コスプレ趣味の人の心理、変身願望について

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魔女やサンタクロースといったフィクションの世界のキャラクター、そのほかにもアニメや漫画、ゲームのキャラクターに仮装して楽しむ事をコスプレといいます。

コスプレと言っても、ハロウィンの時期のように仮装パーティとして楽しむものから、毎年夏と年末に東京のビックサイトで開催されるコミックマーケット(コミケ)にて、本格的なコスプレをしてアニメや漫画のキャラになりきるまで、クオリティや楽しみ方は人それぞれです。

コスプレの世界は奥深く、ただ衣装を着るだけではなく、人によってはウィッグ(かつら)を美容師に依頼して本格的にセットしたり、コスプレ用のシワやほうれい線などを消すためのメイクをしたりなど、本格的に取り組む人ともなればそれこそ多くの時間と情熱を捧ぎ、クオリティを求めればキリがないとも言える究極の趣味でもあります。

また、衣装やメイクに限らずコスプレをする予定のキャラクターの体格に合わせてダイエットや筋トレをして肉体改造をしてきたりと、まるで映画に出演する役者さながらの役作りをしてまでハイクオリティなコスプレに打ち込む人もいます。

コスプレの文化は日本だけに留まらず、今や世界中で楽しまれ、毎年夏に名古屋にて「世界コスプレサミット」と呼ばれる世界規模のコスプレの祭典も行われるほどです。

そんな世界に広まり愛されるコスプレ文化について、今回は心理学の視点から色々とお話ししたいと思います。

コスプレで得られる心理的なメリット

変身願望を満たす

コスプレそのものは衣装やメイクをすることで、普段の自分とは違う姿になること。つまり「変身すること」が基本です。

人間には誰でも普段の自分とは違う自分になりたいという変身願望があり、コスプレの他にも

  • 体を鍛えてムキムキな体になってみる。
  • 髪型を変えてイメチェンをしてみる。
  • メイクを少し変えて、より可愛く見えるようにしてみる。
  • メガネをかけて少しインテリな雰囲気を装ってみる
  • 普段は甘いコーヒーが好きだけと、ちょっと背伸びしてブラックコーヒーを飲んでみる

などを行うことで変身願望を満たすことができます。

変身したことで、今までの自分とは違う反応が返ってくれば嬉しいですし、変身した自分が自分の思い描いていた理想の自分になれたら満足感を得ることができます。

また、変身によって自分の見た目を変えることに成功すると、性格や行動面でも変化が見られることがあります。

たとえば、普段は人と話すのが苦手で内気な人が、コスプレをすることで社交的になって話せるようになったというように、変身願望を満たすことで自信が付く、前向きな気持ちになれるというメリットもあるのです。

「自己拡大」…自分の可能性を広げる

心理学では「自己拡大」という言葉があります。

自己拡大とは、今まで自分でも知ることができなかった自分に出会いたい、自分の可能性をもっと広げたいという欲求のことで、コスプレをすることは自己拡大をすることだと考えることができます。

たとえば、普段の生活ではあまり目立たない見た目や性格ですごしていても、本当の自分はもっと人から注目されるような隠れた一面や才能があるのだという気持ちを抱くことはよくあります。

地味な自分だけど、芸能人やスポーツ選手などの華々しい活躍をして世間から注目される人と同じ一面が自分にもあるはず、アニメや漫画のキャラクターのように、魅力的で人の心お揺さぶるような一面が自分にもあるはず、という気持ちを満たすのにコスプレという趣味はぴったりなのです。

ただ地味で目立たないままの、可能性が限られた自分のままで人生を終えていくのはどうしても虚しく辛いものです。

コスプレはそんな虚しさを払拭し、魅力的な人に近づいたり、理想の自分になるための一つの表現手段とも言えます。

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印象をコントロールする

コスプレをすることは、相手からの印象や自分が受ける印象をコントロールするという見方もできます。

コスプレをして理想のキャラクターに近づいた自分を演出することで、「相手から好意的に見られたい」という気持ちや、「普段の姿からは想像できない」という反応が返ってくる確率が高まります。

もちろん、印象をコントロールするのはコスプレに限らず、

  • 可愛く見られるメイクをして「可愛い」と言われる
  • 賢く見られるように、服装や見た目を変えて「賢い」と言われる

など、普段の生活でもよく見られる光景の一つです。

コスプレ趣味の場合は、たとえば面白い人だと思われたいから面白いキャラのコスプレをしたり、美人な人だと思われたいから美人なキャラのコスプレをすれば、周囲からみた自分の印象をコントロールすることができます。

承認欲求を満たす

普段から人に認められたい、注目されたい、人気者になりたいという承認欲求を強く感じている人にとっては、普段の自分とは違う姿に変身できるコスプレはまさにうってつけの趣味です。

