嫌なことがあったらすぐに逃げてしまう逃げ癖は、ただ自信を失うだけでなく、無力感を招くせいで、進学、就職、結婚などの人生の大きな選択まで避けてしまう事につながりかねません。
また、失敗しそうな場面になると、自信のなさや自分を過小評価しているが故に、あえて失敗しないような実力以下の損な選択をわざわざ選んでしまい、自らチャンスをつぶしてしまう将来を招いてしまいます。
今回は、こうした逃げ癖を直すためのコツについてお話しいたします。
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目次
自分の今のレベルにあった目標を設定する
恐怖を感じて目の前の現実から逃げ続けてしまうのは、今の自分のレベルにあった目標を立てれていないことが原因として考えられます。
例えば、スポーツの場面において、自チームよりもはるかに格上で負け濃厚なチームと練習試合をするとなれば、試合そのものに対して苦手意識や緊張感を覚えて、逃げたくなる気持ちに襲われます。現実はスポ根漫画とは違い、強豪校に対して弱小校が逆転劇を上げる事は稀ですし、稀だからこそ実際に起きたらドラマとして語られ、もてはやされるのです。
かといって、あまりにも格下で自チームの勝利が濃厚な場合は、練習試合に対して身が入らず、注意力散漫になる恐れがあります。逃げ癖が発動する心配は低くなりますが、練習試合で得るものが少ないどころか怠慢試合を招くおそれがあります。
以上のことより、自チームにとって収穫のある練習試合をしたければ、なるべく自チームと同レベルの相手と練習試合をすることが欠かせません。試合に対して投げやりにならず、かといって焦りや力みを感じてない程度の、同等の実力を持った相手と練習試合することが、1番効果的な練習試合になることを期待できます。
このことを逃げ癖にも当てはめてみると、どうしても逃げたくなる気持ちに駆られるのは、今の自分の実力以上で高すぎる目標を立てているために、緊張感が強まり「逃げたい」と言う衝動に駆られているのだと考えることができます。
その衝動を防ぐためにも、まずは自分の目指している目標のレベルを下げてみて、適度に緊張感を覚えつつも、目標に向けて努力が楽しめて継続できるかどうかを確認するようにしましょう。
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「逃げたい」という気持ちに襲われたら一旦冷静になるようにする
もしも、衝動的に「早くこの状況から逃れたい」という気持ちに駆られた場合は、一旦気持ちを落ち着けて冷静になってみるように心がけるのも方法の1つです。
例えば、
- 深呼吸をしてみる
- 別の作業に取り掛かって気持ちを落ち着ける
- 散歩やジョギングなど体動かして気分を逸してみる
など衝動的な気持ちからすぐに「逃げる」と言う行動に移らないためにも、一旦別のことをして気持ちを落ち着けてみるのです。
冷静さを取り戻したら、「逃げたいと感じることも、落ち着いたら問題なくできそう」とまた違った視点で見れる可能性があるので、冷静になる事が効果的なのです。
焦っている時ほど冷静さを書いて衝動的に逃げてしまう人ことがある人は、時間を味方につけて冷静さを取り戻してみるようにしましょう。
「続ける」「逃げる」以外の選択肢を持つ
逃げたい逃げ癖がついてしまう人は、「続ける」「逃げる」の他に、自分の取れる選択肢がないと考えていることが見られます。
困難にぶち当たった時も、「続ける」「逃げる」といった両極端な選択肢しかなく、それ以外の第3、第4の選択肢があると言う冷静な考えができなくなる。視野狭窄に陥り、ますます衝動的に動いてしまいます。
そうならないためにも、逃げたいと感じた場面で、例えば
- 一旦休憩をして気持ちを落ち着けてみる
- 誰かに相談をして助言をもらってみる
- とりあえず続けてみてまた、別の問題が出てきたら遠慮なく逃げる。出なければ続行する。
といった、「続ける」「逃げる」以外の選択肢を用意して、極端な二者択一に陥らないように心がけましょう。
なお、こうした両極端に考えてしまうとは、心理学では認知の歪みの「全か無かで考える(オールオアナッシング)」に当てはまります。
- 白か黒か
- 0点か100点か
- 生きるか死ぬか
のように、両極端に捉えてしまうために、物事をあらゆる観点から見れてない状態です。現実を偏りや歪みのある視点で見ているので、ストレスを抱え、自分で自分を苦しめてしまいます。
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逃げていない他人と比較することを避ける
いざ逃げ癖を治すために努力しているものの、どうしても自分以外の他人…それも、逃げずに地道に努力している人と比較して、落ち込んでしまうことがあるものです。
しかし、ここで他人と比較して自信を失なってしまうと、自分を過小評価して失敗しないようにあえて簡単すぎる選択肢を選び行動に出かねません
そうならないためにも、大事なのは逃げ癖が染み付いていた過去の自分と、逃げ癖を克服しようと努力している今の自分と比較することに注目することです。
他人には他人のペースがあり、自分には自分のペースがあるものです。自分は自分のペースで努力して逃げ癖を克服していくのだと考えて、他人と比較しないようにしましょう。
先延ばし癖には他人から監視される状況で自分を律する
先延ばしをしてしまう癖は、逃げ癖でもよく見られます。
例えば、寝る時間を先延ばしして夜更かしをしてしまったり、やるべき課題や仕事を締め切り寸前まで先延ばしした挙句、時間が足りなくて締め切りをオーバーしてしまう、といったあまりよろしくない行動として、見られることがあるものです。
もちろん、先延ばしをすれば一時的には気持ちが楽になるかもしれませんが、結果として寝不足のせいで健康を犠牲にしたり、学校や仕事において自分の評価を下げてしまうのであれば、改善が欠かせません。
先延ばし癖を治すためには、あえて他人に他人から見られている環境や状況を用意して、自分が自分で自分を甘やかさないようにすることが効果的です。
例えば、ネット上で自分の進歩を毎日決まった時間に報告したり、写真付きで自分の作業の進み具合をアップして、他人からいつでも見られている状況に自分を置いて、コツコツと努力できるように自分で自分を律っしてみましょう。
自分の弱さや未熟さを認め等身大の自分を受け入れる
逃げ癖を持っている人の中には、自分に対する理想や期待が大きすぎる、プライドがやたら肥大化し、自分の弱さや未熟さを認められなくなっていることがあります。
自分に不釣り合いプライドは「失敗しないように何もしないほうが、自分のプライドが傷つかず安全である」という開き直りを生み出してしまう原因になります。
また、プライドの高さゆえに成功して当たり前なことよりも、ハイリスクで誰もが失敗する事にあえて挑み、うまくいけば自分の運の良さや実力の高さを誇示する自己アピールの材料とする。
逆に、うまくいかなければ、「これはハイリスクすぎるから心配しても仕方ないよね」と言い訳して失敗によるショックを和らげるばかりで、自分のプライドの高さは適度なものに修正されないままです。(これはセルフハンディキャッピングと呼ばれ、予防線を張ってしま人に見られます。)
肥大化したプライドを手放し、弱さや未熟さを持っている等身大の自分を受け入れ、適度なプライドを持つことができれば、このような逃げ癖を克服し、しっかりと地に足をつけた努力や生活が可能になります。
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