仕事に限界を感じる…ストレスによる体のサインと対処法9つ｜会社を辞める判断材料

「残業が多過ぎて休む時間がない」
「職場の人間関係が悪くて辛い…」

など、仕事上の悩みでストレスが溜まり「もう限界…」と感じている人も多いのではないでしょうか。

仕事に限界を感じても頑張っているあなたに、本記事ではストレスによって出る体のサインとその対処法を9つご紹介します。

また、会社を辞めた方が良い判断材料も合わせて解説。

我慢のしすぎで体と心を壊してしまう前に、本記事によってあなたが仕事のストレスから解放されて心身共に楽になれば幸いです！

仕事に限界を感じたときに体に現れるサインとは？

まずは、仕事に限界を感じストレスが解消されないまま働き続けることで、体に現れるサインをみてみましょう。

眠気が取れない・寝起きに疲労感があるなどの睡眠障害

ストレスが溜まると、寝ているはずなのに眠気がとれない・寝起きに疲労感が残るという睡眠障害が出ます。

普段、睡眠をしっかり取れているかどうかで、仕事に限界を感じているかどうかを判断する目安になるのです。

また、限界とまではいかなくても、

ということが続くような場合は、限界が近いサインとなるので注意する必要があります。

体重が増加した・食欲が落ちている

体重の増加や食欲が落ちることで引き起こる体型の変化も、ストレスで限界を感じるサインのひとつです。

残業が続き夕飯を食べる時間が遅くなってしまったり、食べても満腹感が得られず食べすぎたりすると体重が増加してしまいます。

ストレスが原因で体重が増加する理由は、ストレスが過剰に溜まると分泌されるコルチゾールというホルモンの影響です。

コルチゾールは脂肪を蓄える性質があるため、過剰なストレスによって太りやすい体質になってしまいます。

一方で、何を食べても味気なく美味しいと感じなくなってきて、食欲が落ちてしまう人もいます。

実は、うつ病患者の50％以上に食欲減退の症状がみられることが分かっています。ストレスや食欲減退の症状を放置しておくと、うつ病を発症するリスクも高くなるので、深刻化する前に対処しましょう

同じミスを繰り返すなど集中力が低下している

睡眠障害によってきちんとした睡眠が取れていない場合は、集中力が低下する恐れがあります。集中力が低下すると普段起こさないミスが発生し、同じミスを繰り返してしまうのです。

