単純接触効果の逆効果 嫌いな人を何度見ても好きになれない理由

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単純接触効果はざっくり言うと「何度も会う人・物・情報などに対して好意や親近感を覚える」心理のことであり、恋愛やビジネス(主に営業職など)では知ってる人も多い心理学用語です。心理学者のロバート・ザイアンスの研究で発表されたことから、ザイアンス効果とも呼ばれています。

誰かから気に入られたり、相手のハートを鷲掴みにすることが求められる人には、単純接触効果のようなシンプルでわかりやすい心理学は、まさに人生をうまく渡り歩くための正攻法のように感じるかもしれません。

しかし、単純接触効果は決して万能ではありませんし、どんな相手でも効果があるわけではありません。

ただ純粋に嫌いな人から何度アプローチをかけられても以前より嫌悪感が募ってしまったり、何度もCMで顔を見ている嫌いな芸能人のことが余計に嫌いにならなかったり、宗教勧誘やしつこいセールスマンが訪れてくるたびに怒りが湧き上がるのと同じで、単純接触効果はそこまで単純なものではないのです。

むしろ、単純接触効果を期待して何度も顔を見せた相手に対して、逆に嫌悪感を募らせる結果となる「単純接触効果の逆効果」という言葉もあるほどです。

今回は、単純接触効果の逆効果についてお話いたします

単純接触効果の逆効果とは

通常の単純接触効果は、人・物・情報などを見聞きする回数が多ければ多いほど対象に対する好感度や好意が上がる現象です。

しかし、最初から対象に対して好意を持っていなかったり嫌悪感を抱いている場合、対象を見聞きする回数が増えるに連れて嫌悪感や煩わしさが強まってしまうのが、単純接触効果の逆効果です。

通常の単純接触効果が「合えば合うほど好きになる」という対象と接触する回数に比例して好感度が上がっていくのと比較して、単純接触効果の逆効果は「合えば合うほど嫌いになり顔も見たくなくなる」という対象と接触する回数に反比例して好感度が下がる現象です。

また、通常の単純接触効果はあくまでも好意を持っている相手や対象だからこそ起きる現象であり、そもそも相手になんとも思わていなかったり敵視されている場合には単純接触効果が起きないどころか、逆効果が働くこともあります

よく心理学を使った恋愛やビジネスのコツを書いている本やブログなどには、「単純接触=合えば合うほど相手に好意を持ってもらえる」というポジティブな側面だけが書かれており、単純接触効果の逆効果についてや、そもそもの前提条件については触れられていないものが多数あります。

そんなポジティブな情報ばかりを信じて行動した結果、何度顔をあわせても逆に嫌われてしまう悲しいオチになった‥という苦い経験をしている人はきっと少なくないと思います。

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単純接触効果の逆効果から導けること

単純接触の逆効果から導けることは

  • 初対面の相手に対して不快感や嫌悪感を抱かせてしまうようであれば、その後に何度顔を合わせても好意を持ち辛くなる。
  • 更に初対面以前(ネットで相手の名前や情報を検索するなど)の情報で、既に不快感を抱くことになっても、その後に何度顔を合わせても好意を持ち辛くなる。

といったことが導けます。

恋愛や仕事で第一印象がその後の印象を左右するのは、ほぼ常識として多くの人が知っていることですが、ネットを使えばネットで見た情報が初対面以前の情報として印象づけられるために、普段から粗相をして人に迷惑をかけがちな人は、より一層自分の言動(ネット上も含む)に気を配ることが肝心です。

デジタルタトゥーのように、ネット上に自分の非常識な行動が半永久的に残ってしまい、それを目撃した人によって、実際に会う前から既に悪評が広まることが起こり売る時代だからこそ、ネット(SNSやyoutubeなどの動画投稿サイトを含む)に情報をアップすることに対して慎重になるべきでしょう。

また、もしも明らかに相手が嫌がっているのを感じたり、それとなく距離を置かれているのを察した場合は、接触する回数を増やすのではなく、潔く諦めて他を当たることも単純接触効果の逆効果により自分の印象を更に悪化させないためにも大事です。

下がり過ぎた自分の印象が噂話となり、そのうち会うであろう他の人までも知る状態になれば、そのうち会う人でも単純接触効果の逆効果が発生して、ますます自分の印象が下がる&悪印象が他の人に知れ渡ってしまう恐れがあります。

もちろん、自分自身の行動や態度に他人を不愉快にさせる要素が無かったかをちゃんと振り返るのが大事なのは言うまでもありません。

そして「嫌われたの原因は自分ではなく相手にある」「否定的な目で見るやつはアンチで嫉妬しているだけ」と開き直ったり自己正当化をせず、しっかり自分と向き合うことを心がけるべきでしょう。

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嫌いな人と少しでもマシな関係になりたい場合の対処法

そうは言っても、嫌われているからといって誰でも簡単に距離を置いたり、人間関係をスパっとリセットできるわけではないのが世の常です。

嫌わていたり苦手だと思われているのを承知で、仕事や学校生活などの共同生活を送らなければいけない場面はあり、好意こそ持たれなくてもいいので「嫌わているよりはマシ」な関係を目指すことも、人間関係や集団生活を円滑にこなすためには大事です。

「嫌わているよりはマシ」な関係を築くためには「お互いに協力することが必要な場面」を用意して、とりあえず協力できる関係を築くことから始めるのが効果的です。

例えば、仕事なら新しいプロジェクトをグループで協力して行う、学校生活なら体育祭や文化祭を協力して成功させる、などの協力してこなさないと達成できないミッションをこなすことで、相手の存在価値を見出し人として尊重できることにつながります。

また、この時行うミッションも、ただ協力して終わり…という味気ないものではなく、グループにとって大きな目標であったり、やりがいや充実感などの魅力があるものであれば、よりグループの仲が深まる。すなわち、苦手な相手とよりマシな関係(場合によっては好意を持つきっかけになる関係)ことが期待されます。

実際に仲が悪かったり、相性が悪い相手(集団)だからといって歪みあってばかりでは、仕事でも学校でも苦労することは想像に難くありません。

好きな人ばかりに囲まれて生きていくのが理想かもしれませんが、現実は苦手な人や相性の合わない人とそれなりに協力し、折り合って生活して行くこともまた、社会を渡り歩くためのスキルです。

単純接触効果を期待して無理に相手に好かれよう、気に入られようとして苦労したあげくに逆に嫌われてしまうようであれば、「人から好かれなくてもいいけど、やるべきことはしっかり協力しますよ」という割り切った生き方ができることもまた、大事なことのように感じます。

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国立大教育学部卒、専攻は心理学。発達心理学、教育心理学、スポーツ心理学、社会心理学を中心に心理学に関する記事を執筆中。そのほかにも、人間関係やコミュニケーション、性格、スマホ、SNS、ゲームなどのあらゆるテーマを心理学の知識を用いて詳しく、面白い記事を書くことを心がけております。

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