HSPの男性が抱えやすい悩み、生きづらさについて

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繊細で敏感な気質であるHSPは、およそ5人に1人が持っているとされています。

しかし、繊細で敏感であることと、それが社会や世間から受け入れられるかどうかにおいては、男女ともに同じであるようには感じられません。

一般的な男らしさが持つ多少のことでは動揺しないタフさと比較すると、HSPのようにあらゆる刺激に敏感で動揺しやすいことは相性が良くありません。

それゆえに、HSPの男性(子供の場合も含む)は「自分は男らしくない」という悩みやコンプレックスを抱え混みやすいと言えます。

繊細すぎて「男らしくない」HSPの男性

HSPの男性の特徴を一言で言えば「男らしくない」となります。

  • あらゆる物事に動じず冷静である。
  • あまり感情を表に出さず、堂々としている。
  • 過去のことを引きずらずに自信に溢れている。
  • 心身ともにタフでストレス耐性がある。

といった、男性特有のタフさ、メンタルの強さからくるマッチョイズムのイメージとHSPとは相性がよくありません

HSPの人によく見られる

  • ささいな事で動揺して、冷静さを失ってしまう。
  • 他人の怒りや不安などの感情に影響されやすい。
  • 繊細であるために過去のことをクヨクヨ悩んで気持ちの切り替えが苦手。
  • あらゆる刺激に敏感で人一倍疲れを抱えやすく、そのことが理解されにくくて悩む。

という特徴は、特にHSPの男性にとっては一般的な男性らしさとは真逆で「男のくせに男らしくない」「女々しくて女の子みたいな男」という印象で見られがちです。

もちろん、こうした繊細さはHSPの女性でも見られるものですが、女性の場合は女性らしさの一種として社会や世間から受け入れられやすい傾向があります。

しかし、男性の場合は一般的に認識されている男らしさとは相反するは特徴のために、社会からは受け入れられにくく、後述するように自己嫌悪やコンプレックスへと繋がることがあります。また、場合によっては社会に出る前の子育ての段階ですら受け入れられないこともあります。

「男らしくない自分」がコンプレックスになる

社会で活躍している多くの男性は、多少のことには動じないタフさがある。また同じく男性である自分も、そうしたタフさを身につけて仕事や学業で活躍することこそ、求められている役割だと感じていると、男らしくない自身のHSPという気質は大きな悩みの種になります。

社会や周囲の大人から求められている男性らしさに自分を合わせようと試みるものの、そもそもHSPが先天的な気質であるために、どうしても繊細で敏感なため動揺を完全に抑えることがむずかしくなります。

特に、子供の頃から周囲の男子と違って、傷つきやすくてビクビクしがちなことで「男らしくない」と悪目立ちして同級生から好奇の目で見られたり、先生や親から「もっと男の子らしくしなさい」と叱られ、「男らしくない=悪」と結びつけてしまう。

でも、繊細なのは自分一人の努力、気合、根性で完璧にコントロールできるものではないことに苦労し、結果として他の男性同様に男らしくなりたいのに男らしなれない自分に自己嫌悪やコンプレックスを抱いてしまうのです。

特に、男性から見て「男らしくない」男性は、いじめのターゲットや笑い者、晒し者として扱われる辛さがありますし、敏感さゆえにいじめによる言葉の暴力に対してもひどく傷ついてしまうのが悩みどころです。

加えて、女性から「男性らしくない=魅力がない」というレッテル張りをされてしまったり、仕事の場面でも「男らしくない=仕事ができない、仕事を任せられるだけの責任感や安心感を感じにくい人」と判断されてしまうことが重なり、生きづらさを抱えがちです。

女性なら(やや前時代的かもしれませんが)、就職以外に結婚をすることで社会適応する道も残されてますが、男性のHSPの場合は、恋愛でも就職でもつまずきやすいために、生きづらさを覚えがちなのです。

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無理やり「男らしさ」に自分を当てはめて自分らしさを見失うことも…

もちろん、男らしくない自分を克服するために、あえて体育会系の部活や組織に入って心身を鍛えたり、繊細なのを他人からバレないように隠し続けることで、周囲から求められている男らしい男に近づこうとする人もいます

男らしさを獲得すれば、自分の所属している社会(学校・職場・家族)においての居場所を獲得するだけでなく、心理学者のマズローが言う所属・承認の欲求を満たすことが可能です。

