ストレスと上手に付き合う「ストレスコーピング」の種類とやり方

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残業に人付き合いとストレスフルな生活を送る上では、ストレスが溜まりすぎてメンタルに支障が出ないように、上手く付き合うことが肝心です。

ストレスは私たちの感じ方や考え方を変えることによって、コントロールすることができ、知らないうちにストレスを感じやすい考え方、物の見方していては、たとえストレスが少ない環境であっても悩まされることになります。

今回はストレスの上手な対処法である「ストレスコーピング」についてお話いたします。

ストレスコーピングとは

ストレスコーピング(stress coping)とはストレスへの対処法を指す言葉です。英語の「cope(動名詞だとcoping)」には「上手く処理する」という意味があり、直訳してもストレスの対処法となります。

人間がストレスを感じるのは、ストレスの発生源(ストレッサー)によるものです。長期に渡ってストレスを受け続けると感情や考え方心身の健康に悪影響が出るので、適宜ストレスコーピングを行い体調を整えることが重要です。

ストレスコーピングを大きく分類すると、以下の2種類は分けることができます。

問題焦点型

ストレスの原因に働きかけることで、ストレスを処理する方法です。

例えば仕事の量が多すぎて精神的にしんどい場合、仕事を誰かに手伝ってもらって片付けたり、転職をして今の仕事よりも楽な仕事に就くことが問題焦点型のストレスコーピングとなります。

問題焦点型はストレスを根本的に直す、ストレスの発生源と物理的に距離を置く、というように、何かと行動を移すことでストレスを処理する方法なので、積極的な性格の人向けの方法と見ることができます

情動焦点型

ストレス源に対して自分の考え方や感じ方を変えて、ストレスにを処理する方法です。

例えば、厳しく叱ってくる上司をただ怖い人、理解できない人だと考えるのではなく、「上司は上司なりに私のことを思って不器用ながらも接してくれているのだ」と考え方を改めることで、厳しく叱る上司への印象を変えてストレスを処理するとことがこれにあたります。

情動焦点型はストレス源に対して何か行動をするのではなく、あくまでも自分の考え方やものの見方を変えることでことでストレスを処理する方法なので、受動的な性格の人向けの方法と見ることができます

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ストレスコーピングの例

ストレスコーピングは問題焦点型や情動焦点型の他にもいくつか種類があります。

その中から代表的なもの対処法を具体的に説明していきます。

問題解決型対処

ストレスそのものを解決すべき問題と捉え、問題を解決するテクニックを使ってストレスを上手く処理していく方法です。

例えば「人間関係」がストレス源の場合、以下の手順で処理していきます。

  1. 問題を明確にする:誰に対してどのようなストレスを感じているのか明らかにする
  2. 問題の原因を探る:ストレス源となっている人のどの部分にストレスを感じているのかか探る
  3. 原因に対して複数の案を出す:例えば、言葉遣いがストレスの原因ならば、それとなく指摘する、きっぱり嫌だと伝える、距離を置くなどの対処法をいくつか考える。
  4. 解決案の順番を考える:順番というのは優先順位に近い。いきなり距離を置くのか、それと、まずはそれとなく指摘して様子を見るか、どの順番でやればいいのか考える
  5. 実行に移す:決めた通りの順番で対処法を実践して様子を見る。
  6. 5の解決案ではダメだった場合、他の案を実行する:次の対処法を行い様子を見る。

という手順で行います。

問題解決型対処でポイントとなるのは、3の「原因に対して複数の案を出す」です。

ストレスを手っ取り早く解消したい時は、視野が狭くなって「解消方法はこれしかない!」と、どうしても派手で極端な対処法をとりがちです。

人間関係の場合なら、いきなりキレて周囲からドン引きされたり、急に人間関係をリセットするという極端な方法をとってしまう人がよく話題になります。

しかし、人間関係のように、「付き合うor付き合わない」と2択で考えがちなケースの時こそ、一旦冷静になって…

  • 自分の意見を主張しつつ、ほどほどに付き合う
  • 今までよりも会う回数を減らして付き合うようにする。
  • SNSでは付き合わず、リアルの人間関係でのみ付き合うようにする

などの、いくつかの対処法を考えて、いきなり人間関係をリセットして心配をかけないようにするのもストレスへの上手な対象法の一つです。

人間関係をリセットする場面にもよりますが、仕事でリセット癖を行ってしまうと確かに人間関係のストレスはすぐになくなります。

しかし、収入や残された人への引き続ぎや、急に仕事をやめるような人だと思われ自分の信用に傷が付くなどの別の問題が発生するので、あまりおすすめできる対処法とは呼べないのです。