コスプレをすれば多くの人から注目されたり、写真撮影を求める人だかりができて囲まれるという、普段の生活の中では滅多に起きないことが起きることもあり、承認欲求が満たされます。

もちろん、人前でコスプレをしなくてもSNSにコスプレした写真をアップし、それに対してたくさんにコメントやいいねが付いたり、拡散されて多く人に閲覧されれば、それでも承認欲求を満たすことができます。

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コスプレと同一化

コスプルと深く関わりのある心理学用語として防衛機制の一種である「同一化」というものがあります。

防衛機制は

自分が受け入れられない状況や精神的な苦痛に対して、精神状態を安定に保つに行われる行動のこと。

という意味があり、ポジティブな意味で使われることはあまりありません。

また、その防衛機制の一種である同一化は

自分にとって重要なものと自分とを重ね合わせて、不安や苦痛から逃れようとする行動。

のことであり、アニメや漫画のキャラになりきるのは、実は不安や苦痛、コンプレックスが原因となっていると見ることもできるのです。

また、同一化が起きる根底には

  • 自分に対して自信が持てない
  • 自分に対して漠然とした不安や不満がある
  • コンプレックスが改善された自分になりたいという気持ちが強い

といった、悩みや不安が抱えていることが考えられます。

そういった悩みを解決する方法として、自分が憧れている有名人やキャラクターの行動を真似したり、コスプレで見た目も変えて自信をつけようとするのです。

実際にコスプレという趣味も今でこそ、プロのコスプレイヤーが登場するようになる芸能人の一種のように扱われることがありましたが、それよりも前はどこか隠れて行うもの、おおっぴらにできる趣味ではないと考えているコスプレイヤーの方も多くおられました。

これは、コスプレに対してあまり良い印象を持っていない人が多かったこともありますが、自分のコンプレックスが原動力になっていると自覚していたために、ある程度内輪な関係の趣味にとどめておきたかったという思惑があったのだと考えています。

(もちろん、コスプレをする人全員が不安や自信のなさがきっかけとなってコスプレをしていると断言するわけではありません。)

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コスプレイヤーに精神的に不安定な人が多い理由

コスプレイヤーの人と直接交流をしたことがある人なら、わかると思いますが、コスプレ趣味の人には

  • どこか情緒不安定で危なっかしい性格をしている。
  • 先進的に病んでいて極端な言動が目立つ。
  • 他人への依存心が強く人と適度な距離感を保つのが苦手。
  • 周囲の目を気にするあまり自意識過剰になっている

という、いわゆる「メンヘラ」と呼ばれるような精神的に不安定な性格をしている人と出会ったり、その人が引き起こしたトラブルに巻き込まれることが少なくありません。

現実の自分への不満が原動力になっている

コスプレという趣味そのものが変身という日常の自分を否定し、憧れや理想の自分になろうとする趣味とも見れるため、日常の自分に対して自己嫌悪で精神的に疲弊する機会が多いからこそ、一種の現実逃避としてのめり込んでしまうのだと見ることもできます。

また、コスプレをする人はそれだけ周囲の目を意識しすぎることから、自意識過剰になって疲れたり、自信や満足感をなかなか感じることができないということも考えられます

美容整形やイメチェンを頻繁に繰り返す人のように、自分に対して自信がなく、また、ちょっと整形しても次から次へと不満や改善点ばかりに注目してしまい、自分を見失ってしまうように、コスプレにのめり込む人は、それだけ自信のなさや自分への不満が強く、自分を見失ってしまっているのではないかと思うことがあります。

陰口や嫉妬などが多い

傍目から見れば華々しいコスプレの世界ですが、その裏では人間関係のトラブルが多いことで有名です。

誰かから見られるたり、撮影されたり、自己表現する趣味のために、同じコスプレイヤー同士でも口には出さないけえど、「あの人のコスプレの方がクオリティが高い」と比較されたり、「この人にはこのコスプレは似合っていない」と陰口を叩かれることは少なくありません。

また、人から注目される一方で自分のコスプレはそれほど注目されないということもあり、人気コスプレイヤーに対して嫉妬したり、アンチとなって活動する人もいます。

プロとしてならともかく、趣味として楽しみたい人にとっては陰口や嫉妬はあまり気持ちのいいものではなく、言われ続けるうちにメンタルを病んでしまって、活動を中止したり、親しい人だけと付き合うようにしてメンタルに悪影響が出ないように対策をすることもあります。

国立大教育学部卒、専攻は心理学。発達心理学、教育心理学、スポーツ心理学、社会心理学を中心に心理学に関する記事を執筆中。そのほかにも、人間関係やコミュニケーション、性格、スマホ、SNS、ゲームなどのあらゆるテーマを心理学の知識を用いて詳しく、面白い記事を書くことを心がけております。

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