付き合っている恋人となんとなくうまくいかない、将来の事を考えると別れたほうがいい気がする…と思っても、実際に付き合っている相手と円満に分かれるのは難しいものです。
リアルの人間関係だからこそ、別れ話をするときに相手に対して情を抱いて「やっぱり別れを切り出すのは今度にしよう」と先送りにしてしまった経験は恋愛に限らず、友達づきあいをやめる時であったり、バイト先や職場をやめる時に似たような気持ちを抱いたことがある人はきっと多いと思います。
SNSでフォロワーを整理するように、クリック一つで簡単に別れられたらなぁ…と思うことはあっても、実際にリアルの人間関係でそんな冷徹で自分勝手な別れ方をしようものなら、青の人は自分勝手でわがままな人だと思われ、ディスられてしまうことでしょう。
リアルの人間関係だからこそ、別れる時はなるべく穏やかに、そしてお互い後腐れなく円満に別れられるような別れ方を身に付けることは、友達や恋人を作るとの同じぐらい大事だと思います。
こんかいは、恋人と別れるのに役立つ心理学やコツについてお話いたします。
「別れたくない」と言われるほど別れたくなる理由
恋人に対して別れたいと伝えると、どうしても「別れたくない」という反応が帰ってきて引きとめようとするものです。
しかし、相手から「別れたくない」と迫られれば迫られるほど、自分の中の「別れたい」という気持ちは強くなり、話は平行線を辿って泥沼化していくものです。
なぜ「別れたくない」という気持ちが強まるのかいうと「心理的リアクタンス」が働いていることが考えられます。
心理的リアクタンス
心理的リアクタンスとは、自分の行動や考えなどの自由が脅かされた時に、反発して自由を取り返そうとする心の働きのことで
- 勉強しようを意気込んでいたタイミングで「勉強しなさい」と言われるモチベーションが下がる。 (→自由に勉強できなくなるので、あえて勉強せず自由な時間を取り戻そうとする。)
- この先二度と買えなくなってしまう限定の商品を前にして、つい衝動的に買ってしまう。 (→限定品なので今すぐ買わないと、その商品を自由に使える未来が奪われてしまうと感じて買う)
と言った、自分の行動の自由さを守るために働く心理なのです。
心理的リアクタンスはなかなか素直になれない性格の人や、プライドが高く自分の意見を曲げるのが苦手な人によく見られる心理です。
恋愛のようにお互いの考え方の食い違いが発生しやすい場面では、別れ話に限らず、心理的リアクタンスが働く場面が多く存在しています。
心理的リアクタンスから見る別れ話
心理的リアクタンスを、先ほどの別れ話に当てはめて見ると
- 自分から別れ話を切り出す
- それを聞いて相手から「別れたくない!」と相手から迫られる。
- 「別れたくない」と言われたことで、相手に束縛され自分の自由が脅かされると感じる。
- その自由を取り戻すために、より別れたいという気持ちが強くなってしまう。
- 相手の引き止めがエスカレートし、別れ話の長期化、泥沼化。
と言う、心情の変化が見られます。
別れ話が泥沼化すると、仮に上手く別れたとしてもその後の関係は険悪なものになり、お互いに後味が悪い別れ方になってしまいます。
また「別れたくない」という相手の気持ちを踏みにじってまで別れたので、相手に対して罪悪感を覚えることもあります。
人によっては、罪悪感に耐え切れないことから「別れた原因は自分ではなく全て相手にある」と決めつけ、自分の中のドス黒い気持ちを相手に押し付けて、楽になろうとすることもあります。
上手く別れるためのコツ
メール・LINEで別れ話を済ませない
実際に会って話すと相手に気を使って何も言えなくなったり、逆に別れたくないと迫られるの避けるためにメールやLINEで事務的に別れようとする人は特に若い人で多く見られます。
一見すると、直接会わなくて済むので楽なように思えますが、人間は相手が目の前にいない場合、衝動的な行動や攻撃的な行動をとりやすくなります。
