「褒められたい病」はなぜ辛いのか 承認欲求からみる褒められたい心理について

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他人から褒められたいという気持ちが強すぎるあまりに、他人に執拗に褒めてくれるように迫ったり、褒められる為に自分の自分の感情を抑圧して誰かの言いなりになってしまうことを「褒められたい病」と呼ぶことがあるそうです。

正式なメンタルの病気ではありませんが、人一倍承認欲求が強くて、周囲から認められたい気持ちが強い人には、この「褒められたい病」に通ずるものがある感じます。

もちろん、褒められたいから勉強・仕事・スポーツなどで努力をすることそのものは素晴らしいことです。

しかし、褒められることが主目的となって自分が本当にしたいことが見えない不安を抱えていたり、あるいは「他人から褒められる自分のみ生きている価値があり、褒められない自分は無価値である」というような、自信の無力感を埋める為に、他人から褒められる行動に出ているという問題を抱えていることがあります。

今回は、承認欲求を元に「褒められたい病」について、お話いたします。

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褒められたい気持ちと承認欲求

承認欲求とは、心理学者アブラハム・マズローが提唱した、欲求の5段階説に登場する言葉です。

褒められたい、認められたい、愛されたい、尊敬されたいなど、他人から自分の意見、主張、自分の存在そのものを認めてもらう(=承認される)欲求を指します。

なお、承認欲求はその性質上、

  • 自分以外の他人の存在を必要とする。(=一人では満たせない。)
  • 自分を承認してくれるかどうかは他人次第という不安定さがある。(=望めば、いつも承認欲求が満たせるわけではない。)

という、特徴があります。

孤独で人との関わりが希薄であったり、他人に対して「絶対褒めてくれるに違いない」という過度な期待を抱いている人は、承認欲求が思い通りに満たせないことで苦労してしまうのです。

とにかく褒めて欲しいという気持ちが強い人にとっては、自分の褒めて欲しい欲求が、どんな状況でも常に満たせるわけではないという事実が受け入れることに苦痛を感じて、辛くなることがあります。

また、自分で自分を褒めるにしても、褒められたい気持ちが自分に対する無力感を埋める為のものであれば、そもそも自分で自分のことを褒める考えすら沸かない。むしろ、自分で自分を褒めてしまったら、他人にから褒められることで価値があるという実感が手に入らなくなるので、他人から褒めて評価をもらうことにこだわってしまうのだと考えることができます。

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褒められる為にやってしまいがちな問題行動

褒められたい気持ちが強すぎて空回している行動は、傍から見れば滑稽な行動に見えたり、あるいはなんだか押し付けがましくて逆に褒める気が失せてしまうもの行動とうつることがあります。

ここでは、いくつか例を上げて解説していきます。

一方的に褒めてくれアピールをする

まるでナルシストのように「俺(私)を褒めろ!」と一方的に自己アピールをし、周囲に褒めるように押し付けがましく接してくることがあります。

心理的リアクタンスにもあるように「褒めろ」と圧力をかけられると、反発して褒めたくなくなる心理が人間にはあるので、おのぞみ通りの反応が返ってこず、葛藤を抱えます。

心理的リアクタンスとは、自分の態度や行動の自由が制限された時に、その自由を取り戻そうとする心の働きの事です。

例を上げると…

・「勉強しなさい」と言われるとますます勉強えのモチベーションが失われる。
・友達から「可愛い」と褒められても「そんなことないよ」と言って否定する。

が、心理的リアクタンスです。

(「心理的リアクタンス」素直になれない人の心理と特徴について)

なお、勉強や仕事の場面で「褒めろ!」とアピールされたものが、たいへん素晴らしいだとか、魅力を感じさせる…ものではなく、至って平凡なものでしかないことがあります。

自分の中では「誰もが褒めてくれるような素晴らしい成果を出した」という過剰評価して自画自賛している。しかし、周囲から見れば自然と「すごい」とか「素晴らしい」という感想が出ないし、むしろそれが「あ、そうなの」と、どうでもよさそうな反応が妥当である…という当人と周囲との認識のズレが象徴的です。

影響力のある人への媚売り

周囲から実力を認められて褒められるために勉強やトレーニングをするのではなく、自分にとって影響力のある人(先輩、上司、その道の師匠的な人など)に対して営業活動を行う…もとい、媚を売りにいくことです。

