仕事で相手に期待しすぎてしまう癖への対処方

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部下に対して「もっと私の期待に応えてくれるような質の高い仕事をしてくれたらいいのに」と不満を抱いたり、逆に上司に対して「私の事情も考えて少しは楽な仕事を割り振ってくれてもいいのに」と愚痴ったりすることはないでしょうか。

仕事において、「相手に○○してくれたらなぁ…」と期待を抱く事は上司・部下の関係に限らず、同僚や外部の方との仕事でよく抱く悩みの一つですが、相手に過度な期待をしすぎることで、自分も相手もなんとなく嫌な気分になってしまうことがあるものです。

仕事は大抵上下関係や立場のある人間関係が普通なこともあり、立場が上の人は下の人に対して期待をかけやすいものの、期待を受ける人からすれば過度なプレッシャーを感じて精神的に辛くなることがあります。

また、過度な期待をかけられても立場の都合上、目上の人に対して「ちょっとそれは私には期待が大きすぎます…」と正直に言いにくいものであり、どうしても期待は一方的且つ肥大化していくのが、仕事の人間関係にはよく見られます。

もちろん、期待をかけることは新人育成や仕事でいい成果を出すの雰囲気作りの為には有効な手段ではありますが、かける期待がただの理想の押しつけになったり、パワハラまがいの命令や恐怖を植え付ける事態になってしまっては、仕事に支障が出るリスクがあります。

今回は、そんな仕事で期待をかけすぎてしまう問題についてお話いたします。

仕事で期待する事とピグマリオン効果

仕事で期待をかけるのは、何も期待した相手を「追い込んでやろう」とか「プレッシャーをかけてやろう」という邪な目的ではなく「やる気を引き出せるように」「ちゃんと仕事で成果を出せるように」という、相手にも仕事にもプラスなるためにかけるのが一般的です。

このように、期待をかけていい結果になるように導くことは、上司が部下に対して行うコミュニケーションとしては欠かせないものです。

心理学では、期待をかけることでやる気やモチベーションを上げていい結果が出る事をピグマリオン効果と呼びます。

例えば「貴方なら難しいこの仕事でも、期限内にできる能力があるから頑張りなさい」と励ます言葉をかければ、言葉をかけられた方は期待されていると感じてやる気が湧いて、多少難しいことでも不安に押しつぶされずしっかり成果を出せるようになります。

相手から期待をかけられたことで「自分には仕事をこなせる素質や能力がある」という思い込みが生まれ、仕事に対する不安や悩みが減ることで期待をかけられる以前よりも高いパフォーマンスを出せるようになるという仕組みです。

この場合は、かけた期待がいい意味で刺激になっているのでなんら問題はありませんし、期待をかけられた方はちゃんと仕事をこなせたことで自信が自己肯定感が身につき、更なる仕事にも果敢に取り組むメンタルが鍛えられます。

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過度な期待は仕事を受ける方にはプレッシャーになることも

しかし、期待して相手をいい結果に導くピグマリオン効果は、いい面ばかりではありませんし、ただ期待さえかけ続ければ成功するというほど単純なものでもありません。

期待をかけるとは言え、その期待が相手の今の力量や現状を無視した過度な期待であれば、期待を受ける側は余計なプレッシャーを感じてしまい、思った通りの成果が出せなくなることもあります。

新入社員に対して、勤続数十年のベテラン社員並みの働きを期待しても大抵の新入社員はその期待に応えるような働きができないのと同じで、かける期待があまりにも現実離れしている物であれば、期待通りにならないのは無理もありません。

もちろん、仕事を進める上では、地に足付いた地道な目標ばかりでは途中で中だるみを起こしてしまうリスクがあるから、最初からあえて現実離れした期待をかけて普段から目標を高めに持たせようという思惑で、期待をかけることもあろうかと思います。

しかし、現実離れした期待をかけるにしても、ただ期待をかけっぱなしにするのではなく、その期待を達成するための基礎となる、下積みの仕事をこなせるように働きかけるなどして、大きな目標と小さな目標の二つを使い分けて期待をかけていくことが、モチベーションを安定させるためにも大事です。

ちなみにですが、ベンチャー企業だと成長性を追い求めるベンチャー独特の文化があり、とにかくスケールが大きいことを常日頃から言い続け、社員に対して大きな期待をかけることがあるものです。