ミスを起こしたことで上司に怒られ、それがトラウマになってしまうと同じミスを繰り返す可能性も高まります。

ミスを起こす⇒上司から怒られる⇒ミスを繰り返す⇒また怒られる、といった悪循環に陥いっている場合、心が疲れやすく仕事が限界と感じるサインになるので注意しましょう。

仕事以外でもやる気が起きない

あなたは、仕事以外の時間や休日に何をしていますか？下記のような状態になっていないか確認しましょう。

仕事以外の時間もやる気が起きず、行動することが億劫に感じている状態は抑うつ症状に当てはまり、心が限界を感じている可能性が高いです。

些細なことでイライラしてしまう

ストレスが続き慢性的なストレス状態が続くと、些細なことでイライラしたり腹が立ったりします。これは、ストレスにより自律神経のバランスが崩れていることが原因です。

上記のように些細なことで怒ったりイライラする症状は、ストレスで心が限界を迎えているサインといえます。

感傷的になりやすく涙が止まらない

人間の体はストレスが溜まると交感神経が優位になり、興奮状態になり涙が出やすくなります。あなたは現在、下記のような状況になっていませんか？

涙を流すことは副交感神経を優位にさせリラックス状態を作り出します。涙はストレスの解消につながるので悪いことではありません。

しかし、泣くような場面ではないのに感傷的になり涙が出てしまうのは、ストレスによって体が限界を訴えているサインです。

仕事に限界を感じたときのストレスの対処法9つ

ここまでは、仕事に限界と感じたときに体に現れるサインを解説しました。この項目では、ストレスを少しでも解消して元気になるために、対処法を9つご紹介します。

質の良い睡眠時間を確保する

翌朝疲労感がある・日中に眠気があるなどの睡眠障害を解消するためには、ただ睡眠時間を増やすのではなく、質の良い睡眠時間を確保することが大切です。

ベッドに入って入眠するまでの間に、4つのことに気をつけると効果が期待できます。

夕食はカフェイン・アルコール・香辛料が使われている飲食物を控える

コーヒーや紅茶、緑茶に含まれるカフェインは覚醒作用をもっています。また、お酒に入っているアルコールにも覚醒作用があります。

「お酒を飲むと眠くなる」という意見はありますが、脳を麻痺させているだけで体や脳はリラックスできておらず、睡眠にとって良くありません。

また、胡椒や唐辛子などの香辛料は交感神経を刺激する働きがあり、体を興奮状態にしてしまいます。

カフェイン・アルコール・香辛料が使われている飲食物を夕飯に食べてしまうと、質の良い睡眠の妨げになってしまうのでなるべく控えましょう。

さらに、夕飯を終えて消化活動が落ち着くまでは3時間ほど必要なので、入眠する3時間前までには食べ終わっている状態が好ましいです。

布団に入る90分前までに湯船に浸かって深部体温を上げる

深部体温とは体の中の体温のことを指します。入眠時に深部体温が下がることによって、体は自然と眠る体制に入るため、事前に深部体温を上げておくことが大切です。

深部体温を上げる有効な方法が入浴で、約40度の湯船に15分間浸かると深部体温は90分かけて下がる仕組みになっています。

この仕組みを利用することでスムーズに入眠できるようになるのです。長湯する必要はないので、毎日15分間だけ湯船に浸かる習慣をつけましょう。

寝る前や布団の中でスマホやパソコンを見ない

布団の中で体を休めているときに、スマホやパソコンを触っているのは良くありません。

スマホやパソコンなどのデジタル機器から出る光にはブルーライトがあり、エネルギーが強く波長が短い特徴をもっています。

ブルーライトの光を見ることで体が昼と勘違いを起こし、睡眠を促す作用のあるメラトニンの分泌を抑えてしまうのです。

また、スマホやパソコンから得る情報で脳が刺激され、眠れなくなってしまいます。入眠する30分〜1時間前までにはスマホやパソコンを触るのをやめましょう。

目を瞑ったら考え事をするのはやめて、深呼吸を行い呼吸だけに集中する

眠るときに考え事を始めてしまうと、思考を止めることができずに覚醒してしまいます。

眠る前の考え事は、仕事でのミスや帰宅するまでに遭遇した嫌なことなどネガティブなことを思い出し、さらにストレスが溜まるという悪循環も起こる可能性があります。

どうしても考え事がやめられないという人も、目を瞑って深い呼吸を行い自分の呼吸だけに集中してみましょう。特に、お腹が膨らむまで息を吸う腹式呼吸はおすすめです。

腹式呼吸には副交感神経を優位にして体をリラックスさせる効果があります。4秒間で鼻から息を吸って7秒間息を止め、8秒間で口から息を吐く方法を繰り返してみましょう。

最初は難しいと感じますが、だんだんと慣れてきます。気づくと眠っていたいという状態になりますよ。

自分のイライラの原因を紙に書き出す

仕事のストレスで最近イライラすることが多くなったという人は、自分がイライラする原因や感情を頭だけで考えるのではなく紙に書き出してください。

紙に書き出す行為をエクスプレッシブ・ライティング（筆記開示）と呼びます。1日最低でも5分から始めて、慣れてきたら20分まで伸ばすと良いとされています。

エクスプレッシブ・ライティングを毎日続けることで、イライラする感情を俯瞰的・客観的に見ることができ、自分自身で受け止めやすくなります。

紙に書いて感情と向きあうことで、気持ちが楽になるのです。

聞き上手な人に話を聞いてもらう

自分のストレスや悩みを口にして吐き出すこともおすすめです。愚痴を人に言ってはいけないと内側に溜め込むことは、あなたの心を苦しめる原因になります。

家族や友人など話を聞いてもらえそうな人がいるなら、ストレスの原因や悩みを打ち明けてみてください。家族や友人はあなたのことを理解してくれる身近な人で親身になってくれます。

