嫌なことから逃げてしまう心理について

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嫌なことから逃げたくなることは、おそらく誰もが経験したことがあるとは思いますが、どうして逃げたくなるのか…という心理について深堀して考えたことがある人は、あまりいないのではないかと思います。

そもそも、嫌なことから逃げる心理そのもの自体、あまり向き合いたくないネガティブな感情だと感じやすい。こうした感情に向き合うこともまた、逃げ出したい衝動に駆られるものだからこそ、わざわざ深堀りして考えよう…と言う気持ちが起きにくいと考えれば、納得できるものがあります。

今回は、そんな嫌なことから逃げてしまう心理について、詳しくお話しいたします。

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嫌なことから逃げてしまう心理とは

客観的な評価を受けることに対する恐怖心が強い

例えば勉強や仕事などで、何らかの成果を残すよりも前に、さっさと見切りをつけて諦めてしまう。

点数や成績などの客観的な結果が出る以前に、先に逃げてしまうという人は、自分自身が客観的な評価を受けることに対して強い恐怖心を抱いていること影響していると考えられます。

客観的な評価を受けるのを強く恐れている原因は、

  • 自分に対する自己評価(主観的な評価)
  • 周囲から見た自分の評価(客観的な評価)

の両者に著しいギャップがある。そのことを自覚せざるを得ない状況に直面すると、自分自身を強く否定されたと感じるからこそ、それを未然に防ぐためにも結果が出る前に逃げてしまうのです。

自分で自分のことを「勉強ができて成績も良い」と誇らしげに思っていても、全国規模な模試の結果、自分はいたって平凡な学力だと分かった状況にて、「自分は井の中の蛙だったんだ…」と簡単に受け入れられないのと同じです。

もちろん、多くの人はこうした認識のギャップを自覚し、その経験をもとに自分の行き過ぎた自己評価を適度なものに修正したり、高すぎる評価に少しでも近づけるように自分を磨くなどの前向きな行動で対処しようとします。

しかし、逃げてしまいたい心理が強すぎると、それすらしない。むしろ、逃げてばかりで反省も進歩も見られず、ギャップが依然として埋められなくなり、葛藤を抱えてしまいます。

物事を否定的に見てしまう癖が強い

逃げてしまう心理の強さには、物事の捉える際に悪いことばかりや不都合なことばかりに注目してしまう、バイアスの強さも影響していると考えられます。

例えば、受験のために勉強をするにしても

  • 「わからない問題が出てきたらどうしよう…」
  • 「勉強で挫折してしまったらどうしよう…」
  • 「こんな勉強法では合格できないのではないか…」

と、多くの不安が出てきて余計な苦痛や迷いを感じてしまう。

もちろん、こうした不安に対してある程度楽観視したり、迷いながらもひとまず勉強を進めるなどの方法で対処することもできますが、そうした考えが思い浮かばないほどに物事を否定的に見てしまう癖の強さゆえに不安が肥大化してしまう。

そして、大きくなった不安に耐えられなくなった結果、全てを諦めてリセットする(要するに逃げる)という大胆な方法で、不安から逃れようとするのです。

勉強をしていないので受験に受かる確率が上がらないのは明らかですが、本人からすれば目の前に合った不安から開放されることの方が真っ先に解決すべき問題だと捉えているために、このような非合理的且つ大胆な手段に出てしまうのです。

なお、こうした思考の偏りは、認知の歪みや自動思考(負のスパイラルのように物事を考えること)と呼ばれているものに通ずるものがあります。

どちらも物事を冷静且つ客観的に捉えられていないことには変わりはなく、そのため過度な恐怖心や苦手意識を膨らませているのです。

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葛藤に苦しんでいる状況を早く終わらせたい気持ちがある

逃げたいという心理は「どうしたらいいのかわからない」「どうにかしたいけど、どうにでもできない」というような心の葛藤が影響しています。

  • 友達との時間も大切にしたいけど、恋人との時間も大切にしたくて迷っている
  • 進路選択の際にぶっちゃけ働きたくないけど、かと言って進学するのも嫌でどうしたらいいか困っている
  • 正直恋人とは別れたいけど、別れたら別れたで楽しかった思い出を喪失するようで別れられずにいる。

