上司との相性は仕事のモチベーションやストレスに大きく左右するものですし、いくら仕事が好きであっても上司との相性次第では、仕事に対して鬱々とした気持ちを抱えてしまうものです。
その中でもコミュ障な上司は、体育会系の上司のように怒鳴ったり精神論で圧倒したりすることはまず少なく、怖さやストレスを感じにくい上司のように思われます。
しかし、コミュ障ゆえに部下との連携が取れずに余計な仕事を増やしてしまったり、会話が面倒だからといって一人で仕事を抱えてしまった結果、部下が育たず放置されてしまうなど、お世辞にも見習える上司とは言い難いものです。
特に仕事に人生をかけていたり、更なるキャリアアップを目指している人からすれば、コミュ障でうだつの上がらない上司はまさに目の上のコブのように感じる。やる気だけを見透かされて上司の尻拭い役を任されて、一人で過剰な労働をさせられてしまい疲弊してしまうこともあることでしょう…。
今回は、上司がコミュ障だった時の対処法についてまとめました。
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コミュ障な上司への対処法
質問するときは具体的、明確に聞く
上司に話しかけてもうまく会話ができない、アバウトな返事ばかりが返ってくるのは、ただ上司がコミュ障で会話に慣れていないだけでなく、話しかける側の伝え方に原因があることも考えられます。
例えば、「ここの作業はどうやればいいのですか?」と、なにげない質問そして、
- 「ここの作業って何?」
- 「どうやればって言われても、内容がアバウトすぎてわからない」
と、あまりにも内容がアバウト過ぎるために、上司も返答に困ってしまった結果、コミュ障になってしまうのです。
事前に伝えるべき内容や事柄を具体的にしておけば、こういったことは起きにくいものです。コミュ障だからといって全ての会話が苦手ではなく、アバウトすぎる質問やどうとでも解釈ができてしまう伝え方に対して、特に苦手意識を覚えるのです。(もちろん、これはコミュ障の人に限った事ではありませんが…)
「ここの作業はどうやればいいですか?」を具体的にするのなら
「昨日上司から教えてもらった○○の作業(=ここ…の部分)ですが、よくわからないエラーが出てしまったので、どうしたら修正できるか教えていただけますか?(=どうやればいいのですか…の部分)」
と、質問の内容を具体的にしてから聞いてみることで、上司も応えるべき事柄をすんなり理解できるのでコミュニケーションがしやすくなるのです。
また、具体的にするときは
- いつ(When)
- どこで(Where)
- だれが(Who)
- なにを(What)
- なぜ(Why)
- どのように(How)
などの、5W1H意識しつつ具体的にするみるのも効果的です。
上の「昨日(=When)上司(=Who)教えてもらった○○の作業」の例文のなかにも、より具体的にするための5W1Hが含まれているからこそ、聞かれた方も具体的に答えやすくなっているのです。
上司の上司、上司の同僚に声をかけてみる
上司に改善を求めても効果が見られないときは、上司の上司、あるいは上司の同僚に相談をしてみて、改善してもらうようにお願いをしてみるのも対処法のひとつです。
場合によってはいつもの上司と違い、顔を合わせていない相手で緊張感やどう話せばいいのかわからないことも考えられますが、しっかり相談しなければ今のコミュ障な上司が変化する可能性は見込めません。
また、話しづらい相手に話しかけることは、自分のコミュ力を鍛えておいたり、職場ないの他の部署に人脈を持つことにもつながるので、決して悪いものではありません。
会話以外にも、メールやLINEなどでコミュニケーションを取ってみる
目を見て話すのが苦手、口下手、小声、言い間違えが多いなど、会話によるコミュニケーションが苦手な上司の場合は、無理に会話にこだわらずメール、チャット、LINEグループなどの文章をメインにした方法でコミュニケーションをとるのも方法のひとつです。
文章にしておけば、あとで連絡事項の内容を確認をするのにも役立ちますし、出張などで会って話すことができない状況でも、簡単に情報を共有できます。
