陰キャラがうざいと感じる心理について

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ネットスラング及び若者言葉のひとつとして「陰キャラ」という言葉があります。

陰気なキャラ、つまり暗くてパッとしない性格の人の事を指す言葉で、スクールカースト(学校内ヒエラルキー)でも下の方に位置する2、3軍以下の人たちを指す言葉であり、その性質上あまり肯定的なニュアンスで使われる事はありません。対義語は陽キャラ。

また、陰キャラは一昔前に使われていた「非リア充」「ヲタク」「日陰のもやし」と似たような、どことなくインドア派な人たちや社交性、活発性に乏しい人たちを指す言葉として、今の若者の間で使われているように感じます。

また、陰キャラが持つ「暗い」という性質ことから派生して、ただ純粋に大人しい人やぼっちの人、あまり目立たない人のこともざっくりまとめて陰キャラと読んでいる例も見かけます。

そんな陰キャラの人に対して、ネット上でたまに見かけるのが「陰キャラの存在がうざい」という悩みやボヤキです。

スクールカーストの下層に位置する陰キャラに、なぜ「うざい」という感情を抱いてしまうのか…。

そもそも自分よりも下の人間だと認識しているのであればスルーしておけばいいのに、どうして無視することができないのか…今回はそんな陰キャラに感じるうざさの心理についてお話し到します。

陰キャラに感じるうざさの例

陽キャラに好かれている陰キャラに嫉妬する

陰キャラに対して「うざい」と感じる原因の一つが嫉妬心

例えば、陰キャラの人が陰キャラ同士でつるんでいる分には嫉妬を抱くことはないものの、クラス内で影響力のある陽キャラの人とつるんでいる光景を見ると、強い嫉妬心に駆られるという具合です。

自分が陽キャラである、あるいは陰キャラとは違う人間であると自覚している人からすれば、陰キャラの人が陽キャラの人と仲良くなる光景を見ると「お前は陰キャラらしくしていればいいのに、なんで陽キャラとつるむんだ!」というような、嫉妬による憎悪の念を抱くことでしょう。

もちろん、面と向かってそんなことを口走れば自分の評判に関わるのは明らかなので、表面的には穏やかにやり過ごして、ネット上で陰キャラに抱いている嫉妬心を書き綴っているのだと思います。

このように「陰キャラは陰キャラらしく振る舞うべき」という考えの根底には、嫉妬だけではなく、今の自分のキャラに対して感じている漠然とした不安…例えば

  • 今の自分のキャラがそんなに好きではない。
  • 最初は喜んでいたけど次第に不自由さを感じはじめた。
  • 明るいキャラに憧れてはいたけど実際はめんどくさい。かと言ってせっかく手に入れた明るい人間関係は失いたくない気持ちもあり、強い葛藤を覚えている。

などの自分が抱えている不安が、陰キャラに対する嫉妬として現れているのだと考えることができます。

陰キャラ同士で騒いでいる姿にイライラする

陰キャラと呼ばれる人に対して

  • 陰キャラは大人しくあるべき。
  • 陰キャラは大声でうるさくしたり、出しゃばってはいけない。
  • 陰キャラは立場が低いのだから集団での発言権はない。

というようなやや乱暴な考え方を、密かに持っている人がいます。

そもそも、賑やかで社交的なキャラであれば陰キャラというカテゴリーに所属することは考えるにくいので、「陰キャラ=大人しい、静かである」と考えることそのものは、いたって自然なことだと思います。

しかし、当然ながら陰キャラだからといって、どんな時でも会話をすべきではないという決まりはありませんし、陰キャラ同士で話が盛り上がれば声のトーンが大きくなり、普段の陽キャラのように振舞うこともあるものです。

「イキリオタク」という言葉にもあるように、オタク趣味を持っている人だからと言って皆が皆大人しいわけではありませんし、陰キャラ・陽キャラ関係なく同じく人間である以上、集団心理が働き気が大きくなるのは何らおかしなことではありません。

この時に感じるうざさは「ただ喋り声がうるさい」という意味でのうざさだけでなく

  • 「調子に乗っている様子が気に入らない」
  • 「陰キャラのくせに生意気なのがムカつく」
  • 「陰キャラの癖に陽キャラのように振舞うな!」

という陰キャラの存在や態度に対するうざさを感じることがあるのです。

自分が陽キャラである、あるいは陰キャラとは違う人間であると自覚している人からすれば、陰キャラがにぎやかに話している様子を見ると、「自分は普段見下している陰キャラと同じ部分があるんだ」と感じてしまい、その嫌悪感が陰キャラへのうざさへとつながるのです。

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陰キャラをうざいと感じる心理は抑圧された自分の感情

陰キャラをうざいと感じる心理については、心理学者のユングが提唱したシャドウ/ペルソナの概念で説明することができます。

ユングはペルソナとシャドウを

  • ペルソナ:人前で見せている自分のこと。ペルソナは仮面の意味。
  • シャドウ:自分の心の奥底にあるもう一つの自分。シャドウは影という意味で、抑圧された自分の感情や嫉妬や憎悪などの負の部分の気持ち。