しかし、その一方で周囲から求められている男らしさに拘るあまりに、自分とはなんなのか…つまり、自我同一性(アイデンティティ)が希薄になり、自分らしさを見失うこともあります。周囲から求められている男らしさに、無理やり自分を合わせることが必ずしも幸せとは言えないのです。

そもそも、繊細なHSPという気質を持っている自分と向き合うのを避けて、周囲が求めている男らしさ…ひいては、そこからくる周囲の声、期待、反応に応えるために自分の感情や意思を抑圧しているので、周囲から認めれることはできても、どこか「自分の人生を生きていない」という空虚な気持ちに悩まされてしまいことがあります。

とくに、幼い頃から真面目でいい子。親や先生の期待を敏感に察知し、その通りに動けば褒めてもらえる、受け入れてもらえるという環境で育ってきた男性ほど、周囲から受け入れられて満足できる状況の裏では、生きている実感の希薄さや虚しさに悩むのです。

思春期に「男らしくない自分」を強く自覚して生きづらさを覚える

小学校高学年~高校生までのいわゆる思春期は、自分の体の成長と精神的な成長のバランスが取れず、自分らしさを見失いやすい時期でもあります。

そして、自我が芽生えることで、自分自身を俯瞰的な視点(=メタ視点)で見始めて、周囲と比べて自分はどういう人間なのか、ということを強く自覚する時期でもあります。そのため、より「男らしくない自分」についても自覚してしまう時期でもあるとも言えます。

成人男性の体になるべく身長も筋肉も成長しているのに、それに対して精神的な成熟が追いつかない…というか、そもそもHSPが気質という先天的なもののせいで、体の成長と比較すると余計に自分の男らしくない内面部分が目立ってしまい、そのことが先生、親、同年代の友人から好奇の目で見られてしまい、自分らしさの否認や抑圧を招きます。

思春期は、自分だけでなく同年代の友人や先輩・後輩も他人への関心が強まり、場合によってはその関心が恋愛へと繋がる時期でもあります。

そうした時期において「男らしくない自分」が多くの人にとって好奇や奇異の目として関心を浴びることの辛さ、そしてHSPゆえに自分に向けられる視線に対して強く反応して、恥ずかしさや後ろめたさ、劣等感へとつながりやすくなります。

自分では「男らしくない」ということをある程度受け入れていても「(周囲の男子と比較して)男らしくなくて女々しいよね~」と、同世代からいじられるのは事実であるがゆえに、ストレートに心に響いて辛いものです。

なお、ある程度男らしくないを受け入れた自分らしさ(アイデンティティ)を確立でき、自分との折り合いが付けられたとしても、男らしくないことで味わった苦く恥ずかしい経験のせいで、人と交流することを自ら避けて孤独を選んでしまうこともあります。

孤独になることはHSPにとって、あらゆる刺激を生む人間関係という刺激の発生源から解放されて落ち着けるメリットがある一方で、自分が抱いているモヤモヤとした気持ちを打ち明けられる相手がおらず、自分一人で生きづらさを背負い込むデメリットもあります。

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「草食系男子」のように男らしさが薄れた概念も広まりつつあるが「男らしさ」は依然として残っている

現在では、TVや雑誌などでごく当たり前のように「草食系男子」という、心身のタフさが薄れた男性像、つまり女々しさを感じる男性像が受け入れられつつあり、HSPの男性から見ればそれなりに生きづらさが緩和されている時代であるとも言えるでしょう。

しかし、草食系男子という言葉は、いつも肯定的なニュアンスではなく「あの人は草食系でガッツがないよね~」というように、否定的なニュアンスで使われることも多くあります。

草食系男子という言葉の浸透しても否定的なニュアンスで使われることから、依然としてタフさを求める男らしさが多くの人の内面に残っており、そのことで生きづらさを覚えている人が多いと感じます。

また、住む地域、働く職場の雰囲気によっては、前時代的な男らしさが尊ばれている人間関係があり、男らしくなければそれだけで槍玉にあげられ、避難、指摘、そして矯正の対象となることもあります。

このことは大人だけでなく子供でも同じで、男の子を持つ親が「この子は男の子らしく丈夫にたくましく育ってほしい」という、我が子のなにげない幸せを願うことですらも、HSPの子供(=HSC)のとっては重荷になる可能性を示唆しています。

こうした男らしさに苦しまないためには、月並みな意見になりますが、男らしさというステレオタイプに囚われず、その人が持つその人らしさを尊重して支えていくことが重要であると感じています。

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