いじられキャラになる女性の辛さについて

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この記事は、前回の「いじられキャラで泣いてしまう人が感じる辛さの裏にあるもの」の続編です。

職場や学校のグループにおいて、いじられキャラを引き受けてしまう女性の中には、いじられキャラ特有の辛さだけでなく、女性として自分を否定される辛さに苦しむことがあります。

下手をすれば、ただのいじりではなく、陰湿ないじめやセクハラ、パワハラ、モラハラなどの各種ハラスメントにつながりかねなません。

また、職場の人間関係にいじられキャラとして上手く馴染むために、いじられキャラらしい、軽い惨めさや自虐ネタにできるツッコミどころ(例:身なりやプライベートを犠牲にして仕事に打ち込む女らしくないキャラになる等)を残した自分を演じなければいけない、という前進しているのか後退しているのか自分でもよくわからなくなる努力で、精神的に疲れてしまう…。

今回は、そんないじられキャラになる女性の辛さについて、お話いたします。

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どういう「いじり」で女性は辛くなるのか

顔、容姿、体型に関するいじり

顔、容姿、体型、などいわゆる第一印象・外見に対するいじりです。一般的に女性よりも男性の方がしやすい(といえば語弊があるが…)いじりですが、もちろん、女性も例外ではありません。

男性の場合なら、比較的外見をいじることで笑いをとったり、そもそも女性ほど美しさ、綺麗さを求められることがないので、いじりのネタとしては鉄板です。(もちろん、傷つかない男性がいないというわけではないが)

外見というわかりやすい特徴で露骨にいじることから、いじりの範疇に収まらず、いじめやハラスメントになりやすい。加えて、露骨さゆえに自尊心や自己肯定感が削られる人も少なくありません。

更に、「○○さんと比べて地味だよね」と、同じ女性と比較した上でおこなわれるいじりも多く、「自分は○○さんと比べて格下だと見られている…」という、集団内において自分がどれだけ下の方にいるかを否応なく自覚してしまう辛さもあります。

なお、セクハラに関する知識が普及していることも相まってか、このいじりは、女性から女性に対して行われることが目立ちます。(もちろん、女性同士でもセクハラは成立はするのだが…)

キャラ、性格、言動に関するいじり

おバカキャラ、天然、ぶりっ子などの、キャラ(一時的に演じる役割)や自分の性格・気質に関するいじりもまた、女性にとっては辛さを感じる原因になります。

外見という露骨な特徴で人をいじることに対して抵抗を感じる人であっても、キャラや性格といった、ぱっと見ではわからない内面の部分をネタにしていじることには、抵抗を感じづらい傾向があります。

しかし、キャラや性格という、自分の軸となる部分をいじりられることは、言い換えれば自分の人格が否定されていると受け取りやすい。加えて「性格がブス」のように、相手の外見を否定しない分、容赦ない言葉を「いじり」という可愛げのある言葉で言われてしまい、傷ついてしまうこともあります。

恋愛、結婚、出産に関するいじり

  • 恋人はいるかのか、いないのか。
  • 結婚する予定はあるのか、ないのか。
  • 出産の予定あるのか、いないのか。

など、プライベートな話題のなかでも、特にセンシティブな話題のいじりもまた、いじられキャラの女性を悩ます原因になります。

加えて、このいじりは、どちらにしてもいじりのネタとして使われてしまう。どっちみち話題の中で出れば、いじられキャラの人をどう転んでもいじることができてしまう、まさにいじられキャラの逃げ場を無くして、一方的に追い込めてしまう厄介な話題です。

恋人の有無を例にすると、

  • 恋人有:遊んでいる、チャラい、下品…など
  • 恋人無:恥ずかしい人扱い、独身いじり、「女を捨ててる」…など

と、どっちに転ぼうといじりのネタになる。しかも、下世話ないじりになるので、いじられキャラの人にとっては困りものです。

加えて、マウントを取るためのネタとしても活用しやすく、いじられつつもマウントを取られるという損な役回りに徹することを、いじられキャラの人は暗に求められてしまい疲れてしまいます。

育ちの良さ、品性、などに関するいじり

  • 礼儀や作法を知っているか。
  • 遠慮や謙遜ができて、目上の人を立てることができるか。
  • 言葉の使い方が荒くないか、いい加減ではないか。
  • 生まれはどこか、どの学校を卒業しているか、教養はあるか。

など、自分の生まれ育ちや教養に関するネタで行われるいじりです。

いじりネタの中でも、相手に「世間や社会が求めている女性像になれていない」という恥や罪の意識を抱かせつつ、そんな恥ずかしい存在をいじりによって自分の集団の一員として迎え入れている…と、いじる側の優しさを垣間見せるという、高度なコミュニケーションの一種です。(まさに、貶しながら相手を受容するという、二枚舌っぷり。いわゆるツンデレの一種かもしれない)

しかし、いじられる側は恥や罪の意識を抱くと同時に、「自分は恥ずかしい人間だと周囲から見られているのでは?」と不安を感じるため、やられて気分が良くなるいじりとは言えないのが実情です。

「女子力が低い」など、女性らしさに起因するいじり

  • 女子力が低い。女らしくない。
  • (女性なのに)家事ができない、子供が苦手。
  • 「(育休から復帰するときに)子供がかわいそう」

など、女性らしさに関するいじりもまた、女性ならではのいじりの一種です。性別に関する嫌がらせを意味するジェンダーハラスメントや、セクシャルハラメント(セクハラ)と見られることもあります。

加えて、このいじりは若い頃は学生らしい女性or若い女性としてのいじりを、結婚すれば妻や母親としてのいじりを、ある程度年齢を重ねればおばさんとしてのいじりを…と、状況が変わってもずっと続く厄介さがあります。(もちろん、これは男性でも同じだが…)

いじられキャラのために女性らしさを捨てる苦悩

女性において、グループに馴染むためにいじられキャラになる過程において、場合によっては女性らしさ捨てなければいけないことがあります。

たとえば、自分の職場が男性中心の社会である場合、女らしさを出して既に出来上がっている人間関係の和を崩そうものなら自分の居場所を無くす不安があるため、なるべく女らしさを排除して、馴染みやすい自分を演じる必要があります。

その一つとして、女性のお笑い芸人のように、やたら自己卑下や自虐ネタを話して、集団内における自分の価値を低くするという身の振る舞い方です。

馴染みやすさの演出として、あえてダメな自分をさらけ出しているため、先輩からかわいがってもらえるといういじられキャラの強みを手にできます。

しかし、その一方で女性らしさを捨てていることに目をつけて、男性側が距離感の近さを覚えてプライベートを聞き出す、恋人の有無に関する話題を振るなど、セクハラと見られてもおかしくない行動をしてきて不快感を覚えることも、いじられキャラの女性の苦悩です。

もちろん、これは男性社会に溶け込むことばかりではなく、女性中心の社会や男女半々の社会に溶け込むことでも同じです。

既に出来上がってる人間関係に溶け込む以上、下手に女性らしさをアピールして、先輩に悪い意味で顔を覚えられてはいけないので、女芸人のように必死に自分を低く見せていじられキャラという役に徹する。

結果として、上手く集団に馴染めたのはいいものの、自分から女性らしくないことをアピールし、いじりのネタを提供してきたことが災いし、「あいつは女子力がないよね(笑)」「そんなんだから彼氏できないんだよ」と、情け容赦無いいじりを受ける苦悩があります。

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参考書籍