友達との共依存の辛さ・問題点について

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共依存というと、恋人、夫婦、親子など、友達よりも親密な関係で起きるものだと思われますが、当然ながら友達関係であっても起こり得るものです。

若者の草食化や恋愛離れが叫ばれている一方で、友達同士の絆の尊さを強調する風潮や「ズッ友」(もう死語かもしれないが…)など、友達との距離感の近さを無条件に肯定する考えが、友達同士による共依存関係を生み出す一因になっているようにも感じます。

とくに、現代ではスマホを用いてその気になれば24時間365日友達と連絡を取り合える環境も若者にとっては当然のものとなっています。その環境にて、自分をコントロールできないために、友達同士で精神的に依存することも考えられます。

今回は、そんな友達同士における共依存関係の辛さや問題点について、お話しいたします。

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友達との共依存の問題点

お互いのプライベートがなくなり辛くなる

学校や職場などリアルで友達で関わる場面に限らず、メール、SNSなどのネット上でもいつでもベタベタとくっつくような人間関係になり、お互いにプライベートを持てずに辛くなることがあります。

トイレやお風呂などの一人になれる時間ですらも、スマホで友達とたわいもない話をする義務感に辛さを覚えたり、寝る時間を惜しんでまで友達と交流を続けた結果、学業や仕事に支障をきたすだけでなく、健康面でも不調に苦しむことになりかねません。

また、プライベートな時間を持つことに罪悪感を感じたり、「自分はどんな時でも友達から監視されている」という恐怖を感じて、自分の意見や主張を抑圧し、友達が喜ぶこと、求めることを優先した結果、自分を見失う。そして見失った自分と向き合う不安から逃避するために、友達への依存をすすめてしまうこともあります。

他の人間関係を持つことを制限する

友達同士で共依存している場合、友達が自分以外の他の友達と関係を持とうとした時に、強い嫉妬や恐怖を感じてしまいます。

もしも、友達が自分以外の人と関係を持とうものなら、今まで二人で構築してきた心地よい関係(ただし共依存関係だが…)が崩れ去ってしまうことが頭をよぎるので、関係が崩れるのを阻止すべく勝手に人間関係に介入したり、口出しするなどの行動で妨害しようとします。

また、お互いにプライベートをなくすまでベタベタとした関係を築くことも、表立って妨害しているわけではないものの、結果として友達が自分以外の他の友達と付き合うことから遠ざけることに成功し、妨害活動を行っていると見なすこともできます。

友達なしでは行動できない恐怖・不安に駆られる

学校でも職場でも、友達がいなければ自分は非常に弱々しくなり、一人で勉強や仕事ができなくなることがあります。

友達にべったりくっつている限りでは、弱々しさは周囲からわかりづらいのですが、一人になると急に消極的になって、何もできなくなるという二面性が象徴的です。

また、そうした弱々しい友達に依存される方も、困っている人を見捨てられないお人好しな一面があったり、自分を犠牲にしてまで困っている人を助けることに存在意義を見出してしまい、お互いのためにならない関係を結果として持続させてしまいます。

進学・就職などの人生の選択を友達任せにするリスクがある

進学、就職などの自分の人生を大きく左右する場面ですらも、友達がどういった進路に進むかを気にしてしまう。

自分の学びたいことを学ぶよりも、自分にあった職業を選ぶことよりも、友達の進路に合わせることを優先した結果、進学・就職後にミスマッチで苦しむことがあります。

また、依存されている友達の方も、友達が自分のためにわざわざ進路を合わせてくれたことに申し訳の無さや負い目を感じたり、困っている友達を支えることに自分の存在意義を見出した結果、自分の学業・仕事に支障が疎かになり双方とも生活が破綻するリスクがあります。

金銭トラブルに発展するおそれがある

(友達関係に限った事ではありませんが)共依存関係と金銭トラブルは、切っても切れない問題です。

たとえ借金であっても、友達から必要とされている実感を得たいために、金を貸し続けて生活苦に追い込まれる。

また、友達に依存しているために「貸した金を返して欲しい」と訴え出れば、「友達関係の解消=共依存関係の破綻」を招く不安があるので、借金返済の旨を言い出せずに金銭トラブルが放置され続けることもあります

また、金を借りている方も、ギャンブルや衝動買いなどの浪費癖が改善されずに苦しんだり、胡散臭い詐欺や投資話の被害者となって、別の人間関係で借金を抱え込んでしまうリスクがあります。

友達であっても共依存は健康的な関係ではない

たとえ友達関係であっても共依存関係は、決して褒められたものではなく、むしろお互いに精神的に自立していないために、非常に不安定で危うい人間関係なのです。どちらか一方が破綻したら、依存している相手も一緒に破綻してしまう、薄氷を踏むかのような脆いさがる関係なのです。

そもそも共依存という言葉のルーツは、アルコール依存症です。

アルコール依存症患者にとって、自分がお酒にハマり続ける環境を支えてくれる家族の存在(=イネイブラー(支え手)と呼ぶ)がいる以上、依存症は治療されずに放置され続けます。

一方で、イネイブラーの方も、依存症で困っている相手を支えることに充実感や満足感を見出しています。お互いにwin-winの関係が成り経つので、これを維持しようとして周囲からの援助を拒みます。

なお、イネイブラーは充実感があるとはいえ、実情はアルコール依存症患者の暴力や攻撃的な態度に恐怖を感じたり、まともな生活を送れない不安に苦しまされています。しかし、仮に本格的な治療を行なうとなれば、自分が感じている充実感が失わてれてしまう恐怖があるので、消極的な選択肢として、今の関係を続けることを選んでしまいます。

その結果、お互いに生活が破綻する寸前まで状況が悪化しやすいのが共依存の問題点です。

…もちろん、アルコール依存症の共依存と友達関係の共依存を同じものとして扱うのは、少々強引かもしれません。

しかし、もしも「友達だから…」という事で、進路選択も友達に合わせたり、金銭や物の貸し借りを行うようになれば、非常に辛い関係なのに関係が切れず、お互い苦しみ続ける将来が待受けていることもあります。

例えば、借金を返さないだらしない友達であっても、友達として求められている充実感を見出す。またお金を借りてる友達の方も、金銭的に支えてくれる友達に生活の面で依存してしまう。

こうした関係は(経済面に関するだらしなさを無視すれば)、自己犠牲を厭わず尊い友情で結ばれた素晴らしい人間関係かもしれませんが、実際は金が関わることだけに、貸す方は過度な節約を迫られたり、「貸した金を返して欲しい」と打ち出しづらい複雑な心境で苦しまければいけない。

また、借りる方も自分で金を稼ぐ方法が見つけられないことで苦労したり、見つけたと思ったら、怪しい投資話や詐欺話に巻き込まれ別の借金を作る、場合によっては友達を連帯保証人にして、お互いが債務者となり返済に追われる…などの新たな問題を抱えてしまうことがあります。

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