好き避けとは、好意を抱いている相手に対して、無視をしたり素っ気ない態度を取るなど、相手を避けるかのような行動をとってしまう。そんな、素直になれない心理からくる行動をさします。
好き避け行動を起こす理由の一つとしては「プライドの高さ」が影響していると考えられ、とくに社会から求められる男らしさに強い拘りを見せる男性には、プライドが邪魔をした結果として好き避け行動に出てしまうことが見られます。
今回は、そんなプライドの高さから見る、好き避け行動に関する考察をお話いたします。
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プライドの高い男性が好き避け行動に出る心理
プライドだけの高さが見透かされる事への恐怖心がある
(男性に限った事ではありませんが)プライドの高さをやたら誇示してしまう人には、プライド以外の何か特筆した魅力や長所がない。
つまり「誇るべきものがプライドぐらいしかない」というコンプレックスを抱えているために、自分を大きく見せたがり、何かしらの価値や魅力を持っている人間であるかのようにアピールし、他者からの注目を集めようとすることが目立ちます。
そんな肥大化したプライドを持つ人が最も恐れているのは「自分はプライドぐらいしか取り柄のない虚しい人間である」と周囲の人から見透かされてしまうことです。
恋愛関係のように付き合う時間が長い関係や、自分の内面をさらけ出すことが求められる関係は、プライドの高い人からすれば「自分はプライドしかない虚しい人間である」ということが遅かれ早かれバレてしまう恐怖を感じさせる関係です。
好き避け行動は、自分の本性が相手にバレるのを少しでも先送りにし、ありのままの自分をさらけ出さなくても済むために行っている、必死の抵抗であると言えます。
自分の内面や正直な気持ちを表現することにプライドの傷つきを感じてしまう
プライドの高い人からすれば、自分の内面や包み隠さない正直な気持ちを表現することは、今まで作り上げてきた特別であり、理想的の自分像を揺るがしかねない、危険な行動だと感じてしまいます。
正直な部分を他人に見せることは、自分には普通の人間らしい感情や、どうしようもないところ、格好悪く恥ずかしいところがあるのだと他人に見せているのと同じであると感じてしまい、プライドの傷つきを感じてしまう。
もちろん、相手に対して好意を伝えたい気持ちや、相手に対する好意そのものを否定することは難しいが、正直に言えば恥ずかしさからプライドの傷つきを感じてしまう…と、葛藤した結果、好き避け行動というプライドを守りつつ、好意を周りくどく相手に伝える方法で、その場を乗り切ろうとしているのです。
相手から好意を伝えてくれることで、自分のプライドの傷つきを避けようとする意図がある
自分のプライドを守りたい、その上で相手に好意を伝えて、いい感じの関係に発展したい。
…そんな(かなり虫のいい)願望は「相手が自分の行為に気づいてくれて、相手から告白をしてくれるように物事がトントン拍子に運ぶ」という展開になれば非常に好都合であり、プライドの高い人はこの展開になることを期待してしまいます。
自分から「告白する」という恥ずかしさを乗り切る試練をパスできる。加えて、相手の方が告白してきてるので、自分の方が相手の好意を思いのまま左右できるだけの立場にいる…という実感も味わえる。
プライドが高く人間関係に優越感を感じたい人からすれば、この展開は(現実的かどうかはさておき)まさに理想的と言えます。
とはいえ、相手に対して「自分に告白してほしい」と願望を露骨に伝えるのは、流石に野暮であり、自分のプライドが許さないので不可能。
そんな時に行うのが、回りくどいもののそれとなく自分が好意をもっていると相手に察してもらう側面がある「好き避け行動」です。
間接的に好意があることをほのめかし、自分の気持ちを察して相手から告白してくれるように仕向ける…しかし、虫がいいと書いたように、あまりにも周りくどく、そして純粋に相手に冷たくしている事から、必ず上手くいく方法とは到底呼べないのが実情です。
好き避け行動に出てしまう男性に対する率直な印象
自分のプライドを守りつつも、それとなく相手への好意を示す好き避け行動に出る男性は、誤解を恐れずに言えば、やはりプライドに縛られており、なんだか他人を残念な気持ちにさせてしまう男性と言えます。
好きな相手に対して逆に嫌がらせをしてしまう(=防衛機制の反動形成)という、小中学生の男子がやりそうな行動に出ており、プライドは守れたとしても対面を保てているとは言い難い。(むしろ、幼稚さが目立って複雑な気持ちになる。)
自分が周囲からどう思われているかを気にするあまりに、好意を感じている相手を蔑ろにしており、素直に肯定できないのが率直な感想です。(もちろん、男女関係を逆にしても、感想は同じ)
また、自分の気持ちを素直に伝えられるどころか、間接的な態度で表現している姿には、どこか女々しさ感じずにはいられません。
プライドの高さから来る好き避け行動とセルフハンディキャッピング
好き避け行動を冷静に分析すれば、あえて自分から嫌われるような行動に出ている…つまり、自分にハンデをかけている行動(=セルフハンディキャッピング)とも言えます。
あえて相手に冷たくするというハンデをかけることで
- 相手との溝ができて関係が解消すれば「嫌われるようなことをやったから仕方がない」と、納得できてしまう。根本的な原因である自分のプライドの高さは修正せず、自分の行動が悪かったのだという表面的な反省で止まってしまう問題がある。
- もし好き避けをした結果として、運良く恋愛関係に発展した場合、自分は運良く恋愛関係になれたと自慢できるし、特別感に浸れる。失敗してもおかしくない状況から、見事な逆転の展開を成し遂げたということで、自分のプライドは十分に満たされる。
という、どちらに転んでも自分のプライドに都合の良い解釈が可能になります。
失敗したときはプライドの傷つきを軽減できる、成功すればプライドを満たせる…こう書くと、セルフハンディキャッピングはいいことばかりのように見えるでしょう。
しかし、セルフハンディキャッピングを行う人は、何かを成し遂げたいという達成欲求が低く、どこか及び腰な人であると見られやすい。
つまり、どうも真剣味が感じられずヘラヘラとした優柔不断な男性であると見られてしまうものの、当の本人はプライドが高い…という、妙な歪さが目立つ男性だと見られてしまう可能性があります。
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