仕事や学校で気分が落ち込む、憂鬱になりやすい。そんなブルーな気分になる時には共通する原因を3つ、そして、それらの改善法ご紹介します。
認知の歪み、悪い考え方の癖によるもの
気分が落ち込みやすい人は、気分が落ち込んでしまいがちな悪い考え方の癖が身についているケースがあります。
これは心理学でいう所の「認知の歪み」に当てはまるもので、自分の育ってきた家庭環境や人生哲学によって時間をかけて作られてしまったものです。
「認知の歪み」や悪い考え方の癖には以下のようなものがあります。
0か100かで考える
白黒はっきりつけてたがる考え方。現実では白黒つけてきっちり二つに分けることは難しいのに、そのことを認識できていない状況です。
何事もきっちりこなさなければ気がすまない完璧主義な性格もこれに当てはまりますが、この考え方はトラブルや環境の変化などで乱されやすく、余計なストレスを生む原因になってしまいます。
「ほどほど」や「適度」が無いと、考え方の柔軟性が失われて自分を追い詰めるリスクが高まります。
悪いところばかりに注目してしまう
スポーツや勉強でいい結果を出しても、悪いところや改善できた点ばかりに注目してしまう考え方。
一見すると現状に満足せず向上心が高く見えますが、一歩間違うと自分の長所も短所も把握するところを、短所だけに注目してしまい全体像を見れていない状態になってしまうリスクがあります。
なんでも自分のせいにしてしまう(個人化)
自分が原因ではないのに、なんでもかんでも自分のせいだ、自分が悪いからだ、と考えてしまう癖。不景気や貧困、他人の喧嘩や天気に至るまで自分一人の力ではどうにもできない事に対して、自分に全責任あると感じてしまうところで認識のズレが生じています。
SNSや現実の人間関係で「自己責任」という言葉が好きな人に毒されてしまい、勝手に自分が悪いと間違った認識で苦しんでいることもあります。立場が弱い人にとっては、自己責任の一言で片付けるのには無理な場面もあるのに関わらず…。
完璧主義
何事もきっちりこなさなければ気がすまない完璧主義の性格は上手くいっているときは問題になりませんが、トラブルや環境の変化などで乱されやすく余計なストレスを生む原因になってしまいます。
また、完璧主義であるがゆえに今の自分のレベルにふさわしくない完璧な理想像を描きがち。それに向かって努力しても、目標が適切でないので
マイナス思考
目標が達成されても「これは自分の実力ではなく、たまたま運が良かっただけだ」と思い込み、目標が達成されなかったら「やっぱり目標が悪かった」とどっちに転んでも、マイナスな考え方になってしまう癖。
スポーツの結果であれ、テストの結果であれ、良い結果が起きてもネガティブに捉えてしまい、良い事を良い事としてちゃんと見れていない状態です。
調子に乗ることを良しとしない、謙虚であることが良いとされる日本の人間関係では、謙虚さが暴走してこのように卑屈すぎる考え方につながってしまうことも珍しくありません。
批判されやすい可能性もありますが悪い考え方の癖が生まれたのは親や学校、社会や環境も原因の一つと言っても過言ではありません…と書くと、「親のせいにするな」「学校や社会のせいにするな」と叩かれることもあるかもしれません。しかし、そういった声をそのまま真に受けたために悪い考え方の癖が身についてしまっていることもあります。
ただ、身に付いた悪い考え方を変えていくのは自分自身という点はよく頭に入れておきましょう。こればっかりは親や学校、社会や環境が勝手に変えてくれるわけではありません。悪い考え方を変えるには、億劫かもしれませんが自分自身が行動を起こす必要があります。
いくらストレスの少ない環境にいても、落ち込みやすい悪い考え方が身についていては、自分で自分を不幸のどん底に陥れていて自滅しているだけです。
認知の歪みを改善するにはまずは、自分自身が不幸を呼び込んでいる事に気が付くことが大事。それだけでもできれば十分な進歩です。
それから少しずつ悪い考え方を変えるために、ToDoリストを作ったり、日記などで記録を付けるていく、環境を変えてみるなどの行動を起こしていく事で、認知の歪みが改善されていきます。
人間関係が希薄なことも原因に
会社員や公務員のように毎日勤め先に出勤せずに、自宅で仕事が完結できる業種や在宅で生計を立てているフリーランスの場合も注意が必要です。
IT関連の仕事や投資家、デイトレードのようにネットで全て仕事が完結できてしまう状況は人間関係によるストレスを受けにくい反面、人間関係が全くない事そのものがストレス源になってしまうこともあります。神経質な性格であろうとなかろうと、ストレスが全く無い環境というものは、ストレスになってしまうので厄介ですね。
その場合は、飲食店やスポーツジムに出かけるなどの人と会う用事を意識的に作って、気分が落ち込まないようなスケジュールを立てることが大切ですね。
また、他人との交流が無いと言うことは、もしもトラブルが発生したときは誰にも相談する事ができず、ひとりで背負い込んで潰れてしまうリスクもあります。責任感が強いせいで、「他人を頼ること=他人に迷惑をかけること」だと思い込んでいる場合は、限界が来るまで自分を追い詰める原因になってしまいます。
季節や天気による影響
ここ最近認知されるようになった「季節性うつ病」のように、ある季節や時期に気分が落ち込みやすい、憂鬱な気分が続きやすくなる事があります。
この場合の原因は日中の日照時間が短くなることより、睡眠ホルモンのメラトニンのもとになるセロトニンが不足することによるもの。セロトニンが不足すると、当然メラトニンも不足して、よく眠れなかったり過眠になってしまうなどの睡眠習慣の乱れを引き起こしてしまいます。
季節性うつ病は、日照時間が不足しやすい秋~冬にかけてが多くなります。日照時間そのものは長いのでそこまで心配はいりませんが、曇りや雨が続きやすい梅雨の時期も警戒が必要です。朝起きても曇り空で十分に日光を浴びれない日が続けば、メンタルにも影響が出てしまうのは仕方がない事です。
ただ、先にも述べたように梅雨は梅雨で悪天候のせいで出不精になってしまい、引きこもりがち。そちらでストレスを抱え込んでしまい、気分が落ち込みやすくなる可能性があります。時間を見つけて日光浴をしたり外出する用事を作る事が大切。また、「用事=目的」を作る事で、日常生活のモチベーションを維持しやすくなります。
※モチベーションと目的に関する参考記事は以下よりどうぞ。
なお、セロトニンはサプリメントを購入して直接補給することが可能。通販サイトではセロトニンを購入して定期的に飲むことで睡眠の乱れを軽減することもできます。
まとめ
・現実をしっかり認識できなかったり悪い考え方の癖による気分が落ち込みやすい場合がある。その場合は自分の考え方や認識が間違っていると自覚して、少しずつ考え方が正しくなるように直していく。
・人間関係が全く無いことも気分が落ち込む原因の一つ。人間関係のストレスが無さすぎることですらストレスになるので、人に会いに行ったり自分から用事を作って他者と交流するのがよい。
・冬や梅雨のように日照時間が短い、引きこもりがちで日光を浴びる時間が減ることでも気分がの落ち込みが発生しやすい。時間を見つけて日光を浴びたり、セロトニンを摂取する。
なお、これらを試しても気分の落ち込みが改善しない場合は、念のためでも構いませんので心療内科などの専門の治療ができる場所で、一度しっかりと診てもらう事をオススメします。
一人で悩まず専門の方にヘルプを求めて適切な治療を続けることもまた、気分の落ち込みを改善することにつながります。