HSPは看護・福祉系の仕事に向いているのか

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あらゆる刺激に繊細で敏感。そのため、他人が抱いている苦しみや辛さ、不安といった気持ちにも深く反応してしまうHSPの特徴は、看護職や福祉職のように患者(利用者)との交流が欠かせない仕事においては、長所として働くことが考えられます。

しかし、他人の感情に繊細である事は、ときに必要以上に患者の気持ちに寄り添いすぎて、お互いに距離間の近さから苦しくなる。不幸のあまりに目を覆いたくなるような残酷な現実も真正面から受け取ってしまった結果、調子を崩して仕事に支障が出てしまうおそれもあります。

今回は、そんなHSPの特徴が看護職・福祉職に向いているのかどうかについて、また、もしもそれらの仕事に就くとした場合に心がけておきたいことについてお話いたします。

HSPの特性から見る看護・福祉系の職業への適正

他者への共感性、感受性の高さ

冒頭でも述べたように、HSPは他人が抱いている感情をまるで自分が抱いているもののように感じる、感受性の強さを持っている気質です。

病気による苦しみや漠然とした不安を抱えている患者。社会からの孤立や老い、衰えによる不安を感じている老人ホームの利用者などの利用者の気持ちに寄り添い、心の支えになりやすい素質を持っていると言えます。

また、敏感さは目や耳でと把握できるようなわかりやすい感情だけでなく、利用者の様子からなとなく感じる異変や違和感などの、普通の人なら見過ごしやすいものについても敏感に察知する。そして、利用者に不安を解消したり、他の職員に知らせて早期の対応を行うえるというメリットにもなります。

自己犠牲を厭わない献身的な姿勢

他人の辛さや苦しみに深く共感し、それらを取り除くことに使命感を抱くので、自己犠牲を厭わず、献身的な姿勢で仕事に取り組める素質を持っているとも言えます。

プライベートや休日よりも、まずは仕事を最優先にして「困っている人を助けたい」「利用者の心の支えになって勇気づけたい」と、誰かの期待や幸せに応えるために、一生懸命になって働こうとします。

他人からの感謝の気持ちにも敏感であること

苦しみや不安などのネガティブな感情にのみ敏感ではなく「ありがとう」「あなたのおかげです」といった感謝や喜び、幸福などのポジティブな感情にも敏感に反応できることがHSPの特徴とも言えます。

利用者が抱える苦しみや不安を取り除くために懸命に働き、そして利用者が幸せになればそれに自分も共感して、やりがいや充実感を抱くことができます。

なお、看護・福祉職は激務で辛いことや理不尽なことが多い仕事として有名ですが、それに見合った…あるいはそれ以上のやりがいや「誰かの役に立っており感謝されている」という実感を得やすい気質とも言えます。

そして、仕事の充実感を手に入れるために手に入れた技術や資格があれば、結婚や子育てなどで一旦職場を離れることになっても復職しやすく復帰が用意であり、収入面におけるメリットもあります。

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HSPが看護・福祉系の職業に就いたときに考えられる懸念

利用者に対して深く共感しすぎて苦しむ

他人が抱いているネガティブな感情に深く寄り添えることは、場合により必要以上に他人が抱いている苦しみに影響を受けてしまい、精神的に参ってしまうことと地続きです。

よくも悪くも自分と他人との精神的な境界線が薄く、利用者が抱いている苦しみ、辛さ、不安との線引きができなくなったことで、仕事に私情を挟んでしまったり、良かれと思って余計なお世話やありがた迷惑を招きやすい気質とも言えます。

また、感情を大きく左右されるせいで、利用者の前で冷静でいられなくなって、逆に不安を与えてしまう懸念もあります。

感情が左右されることがあっても、その感情をある程度抑制して利用者の前で振る舞い続けることが、HSPの人における課題点と言ってもいいでしょう。

なお、補足ですが、影響を受けるのは利用者だけでなく同僚・上司などでも同じです。同僚同士の悪口や陰口、上司のイライラや不満などの感情にも大きく左右されたせいで、仕事に悪影響が出てしまうこともあります。

複数の業務を並行して行うのが苦手

繊細さは仕事においても顕著で、非HSPの人が気づかないような細かいところまで丁寧な仕事が可能ですが、細かいことにこだわりすぎるせいで目の前の仕事にばかり集中してしまい、複数の業務を並行して行うことが苦手です。

繊細なゆえに「細かなミスがあってはいけない」と集中して一つの仕事に取り組める長所が裏目に出て、多くの仕事を前にするとどうしていいのかわからず困り果てる、突然の新たな仕事が生じるとパニックになることがあります。

職場によっては一人の職員が複数人の利用者を相手にする体制をとっていることから、激務にならざるえないこともあり、細かさにばかり集中してしまうのではなく、仕事の全体像を把握した上で動いたり、仕事内容に優先順位をつけて対応していく柔軟さを身につけておくといいでしょう。

「利用者のために」と意気込みすぎて働きすぎてしまう

利用者に深く寄り添い、自己犠牲を厭わない姿勢は、ときに自分の健康を犠牲にしてまで働いてしまい過労やワーカホリック(仕事中毒)を招く危険性もあります。

働きすぎのせいで睡眠が十分に取れず、注意力散漫な状態で仕事をすれば、ケアレスミスを招いてしまい職場仲間や利用者に迷惑をかけてしまうのは言うまでもありません。

ミスの内容がごく小規模なものに留まらず、利用者に怪我をさせたり場合によっては命を失うほどの重大なミスへと発展してしまう危険性と隣合わせの職種であることをよく理解しておくことが大事です。

懸命に働く姿勢はもちろん素晴らしいですが、それ以上に仕事の質に影響が出ないように自身の健康を管理しておくことが欠かせません。

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ある程度刺激の少ない職場を選ぶことが重要

HSPの特徴は看護・福祉系の仕事に向いている素質はありますが、同時にその素質が裏目になる問題点も潜んでいます。

繊細であらゆる刺激に敏感であるために、いざ働くと決めた場合は

  • そこまで激務ではなくある程度自分のペース働ける職場
  • 複雑な人間関係が少ない、少人数で落ち着いた雰囲気のある職場
  • 疲れたら自分ひとりで落ち着ける空間や時間のある職場

などの条件をよく調べた上で、HSPの長所を生かせる働き方を探してみるのがいいでしょう。

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参考書籍