友達関係は楽しいものですが、付き合いを続けていくうちにどこか窮屈さを感じる、以前なら感じなかったような不安やしんどさを感じることはないでしょうか。
確かに友達と一緒にることは楽しい…しかし、一方で
- 友達がいるせいで自分の言いたいことを抑えてしまっている。
- 友達に嫌われたくない気持ちで、いつも不安になる。
- 友達に迷惑をかけていたり、不快な気持ちにさせていないかビクビクしてしまう。
と、いつも友達の顔色や反応を伺って、友達関係に心身ともに束縛されていることで、しんどさを感じるような友達関係は、年齢問わず見かけます。
SNSが登場してからは、とくに友達と時間を問わず気軽に連絡が取れるようになるだけでなく、国内だけでなく国境も超えて今までの生活では出会うこともできなかった人と共通の趣味や楽しみを通じて交流できるようになりました。
しかし、「SNS疲れ」という言葉にもあるように、SNSでの友達関係により気を使いすぎてしまって消耗したり、人間関係リセット癖のように友達関係が嫌になってアカウントもメールアドレスも消して、友達関係を全部リセットしてしまう人も少なくありません。
仲良くなりたいと思いつつも、仲良くなればなったでまた違う悩みが出てくるのが友達関係の辛い面でもあります。
今回はそんな友達関係で不安やしんどさを感じる人の心理について、お話いたします。
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目次
「不安から逃れる」ための友達作りで疲れる
友達関係で精神的に疲れる人には、
- 友達がいないと不安で仕方がない
- 友達がいないと周囲から変な人だと思われてしまう
- 自分に自信が無いから友達を作って安心感を得たい
という、どこか孤独への不安から逃れるように友達作りに勤しんでいるような傾向が見られるように思います。
人は不安やストレスを感じると、誰かと一緒にいたいという親和欲求が強くなることが分かっており、親和欲求をもとに考えれば、寂しさや不安を紛らわすために誰かそばにいて欲しいと思うことは至って自然だと説明することができます。
そして、寂しいという気持ちを誰かに打ち明ければ、そのことがきっかけで新たな出会いや友情が生まれるきっかけとなるので、不安がきっかけとなってできた友情そのものは必ずしもて悪いものではありません。
しかし、不安を感じやすい考え方が収まらないと、新しくできた友情に関しても「ひょっとしたらいつか見捨てられるのではないか」という不安を感じてしまうことがあります。
こうなると、
- いつか見捨てられるかもしれないという不安を抱えつつ友達関係を続ける
- 友達関係解消され孤独になってしまうことへの不安
という、どっちに転んでも不安であるという詰みの状態になり、友達関係を続けるのも辞めるのも辛くなってしまうのです。
不安からできた友達関係は同調圧力でしんどくなる
不安からできた友達関係の特徴として同調圧力が強いという特徴があります。
不安から逃れるために集まった人同士の友達関係は、お互いに不安をなくすために
- 発言や行動、主張を周囲に合わせる。
- 空気を読むことや暗黙のルールを守るように決める。
- お互いいいところを褒め合って、ポジティブな空気にするべきだ。
などの、不安を生まないためのルールを作ることがあります。
発言を合わせれば喧嘩や意見の食い違いは生れませ。
空気を読んだり暗黙のルールを守れれば、予期せぬ出来事で友達同士のトラブルを起こすことも防げます。
お互いに悪口を言わずいいところを褒めていれば、和やかな雰囲気ができるので不安な気持ちになることはありません…
しかし、この友達関係不安を生まないための対策は上手くできても同調圧力が強く、常に気を使わなければいけないという窮屈さのある人間関係です。
また、友達がもしも道を誤って悪い方向(例えばマルチ商法や金銭トラブルにつながる話)に進んでしまった場合、不安にさせてはいけないという気持ちからおかしいと思いつつも友達の行動を止めることができず、自分が損をしてしまうことがあります。
なお、例として金銭トラブルを上げましたが、不安の原因が仕事に対する先の見えなさや汽船的に不安定なことの場合、甘い儲け話やネットワークビジネスをすれば金銭的な不安が解消されると感じてのめり込んでしまう人がいます。
また、そのような儲け話にハマる人は、同じくお金や将来に対する悩みと出会いやすく、意気投合しやすく安心感や親近感を抱きやすいという特徴もあります。