また、職場に同じ悩みを持つ人がいて、仲が良ければ相談してみるのも良いでしょう。同じ悩みをもっているからこそ共感が得られます。

万が一、相談する相手がいない場合は、インターネットの掲示板など匿名で投稿するのも良いです。解決策が提案される可能性が出てきます。

ただし、どんな相談内容だったとしても、批判的な意見を受ける可能性があることを頭に入れておきましょう。

誰かに話を聞いてもらい相談することでさまざまな視点から見た複数の意見が得られ、肩の荷が降りて気持ちが楽になるメリットがあるのです。

日の光を浴びる

人間の体が日の光を浴びると体内でセロトニンが分泌されます。セロトニンは睡眠ホルモンといわれる、脳から分泌されるメラトニンの原料となる物質です。

質の良い睡眠を確保するにはメラトニンの分泌も鍵となるので、日中にセロトニンを適度に作るのがポイントです。

また、日の光を浴びることは、25時間周期で働いている体内時計を24時間にリセットする役割もあります。

起床後すぐに日の光を見たり浴びたりすることで、朝は覚醒・夜は睡眠のリズムが作られ、質の良い睡眠時間が確保できるのです。

美味しいものを食べる・バランスの良い食事をとる

味覚・視覚・嗅覚・聴覚・触覚を刺激するような美味しいものを食べると、五感をバランスよく刺激することができます。

五感は自律神経を整えるセンサーの役割があるため、ストレスの緩和や免疫力アップにつながるのです。

しかし、自分の好きなものばかり食べると栄養が偏ってしまいます。食材は野菜・果物・海藻などの腸内細菌が喜ぶ植物性食品を選びましょう。

植物性食品は、うつを改善する作用のあるセロトニンの分泌量を増やす作用があります。

また、セロトニンの分泌量を増やすなら、必須アミノ酸といわれるトリプトファンを含む、肉・魚・卵・大豆・乳製品などもおすすめです。

つまり、バランスの良い食事を心がけることが大切といえます。体重増加が気になる人や食欲が落ちている人も、バランスの良い食事をとって体の内側から元気になりましょう。

運動する・無心になって体を動かす

適度な運動はストレスの解消や気分転換につながります。

体をリラックスさせストレスから解放されるには、活動と休息のバランスが大事です。運動不足の人はなるべく体を動かすことを心がけましょう。

ストレスを解消させる運動は、

など、体に空気を取り入れながら行う有酸素運動です。

長時間運動する必要はありません。また、激しい動きではなく体が温まるくらいの運動を1日20分行うだけで良いのです。

仕事の拘束時間が長くて平日に運動習慣がもてない人は、

など、できる範囲で工夫すると良いです。

ヘッドスパやマッサージを受ける

ストレスが溜まっている状態は交感神経が優位に働き、体が緊張状態になっています。この状態を改善するためには、ヘッドスパやマッサージがおすすめです。

ヘッドスパやマッサージは血行を良くする効果があります。血行不良が改善すると筋肉がほぐされ、リラックス効果が得られるのです。

副交感神経が優位になっているリラックス状態は、自律神経を整えることにつながりストレスが解消されます。

休暇を取って旅行に行く

休暇が取れるような状況なら、まとまった休暇を使い旅行に出かけるのもおすすめです。

仕事のことを忘れ非日常を味わう旅行は、普段刺激されない五感が刺激されホルモン分泌の調整や自律神経の中枢スイッチが入りバランスを取ります。

また、旅行中はストレス反応を司るホルモンのコレチゾールが減少し、幸せを感じさせる働きのセロトニンの分泌量が増えるといわれているのです。

旅行によって気持ちが晴れやかになる気分転換は、転地効果とも呼ばれているためストレス解消の効果が期待できます。

モチベーションを上げる方法も試してみる

あなたの心がときめきを感じるような、モチベーションが上がる方法も試してみましょう。

人間がときめきを感じたときに脳から分泌されるドーパミンは、楽しさ・嬉しさ・幸福感・快楽を得たときにも出る物質です。ドーパミンが適度に分泌することでやる気が出ます。

