ネット上で利益目的の馴れ合いができるまで

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SNSやyoutube、趣味の交流サイトなど、今やネットを使えば今までなら出会えなかった人達とコミュニケーションをしたり、同じ趣味を持つ人と語り合うことができる世の中となっています。

もちろん、単純に何かの話題や趣味について話し合うだけに収まらず、そこに商機を見出してyoutuberとして生計を立てるために交流をしたり、本業で独立したときの人脈作りとしてネット上の人間関係の構築をする人もいることでしょう。

しかし、その人間関係の構築が必ずしもクリーンなものではなく、どこか馴れ合いのような気味の悪さがある人間関係を構築したり、信者ビジネスのように関わる人を自分の金や名声の供給源としか見ていない人間関係になることもあります。

例えば、最初は親しく接してくれたクリエイターが、

  • 次第にSNS上でフォロワー(youtubeならチャンネル登録者数)を獲得したら、次第に横柄になり金品や承認、同意や尊敬を要求する言動が増える。
  • 自分のことをなんでも聞いてくれ全肯定してくれる、都合のいいファンだけ可愛いがる。
  • 影響力を利用して、自分よりも知名度のある人に擦り寄り馴れ合おうとする。

という光景をネット上で見かけるたびに、ビジネスとしての商魂のたくましさを感じる一方で、どこかその関係に虚しさを覚える今日この頃です。

ネット上という、ただでさえ移り変わりの激しい世界だからこそ、馴れ合いの関係で安定した収益源を作ろうとするのは理にかなっているとは思いますが、その馴れ合いにうんざりしている人もきっとおられだろうと思います。

今回はそんなネット上で見かける、利益のための馴れ合いについてお話したいと思います。

ネット上で利益目的の馴れ合いができるまで

ここでいう利益目的とは、純粋にお金(仮想通貨も含む)だけでなく、名声や評判、人望、フォロワー数(そしてそれを利用したビジネス展開)などの、何かしらの利益になるものを含みます。

その上で、ネット上で利益目的の馴れ合いができるまでについて解説していきます。

ネット上で情報を発信していく

絵、文章、音楽、動画作成などの何かしらの自分が作った作品をSNSや趣味の交流サイト、動画サイトなどで投稿していきます。

もちろん、最初は誰でも無名で実力があっても検索に引っかからずスルーされることはザラです。

大抵の人は自分の投稿に対して何の反応もない時期が続くと、次第にやる気を失い挫折したり、承認欲求が満たされずストレスを抱えてしまうので、この時期を以下に乗り切るかが、自分好みの住みやすい人間関係(馴れ合い)を作るうえではある意味大事と言えます。

もちろん、すぐに結果が欲しい場合は炎上商法のようなグレー行為に手を染めることもありますが、炎上商法で得た人気は炎上無しでは維持することが難しいという特徴もあり、決して万能とはいえません。

次第に発信された情報を見て人が集まってくる

グーグル検索やSNSなどの個別の検索、ハッシュタグ(「#」のこと)を通して、次第に自分の発表した作品(=情報)を見つけてファンが付きだします。

もちろん、この時点でいきなり金銭や自分の要求ばかりを主張しては、せっかく付いたファンが嫌悪感を示して離れてしまう可能性があるので、最初のうちは本性を隠して優しく接することが基本です。

また、作品のクオリティが高い場合、調子に乗らずそして優しい態度を見せてくることから、ファンの人はこの人はきっと内面も外面もいい人に違いない、素晴らしいはずだと、自ら信者のようになることがあります。

心理学でいうハロー効果初頭効果を駆使して、自分に注目してくれたファンのハートを鷲掴みにして、次第に自分好みの人間関係になるようにファンサービスを熱心に行います。

…もちろん、この段階ではまだ本性が出てないので、いたってクリーンで純粋なファンづくりのための下積み期間とも言えます。

いわゆる馴れ合いのような違和感を覚える人間関係にまで至らず、ただのファンとクリエイターの自然な交流に過ぎず、その関係を疑心暗鬼の目で見る人はまずいないでしょう。

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集まった人がフォロワー数の増加という形で可視化され注目を浴びる

地道なファンサービスを続けたことで、ふとしたつぶやきや投稿でも話題が話題を呼んだり、多くのファンが拡散することで、新規のファン(フォロワー、チャンネル登録者数など)が指数関数的に増加します。

そして、ファンの数が増えたことにより、今まで接してきていたファンよりも強い好意を寄せてくる人を意図的に選んで交流すること(要はえこ贔屓)も可能になります。

ファンと付き合える時間に上限があるのは仕方がないので、とくに自分に良くしてくれるファンを選ぶこと自体仕方がないことではありますが、自分のことを心酔してくれるファンとばかり交流することで、次第に付け上がり本性を表す時期とも言えます。

また、どんな些細な投稿に対しても何かしらの反応が返ってきてチヤホヤされることは多くなり、馴れ合って自分好みの人間関係を作ったり、ファンを使って自分の商品となるものを売るための下地は十分に整って来る時期でもあります。

…もちろん、売るものが真っ当なものであれば、ここで問題になることはありませんが、詐欺まがいの商品、情報商材、マルチやねずみ講のように人間関係を現金化することだけを目的とした商品の売買に踏み切り出すのもこの時期といえます。

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その影響力にあやかろうと擦り寄るファンが出て馴れ合いが進む

