マウントをとるオタクの心理と正しい対処法

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アニメや漫画、アイドルのおっかけなど、いわゆるオタ趣味の代表例と呼ばれるものを嗜んでいる人や、ある特定の分野に対して深い造詣があるオタク気質な人というのは、しばしば他人に対してマウントをとりトラブルになることが話題に上がるものです。

特に、趣味の内容がニッチでリアルの世界では中々語れる人が身近にいないものになると、ネット上で同じ趣味について語れる人が見つかると、勢い余ってつい相手を圧倒するかのような議論やレスバトルに発展することも多いものです。(いわゆるイキリオタクと呼ばれる人に目立つ行動でもある。)

では、どうしてオタクと呼ばれる人が激しくマウントを取りに行ってしまうのか…今回は、このテーマについてお話いたします。

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オタクがマウントをとるパターン

まずはじめに、オタクが取るマウントの対象について、簡単に説明していきます。

非オタクに対してのマウント

オタクから見てオタ趣味を持っていない人…つまり、非オタクの人に対して「趣味がなくて何が楽しいのだろうか」とマウントを取るパターンです。

なお、趣味がなさそうに見える人でも、注げる時間や労力こそ少なくても楽しめる趣味を持っておるので、何もかも趣味に注いでいるオタクな自分を基準に他人をマウントしようものなら、衝突が起きるのも無理はありません。

同じ作品を愛するオタクへのマウント

ある特定のアニメ・ゲーム・漫画・アイドルなどの、共通オタ趣味を持っている人同士が交流を持つとなった場合、その作品の楽しみ方の解釈の違いや、どちらが熱意の大きさを持っているかがきっかけとなり、互いにマウントを取り合うこともあります。

例えば、趣味に対してストイックに取り組むことを信条としている「ガチ勢」と、あくまでも楽しむことがメインの「エンジョイ勢」では、同じ趣味を楽しむ者同士ではあっても、その楽しみ方は相容れないために衝突することがあります。

もちろん、それぞれの楽しみ方を尊重できるようになったり、上手く住み分け楽しめるような環境があれば衝突することは抑えられます。しかし、SNSやyoutubeなど、これといった住み分けがなされていない環境においては、自分の楽しみ方と合わない人とたまたま出会ってしまったことで、お互いに衝突しマウントの取り合いに発展することがあります。

別の作品を愛するオタクへのマウント

お互いにオタ趣味と呼ばれるものを嗜んでいても、その作品やジャンルが明確に違う。あるいは、ライバル視されている作品・ジャンルをそれぞれ楽しんでいる場合は、オタク同士で「自分の作品・ジャンルの方が優れている」という内容のマウントが起こることがあります。

例えば、ある2人はプロ野球の応援が趣味だが、片方は阪神ファンでもう片方は巨人ファンで、お互いライバル視しているチームのファンなので張り合ってしまう…というように、共通している趣味を持つが、お互いにライバル視する関係が成り立つ場合だと、マウントは激しくなります。

オタクがマウントをとってしまう心理・理由

知識の深さ、豊富さ自慢して認められたい

オタ趣味の人によくあるのが、自分の趣味を狭く深く掘り下げて楽しむことです。

しかし、掘り下げれば掘り下げるほどに、同じ話題を共有できる者は少なくなってしまい、語れる相手が少ないことにもどかしさを感じてしまう。

そのもどかしさを晴らすべくも、自分が語れるチャンスが来たときには、まるで相手に対して知識量で圧倒するかのような話し方になってしまう。その結果、「オタクの人はマウントをする」という印象がついてしまうのです。

知識の正しさに対して強いこだわりがある

また、語り会える相手が出てきたとしても、持ち前の知識量が邪魔をして、相手の語る些細な知識の間違いや、不勉強な点を指摘したくなる。

付け焼刃で知ったかぶった話し方をする人に我慢できなくなり、ついお節介を焼いてしまうことが、相手に「マウントをされた」という印象を植え付けてしまうのです。

もちろん、間違った知識で話している人に正しい知識を教えること自体は、理解のある人からすれば優しさや親切心の現れだと見られることもあるでしょう。

しかし、知識に対する正しさにこだわるよりも、ただ同じ趣味を持つ人との交流を楽しむ人からすれば、いちいち話題に首を挟んできてお節介をかけてくる人は困った存在であり、「マウントをしてきて付き合いづらい人」とみなされてしまいがちです。

作品に対する投資(ガチャ)金額を自慢したい

オタ趣味の中身によっては、嗜むためにも相応のお金が掛かるものであったり、半ば散財を推奨するかのような独自の楽しみ方が、ファンの間で持て囃されているものもあります。(例:「3000円払えば無料で10連まわせる」)

特にスマホゲーム(ソシャゲ)のように、ガチャにより短期間で多額の金を作品につぎ込める仕組みがあるものは、その課金額の多さこそ自分の趣味にかける熱量の大きさとみなされて、同じファン同士から賞賛されることがあります。(場合によっては、ゲーム運営側から優良顧客とみなされることも…)

なお、ソシャゲの多くは基本無料でできるため、無課金(無理のない課金ではく、課金しないことの意)でも楽しめるため、決して「課金が多いこと=正しい楽しみ方」ではありません。

ただ、ガチ勢とエンジョイ勢との例で触れたように、お互いがお互いの楽しみ方を尊重するには時間がかかりやすく、お互いの楽しみ方をライバル視してマウントを取り合うことが目立ちます。

集団同一視と内集団・外集団上から見るオタクのマウント

オタクの人のマウントに関連する心理学用語として

  • 集団同一視
  • 内集団・外集団

があります。

集団同一視は、自分が所属する集団に対して心地よさを感じたり、その集団に情が移ったり、その集団のために尽くすことにやりがいを見出すこと。やがて、「集団=自分」と考えてしまい、集団と自分を同じものとみなしてしまいます。

オタクの人が「趣味=自分そのもの、自分らしさ(アインデンティティ)」とみなして、まるで自分を持ち上げるかのように趣味を持ち上げ、無趣味の人をマウントするのは、集団同一視が影響していると考えられます

一方で内集団とは自分が所属する集団、外集団は自分が所属していない集団のことです。人は誰でも、自分が所属している集団(内集団)を贔屓目で見て高く評価する一方で、外集団に対しては厳しい評価を下す傾向があります。

別の作品を愛するオタクを低く見たり、エンジョイ勢とガチ勢がお互いにマウントを取り合うのも、マウントをとる側から見て自分とは違う楽しみをしている人は全て外集団であり、格下に見てマウントをとってしまうのだと考えられます。

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