などの、相反する気持ちを抱え続ける状況に留まり続けるとなれば、もどかしさのあまり精神的に消耗してしまうのは想像に難くないでしょう。

逃げてしまう人の心理は、そんなどっちつかずの状況に直面した時に、その状況から一刻も早く自分も守るためにとっている行動と捉えることもできます。

ただし、葛藤から開放されて精神的に楽になりたいことを優先するあまりに、独りよがりな行動に出てしまったり、すべき会話や交渉を避けてバックレるかのようにどこかに逃げてしまう大胆な手段を選んでしまうのが問題と言えます。

「立つ鳥跡濁さず」ということわざとは真逆で、逃げるときは散々他人を振り回したり、逆に急に消息を絶つようにいなくなって周囲に余計な心配をかけるなど、引き際の汚さが目立ちます。

完璧主義ゆえに中途半端な結果を残すぐらいなら逃げてゼロにしたほうがいいと考える

逃げてしまう心理には、(ちょっと想像しにくいかもしれませんが)完璧主義が影響していることもあります。

「逃げずに最後までやり遂げることこそ完璧主義ではないのか」とお思いになるかもしれませんが、途中で失敗することや、中途半端な結果になるであろう事が濃厚になった時点で、自分の中で抱いている完璧な自分像が壊れるのを避けるべく、逃げるという行動に出てしまうのです。

完璧な結果を強く求めるあまり、完璧以外の結果になることに過度な恐怖心を抱く。完璧以外の結果になるぐらいなら、途中で諦めて結果の無い状況に逆戻りしたほうが傷つかなくて済むからこそ、逃げてしまうのです。

なお、こうした完璧な結果にこだわる人には「まだ本気出していないだけ」「私はやればできる人」「戦略的撤退も大事」など、逃げてばかりの自分を正当化する言葉を放つことがよく目立ちます。

自信のなさが逃げたくなる心理をより強固にする

逃げてしまう心理に関しては「外的統制型」という性格を現す心理学用語をもとに考えると、見えてくるものがあります。

外的統制型とは、自分の行動によって起きた結果が他人や環境などの自分以外のものにあると考えてしまうことです。

外的統制型の人は自分に起きた不都合な出来事の原因を、自分以外のなんらかに原因があると結論づける分、ストレスを感じにくいというメリットがあります。

しかし、一方では仕事や勉強などで良い評価を受けたとしても、その評価を「運がよかっただけ」「みんなが応援してくれたから」と、こちらでも自分以外のものにその結果の原因を結びつけてしまうデメリットもあります。

こうした態度はいわゆるお手本のような謙遜の姿勢であり、高く評価されるものではありますが、自分の手柄が自分の努力の賜物であると考えられないために、自信が育まれなく状況を招くおそれがあります。

そして、この自信のなさが自己肯定感の低さを招くことで逃げたくなる心理を強めてしまう、未経験のことに対して過度に恐怖心や苦手意識を抱いてしまう原因になるとも考えられます。

なお、逃げてしまう心理を語るときは、どうしても都合の悪いことに直面して、言い訳ばかりをする駄々っ子のような人をイメージして語られるものですが、謙遜しすぎるあまりに、何事にも遠慮しがちな人も、傍目にはわかりにくいですが逃げてしまう心理のせいで苦しんでいる人だと感じます。

遠慮しがちな人は駄々っ子な人と比較すれば、大人しいので手を焼くことは少ないものですが、どちらも逃げてしまう心理の強さを持っているという点では、通ずるものがあると言えます。

嫌な現実から逃げて妄想にのめり込む場合も

最後に、嫌なことから逃げてしまう心理が強すぎると、現実の人間関係で生きる事に大きな辛さを抱えて、妄想の世界にのめり込んでしまうこともあります。

心理学では妄想のことを、事実に即さない誤った信念と表現します。わかりやすく言えば非現実的な思い込み、ものの捉え方、考え方と表現するのがふさわしいでしょう。

冒頭でも述べたように、自分が持っている「嫌なことから逃げてしまう心理」と向き合う事そのものも、嫌なことの一種となりえます。

もし向き合おうとするのなら、自分の理想や期待が現実的ではないことや、都合のいい思い込みや考えで自分を甘やかそうとする怠惰で醜い自分など、自分が認めたくない自分の一面を認めることになります。

そんな見たくない自分と向き合わないためにも、都合のいい思い込みをより強めて、非現実的な思い込みや考えを強固にしてしまう…つまり、妄想の世界に逃げ込み見たくない現実を寄せ付けないほどに、認知を歪めてしまうことが、嫌なことから逃げる心理が持つ恐ろしさだと感じます。

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