前回の記事では、承認欲求が強すぎる女性に焦点を当てました。今回は男性の承認欲求についてお話しいたします。
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承認欲求の強すぎる男性の特徴
人の話を全然聞かず自慢話をしたがる
男性同士の会話では、よく過去の自分の自慢話やや武勇伝の類をひけらかして、どれだけ自分は素晴らしい人間であるかを周囲にアピールしようとします。
自慢話にしても、知識自慢、人脈自慢、過去の自分のやんちゃ自慢…など数多くあり、1つの話題に絞ってその内容を深掘りするように自慢して、自分はどれだけの知識、人脈、過去を持っているのかを語りたがる傾向があります。
このアピールは、ただ自分が周囲から受け入れてもらえるばかりでなく、自分はすごい経歴は過去を持った人間であるということを周囲の人に理解させて、認めてもらう目的もあります。
そして、自慢話をする上で大事なのは、途中で自慢話を遮ることなく、最後まで自分の話をし続けることです。
これは、途中で話が遮られてしまうと遮られてしまうと、せっかく自分の凄さをアピールするための場なのに、茶々が入って話の腰をおられたと感じる。
すなわち、せっかく自分の承認欲求をしっかり満たせる場だったのに、余計なツッコミによってその機会を逃してしまったと感じてしまうため、とにかく人の話やツッコミを入れないようにして自慢話を最後まで敢行しようと意気込むのでます。
話をやたら盛って大げさに話す
承認欲求を満たすためにはとにかく目立つことが大事です。
目立たなければ、周囲から注目される事が少なくなる。すなわち、周囲から自分の存在を認めてもらえにくくなるので、なんとしても目立つことが承認欲求を満たすためには欠かせません。
その目立つ方法としてあるのが、話を盛って大げさに話して内容にインパクトをつけることです。
ただし、話を盛り過ぎてあからさまな嘘となってしまい、周囲から呆れられてしまって承認欲求が満たせなくなるリスクもあるので、一概に話を盛ることが効果的であるとは言えません。
自分を褒めるようにプレッシャーをかける(ただし他人は褒めない)
世間の評判や周囲からの評価によって自分の承認欲求(この場合は「褒められたい」欲求が多い)を満たした人に多いのが、自分を褒めるように周囲にプレッシャーをかけることです。
先ほど述べた自慢話や話を盛ることも、単純に認めて欲しいだけでなく「〇〇さんはすごいなぁ」「さすが〇〇さんだ」と言うような賞賛や賛美の声を求めていると言っても良いでしょう。
しかし、あからさまに「俺の事を褒めろ」と言われると、なんとなく素直に相手を褒められなくなってしまう心理(=心理的リアクタンス)が働くのに加えて、褒められるために周囲にダイレクトにアピールする光景が非常に大人気がない。その代わりに自慢話を言うと言う回りくどい方法で、自分を褒めるように仕向けるのです。
そして、特徴的なのは周囲に対して今自分を褒めるようにプレッシャーをかけるのに、自分からは誰かを褒めたり認める行動を取らないと点です。
承認欲求に飢えているだけでなくプライドも高いことも相まって、自分以外の誰かが褒められている状況をひどく嫌う。
また、自分自身も「誰かを褒めること=自分が褒められるような立派な存在ではない」と認めることになるので、頑なに他人を褒めない傾向があります。
他人に感謝をあまりしない割には周囲に感謝を求める
やたらと感謝されたがる、感謝するように求めてくる男性も、承認欲求が強いと考えられます。
例えば「〇〇してやったんだから俺に感謝しろよ」と先輩面をして感謝を求めてくる男性。
そして、そんな男性に多いのが実際はそこまで感謝されるようなことをしていないのにもかかわらず、あたかも「自分は感謝されてしかるべきだ」と、自分を課題評価しいている傾向があります。
加えて、感謝を要求してくる人に見られるのが、自分自身は他人に対して感謝の言葉や態度を示す事がまるでない。自分ばかりが感謝されてしかるべきだと言わんばかりに、しつこく感謝を要求してくることです。
自分からは感謝をしないのに、一方的に感謝を求めてくる人の相手をするのは、もしも自分がその人の要求に応えても、それに対する見返り(この場合は相手からの感謝)がないので、非常に不毛です。
いくら自分が感謝をしても、それに対する返事が全く返って来なければ、次第に感謝することすら面倒に感じます。
学歴や職歴などの「権威」を使った自己アピールがしつこい
男性の中で承認欲求を満たすために学歴や職歴などの「権威」を使ってアピールすることがよくあります。
ここで言う権威とは、ドラマ水戸黄門で言うところの紋所のようなものです。
例えば、
- 「私は旧帝国大学卒です」
- 「私は東証1部上場企業で働いています」
と言うように、世間から見て中の上から上の下レベルの属性をアピールし、思わずすごいと言ってしまうように仕向けて、周囲から承認を得ようとするのです。
しかし、もしも自分よりもより格上の権威を持つ人が出てくると、そっちのほうに周囲の興味や関心が移ってしまうため、この方法も万能とは言えません。
また、世間一般に通用する権威をアピールの材料にする裏では、その権威なしでは自分は周囲から認めてもらえないと言う劣等感や、権威と言う確固たる根拠を用いて、自分自身をより大きく見せたいと言う虚栄心があるとも考えられます。
