「防衛的悲観主義」ポジティブ思考になると不安を感じてしまう人の心理

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メンタルを鍛えるためや、やる気やモチベーションを上げるためにポジティブ思考を心掛ている人は多くいます。

ネガティブ思考だと、不安やストレスを感じて精神的に疲れてしまい、やる気やモチベーションが出にくくなるので、いいメンタルの状態を保つためにも悲観せず、前向きな気持ちを意識するのは効果的です。

しかし、ポジティブ思考はどんば人でもプラスの効果があるわけではないという事はあまり知られていません。

人によってはポジティブ思考に変えたことで、逆にストレスや不安が生まれて疲れてしまう、というような逆効果が出てしまうことがあります。

一般的に「前向きになれば元気も出る」と考えられているのに、なぜそのような事態になってしまうのか。今回は、ポジティブ思考で不安を感じてしまう性格についてまとめていきます。

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ポジティブ思考なのに不安を感じる原因

ポジティブ思考なのに不安を感じるのは、ポジティブ思考そのものが自分にあっていないという事が考えられます。

メンタルトレーニングの分野では、ポジティブ思考が身につくと、スポーツや仕事で新しい事に挑戦するにあたって「失敗したらどうしよう…」とためらってしまう気持ちを打ち消す事ができるというのが一般的です。

新しいスキルや技術を身につけていくためには「失敗したらどうしよう…」とためらってばかりでは、スキルが身につかないままです。

そうならないためにも、ポジティブ思考を身に付け、「失敗を怖がらず、楽しんで挑戦してみよう」と思うことで、新しいスキルを身に付ける事ができるようになります。

しかし、ポジティブ思考が自分にあってない人の場合、無理に「失敗を恐れず、楽しんで挑戦しよう」と気合を入れると、逆に不安や緊張が増えしまい行動に移せなくなったり、いいパフォーマンスが出せなくなります。

なぜ不安が増えるのかというと、「挑戦することは絶対楽しいとは思えない」と考えていたり、「楽しくやろうと思えば思うほど緊張してしまう」と感じてしまうからです。

もちろん、挑戦する事を怖がるのはとても自然な反応です。自分の知らない未知の分野に挑戦すれば、当然失敗して時間やお金をロスする事もありますし、それらの損害を避けたいと思うのは、なにも恥ずかしいことではありません。

しかし、無理にポジティブ思考になろうとして苦労している人は、「挑戦するのは楽しいこと」「前向きなのがいいこと」という狭い視野にとらわれてしまい、結果として自分にあっていない思考を必死に身に付けようとして空回りしているだけ、という事になってしまいます。

ポジティブ思考そのものは良い思考法であるのですが、自分の性格や考え方にあってない場合は逆効果になり、パフォーマンスを下げる原因になるという事を覚えておきましょう。

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「防衛的悲観主義」の特徴

では、ポジティブ思考ではなくネガティブ思考でいいパフォーマンスを出せる人とはどういう人なのでしょうか。

ネガティブ思考で成功する人は「挑戦を楽しもう」という気持ちではなく「挑戦したら失敗してしまうだろう…」という気持ちの方が強く出ます。

しかし、そこで落ち込んでしまのではなく「じゃあ失敗しないように、どうすればいいかを考えないと…」というように、挑戦の中で起こりうる失敗やトラブルに対しての対応策をしっかり立てます。

対応策が立てられると失敗への不安が減り、結果として挑戦して成功する確率が上がることになります。

このような思考を「防衛的悲観主義」と呼びます。

防衛的悲観主義はミスをしないことに集中する性格

わかりやすくいうと、「極力ミスをしない」事を重視しているので、これもまた成功しやすい思考となります。

例えば、マラソンの場合、大会を楽しもうと前向きに考えても、「途中で足がつったらどうしよう」「オーバーペースになって中盤で失速したらどうしよう」という悩みのタネが出てきたとします。

その悩みのタネから芽が出ないように、「マラソン中に塩分補給ができるように、ポケットに塩飴を入れておく」「オーバーペースにならないように序盤はつっこまないようにする」などの対策を立てて、大会本番までに余計な緊張をしないようにいい調子を保つことでができます。