SNS上で顔写真付きのアカウント同士で、罵詈雑言の汚い言葉の投げ合いをしてどんどんヒートアップしているのを見てもわかるように、ネットやSNSなどの画面上のやりとりは、実際に相手が目の前にいないことから怒りの気持ちやショックな気持ちが暴走しやすくなります。
別れ話の場合なら、会って言われるのを比較すると別れ話を聞いた相手より怒りやすくなり攻撃的なコメントを返してしまう。
そして別れ話を切り出した本人も、そのコメントに過剰反応して深く傷ついた入り、感情的になって強く反発し、泥沼化しやすいのです。
面倒くさいかもしれませんが、円満に別れるためには相手の顔が見える手段にするのが、お互いに後腐れなく別れらるのです。
別れ話の時に感謝の気持ちを伝える
別れ話というのは言うのも辛いし、言われるのも辛いものです。
別れを切り出す方は相手の存在や魅力を自分が直接否定しているように感じて辛さを、別れ話を言われる方は今までの楽しい時間や自分の存在を否定されたかのように感じて辛さを感じます。
そんな辛さを緩和するためには、ただ辛いだけの別れ話の中に感謝の気持ちを伝える言葉を言うという方法があります。
例えば
- 色々あったけど、今まで付き合ってくれてありがとう。
- 不満はあるけど、でも色々良くしてくれてありがとう。
と、暗くなりがちな話の中に感謝の気持ちを伝えることで、相手の存在や今までの好意を認めて穏やかな気持ちにしやすくなります。
なお、この感謝を伝えるという話し方は恋愛の他にも
- 仕事で部下を叱るときに悪い点だけを指摘するのではなく、良い点も評価してフォローする。
- 友達に対して言いにくい話題を切り出したあとに、なるべくポジティブな話題を締めくくる。
といった、仕事や友人関係でも使うことで、後味の悪さを長引かせずにお互い心地よく話を終わらせることができる話し方です。
嫌な話題を嫌な話題のまま終わらせれば、お互いモヤモヤした気持ちを抱えて憎しみあったり、険悪なムードが周囲にも伝わってしまいがちなので、ネガティブな話題の中にポジティブな話題も含めるのは円満な関係を続けるためのコツなのです。
二人で話し合って納得して別れる
ただ一方的に別れたいと切り出されれば、別れを告げられた方はどうしても納得できず、
- どうして別れようと思ったのか?
- 何で別れたくなったのか?
と、納得するための根拠や理由を聞いてくるのも無理はないでしょう。
就職活動で一方的なお祈りメールを食らって不愉快になる就活生のように、一方的な別れ話はトラブルの原因になります。
円満に別れたいのなら、めんどくさいかもしれませんが、お互い話し合い納得した上で分かれるのが最初は辛いかもしれませんが、後々のことを考えれば効果的です。
「話し合った」「納得した」という事実を作ったことが、何よりも別れる理由・根拠となるので、時間がかかってもいいので話し合いをするようにしましょう。
別れ話で「ほかに好きな人」ができたは逆効果
「ほかに好きな人ができた」というストレートな別れ方は、別れ方としては相手の感情を逆なでしたり、失恋のショックを大きくさせてしまうので、円満な別れ方がしにくくなります。
仮に事実であっても、それを言えば自分はすっきりするかもしれませんが、自分の気持ちを優先するあまりに相手の気持ちを置き去りにして、ひどく傷つけるだけの言葉になりがちです。(もちろん、これは別れ際の不満や愚痴のぶつけ合いも同様。)
また、ほかに好きな人ができた理由で別れを切り出そうものなら、
- その好きな相手は誰?
- SNSで繋がっているあの人?
- 同じクラスのあの人?
と、詮索されたり、噂や憶測をSNSやネット上にばらまかれるリスクもあります。
実際に「ほかに好きな人ができた」と言ってしまったら最後、その言葉を材料にして恋愛だけでなく自分の交友関係にまで影響がでることもあるので、言わない方が無難と言えます。