最近のゆとり世代の新社会人に限ったことではありませんが、失われた20年、30年という言葉にあるように、先行きの見えない暗い雰囲気が漂う現代社会は、若者に限らず自信をつけようとするのは難しいものです。
自分に自信がない状態になると何事も消極的になり、仕事や部活、勉強で思うように結果が出せなくなります。そして、結果が出ないからますます自信を喪失してしまう、という負のスパイラルに悩まされる人に向けての自信の付け方を詳しく解説していきます。
自信がない人は自己肯定感が低い
自信がない人に共通しているのは「自己肯定感」が低いという事です。
自己肯定感は文字通り、自分で自分を肯定する事。わかりやすく言うと、自分に「いいね!」「OK!」「最高!」「素晴らしい!」「上出来!」「いい仕事した!」と言えるような感情のことです。
自信がない人はこの自己肯定感が極端に低いので、自分で自分に「ダメだ」「NG」「最低」「仕事がまるで出来ていない」のような、自己否定をする言葉を投げつけている事になります。
ちょっとここで話を変えますが、上に書いた自己否定の言葉の数々を、自分以外の他人に投げつけたらどうなるのか想像してみましょう。
当然自分を否定する言葉を投げつけられたら、大半の人は落ち込んでしまいます。はたまた怒ってしまい不機嫌になったり、あなたに対して嫌悪感や反発心を抱いてしまうこともあります。
これが、仕事やスポーツの場面だったら、パフォーマンスに悪影響を与えてしまいます。到底、いいコミュニケーションの取り方ではありませんね。これではやじを投げたりの文句を言うだけの迷惑な人です。
話を戻します。そんな自己否定の罵詈雑言を嵐を他でもない自分自身に投げつけてしまえば、当然落ち込む原因になったり、イライラやパニックを自分で生み出してしまうのも無理はありません。
そんな精神的に乱れた状態で仕事やスポーツをしても、いいパフォーマンスは期待できません。自信が無い状態が自己否定から来ているのであれば、自己否定を止め、自己肯定感を高めていくことから始めていくことになります。
すこし頑張らないと達成できないレベルで目標を立てる
自己肯定感は、全く頑張らなくても達成できるレベルの目標では身につきません。
今の自分の実力だとちょっとストレスがかかるけど、ちょっと頑張れば必ず達成できるレベルの目標をこなしていくことで、達成感は身に付いていきます。
逆に目標が高すぎてしまうと、到底達成の可能性が限りなく0に近づくので達成感は生まれません。目標そのものが、すぐに達成できるものでもないので、達成までに時間がかかりすぎてしまい途中で飽きる、投げ出すので、同様に自己肯定感は得られなくなります。
目標を立てるときの設定は低すぎず、高すぎず。このバランス感覚を大切にしてください。
また、自己肯定感を付ける目標設定の決め方に大切なのは、目標そのものを誰かと比較したり、目標の基準を自分以外に置かないことです。
「自分は自分のペースで目標をしっかり達成していけばOK」というスタイルを持ちましょう。
途中で挫折しそうになってしまったら?
途中で挫折しそうになってしまったら、一度冷静になって目標を振り返ってみます。
目標の設定が自分にとって高すぎていないか、時間がかかりすぎるものではないか、ちょっとでは全力で頑張らないと達成できない目標になっていないかをチェックしていきましょう。
その中で最初の目標設定が間違っていたら、目標のハードルを下げて、必ず達成できるものに調整していきましょう。
自己肯定感は一気に取り戻そうとしない。
一度下げてしまった自己肯定感は、そう一気に回復するものではありません。もしも一気に回復できるのなら、自己肯定感がなくてウジウジ悩むという場面はなくなるはずです。
挫折して新たな目標を立て直す、という事を繰り返していると、自分がどういう場面で挫折しやすいのかを知ることができます。挫折そのものは決して悪ではなく、挫折を何度か繰り返していく事で、自分の癖を自覚できるようになります。そう考えると、挫折に対して過度に恐怖心を抱かなくても大丈夫だと思えます。まさに「失敗は成功の元」ですね
自己肯定感が低くなりがちな人は、まず目標の設定そのものが自分のレベルにあっていないことが大半。
もちろん、プロのスポーツ選手になりたいとか、東大に受かりたいというスケールの大きな目標や使命を持つことは、自分の可能性を高めるためには重要です。しかし、それらの大きな目標は数週間や数ヶ月でそう簡単に達成できるようなものではないので、挫折しやすくなります。
何年、何十年という人生の多くの時間をかけて達成していく目標に対して、数ヶ月で達成できると考えているからうまくいかないのです。
大きなスケールの目標を立てるときは、必ず小さなスケールの目標をセットにすることで、途中で挫折してしまう事を防ぎます。
スポーツ選手になりたければ、例えば「夏休みの練習期間で○○が出来るようになる。」という目標をセットに、東大に受かりたければ「9月までに東大の赤本を3周する。」という目標をセットにするという感じです。
小さなスケールの目標が達成できたら、次のステップに進んでいく。そうして大きなスケールの目標を立てて行きましょう。
関西で有名なお笑い芸人の西川きよしさんのように「小さなことからコツコツと」をモットーに。小さなことなら達成できる、大きなことだと達成しにくい。でも、小さなことを続けて行けば、大きなことも達成できるんだというイメージを持ってメンタルを鍛えていきましょう。
まとめ
・自信が無い人は自己肯定感が低い。自己肯定感が低くなる事は失敗を招き行動力を下げるので、更に自信がなくなりやすく負のスパイラルに。
・自己肯定感を育むには、ちょっと頑張れば必ずできる目標をコツコツこなしていくこと。目標の設定は、レベルの高い人ではなく自分自身に合ったものにしていく。
・途中で挫折しそうになったら、最初の目標の設定が間違っていないかを確認。目標の設定が高すぎたら、設定を下げてちょっと頑張れば必ず達成できるものにして、達成感が得られるように調整する。
・自己肯定感を一気に取り戻そうとすると失敗や挫折が起きやすい。時間がかかるものとして気楽に取り組んでいくこと。
スポーツや芸能、芸術の分野では、まだ20歳にもなっていない、下手すれば高校生、中学生のような若くして活躍する選手がTVやSNSで話題になることがあります。
そういうスターが登場するやいなや、「将棋界のエース」「球界のホープ」「フィギュアスケート界の新星」などの異名を授けられ、一躍時の人となり、高い評価を受けます。
そういった人たちのように、若くして大きな成果を出せる事を大きく評価するくせが身につくと、短い時間で大きな目標を達成できることは素晴らしい事、逆に時間をかけて大きな目標を達成するのは、その人たちと比べて劣っている、という考え方を増長させてしまう原因になります。
同じ目標ラインであっても早ければ早いほど良い、優れているという考え方は、自分からも他人からも自己肯定感を奪う原因になります。自己肯定感を奪うだけでなく、燃え尽き症候群やスポーツ障害のような実害を招くこともあります。
今自分に自己肯定感がなく、そして短い時間で大きな結果を出すことはいいことだと考えている節があるのなら、自己肯定感が付かない原因はその考え方にあると自覚しましょう。
目標を立てるときは自分のペース、自分のできるラインを常に考えましょう。