失敗を極端に恐れる若者とインターネットの発展との関連性について

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「今時の若者は失敗を怖がりすぎている」「最近の若い人はチャレンジ精神がない」…という類の言葉は、おそらくどの時代でも言われてきた言葉のように感じます。

若者が失敗に恐怖を感じる理由は、人生経験が浅いために新しいことに必要以上に恐怖心を抱いているとか、先行きの見えない未来を悲観視したことで、人生で失敗をすると割りと洒落にならない目に遭う姿(例:貧困に苦しむ等)を想像してしまう…ことなどが、挙げられるでしょう。

しかし、ここに現代ならでは恐怖を感じる根源として加えたいのが「インターネット」の登場と発展です。

今回は、インターネットが失敗を恐れる若者の心理に、どのような影響を及ぼしているかに関する考察についてお話しいたします。

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人間関係も仕事も勉強も、失敗しない方法は全部ネット上にある現代社会

今やスマホを使えば、仕事、勉強、恋愛、友達関係、スポーツ、趣味、子育て…など、あらゆる場面で失敗しないための情報を簡単に入手できる時代です。

しかも、その情報は基本的に無料であり、且つネット上に大量に存在している。もちろん、文章だけでなく、イラストや図解付きの解説、漫画で説明されているもの、動画(youtube)で説明されているものなど、あらゆる形式で存在しています。

更には、知恵袋や質問箱のように匿名で質問をして助言を聞くこともできますし、その道の専門家(自称含む)に無料で相談して、アドバイスを頂くことも可能。

なお、今のようにネットが発達する以前は、本で調べるにしても検索機能などあるわけなく、目次で確認して該当するページを開く手間が要りました。また、そもそも本屋や図書館に行って、お目当ての本を探すために労力を割く必要性もあったものです。

また、本以外には新聞なり、テレビの録画なり、あるいは両親や両祖父、先生、上司など、人生の先輩に相談することで失敗を回避する方法を探せたものです。

しかし、それらもインターネットと比較すると精度はお世辞にも高いものばかりとは呼べなかった。人生の先輩ではあるが、自分が悩んでいることの専門家でもあるとは限らず、求めていた答えが出てくる点では、インターネットには到底及ばないものでした。

このように、インターネットのおかげで人生における失敗を回避するためのアドバイスは、昔と比較するとはるかに入手しやすく制度も高い。

それも、ニッチで細かい悩みであっても、検索すれば何かしらのアドバイスが見つかるし、場合によっては知恵袋に投稿してアドバイスをもらうこともできる。

そんなインターネットの恩恵を受けて育ってきた若者の中には、「人生における失敗は限りなく減らせるし、むしろ試行錯誤もせず効率的に成功を収められる」と、疑いもなく考えている人が多いのではないかと感じます。

検索すれば失敗を防げる情報が手に入る時代だからこそ、なおさら「失敗」に怖さを感じる

ネット上に失敗しないための情報が溢れている現代において、もしも勉強、仕事、恋愛なりで失敗を起こしてしまえば、「これだけ失敗しない世の中なのに失敗するなんて…人としての基本的な能力に問題があるのでは?」と、周囲から過小評価を受けしまうことを恐れる心理が芽生えても不思議ではないように感じます。

インターネットがない時代は、失敗を防ぐための情報を入手するのにも手間がかかりましたし、入手したとしても、それが自分に合っているものではないことも普通だった。

そのため、失敗するかもしれないけど、とりあえずやってみて感触を掴んでみたり、手探りでやってみてブラッシュアップをしていく中で、自分が求めていた成功を手にして、失敗してもおかしくない状況を上手く切り抜けてきたものです。

しかし、今は簡単にネット上で失敗を避け、成功するための情報が手に入る。失敗する確率はグンと減り、試行錯誤の段階でウンウン悩む時間も味わうこともなく、効率的且つ容易に成功が手に入のが普通であるという認識を、若者は持っている。

そうなると、失敗することは、悪い意味でレアなケースであると認識してしまう。そんな悪い意味のレアケースに自分が該当しようものなら、当然恥や苦痛を強く感じるであろうことは想像できてしまう。

良くも悪くも、失敗しにくい豊かな世の中へと発展したことが、かえって失敗に対する恐怖心を強めているのだと考えられます。

なお、失敗が悪い意味でレアケースになると、無理に新しいことに挑戦するよりも、現状維持を貫き何もしない方が賢明である…という考え方を持つのも、至って自然だと感じます。

下手に挑戦するような真似をしなければ、失敗することはない。失敗しないのであれば、自分が悪い意味でのレアケースとなり嘲笑や中傷を受ける心配もないという安心感がある。だからこそ、現状維持に徹することは、失敗を恐れる若者からすれば理にかなっている行動と言えます。

失敗したことがデジタルタトゥーとなって残り続ける恐怖

インターネットでは失敗を防ぐための情報があふれてますが、同時に失敗したらどのような結末をたどるのか…という、失敗談も大量に存在しています。

たとえば、

  • 受験、就職活動、恋愛で失敗した人間の末路。
  • 多額の借金を抱えた人間の末路。
  • 将来なりたい夢を追いかけたものの、挫折した人の末路。

など、見なければ幸せだったであろう情報までも、簡単に知れてしまうのがネットの功罪です。

ただ失敗して悲惨な目にあうだけでなく、どういうふうに悲惨になるのか、その過程でどのような苦難や屈辱が待ち受けているのかまでも事細かく知れる。そして、知ってしまったことにより、失敗した時に起きる最悪の状態を生々しくイメージできてしまうことが、失敗に対する恐怖心を強くさせているように感じます。

また、失敗した人がネット上で笑いものになるだけでなく、どのようなことをやらかしたのかまでも半永久的に残り続けるのが、ネットの世界の怖さでもあります。

たとえば、

  • 号泣記者会見が大きな話題になり、動画サイトでMAD動画が大量に投稿された某県議会議員。
  • 「スタップ細胞はあります」で世間を賑わした、某理系女子。
  • 耳が聞こえないと称しながら、実はそれが嘘であることが発覚した某音楽家。
  • 経営コンサルをしていたが、後に学歴・経歴詐称が発覚した某K氏

など、おそらく一度は聞くなり見るなりしたことがあるであろう人たちは、今になっても時々ネタにされることがあるものです。

また、上で述べた人たちがどのようなことをやらかしたかについては、ネットで検索すればバッチリ出てきます。

このようにネット上で残る消せない過去の失敗のことを「デジタルタトゥー」と呼び、その名称からもわかるように、一度やらかしたことがネット上で書かれれば、それは半永久的に消せないという、刺青のような特徴を持っています。

現代において失敗を恐れる若者の中には、自分の失敗した姿がデジタルタトゥーとなる。そして、検索さえすれば多くの人から自分の失敗の内容を閲覧し、恥ずかしい思いを幾度となくする不安がある。

加えて、恥ずかしい思いをしているから情報を削除して欲しいと願っても、他の誰かがコピペを繰り返して完璧に削除されないどころか、むしろ拡散&炎上へと発展し、文字通り火に油を注いでしまう結末になっても、なんらおかしくない。

そんなイメージが脳裏に浮かぶからこそ、余計に失敗に対する恐怖心が増しているのだとも考えられます。

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