自己啓発書やビジネス書をよく読んだり、ネット上で「インフルエンサー」(良くも悪くも影響力のある人の事)の言葉に感銘を受けて、意識のみを肥大化させてしまう。
そんな意識高い系な社会人は、傍から見る分には問題ありませんが、実際に仕事で付き合うとなると、非常に厄介な存在のように感じることでしょう。
ただ自分一人で意識の高さを誇りに思うだけでなく、意識の高さで他人をナチュラルに見下したり、勘違いした特別意識のせいで目上の人に対して反発したかと思えば、自分の信奉する人に対しては平身低頭な姿勢を見せる。
高みの見物ポジションから、的外れなアドバイスをしてくるのも特徴的。もちろん、的外れなので効果は見込めないし、「アドバイスをしてやってるんだぞ」という押し付けがましい態度が非常に不愉快で仕事に支障が出かねない。
そもそも頼んでもいないのに、的外れなアドバイスを受け取るこっちの気持ちを想像できていないようにも感じるが、当の本人は「自分はコミュニケーション能力が高く自分は周囲から信頼を集めている!」と、妙な自己評価の高さが目立つ。
そんな意識のみがやたらと高い人と関わるとなれば、ストレスに悩まされる事態は、ほぼ避けられないものです。
…前置きが少々長くなりましたが、今回はそんな意識他界系もとい、意識高い系な社会人との上手な付き合い方について、お話しいたします。
意識高い系社会人との上手な付き合い方
相手に対して競争意識をむき出しにしない
意識高い系の人は、やたら周囲の人を煽ったり、挑発的な態度をとることが目立ちます。
当の本人は、「自分は多くの人の心に火を灯すという、リーダーらしい役割を果たしているだけだ」と自負している事がありますが、その行動の多くは言葉をかける相手への尊重や理解が不足している。
つまり、他人への想像力が働いていないからこそ、自分本位さに拍車がかかり、他人の神経を逆なでするような言葉になってしまうのだと考えられます。
また、露骨な怒りや攻撃心を感じさせる煽りだけでなく
- 「まだ○○してないの?」など他人を嘲笑し、羞恥心を刺激するような言動。
- 「今の時代は○○すきだよ」と義務感を強調したり、命令のニュアンスを含む言動。
- 「AはいいけどBはダメ」と一方を持ち上げ、もう一方を下げるという、敵味方をはっきり意識させるような言動。(もちろん、意識高い系はAに関連する要素を持っているので、ただ威張っているだけとも言える)
- 断定口調、白黒はっきりさせるような言い切り口調が目立ち、中庸さが無い。
など、他人を扇動させるような大げさ且つ極端な言動が目立つ。そして、ついその言葉に乗っかってしまい、競争意識が芽生えてくるような言葉遣いをする傾向があります。
しかし、こうした威勢のいい言葉に乗ってしまえば、それこそ意識高い系の思うツボですし、意識高い系の人を増長させる原因になりかねません。
あくまでも、意識高い系と上手に付き合うためには、相手の煽り言葉には乗らず、冷静に対処することが重要です。
相手の話を間に受けないようにする
意識高い系の人は「自分は特別であり多くの人から注目を集められる人間である」と、自分で自分を妙に高く評価する傾向があります。
そして、他人からも高い評価が得られるように、自分の経歴を妙に盛ったり、ドラマ仕立てのような話し方を用いることで、自分を実物以上によく見せようとします。
そのため、意識高い系の社会人と関わる場合は、相手の話をなんでもかんでも間に受けず、一歩引いた視線から話を聞くことが大事です。
なお、人によっては話し方が洗練されており、話がスラスラと頭の中に入ってきやすい。そして、つい「この人の言ってることでどれも事実である」と、感じてしまうこともあるでしょう。
しかし、スラスラと頭の中に話が入ってくることは、意識高い系風に言い換えれば、思考停止しているとも言え、決して褒められれたものとは言えません。
自分の評価が激しく上下動することを覚悟しておく
意識高い系の人に見られるのが、
- 身内とみなした相手はやたらベタ褒めする。全肯定するかのような態度を取る。