わかりやすく言えば「虎の威を借りる狐」の狐のように、他人の影響力を拝借して「自分は○○さんから認められているんだ!」と威張る。

そして、自分より各下の存在から「すごいです!」「さすがです!」「参考になります!」と賞賛の言葉を集めようとします。

また、影響力を借りる人に対しては徹底的に服従し、その見事なまでの従順っぷりを褒められることに価値を見出すこともあります。

こうしたまっとうな努力をせず、他人のふんどしで相撲を取ろうとする行動は、楽をして褒められたいし、楽してたくさん褒められるという自分の手際の良さを認めてもらいたい気持ちが強い人に見られます。

自分を抑圧して他人のいいなりなる

褒められるために、あえて手のかからな「いい人」を演じたり、他人の言うことをなんでも聞き入れる、いわゆる「お利口さん」になることもあります。

わがままや文句を言わず、他人の無理難題を受け入れてしっかり答えようとする姿を、指示を下す相手や自分の周囲の人が褒めることで、褒められたい欲を満たすことができます。

しかし、このことは言い換えれば自分の本音を抑圧したり、自己主張をせず他人の言いなりになってしまう危険性があります。

また、いいなりになる相手次第では、例えばマルチ商法やねずみ講などの悪徳商法のカモされて契約を結ばされたり、話を断らなかったが為に自分が悪徳商法の片棒を担いでしまうリスクがあります。

指示を受ける人から褒められるために、なんでも「はい、わかりました!」と受け入れる従順さが仇になり、都合よく利用されていることに気が付けなくなる怖さがあります。

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いいね・ふぁぼを求めるためにSNSやネットに依存する

褒められたい欲がリアルの人間関係だけでなく、SNSなどのネット上の人間関係に依存してしまうことがあります。

SNSで自分がどれだけ、いいね(ふぁぼ)を集めているのかが気になってストレスや不安を抱えたり、スマホが手放せず依存してしまうことがあります。

また、依存するのはSNSだけでなく、LINEなどのコミュニケーションアプリ、Eメール、youtubeなどの動画投稿サイトでも同じです。

炎上スレスレの行動に出る

いいねや高評価が欲しいために、過激な言動をネット上にアップするなど、炎上スレスレの行動に出てしまうことがあります。

炎上になれば、多くの人が自分の投稿を見るので、それに比例していいねや高評価、肯定的なコメント(お前アホだろ(褒め言葉)、草生えるw…など)が増えるという思惑があるので、投稿を敢行してしまうのです。

もちろん、何事もなく炎上に発展せずに済むこともありますが、本格的な炎上に発展して誹謗中傷やネガコメが大量に来ることも、当然ながら起こりえます。

コメントに留まらず、個人情報の暴露&拡散、まとめサイトへの掲載などで、自分の炎上した情報がネット上に残り続けて、デジタルタトゥーを残してしまう問題もあります。

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褒められたい病は褒められる関係への依存を招く

SNSやネット依存の所でも触れましたが、褒められたい気持ちが強いあまりに、褒めてくれる人に対して、精神的に依存してしまうことがあります。

これは、人と人との関係に依存する関係依存(関係嗜癖とも)であり、依存しているために、炎上スレスレの行動すらも「自分が依存している人から褒められる」と感じ、自分を客観的に見れず行き過ぎた行動に出てしまうのです。

また、褒められる回数が増えるにつれて、褒めてくれる他人に対する依存度は高まり、離れたくても離れられなくなります。

こうした特徴を利用して、最初はおだてて相手をいい気にさせる。そして、適度に依存してきたところで、情報商材などの高額な商品を売りつける…というビジネスに繋がるおそれがあるので、リアル・ネット上関係なくやたら褒めてくる距離間の近い優しい人には警戒して損はないでしょう。

そして、同時に自分が自然と他人から褒められることを望んでいる節があれば、そのことを自覚することも欠かせません。

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国立大教育学部卒、専攻は心理学。発達心理学、教育心理学、スポーツ心理学、社会心理学を中心に心理学に関する記事を執筆中。そのほかにも、人間関係やコミュニケーション、性格、スマホ、SNS、ゲームなどのあらゆるテーマを心理学の知識を用いて詳しく、面白い記事を書くことを心がけております。

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