ハロー効果のメリット・デメリット

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普段生活している中で、

  • 美人orイケメンに生まれさえすれば仕事も恋も順風満帆だと思ってしまう
  • 高学歴の人は何をやらせても上手で関心してしまう
  • 有名なスポーツ選手はスポーツだけでなく普段の発言や暮らし方にも尊敬してしまう。
  • 神絵師と呼ばれているイラストレーターは、ファンサービスも私生活も立派に見えてしまう

と、優れた容姿・才能・スキルを持つ人を見て、その人の事をなんでも尊敬するというレベルに収まらず、さも人徳者、聖人、神様、仏様のように、なんでも有り難がってしまったという経験をした人はきっと多いと思います。

しかし、容姿・才能・スキルなどはあくまでもその人の持つ特徴の一つにすぎず、どうしてそれ以外の特徴までも素晴らしい物だと決め付ける……これは冷静に考えれば、早とちりのように見えます。

例えばスポーツ選手だからと言って、そのスポーツ以外の分野や人間性などスポーツと直接関係の無い場面だと、ひょっとしたら素人並でお世辞にも素晴らしいとは呼べない…ということは別に珍しくものではありません。

毎年甲子園などの全国大会に出場しているチームだからといっても、全てにおいて素晴らしいと呼べるわけではなく、中には喫煙や暴力・いじめ・体罰などの問題が表沙汰になったニュースも毎年のように出ており「スポーツで優れている=全てにおいて優れている」というわけでではないことは明らかです。

このように、ある一つの特徴をもとにして、その人や集団への見方や考え方が変わってしまうことを社会心理学では「ハロー効果」と呼びます。

今回はハロー効果について、お話いたします。

ハロー効果とは

ハロー効果とは、「美人orイケメン」「高学歴」「有名な企業で働いているor働いていた」「プロスポーツ選手」などの、あるひとつの特徴をもとにすることで、その人の印象が大きく変わってしまうことを指す言葉です。

ハロー効果のハローは、英語の「こんにちは(Hello)」ではなく「後光が差す」という言葉で使われる「後光(Halo)」がもとになっています。そのため、後光効果と言われることもあります。

お釈迦様や神様が現れる場面で後ろから光が当てられることで、言葉にできない神々しさや有り難さを感じるように、相手が持つ優れた部分や才能などをもとに、

  • 相手の何もかもが素晴らしい
  • 全体的に優れているに違いない

と、錯覚してしまうことが人間の心理としてあるのです。

押さえおきたいのは、「あるひとつの特徴がその人全体の評価にまで影響する」という点。

「美人orイケメンなら人生イージーモード」という言葉にもあるように、顔だけを見て性格・私生活・運動神経・交友関係・働き方・コミュニケーション能力などのあらゆる能力までも高いと感じてしまうので、相手に余計な期待をかけたり、勝手に期待して勝手に失望するという失敗を招いてしまいます。

ポジティブ・ハロー効果とネガティブハロー効果

ちなみにハロー効果には

  • ポジティブハロー効果:ある特徴をもとに良い印象を与える
  • ネガティブハロー効果:ある特徴をもとに悪い印象を与える

の2種類あります。

見た目が不潔、運動神経が悪い、低学歴、不良orワルであるなど、相手のある一つの特徴だけを見てネガティブな印象を持ってしまうのも、ハロー効果によるものなのです。

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ハロー効果のメリット

ある特徴をアピールするだけで高評価を得やすい

ハロー効果は一芸入試や一発芸のように、他の人が持っていない自分の才能や経歴をアピールすることで、アピールしたこと以外の評価を高めることができます。

なお、シンプルなアピールではただ「凄いね」で終わりやすく長続きしないので、アピールすることにはなるべく説得力を持たせるのが基本です。

ただ「全国大会に出場してベスト8になりました」というよりも、「全国大会に出場するために○○な練習をしたり、途中で故障になってくじけそうになりましたが、周囲の支えもあったおかげでベスト8になりました」と、どこかの就職活動の指南書に載っているようなお手本の文章にも、ハロー効果をより強めるテクニックが隠れています。

初対面で意識すれば相手と打ち解けやすくなる

仕事や恋愛で合う相手にはとにかく親しみやすい雰囲気、清潔感を整えるが大事と言われているのもハロー効果によるものだと考えることができます。

親しみやすさや清潔感があるという特徴を相手に印象付けることで、相手の緊張感が和らぐだけでなく、

  • この人は親しみやすい人だから、コミュニケーション能力が高く仕事ができそう。
  • 清潔感のある人だから、育ちも良く礼儀正しそう。

と、ポジティブハロー効果が働くこと相手に対して信頼感や安心感を抱き、打ち解けやすくなります。

悪い印象を払拭するのにも使える

よくアニメやドラマなどのフィクションの世界でよくある「不良学生が親孝行や捨て犬を助けたことで、ガラッと印象が変わる」という展開も、ハロー効果によるものだと考えることができます。