- 部外者とみなした相手はあらゆる方法で貶す。全否定するかのような態度を取る。
という、両極端な評価を他人に下すことです。
単刀直入に言えば「身内に甘く、よそ者に辛辣」。意識高い系という言葉が生まれるより遥か昔に存在していたであろうコミュニケーションの作法を、行っているのが特徴的です。
そのため、意識高い系の人と関わる場合は、自分の評価が両極端に上下動するであろうことは、頭の片隅にでも入れておくことが効果的です。
急に褒めちぎってきたり、逆に手のひらを返すかのよう貶してきたとしても、「意識高い系は両極端な態度を取る傾向がある」事を知識として知っておけば、意識高い系の人の言動に対して一喜一憂することを抑えられ、精神的な落ち着きを保つことが可能です。
指摘や注意はしっかり行い、反省や改善をするように徹底する。
意識高い系の厄介さは、肥大化した自尊心や特別意識のせいで、自分が犯した過ちを認めることを強く嫌がる。当然ながら、反省も改善も期待できず、同じような過ちを周囲から呆れられるまで繰り返してしまう点です。
そのほかにも、自分の過失を他人や状況のせいにしたり「こんなことで叱るような日本社会の方が間違っている」と理屈をこねて自己正当化してしまう。
あくまでも自分の意識の高さからくる考えや信念は、絶対に正しいものだと主張し、頑固な姿勢を貫くことが、意識高い「系」たる所以です。
そのため、意識高い系社会人と関わる場合は、相手が犯したミスについてはしっかり指摘を行うこと。そして、反省や改善へとつなげられるように、徹底した指導を行うことが大事です。
もちろん、立場が上の人の場合は指導することが難しいでしょう。その場合は、自分よりも上の立場の人に言ってもらうようにお願いするのも方法の一つです。
意識が低いor並みの人の視点に立てるように手助けをする
意識高い系の人は、意識が低い人にとどまらず、意識が並程度の人まで下に見て優越感に浸ろうとする傾向があります。
しかし、こうした多くの人を見下す行動そのものが、意識高い系の人に対する不信感や違和感を生み出し、そして当人が意識高い系以外の人と関わりにくい状況を作り出しているのです。(実に皮肉である)
それを踏まえて考えると、意識高い系の人がよく口にする「社会を良いものに変えたい」「生きづらさを感じなくてもいい社会にしたい」という綺麗な言葉は、自身の礼に欠いた態度を改めることなく、他人や社会の方が自分に合わせることを希望しているのだと解釈することもできます。(そんな過度に傲慢な考え方なので、今の世の中で生きづらさを感じるのも、そりゃ無理はないでしょう…)
もしも、意識高い系の人と上手く関わる上で余裕があるのなら、彼らに意識が低い~並程度の人の視点に立てるように手助けをしていくことも大事です。
たとえば「自分ではなく、相手の立場になって想像してみるようにましょう」と言ってみて、自分以外の人の視点に立ち、物事を考えるように指導してみることは、シンプル且つ効果的です。
自分とは意識の高さが違うからといって切って捨てるのではなく、高さの違い認めた上で相手の立場に立って考える習慣を、意識高い系の人に提案しましょう。
儲け話や自己投資の話題が出てきたときは慎重に
意識高い系の人は自己投資や副業など、お金儲けにつながりそうな情報を好むと同時に、その情報を他人に一方的にオススメし、妙にアドバイスしたがる傾向があります。
話題は仮想通貨、副業・独立、セミナー、オンラインサロンなど、どれも胡散臭さと金の匂いがプンプンしてきますが、ことお金が絡む話題に関しては、慎重になることが欠かせません。
言い方は悪いですが、意識高い系の人は胡散臭いビジネス界隈からカモいい顧客として認知されており、まるでマルチ商法にはまった人が他の人をマルチに誘うかのような行動に出ることがあります。
だからこそ、意識高い系の人から何か儲け話や自己投資に関する話題が出てきた時には、その話を鵜呑みにせず、慎重な姿勢をとることを意識しましょう。
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