大量のフォロワーやチャンネル登録者数がいることから、その影響力や知名度にあやかるために、媚びて近寄ってくる人が出てきはじめて、馴れ合い化が一層進んでいきます。

「大量のフォロワーがいる=その人に近づけば自分も注目される、恩恵を受けられる」と考えるのは自然なことですが、さすがに利益のために堂々と近寄ると炎上を招きかねないので「コラボ」「リスペクト」などの横文字の言葉を使って、フレンドリーな姿勢で近寄ろうとします。

影響力を武器に更に上位の影響力を持つ人に擦り寄る

影響力にあやかるのは何もファンばかりではありません。

大きく増えた自分のファンをさながら自分の人脈の広さを自慢するかのように宣伝材料にして、自分よりも人気のある人に擦り寄り、馴れ合いの色を強めていきます。

実際に無名の頃と比べると認知度が上がってきている、そして多くのファンがいることから、その影響力を自分よりも上の地位にいる人にも好意的に受け取られやすく、成り上がるかのようにその界隈でも知名度、発言権、影響力を強めます。

擦り寄るのは当然自分にも擦り寄る相手にもそれなりの利益があるからです。

そのためなら、自分のファンですら宣伝材料にして「私と仲良くなればあなたにはこんな利益がありますよ」と言わんばかりに、恩恵ををちらつかせて近付こうとします。

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余談:「馴合売買」「循環取引」から見る馴れ合い

この記事について書こうと思ったきっかけとして、「馴合売買」という株取引をやっている人なら耳にしたこともある言葉があります。

馴合売買(なれあいばいばい)

複数の人物があらかじめ通謀し、同一の有価証券について、ある者の売付け(買付け)と同時期に同価格で別の者が買い付ける(売り付ける)こと。

意図的に出来高を上げて、売買が活発に行われているように見せかける。

こうした他の投資者に誤解を生じさせることを目的とする行為は、公正な価格形成を阻害し、不測の損害を与えることになるため、金融商品取引法第159条で相場操縦行為として禁止されている。

馴合売買(なれあいばいばい):野村證券

また、株以外なら「循環取引」もいい例です

循環取引(じゅんかんとりひき)は、複数の企業・当事者が互いに通謀(つうぼう)し、商品の転売や業務委託などの相互発注を繰り返すことで、架空の売上高を計上する取引手法のこと。

一般に新興企業では売上高の成長性を重視する傾向にあり、利益が必ずしも計上されていなくても「将来性のある企業」として評価されることがある。

そのため互いに通謀した企業が実態の乏しい商品転売やサービス受発注、バーター取引を繰り返し、売上高を不正に操作することで当該企業の成長性を演出できる余地が生じる。

(循環取引 – Wikipedia)

本来人気も地名度も実力もない人が、いきなりネット上で注目を浴びることはありません。

手っ取り早く、利益目的の馴れ合いを作るためには悠長に構えて地道に情報発信をしていく方法は時間がかかりすぎます。

また、大抵はどうしても今すぐ利益が欲しいので時間をかけず、なるべく手短に利益を得るための方法として、自作自演を含めた意図的な演出に手を染めてしまいます。

匿名性のあるSNSや交流サイトの場合、自分で複数のアカウントを取得して自作自演し、意図的に自分はさも多くの人から注目を浴びるような人であるという演出が可能です。

また、自分一人でなくても、リアルの人間関係で結託し、ネット上でお互いがお互いに褒め合い情報を拡散し合うように取り決めれば、実際は身内で評価しているだけなのにネット上ではやたら拡散やいいねがされる状態を意図的に作れます。

しかし、馴合売買や循環取引のところでも説明したように、意図的な演出でできた人気や評判、フォロワー数、チャンネル登録者数はあくまでも見せかけでしかありません

しかし、見せかけであっても「人気がある」という一点だけに絞って誇張して宣伝すれば、その情報を鵜呑みにして、よく調べもせずにファンになってしまう人を増やすことができてしまいます。

また、見せかけの人気で付いたファンでも一ファンであることには変わりはありません。

そんな調子で付いたファンをもとに、動画の再生回数増による広告収入増、あるいは情報商材や詐欺まがいの商品を売りつける…というビジネスモデルがある程度確立しているように感じます。

もちろん、金銭が関わるものに限らず、自分の承認欲求を満たすために利益目的の馴れ合いについては迂闊に近寄らない、もしも途中でおかしいと感じたら一旦距離を取ることが大事だと思います。

今や10代のスマホ保有率は9割超。若い人が何のメディリテラシーもなくスマホでSNSやyoutubeで色んな人が発信した情報を閲覧し、昔以上に誰かのファンになることが容易くなった時代です。

しかし、応援したいと思える人が、実は最初からファンからの一方的な賞賛を求めるために他人を利用しようとしたり、胡散臭い商売のための草の根活動として、ファンサービスをしている可能性は否定できません。

また、ネット上でなんだかよくわかんないけど有名だからこの人の言ってることは間違いないと感じたり、他の人も応援しているからきっと正しいことを言っているに違いない、という集団心理に流されず、今一度その人自身を冷静に見ていくことの大切さをしみじみと感じます。

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国立大教育学部卒、専攻は心理学。発達心理学、教育心理学、スポーツ心理学、社会心理学を中心に心理学に関する記事を執筆中。そのほかにも、人間関係やコミュニケーション、性格、スマホ、SNS、ゲームなどのあらゆるテーマを心理学の知識を用いて詳しく、面白い記事を書くことを心がけております。

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