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情動処理型対処

情動処理型対処は、いわゆる日常的に使われるストレス発散と呼ばれる行動が多く、更に詳しく見ると、以下のように分けることができます

  1. 逃避型…旅行に出かける、ストレス源となる人から距離を置く、考えないようにする…など
  2. 発散型…八つ当たりや悪口、愚痴などで発散して気持ちを紛らわす…など。ただし、発散がうまくいかず別のストレスが生じるデメリットもある。
  3. 解消型…スポーツやゲーム、趣味、ショッピングなどでストレスを解消する…など。ただし、飲酒・喫煙・ドカ食いなどで解消すると健康に悪影響が出るデメリットがある。

情動処理型対処はどれも馴染みがあり且つ即効性に優れたストレスコーピングです。

また、問題解決型対処と比較して、あれこれ考えずに簡単にできる一方で、例えば八つ当たりのせいで怪我をしてしまう、ショッピングをしすぎて無駄遣いをしてしまう、といった新たなストレスを増やしてしまうデメリットもあります。

また、ストレス源には何も手を加えていないために、ストレスの根本的な解消にはならないという特徴もあり、対処の方法としては短期的な効果はあるものの、長期的には不十分な点が目立ちます。

認知的処理型対処

自分の性格や行動パターンなどを分析して、ストレス発生源との付き合い方を考えたり、考え方や思考の癖(認知の歪みなど)を修正して、ストレスを処理する方法です。

人間関係がストレス源なら

  • 自分にとってちょうどいい人との付き合い方を考える。
  • 他人の目を気にしすぎず、自分の意見を言えるような関係を作る。
  • キャラを演じて疲れないように適度に自然体でいられるようにする。
  • もしもストレスを感じ出したら、その場を離れてクールダウンする時間を取る

などの、自分の性格や思考に合わせて対処法を立てて実施していきます。

先ほど説明した「問題解決型対処」とも共通点が多く、自分のストレスの感じ方やストレスへの反応を元に対処法を立てるので、時間はかかりますがストレスをうまく処理する方法を効果的に身に付けることができます。

社会的支援型対処

自分一人の力でストレスに対処するのではなく、友人や知人、専門の知識を持ったカウンセラーなどの協力を得て、ストレスに対処する方法です。

人間関係がストレス源の場合なら

  • 職場の同僚や上司に悩みを打ち明けてみる。
  • 家族や友人などの親しい人に相談を持ちかける。
  • カウンセラーやセラピスト、専門医に相談する。

などの、誰かの手を借りてストレスに対処していきます。

社会的支援型対処はどうしても自分一人で頑張ったけれど、ダメだった場合の最終手段としてではなく、普段から人に相談できない、悩みを抱え込みがちな人こそ、普段から積極的に使うのがいいでしょう。

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ストレスコーピングの注意点

対処法は人により向き・不向きがある

今回紹介したストレスコーピングのやり方には、性格や考え方によって向き不向きがあり、自分に向いていない方法では効果があまり感じられないこともあります。

例えば、ストレスへの対処法としてよく挙げられる「ポジティブ思考」は、慎重な性格の人や理屈で考える癖がある人には効果がでず、逆に不安を感じてネガティブになってしまうことがあります。

どんなに苦しいことでポジティブ捉えることは、確かにストレスを和らげる方法としては有名ですが、誰にでも有効な万能な対処法ではありません。

「他の人にポジティブ思考でストレスを処理しているのに自分は処理できないからダメなんだ…」と落ち込むのなら、ポジティブ思考以外の対処法でストレスの処理ができないか探ってみるようにしましょう。

「ストレスゼロ」ではなく、まずは少しでも減らすことを目標にする

ストレスを処理するときに大事なのは、ストレスとなるものをとにかく全部なくしてゼロにしようとするのではなく、まずは少しでもいいからストレスを減らすことを目標にすることです。

人間は「ストレスゼロである」という、環境ですらストレスを感じてしまう生き物であり、ストレスゼロは決して快適な状態とは呼べないのです。

また、実際に人間関係やお金、仕事、趣味などのあらゆるストレスがゼロの生活に近づけようとするのはあまり現実的ではありませんし、何かしらのストレス源はあるもの想定した上で、上手に付き合うスキルを身に付けるのが重要なのです。

適度なストレス…例えば上司からの期待、適度な緊張感やスリルは、やる気やモチベーションを強める効果があり、なんでもストレスをゼロにすることはかえって無気力な生活を招くリスクもあります。

スポーツでよく聞く「ゾーン」や「フロー状態」という、体のパフォーマンスが高くなる状態も、実は適度に緊張感があると発生しやすいことがわかっているので、ストレスを敵視せず適度に付き合うことは大事なのです。

国立大教育学部卒、専攻は心理学。発達心理学、教育心理学、スポーツ心理学、社会心理学を中心に心理学に関する記事を執筆中。そのほかにも、人間関係やコミュニケーション、性格、スマホ、SNS、ゲームなどのあらゆるテーマを心理学の知識を用いて詳しく、面白い記事を書くことを心がけております。

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