そういったベンチャーの雰囲気は、まさに所属しているだけでピグマリオン効果により、自分には特別な才能や能力がある、自分にしかできないやりがいのある仕事が待っていると可能性を感じてしまうものです。

しかし、実際の仕事は期待していたほどキラキラしているものはなく、そして自分も他の同僚や新卒社員同様ごく平凡で特別でもなんでもなかったという、自分と会社に対する期待はずれだという気持ちでナーバスになる人もいるものです。期待を現実的に達成するためには地道な努力はどうしても必要です。

また、身近に自分に対して大きな期待をかけてくれる人がいると、承認欲求も満たされ実に嬉しいものです。

しかし、そこで期待の言葉を鵜呑みにし「自分は努力しなくてもいいほど特別な人である」と油断しないことが大切だと、口先ばかりになりがちな意識高い系の社会人を見ていると感じます。

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期待が理想の押しつけになればトラブルの元に

また、期待をかけていく過程でエスカレートして、自分の理想や思い込みの押しつけになってしまうことで自分も相手も疲弊することがあります。

最初はただの「あなたにはこうなってほしい」という軽い期待だったのに、次第に「あなたにはこうなるべきだ」「あなたにはこれ以外の選択しはない」「どうしてこうならないの?」と自分の理想を押し付けてしまう具合です。

こうなると、相手からすればただのプレッシャーどころではなく「この上司は私の人柄や能力をよく見ていないのでは」という不信感を抱かせたり、離職・転職に発展するリスクもあります。

また、理想の押しつけは、仮に理想を通りに相手が成果を出したとしても、ただ軽い期待をかけるのと比較して嬉しさや喜びを感じにくいものです。

強い理想を抱いけば「成果を上げる」のは当然でそうなるべき事である、既に決定しているような事、既定路線だと考えてしまいます。ですので、その通りになっても意外性やサプライズ感は乏しく、予想通りの結果になったと感じるまでです。

しかし、理想通りにならなかった場合は、まるで自分の予想が外れたと言わんばかりに感情をむき出しになりやすく、その姿はまさに勝手に期待して勝手に失望しているのだと言えます。

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「期待するだけ」でなくサポートすることも大事

期待をするというのは、どうしたら期待通りの成果が出せるか一緒になって考えるのと比較すれば労力が少なく手軽にできてしまうものです。

しかし、その手軽さゆえに口先ばかりで期待をかけるだけになってしまったり、ただ期待の眼差しをかけるだけで、期待通りの成果が出せるためにできるサポートが疎かになってしまうことがあります。

ただ仕事相手に対して、ただ「やればできる」と励ますのは簡単ですが、しっかり成果を出すためには期待をかける事以外にも、作業マニュアルを用意したり、実際にマンツーマンでレクチャーをしたりといった教育体制を(めんどくさいかもしれませんが)整えていくことが大事になります。

教育体制も整えず「褒めて伸ばせるピグマリオン効果が、今の新人には効果があるらしい」と鵜呑みにして、ただポジティブに接して期待をかけ続けるかりでは期待通りの新人が育たないどころか、違いを起こした新人を育ててしまうことにつながります。

「○○してくれるはず」と思うだけでなく、実際に言葉でしっかり伝える事も忘れてはいけない

期待をかけると言っても、人によってはプライドが高くて「期待してるよ」と相手を認めるような言葉を言いたくても言えない不器用な人もおられようかと思います。

実際に「期待している」というセリフやそれに近いニュアンスの言葉は、青臭さを感じるセリフでもあるので、ストレートに言う恥ずかしさに負けてしまう人もいるものです。

結果としてツンデレのようにキツい言葉を言うことで、暗に期待している事を伝えようとする回りくどいコミュニケーションになることもあるでしょう。

しかし、これは周りくどいだけあって、相手にちゃんと「期待している」ということが伝わらず、ギスギスとした関係になるのも無理はありません。

多少恥ずかしいにしても、自分が期待している事を伝えるためには、あえてキツい言い方をして突き放すような態度を取るのではなく、ちゃんと褒めたり、励ましたりして「私は期待していますよ」と相手に伝えることが肝心です。

もちろん、言葉にしていうのが難しい場合は手紙やメールなどの文字にして相手に伝えるのでもOKです。

口で伝える言葉と違って、文字なら記録として残しておけるメリットもあるので、言いにくい場合は有効活用してみるのがいいでしょう。

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