と分類し、自分のシャドウを感じ取る人に対して生理的な嫌悪感を抱いたり、過剰反応してしまうという説を唱えました。

陰キャラに対してうざさを感じるのでは、陰キャラの言動に対して自分の醜い感情や負の部分であるシャドウを見出していると考えることができます。

例えば

  • 自分の話したい話題を我慢して陽キャラグループにいるのに、我慢もせず好きな話題を自由に話をしている陰キャラを見ると、自分の我慢が否定されたかのように感じて怒りを覚える。
  • 本当は濃ゆいアニメや漫画などのオタク趣味に興味があるのに、陽キャラグループに所属している以上オタク趣味に走るとキャラが崩れて仲間はずれにされる恐れがあるので、オタク趣味な自分を否定して無意識に抑圧している。
    そんな状況で目の前でオタク趣味を楽しんでいる陰キャラを見ると、抑圧した自分の感情が刺激されて「うざい」と感じたり、やたらと見下して気持ちを落ち着けようとする。
  • 本当は一人でいる方が落ち着くけど、いじめが怖いので仕方なくスクールカーストの上位グループに所属し、なんとか自分を守るための努力をしている。
    しかし、一人で過ごしている陰キャラ人を見ると、一人でいることへの憧れや執着が思い起こされてしまい、葛藤を覚えてしまう。

というように、陰キャラの言動を見ると、普段から抑圧して見ないようにしている自分のドロドロとした醜い内面を思い起こされてしまうので「うざい」と感じてしまうのです。

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陰キャラへの嫌悪感を克服するためにできること

陰キャラの言動から自分の中で抑圧していた感情を思い起こされるからと言って、陰キャラに対して、攻撃的な態度をとったりいじめや嫌がらせをしてはいい理由にはなりません。(もちろんこれは陰キャラ→陽キャラでも同じですが…)

陰キャラに対してうざいと感じる原因は、陰キャラそのものではなく自分の内面にあるのです。

例えば、陰キャラに対して嫉妬心を抱く人は、

  • 陽キャラである自分の立場や居場所が失われてしまうかもしれないという恐怖。
  • 陰キャラだから格下だと思っていたのに、予想外の実力や一芸を持っていることで自分の立場が逆転してしまう。

という「自分の立場や居場所が失われる」という考え方を見直すことで、陰キャラの人に対して過剰な嫉妬を抱くのを抑えることができます。

しかし、自分の考え方を見直すために、いままで見ないようにしてきた自分のドロドロした感情に向き合うのは、文章で書けば簡単なように見えますが決して楽なものとは呼べません。

自分の見たくない感情と向き合うわけなので、当然ながらストレスは大きく途中で自己嫌悪に襲われたり、向き合うのを放棄して見たいものばかりを見た結果、より陰キャラに対する嫌悪感を強めてしまうことがないとも言い切れません。

ですが、「陰キャラだから嫌い、見たくない」という考えのままでは、社会に出て働く場面になった時に苦労することになります。

取引先がなんとなく苦手な陰キャラの人だからといって、勝手に仕事を放棄して逃げ出す…なんとことがあっては自分だけでなく職場の信用問題に関わるのは言うまでもありません。

また、陰キャラが嫌いという考えが強まりすぎて、ネット上で毒を吐きすぎたことで炎上し身バレや個人情報が拡散されてしまうことも否定できません。

また、生理的に無理だからという理由で陰キャラの人をうざがりゴネる姿は、あまりにも幼稚で自己中心的。それこそ、誰かに生理的な嫌悪感を与えてしまう人だと見られてしまうのも無理はないと思います。

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「陰キャラ」「陽キャラ」の分類に囚われすぎないように

陰キャラの人に対するうざさの根源は自分の内面(シャドウ)にあることを理解し、若いうちから少しずつ対処しておけば、社会に出たときに苦労する場面を減らすことができます。

また、何よりいままで嫌っていた陰キャラの人を「陰キャラ」「陽キャラ」という人間は2種類しかいないというような乱暴な括りではなく、一人の人間として見ることにつながることでしょう。

若い時期だからこそ、自分らしさを見つけるために「陰キャラ」「陽キャラ」というわかりやすい分類に当てはめ自分を見つけることに夢中になってしまうものですが、その分類のせいで本当だったら付き合えていた人が減ったり、囚われすぎたせいで嫉妬や憎悪に苦しむのなら、「陰キャラ」「陽キャラ」の考え方から距離を置いて、冷静になることが大事だとおもいます。

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国立大教育学部卒、専攻は心理学。発達心理学、教育心理学、スポーツ心理学、社会心理学を中心に心理学に関する記事を執筆中。そのほかにも、人間関係やコミュニケーション、性格、スマホ、SNS、ゲームなどのあらゆるテーマを心理学の知識を用いて詳しく、面白い記事を書くことを心がけております。

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