「ウェイ系」とは、ネットスラング、若者言葉の一種です。
若者同士のコミュニケーションで使われる「ウェーイ」という、言葉としての意味は無いものの、場の空気を盛り上げるために使われている言葉を使っているが、語源とされています。
若者らしいノリの良さや雰囲気を重視する人を指す言葉であり、陽気なキャラの意である「陽キャラ」、パーティー好きな人から転じてお祭り好きで賑やかなことに興味や関心がある「パリピ」と共通する点が多いと言えます。
なお、言うなれば「ウェーイ」は感嘆詞(あるいは感動詞)の一種で、言葉が詰まった時に出る「え~と」「う~ん」「…あっ」など、意味らしい意味はもたないけど、呼びかけや応答として活用される言葉と言えます。
…しかし、このウェイ系という言葉は、リアルでもネット上でも、あまりいい意味で使われることは無く、自虐や軽蔑などの否定的な意味を伴って使われることが目立ちます。
また、ウェイ系には
- 態度が大げさである。
- 大声、奇声を上げて耳障である。
- 集団になると増長して、周囲に迷惑をかけるような逸脱行為が目立つ。
- 不良っぽい言動を感じさせるものがある。(いわゆる「DQN」のこと)
- ノリや雰囲気を重視する文化があるために、言葉により意思疎通が困難になることがある。
などの特徴・行動が見られることから、苦手な人として語られることもあります。
今回は、そんなウェイ系の人が苦手だと感じる心理・理由についてお話しいたします。
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ウェイ系の人が苦手な理由について
やたら声が大きくてやかましい
ウェイ系の語源となっている「ウェーイ」という言葉を、やたら大きな声で張り上げるようにアピールするのがウェイ系の特徴。そして、ウェイ系がウェイ系と呼ばれる所以です。
冒頭でも述べたように、「ウェーイ」という言葉を感嘆詞の一種と考え、応答や呼びかけの言葉として使われていると考えると、「ウェーイ」と口にすることは、ウェイ系と呼ばれる人同士で通ずる、挨拶の一種だと考えることもできます。
しかし、「こんにちは」などの一般的な挨拶とは違い、「ウェーイ」という言葉そのものが大きな声で発せられる特徴がある。また、挨拶を受けた方はそれに負けじと大声で「ウェーイ」と返す。そして、更に最初に挨拶したウェイ系も、更に負けじと「ウェーイ」と返す…と、会話を続けるうちにどんどん声のボリュームが上がり続けて、やかましくなるのがウェイ系が煙たがられる特徴です。
もちろん、こうした喋れば喋るうちにやかましくなることは「ウェーイ」以外での言葉や話題でも同様です。
そして、その場にウェイ系グループ以外の人がいるのにも限らず、TPOを無視してやかましく喋ってしまうために、煙たがられるのです。
一人では何もできないのに集団になると増長するところ
ウェイ系と呼ばれる人に特徴的なのが、一人では比較的大人しくて静かなのに、同じくウェイ系の人と集まると、妙にテンションが上がってうるさくなる、調子に乗り出すという態度の移り変わりにあります。
虎の威を借りる狐のように、集団の威を借りれなければ自己主張ができない肝の小ささに対して、嫌悪感や苦手意識を覚えることもあるでしょう。
また、(余計なお世話かもしれませんが)集団にならなきゃ好印象なのに、ウェイ系と呼ばれる人たちとつるんで、調子に乗った行動をした結果自分の評判を落としていることに、がっかりろした感情を抱くこともあるかもしれません。
…もちろん、集団になって増長こと自体は、いわゆるウェイ系とは真逆のオタクな人でも起きるものでありますし、集団心理が働けば誰でも起きうるものだということは補足しておきます。
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ノリ、勢い、テンションなどの非言語的コミュニケーションを主体としているところ
ウェイ系の人は「ウェーイ」意外にも、「マジ」「やばい/やばみ」「それな」…などの若者言葉を多用します。(場合によっては、ここで挙げた若者言葉が、もう死語になっているものもあるかもしれませんが‥)
これらの言葉はあくまでもノリやテンションを上げるための材料の側面が強く、言葉によるコミュニケーションよりも、ノリ、勢い、テンションを重視したにコミュニケーションスタイルをとります。
言うなれば、ウェイ系は言葉は使うものの、その実態は表情や仕草などの非言語的コミュニケーションを主とするグループと言い表すことができます。
そのため、普段から言語によるコミュニケーションを主としている人からすれば、自分には慣れないコミュニケーションをしている人だと映って、苦手意識を覚えてしまうのです。
また、確かにウェイ系の人は日本語をしゃべっているはずなのに、その言葉に意味らしい意味は無く、言葉による意思疎通ができない相手と感じる違和感も、苦手意識を強める一因だと考えることができます。
なお、心理学の視点に立てば
- 「自分は日本語を理解し、意思疎通できる」
- 「目の前の人が日本語を話しているのに、言葉が理解できず、意思疎通もできない」
という、矛盾した2つの認知が生み出す不快感(=認知的不協和)も、ウェイ系に感じる苦手意識の一因と考えることもできます。
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イキった態度、荒っぽい言動が怖い
集団になると増長するウェイ系ですが、その中でも調子に乗って挑発的な態度をとる(=関西圏で使われている「イキる」)ことや、荒々しい態度をとることに、恐怖を感じる人もいます。
集団の一員となることで弱々しさが消えて、豹変するかのように荒々しく威圧的な態度を取る様は、まさに集団になって一人の人間をいじめる側に立つ人間の姿を彷彿とさせるものがあります。
そのため、過去にいじめられた経験がある人や、弱いものいじめに巻き込まれた経験がある人は、ウェイ系の増長した態度を目撃すると、たとえ自分に注目が向いていないことがわかっていても、「生理的に無理」というような強い不快感を感じることがあります。
年の割には落ち着きがなくて幼く見えてしまうところ
- TPOをわきまえず大声を出したがる。
- 増長した行動を自制できない。
- やたら威圧的な態度を取る。
などの行動を、小中学生ならともかく大学生や社会人がしているとなると、なんだか幼く見えてしまってうんざりすることがあるものです。
外見は大人なのに、中身はまるで小学校高学年~中学生ぐらいの思春期の子供のような態度を取っているように見えて、年の相応の落ち着きがなく、幼く見えてしまうのです。
また、落ち着きの無さに限らず、(やや厳しい言い方をすれば)お世辞にも品があるとは言えない言動や態度が目立つ。そして、なんだか見てはいけないものを見てしまったかのような気持ちに襲われてしまうことが、ウェイ系の人を見ているを起こります。
ウェイ系のペースに飲み込まれてしまいそうに感じて怖い
ウェイ系の人と関わる場面では、自分で自分を制御できなくなる恐怖を感じることがあります。
ウェイ系はノリやテンションなどの非言語的コミュニケーションを主とするため、そのノリに圧倒されて冷静さを失い、こちらも釣られてハメを外してしまったり、逆に過剰に反応して、こちらも攻撃的な態度を取ってし、自分で自分がコントロールできなくなる不安を感じます。
HSP(ハイリー・センシティブ・パーソン)のように、他人との心理的な境界線を引くことが苦手な人からすれば、ウェイ系のようなノリ重視の人は、ノリやテンションで他人を操作できてしまうような影響力やカリスマ性を持った人間のように感じ、そのことが恐怖や苦手意識などの感情として現れているのだと考えることもできます。
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