ハロー効果は初対面の場面だけでなく、何度か顔を合わせたことがある相手でも働くために、今まで悪印象をあるひとつの善行により払拭できることもあります。

散々今まで悪行を重ねているのにもかかわらずたったひとつの善行を見て、相手の性格・行動などの全ての評価がグラッと変わり「本当はいい人に違いない」と錯覚してしまうのです。

時事ネタな例だと、どこかの北の国の方が核開発をやめると宣言したり、緊張状態にある敵国と友好的な態度を示しただけで、非常に素晴らしい人のように思え手のひら返しをする人が出てくるのも、ハロー効果により今までの悪印象が払拭されているのだと考えることもできます。

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ハロー効果のデメリット

キャラが固定されてしまう

ポジティブハロー効果を得るために、

  • 親しみやすいように無理に笑顔を作ったり、ノリのいいキャラを演じる
  • 素の自分を隠して、高評価を得やすいように「いい子キャラ」を演じる
  • その場を盛り上げるために、あえていじられキャラを買って出て演じる

などのキャラを演じて自分の印象を良くしようとした場合、その印象を維持するためにキャラを演じ続けなければいけないリスクがあります。

ふとした時に、今まで演じていキャラが辛くなっても、キャラが失われて自分のイメージや評判が崩れ去る事への不安に怯えて、いやいやキャラを演じつつ一人悩み続けてしまうことがあります。

また、キャラを演じるのはリアルの人間関係だけでなくSNS等のネット上の人間関係でも同じです。

ネット上では、キャラだけでなく学歴や収入、キャリアも演じる…つまり詐称(言うだけならば)しやすいので手軽に自分のプロフィールを盛ってしまうことで、嘘の自分を演じ続けたり、嘘がばれて信用を失墜させてるリスクもあります。

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容姿や才能に自惚れてしまう

ハロー効果により自分の評判や過剰に評価されてしまうと、自惚れや慢心を生む原因になります。

ハロー効果による自分への評価は、あくまでも妥当な評価ではなく下駄が履かされた状態の評価となります。

株や金融商品で例えるのなら、買われ過ぎにより価格が急激に上昇してバブルになっている状態と同じです。

もちろん、ある分野において努力を重ねて周囲から認められるような結果を出していることは素晴らしいと思いますが、そこで周囲から褒めそやされたことで調子に乗った言動をしたり、自惚れから不必要に周囲の人を見下してしまうと、今度はその行動が原因でネガティブハロー効果が発生し、今までの評価が一転するリスクもあります。

相手に身勝手な期待を押し付けてしまう

ポジティブハロー効果の場合だと、相手のある一面を見てその人がなんでも優れているに違いないという期待を無意識のうちに相手に押し付けてしまい、その期待で相手を苦しませてしまうことがあります。

例えば、素晴らしい絵を描くイラストレーターが、絵の才能だけを見たファンから絵以外の事で過剰な期待を押し付けられたものの、その期待にこたえられらずSNSのアカウントを消して交流を経った…というクリエイターの世界でよくある話がいい例です。

また、過度な期待はやはり身勝手な過度な期待似すぎず、その通りにならなかったことで失望し逆にアンチになる…という話もハロー効果の弊害と言えます。

イラストレーターに限らず、ある才能や能力を持った人に対しては色々過度な期待を抱くものですが、その期待を真摯に受け止めすぎて苦しんでいる人がいるのは、打ち開けると嫉妬や僻みを招きやすいことから、なかなか打ち明けにくい悩みとも言えます

ハロー効果は思い込みである事を忘れてはいけない

ハロー効果を使って自分をいい人だと思わせたい、と願うのは構いませんが、あくまでもハロー効果は自分をよく見せるために相手に思い込みをさせていることと同じです

使い方を間違えれば、相手を騙して傷つけたり、洗脳やマインドコントロールのように相手の思考を自分に都合のいいようにコントロールしてしまう危険性があることを忘れてはいけません。

また、自分をよく見せるために嘘や話を盛るのが当たり前になることで、最初のうちは「すごい!」と言われていても、次第にそのことが事実ではないとバレるの恐れて更に嘘をつき続けたり、次第に嘘にも矛盾が生じたことで今までの話が破綻するリスクもあります。

もちろん、そんな事態にまでならなくとも、口先ばかりでとりあえず自分をよく見せるのは得意だけど、自分のズボらさや無能さはそのままで、言ってる事とやっている事とが不一致なために人から信用を失うことも少なくありません。

表面的に取り繕うだけの努力は、表面的にならずちゃんと努力し続けるのと比較すると手軽ですが、本当に自分の評価を上げるためには地味で面倒な後者の努力もしっかり続けることが大事です。

国立大教育学部卒、専攻は心理学。発達心理学、教育心理学、スポーツ心理学、社会心理学を中心に心理学に関する記事を執筆中。そのほかにも、人間関係やコミュニケーション、性格、スマホ、SNS、ゲームなどのあらゆるテーマを心理学の知識を用いて詳しく、面白い記事を書くことを心がけております。

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