そして、集団になればたとえ胡散臭い詐欺まがいの儲け話であっても集団心理の特徴である「責任の分散」により、罪悪感が薄れてしまい、自分が胡散臭い話をしているという自覚が薄れてしまうのです。
友達の距離感と「受け入れられたい」のジレンマで苦しむ
少し話がそれましたが、友達関係で精神的に苦しむときに、承認欲求をどう満たすかで苦しむという悩みがあります。
承認欲求とは誰かに認められたいという欲求であり、この場合なら友達に対して認められたいという欲求を指します。
承認欲求は、不安を強く感じる人や自分に自信がない人だと強くなる傾向があります。
誰かに認められるというのは、それだけで自分は誰かから必要とされていると感じて不安を打ち消し、自信を持てるようになるので、承認欲求が強い人ほど不安や自信のなさを感じやすい性格をしているのです。
しかし、承認欲求を満たすためには、友達集団の和を乱して自分をアピールしなければいけないことも多く、その過程で「こいつ調子に乗ってやがるな」「なんか自己中心的で嫌な奴」だと思われてしまうと、友達の輪から外されてしまう原因になります。
「友達に認めらて承認欲求は満たしたい…だけど、承認欲求を満たすための行動が友達関係の邪魔になるかもしれない」というジレンマに苦しめられ、友達関係にしんどさを感じるのです。
また、友達の集団も場合によっては
- リーダー格の人
- 準リーダー格の人
- リーダー格の人についていく腰巾着ポジションの人
と、友達とは言っても立場は平等ではなく、承認欲求が満たされやすい人ととそうでない人とがいます。
リーダー格の人は友達内で自己アピールがしやすく承認欲求を満たしやすい一方で、準リーダー各の人や腰巾着ポジションの人は集団内であまり承認欲求を満たしづらい立場と言えます。
「個性的なだと認められたい」でも「変人は嫌」の板挟みで疲れる
友達集団が大きくなればなるほど、当然少ない時と比べてキャラがかぶってしまったり、個性が会っても埋もれてしまうことが多いので、承認欲求は満たしにくくなり、不安は残ったままです。
しかし、かと言って集団の中で目立つような行動をしてしまうと、「変人」「流石にあの行動はアウト」「空気の読めない奴」と思われてしまい、友達集団からはみ出してしまうリスクがあります。
友達集団が大きくなるほど、承認欲求を満たすのは複雑になります。
具体的に言うと、
「他の友達に埋もれてしまってアピール失敗」になるライン以上、「変人」と呼ばれるライン未満
という、ギリギリのラインの探りつつ、その集団の中で適度に自分をアピールして承認欲求を満たすための行動を探っていかなければなりません。
例えば、服を選ぶときも、他の友達とかぶりすぎず、かと言って奇抜な服装になって浮かないようにある程度は揃えて…というようになります。
また、もしも、埋没しすぎていたら、後でワンポイントだけ変えてアピールできるように何かのアクセサリーを念のため持っていくようにする、とアピールが失敗した時の対策をしてまで、承認欲求を満たそうとすることもあります。
そうやって埋没せず、浮き過ぎないポジションが確保出来ると「センスがいい」「おしゃれれが上手」な人だと友達から思われるので、苦労した分満たされる承認欲求は格別なものだと感じやすくなります。
友達で承認欲求を満たすためにやるべき準備は多くなりがち
文字にすると簡単に見えますが想像以上に埋没せず、浮き過ぎないラインを探るのは難しく、自分の中で考えすぎや思い込みで消耗し、言葉にしない心理合戦で疲れる原因となります。
「ああでもないこうでもない」と悩みつつ選んでも「やっぱりだめったらどうしよう…」という悩みでまた服を選び直して…と、振り出しに戻るのを繰り返すので、気持ちが休まる暇がないのも無理はありませんね。
また、アピールが成功するか否かは自分の所属する友達集団のメンバーの価値観に左右されます。
ちゃんとアピールが成功するためには、その時々に合わせた友達の価値観の移り変わりや流行に付いていく必要があり決して楽なものではありません。
とくに、最近ではSNSで友達同士繋がるのは基本で「趣味嗜好や考え方などについてタイムラインを追って入念に調べておかなければ友達関係から取り残されてしまう」という強迫観念を抱く場面も出てきています。
このような友達関係で承認欲求を上手く満たすためには、守るべきライン、超えるべきハードルは非常に多く、続けていくうちに精神的に消耗してしまうのも無理はないと見ることができます。