また、防衛的悲観主義の人は失敗そのものを予見しているので、実際に失敗した場面でもパニックになったり調子を狂わされる事を防ぐこともできます。

挑戦する際に、あらかじめ失敗に対するイメージトレーニングが自然とできているので、立ち直りも早いというわけです。

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防衛的悲観主義にもメリットはある

極力ミスをしないという思考が何よりも重視されている分野があります。

それは株、為替(FX)、商品先物市場、不動産、仮想通貨(ビットコインなど)のような投資・トレードの分野です。

株やFXのように大儲けやお金を増やす事ができる一方で、常に破産や借金と隣合わせの分野だと、極力ミスをしないという思考は自分の資産を守ったり、借金を背負ってしまう事を防ぐためには欠かせない考え方です。個人投資家ならともかく、人からお金を預かって運用する、機関投資家やファンドであれば、極力ミスをせず運用して実績を出すのは重要です。

大損や借金を抱えるような大きなミスをしないために、小さいミス(つまり損切り、ロスカット)をしっかり出せることは、株式投資やFXの初心者がまず身につけるべきスキルとして有名です。

投資やトレードの世界では、1回のミスで全財産を失ったり、借金を抱えることだけは酒ければいけません。そのような一発退場のミスを防ぐためには、しっかりと小さなミスを出して損失額が膨らみ過ぎないように調整をする事が基本中の基本です。

ただ、株やFXのような金融商品に馴染みのない日本では、「ミスをしない」という考え方はあまり一般的ではありません。

とくに不景気や就職難などで安定思考を求める、さとり世代、ゆとり世代のような若者には「極力ミスをしない」という考え方が多く、若者なのに安定思考や草食系で頼りない、情けないと思われて、批難されることはよくあります。

しかし、ミスをしないからといって成功もない、というわけではありません。起こりうるミスに対して対策をしっかり立てられる、すなわち成功しやすい思考をある程度身につけている可能性もあるという事を覚えておきましょう。

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ポジティブ・ネガティブどちらが自分にあっているかを調べよう

一般的には「ポジティブ思考こそが良い思考法」と考えられる一方で「ネガティブ思考は悪い思考法」と考えている人は多いです。もちろん、この考え方に当てはまる人は多く、このサイトでも同様の事を何度も説明してきました。

ポジティブ思考で成功してきた人には、周囲にポジティブ思考になることを押し付けてしまう人も多くいます。

ポジティブ思考が一般的に良いものとされているからこそポジティブ思考は他人におすすめしやすい、親切やアドバイスとして用いられやすいというわけです。おすすめしている本人に悪気や悪意はなく、あくまでも「善意」で行っているということがほとんどです。

実際にスポーツ選手や経営者のような成功者には、ポジティブな思考の人が多く、彼らに対するメンタルトレーニングでもポジティブ思考になる事を勧めているトレーナーは多くいます。

しかし、自分もスポーツや仕事で成功者になるために、無理にポジティブ思考になろうとした結果、逆に不安やストレスを抱えてしまっている人もいます。

ここで、ちょっと冷静になって考えてみましょう。

成功するためのルートは、必ずしも「ポジティブ思考であること」の一つだけでしょうか。

世の中には楽観的で「当たって砕けろ」の精神で成功する人もいれば、「石橋を叩いて渡る」のようにとても慎重な姿勢で挑戦して成功を手にする人もいます。

実は何かで挑戦して成功するためにはポジティブ思考であるか、ネガティブ思考であるかはさほど重要ではありません。

大切なのは、挑戦する人が「ポジティブ思考の方が不安が少なく感じる」か「ネガティブ思考の方が不安が少なく感じる」かという点です。

ポジティブ思考で過度なストレスや不安を抱えて「自分はダメな人間なんだ」と自己否定してしまうと、成功する確率も低くなってしまいます。

ポジティブ思考で不安を感じる人は、「すこし慎重になって、最悪の結果にならないように挑戦してみよう」と考え方を変えることで、ポジティブ思考でなくても目標を達成や成功へとつなげることができるようになります。

なにもスポーツや仕事では、ポジティブ思考になることがゴールではありません。

スポーツだったら勝利や自己ベストの更新、仕事ならノルマ達成や昇進などの自分が目指すゴールにたどり着くために、どんな思考法が自分にとって効果がある(または逆効果になる)のかを考えて身にけることがたいせつです。

自分にぴったりの不安を感じにくい思考法を臨機応変に利用して、トレーニングやスキルアップができるようにしましょう。

国立大教育学部卒、専攻は心理学。発達心理学、教育心理学、スポーツ心理学、社会心理学を中心に心理学に関する記事を執筆中。そのほかにも、人間関係やコミュニケーション、性格、スマホ、SNS、ゲームなどのあらゆるテーマを心理学の知識を用いて詳しく、面白い記事を書くことを心がけております。

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