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写真に変顔で写って注目を浴びたがる
自分には何か誇れるような学歴や職歴がなく、かといってイケメンでもなければそれほどスポーツができると言うわけでもない男性にとっては、どれだけ自分が親しみやすいキャラでコミュ力があるかを示すことで、承認欲求を得ようとすることがあります。
そのことがよくあるのは、写真に変顔で写って注目を浴びたがるという行動です。
変顔は顔の筋肉を動かすだけで手軽にできる自分をアピールする方法の1つであり、相手の目に訴えることで自分をより強く印象づけることが期待できます。
加えて、思わず笑ってしまうような面白い顔や親しみやすい雰囲気を変顔によって演出できれば、それがきっかけとなり周囲から「面白いやつ」と受け入れられ、承認欲求を満たせるようになります。
筋トレや運動アピールをSNSで投稿する
顔や容姿に対して自信がない。かと言って、変顔を晒すような自信や度胸がない人は、代わりに筋肉を鍛えたり、スポーツをして若々しい体を維持する努力しているとアピールすることで承認欲求を満たそうとします。
男らしく強く逞しく、頼れるリーダー的な存在として認められたいがために、筋トレに打ち込んだ写真や動画をSNSにアップするのです。
しかし、実際にトレーニングをしている姿を晒す事は稀で、たいていは「今日はベンチプレスで〇〇キロ△△セットやった」と淡々とした事後報告になりがちです。
そもそも、トレーニング中の合計を自分で撮影するのが難しいこと原因ですが、ただ認められたいために我流のトレーニングになっており、その光景をネット上にアップすると筋トレの玄人からトレーニングに対してツッコミを受ける恐れがあるので、淡々とした事後報告になるのだと考えられます。
承認欲求の強い男性の問題点
根本的に自分に自信がなく、他人の承認で自信を得ようとしている
根本的に自分に自信を持てていないために、他人から承認されることで自信を得ようとしています。
しかし、実際に他人が自分のことを承認してくれるかどうかは他人次第で、望めば必ず「他人が承認してくれる=自信が得られる」わけではありません。
人によっては、期待通りの反応が返ってこなくて、強い失望感を味わったり、自信のなさを強めて自己無価値感に苦しむ事もあります。
他人から褒めたり、認めてもらう行為を通して、「自分は他人から肯定されるような立派な人間である」実感を味わおうとすることは、言い換えれば自分で自分を肯定できていない。肯定できないからこそ、他人という客観的な証拠に頼って肯定してもらおうとする不安定な自尊心を持っているともいえます。
自分で自分を認めることも肯定することもできず、他人から肯定されることでしか自分を認めることができないと言う精神的な不安定さが、強い承認欲求となって現れているのです。
横柄な態度のせいで周囲の人から疎まれる
周囲から認めて欲しいがために、やたらと高圧的に接してきたり、横柄な態度をとってきたことが原因となり、次第に周囲の人から疎まれて距離を置かれるようになります。
感謝を求めてくる行動のところでも説明しましたが、他人に対して何かを求める割には、それに見合う見返りを渡さないので、まともに付き合うといつも「自分ばかりが何かをしてあげている」と損をした気持ちになるので、普通に関係を持つことすら辛くなるのです。
話の盛りすぎから「ほら吹き」「ハッタリ」と見られて距離を置かれる
話を盛ると言うのは、嘘を言っているわけでは無いものの、事実と違うことを言っていると言う不誠実な行為でもあります。
そのため、「あの人はほら吹きである」「あの人はハッタリをよくする人」と言う烙印をされて、次第にまともに話を聞く人が少なくなり、承認欲求を満たせなくなるリスクがあります。
もちろん、話を盛らずに素直に話せばこんなことで苦労する事は無いのですが、そもそも話を盛ったことで承認欲求が得られた成功体験が根強く残っているため、なかなか素のままで話ができず、話を盛る癖がなかなか抜けなくなってしまうのです、
後輩を拘束して面倒をみたがる面倒な先輩になる
承認欲求を見てまともに満たしてくれる相手がいなくなれば、なんとしてでも承認欲求を見さしてくれる相手を見つけようとします。
しかし、自分よりも上の立場の人だとまともに取り合ってくれない。同僚や友達のように同じ立場の人も、すでに悪い噂が広まっていて難しい。
となると最終的には後輩のように確実に立場の差を利用して、自分よりも格下の相手を半ば拘束する形で接し、承認欲求を満たそうとします。
その最たる例が、やたら後輩の面倒を見たがるうだつの上がらない先輩です。
職場やサークルなどで、それほど目立った技術や人徳があるわけでもないのに、やたらと後輩に対して恩を売ったり、気前の良い先輩キャラで接してくる。しかし、打ち解けると延々と自慢話を聞かされ、好意的な返事を返さなければふてくされる先輩は、承認欲求を確実に満たすために後輩と言う格下の存在に依存しているのだとも考えられます。
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