また、自分が伝えたいことを文章にしてまとめる作業は、どうすれば相手にとって伝わりやすいか、誤解やミスリードが起こりにくい文章が書くか技術…つまり、推敲を重ねて伝わりやすい文章を書く事にもつながります。
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上司に対して積極的にコミュニケーションをとることを忘れてはいけない
コミュ障な上司のうだつの上がらなさやもどかしさをいいことにして、気づかないうちに部下である自分が積極的に上司に報連相を行うことを放棄していたり「コミュ障な上司だから仕方ないよね」と、積極的になれない自分を正当化してしまってはいないでしょうか。
こうなると、上司・部下ともにコミュ障であり、うまくコミュニケーションが取れなくなるのも無理はないでしょう。
また、お互いにコミュ障という共通点があって話し合える…とはなりにくい。
むしろ、コミュ障同士お互いがお互いに余計な気を使いあったり、妙に距離を取り合ったりして、コミュニケーションが成立せず、仕事に支障が出てしまうものです。
そうならないためにも、上司の方から声をかけてくれるのを待つばかりではなく、自分から積極的に報連相を行っていくことが大事です。
コミュ障の上司は立場上指摘がしにくく厄介である
いくら上司とはいえ、部下である自分からストレートに「コミュ障を直していただけませんか?」というのは非常に勇気がいるものですし、場合によっては失礼だと思われて上司の顔に泥を塗り、職場における自分の居場所…ひいては自分の今の立場を失うリスクがあります。
上司と部下という上下関係のある立場に置いて、「上司→部下」という立場差に則った方向での指摘はしやすいですが、「上司←部下」という立場差に逆らった指摘は、立場上しにくいものです。
上司に「コミュ障を直してください」と言うのはストレートすぎるので別の言葉に言い換えてみる
とはいえ、指摘をせずに放置し続けていては仕事に差し支えます。
「コミュ障」という言葉自体、まず否定的な文脈で使われる言葉であると同時に、相手の人格を生き方を否定する言葉にもなりやすいため、直接「コミュ障を直していただけませんか?」と言い切るのは、上司の心を傷つけすぎる、反感や逆恨みを招く、ショックのあまりに余計にコミュ障をこじらせてしまう懸念があります。
ですので、なるべく角が立たないように気をつけつつ、そしてコミュ障を改善していけるような指摘を行っていくことが肝心です。
ひとくちにコミュ障と言っても、その症状や特徴は人それぞれであり、「コミュ障を直していただけませんか?」という言い方では具体的に何をすればいいのかよくわかりません。
ですので、改善すべき点を具体的にしていくこと…、例えば
- 「小声で話が聞き取りづらいので、もう少し大きくはっきりとした声ではなしていただけますか?」
- 「『あれやって』や『これやって』ではなく、具体的な指示内容を仰って頂けますとたすかります。
と、コミュ障が原因となって仕事に与えている問題とその改善点をこちらから提示した、具体的且つ伝わりやすい話し方を心がけてみるようにしましょう。
コミュ障な上司は実際に仕事をする上では非常に面倒くさい存在で、なんて非効率的なコミュニケーションをしているのだろう…と、モヤモヤする事があろうかと思います。
ここでコミュ障な上司だからと関わることを切り捨ててばかりでは、コミュ力がある人との会話のみが上手になるばかりであり、自分とは違った特徴や個性を持つ人と会話が苦手になってしまう恐れがあります。
こうした自分と会う人ばかりとの会話がうまくなることはコミュ力が鍛えらているように見えて、実はごく限られた人とばかり話す技術が身につくだけで、合わない人に対しては勝手にコミュ障認定して自分を棚に上げることとも見られます。
相手がコミュ障だからといって関わるのを諦め、自分と合う人ばかりと関わることは、本当にコミュ力があると言い切れるのか…と感じます。
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