自分へのご褒美を用意する

仕事やプロジェクトがひと段落したら、自分の好きなものを購入するなどご褒美を用意すると良いです。

ブランドバッグ・ジュエリー・高級料理など、普段しないような贅沢をして自分を褒めてあげましょう。

ご褒美を用意して仕事に対するモチベーションを上げ、仕事を無事達成できたことが自信になり気持ちをリセットできます。

気持ちのリセットができると、次の仕事にも取りかかりやすくなります。

心が弾む人生設計を描く

あなたの心が弾む人生設計を描くことも、モチベーションを上げる良い方法です。自分の夢は何かを考え、その夢に向かって進むための人生設計をノートに書いてみてください。

やりたいこと・心が弾むようなことはすべてノートに書き出してみましょう。すると、人生設計を達成させるためには何が必要なのか・何をするべきなのかが明確になります。

書き終わったらあなたが今、人生設計のどの位置に立っているのかを考えると、今の仕事は将来の夢を達成するための通過点として捉えることができます。

現在、夢に関係ない仕事に就いていたとしても、経験した強みは無駄になりません。あなたが今頑張っていることは、いつかの未来で役立つときが来ます。

会社を辞めた方がいいのか判断する材料

ここまでは、仕事で限界を感じる人に試してほしいストレスの対処法をご紹介しましたが、すでに心身共に限界だと感じている場合は、会社を辞めるという選択肢もあります。

下記の項目では、会社を辞めた方がいいのか判断する材料を2つご紹介します。

ストレスの対処法を試しても改善しない

今回ご紹介している9つのストレスの対処法を試しても改善しないと感じたら、今の仕事や会社に対して限界がきている証拠です。

今の仕事に限界を感じるときは、会社を辞めることも考えましょう。辛い環境に我慢しながら仕事を続ける必要はありません。

体の症状が悪化した・うつ病の疑いがある

体に出るサインの症状が治らず悪化した・セルフ診断をしてうつ病の疑いがある人はさらに注意が必要です。

また、実際に専門家を受診してうつ病と診断された人は、すでに限界を感じている状態です。一刻も早く今の会社を辞めて心身を休ませたり、新しい職場環境に移りましょう。

限界を感じたら退職・転職も考えよう

すでに仕事に限界を感じていて、もうどうにもならないと思っている人は、退職や転職の道に進みましょう。退職や転職は自分を守るための正当な手段です。

退職して体と心をしばらく休ませる

心も体も辛い状態なら一度退職して仕事のことを考えずに、しばらく活動を休止することをおすすめします。

現在の仕事で雇用保険に加入しているなら退職後に失業保険をもらうことができるので、生活費の心配が少なくなります。

雇用保険の加入条件は、下記の3つです。

上記の条件に当てはまっている人は、会社が雇用保険を給料から天引きして納めている可能性が高く、失業保険がもらえます。

失業保険の給付条件は、自己都合退職（＝自分から会社をやめた）のケースで2つに分かれます。

退職する正当な理由がない

自ら会社を退職する場合は雇用保険に加入している期間が、離職日前の2年間で通算して12ヶ月以上あることが条件です。

退職する正当な理由がある

退職する正当な理由がある場合は雇用保険に加入している期間が、離職日前の1年間で通算して6ヶ月以上あることが条件です。正当な理由とは主に3つあります。

自己都合の退職は、失業保険の手続きを始めても3ヶ月の待機期間が発生するため、すぐに失業保険をもらうことはできません。

しかし、専門家からうつ病の診断が出ている人は「正当な理由がある」とみなされ、3ヶ月の待機期間なしですぐに失業保険をもらうことができます。

転職活動をする

退職する前に転職先を探しておくこともおすすめです。雇用保険の加入している人なら失業保険はもらえますが、今の給料と同額ではありません。

在職中に次の転職先を探しておくと、無職の期間がないので収入面を気にしなくて済みます。

転職エージェントを活用することも一手

転職活動を一から自力で行うのは時間や手間がかかります。代わりに複数の求人を紹介してくれる転職エージェントを活用しましょう。転職エージェントを利用するメリットは多いです。

転職エージェントなら、効率的に次の仕事が探せるのでおすすめです。

対処法を試してもダメなら環境を変えよう

仕事に限界を感じたら体と心が疲れてしまいストレスによる症状が出ます。下記の対処法を9つ試してみましょう。

対処法を試しても改善されない人や専門家からうつ病と診断された人は、思い切って環境を変えることがおすすめです。

失業保険の条件を満たしているなら、退職後に体と心を休ませることができます。また、退職前に転職活動を行えば生活費の心配も少なくなります。

転職活動のノウハウをもっている転職エージェントに相談すると、あなたに合う会社にスムーズに転職することができます。

仕事に限界を感じても、頑張って働いているあなたは社会人として素晴らしいです！本記事で紹介した方法を参考にして、我慢せずに自分を労ってあげてください。