商法、雰囲気商法に見えてしまい「やってるんだろう…あの人たち?」と不思議に思われてしまうのも無理はありません。
加えて、いちいちメンタルを鍛えようという気持ちがない、メンタルトレーニングの必要性を感じていないという人にとっては、メンタルトレーニングやカウンセリングといったサービスとはあまり縁の無いと言ってもいえます。
メンタルが強いからこそ、いちいちメンタルトレーニングをしたりメンタルを強くするための本や情報を読み込んでいない。逆にメンタルの弱いの人ほど、なんとかしてメンタルを強くする情報を熱心に調べて、あれこれ購入していると皮肉も見かけます。