HSPの人がフリーランスとして働く事について思うこと

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あらゆる刺激に敏感で、繊細という気質を特徴に持つHSPの人にとって、大きな悩みとなるのが働くことです。

会社・お役所などの組織に所属するとなれば、人間関係の中で味わう言葉や感情のやりとり、責任を背負うことや仕事のために勉強することなど、刺激となるものが多すぎるがゆえに、普通に働くことにすら多大な負担を感じて、いずれは心身ともに参ってしまう…という類の将来像を考えることがあるかもしれません。

そんな将来を悲観視しているHSPの人にとって、組織に所属せずに自分の実力で自由に働ける「フリーランス」という肩書きおよび働き方は、まさに天職に見えてしまう。

「組織勤めをやめて、フリーランスという天職に転職だ!」という、淡い気持ちをつい抱えてしまう人もいるかもしれません。

しかし、筆者個人としてはフリーランスの働き方は、HSPの人全員に向いている働き方とは思えません。

むしろ、フリーランスになったことで味わう収入の不安定さ、交渉事の際に伴う感情や意見のやりとり、実績がモノを言い競争を迫られる働き方などのせいで、逆に組織勤めの頃より疲弊してしまうのではないか、という懸念があります。

今回は、そんなHSPとフリーランスとの相性についてお話しいたします。

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HSPから見るフリーランスの利点

HSPの人にとって、フリーランスのメリットとは

  1. 組織に所属しなくていいので、煩わしい人間関係から開放される。自分と合わないキツイ性格の人や、エネルギッシュでこちらまで圧倒されそうな人などと関わらなくてもよい。
  2. ちゃんと仕事さえしていれば自分が叱責されることは(まず)ない。また、他人が叱責されている光景を見て萎縮するようなこともない。
  3. 仕事次第では、受注から納品&ギャラ振込まで他人と直接顔を合わせることがなくても済んでしまう。人付き合いが苦手なことが多いHSPの人からすれば、願ってもない働き方であるし、飲み会に悩む不安も抑えられる。
  4. 出勤せず在宅で可能な仕事であれば、通勤のために満員電車に乗る、大勢の人が歩いている中を歩く…など、大勢の人に囲まれる過剰な刺激を感じる場面を減らせる。
  5. HSPのもつ繊細さ細やかさ、自分が得意としていることを仕事に応用できる。(例:クリエイティブ職など)
  6. こなす仕事量や働き方のスケジュールを、ある程度自分一人の裁量で決められる。調子が悪ければ仕事量を減らすなど、自分の調子に合わせたスケジュールを柔軟に作れる。(無論、ギャラも仕事量に応じて上下動するのだが…)

などが、挙げられるでしょう。

とくにフリーランスになれば、HSPな自分に合わない仕事内容、仕事相手をある程度は自由に選べるのが魅力的です。

…が、そんなキラキラした輝かしい魅力には、当然「陰」の部分もあるものです。

HSPから見るフリーランスの問題点・不安

HSPの人にとって、フリーランスの問題点・不安を並べると…

  1. 収入が不安定であること。些細なことに敏感であるHSPの人が、月によって仕事量・収入の上下動があることや、何の前触れもなく収入が途絶えることを想定して、強い不安に悩まされるのではないかという懸念がある。
  2. 仕事を手に入れるためには営業を行うことが必須である。ランサーズなどのフリーランスが仕事を探すサービスはあるものの、赤の他人に自分を売り込むためのコミュニケーション術(文面&電話のやりとり)が必須。
    仕事の内容・金額を話し合う交渉事において、HSPの気質ゆえに尻込みしすぎて仕事にありつけなかったり、過度に遠慮することで不利な契約を結んでしまうのでは…という不安はある。
  3. ある程度の仕事量が調節できるとは言え、クライアントの意向や指示に振り回される場面がないとは言えない。何度もリテイクを受ける羽目になったり、クライアントの都合で納期が変動するなどして、今の体調や気分を無視した働き方になることはあってもおかしくない。(フリーとは言うが、言うほど自由ではない)
  4. 会社や役所という後ろ盾がないため、自分を信用してもらうために、自分のスキルとなることを説明し、他人とコミュニケーションを行う技術が必須。人間嫌いだからと言ってフリーランスになったとしても、仕事をもらうのは他人からであり、その他人から仕事を承るとなれば、他人と折り合う場面も当然出てくる。
  5. 仕事によっては同業者との競争が避けられない場合もある。とくに、クリエイティブ職のように技術を売りにする仕事は、同業者による激しい競争(価格面も含む)があるので、緊張感やストレスにHSPの人が耐えられるかについては、正直疑問が残る。

などが挙げられます。

HSPの人を悪くいうつもりはありませんが、HSPという一般社会で生きづらさを覚えている人が、フリーランスという他人との競争に晒される場所で、華々しい逆転劇を巻き起こせる人は、ごく少数であると感じます。

そんな、ごく少数の成功者に憧れて、「実態はよく分かないけど、フリーランスになれば、今の生きづらい環境が好転するはずだ!」という淡い期待を持って組織勤めをサクッと辞めることは、お世辞にも推奨できるものではないと感じます。

フリーランスを煽る人たちに流されることの恐怖

HSPの人にフリーランスをオススメしづらい理由としては、昨今の副業解禁の流れもあってか「フリーランスになって好きなことを仕事(副業)にしよう!」という、光・夢・希望にあふれる言葉を口にし、(主にネット上で)組織勤めを辞めることを煽る人たちの存在があります。

この人たちは、(HSPを含め)社会で生きづらさを覚えている人達…たとえば、

  • 職場で冷遇されている人、居場所をなくしている人。
  • 持病や心の病のせいで、組織勤めにしんどさを感じている人。
  • 集団の中で漠然と働くにこと不安や焦り、懐疑心を持っている人。
  • 組織勤めの収入に満足しておらず、一攫千金を夢見ている人。
  • 組織勤めでは味わえないような、刺激や経験を求めている人。(≒HSS気質の人に通ずるものがある)

など、既存社会にて何らかの生きづらさを抱えている人に「フリーランスはいいぞ」と優しく近寄ってくる。

「フリーランス」という前からある名称を用いているので安心感はありますが、その実態は情報弱者を狙った胡散臭いビジネス(情報商材、マルチ(紛い含む)商法、資格商法)を行っている。

「ブログで稼げる」「せどりでかせげる」「ユーチューブで稼げる」など、露骨なワードで稼げるというのは、流石に怪しさや信ぴょう性の低さが目立つので言わない。

その代わりに「(実態はブログを書く事だけど)フリーランスで稼げますよ、その方法は…」と言い換えてビジネスを行っている。(そもそも「生計が立てられるほど」稼げるとは言ってない点も引っかかる。まぁ一口に生計と言っても、その金額は個人差があるのだけれども…)

そんな、胡散臭く見えるビジネスを表面的にクリーンで穢れなきものとして取り繕うために、一部の界隈で用いられているのが「フリーランス」という言葉なのです。

そして、HSPのように生きづらさを感じている人もまた、胡散臭いビジネスをしている人の養分、カモ顧客対象とみなされている可能性があるからこそ、迂闊に「フリーランスはいいぞ」とは言えないのです。

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