自分は真面目な性格だと思っているのに、なぜだか周囲から評価されない。逆にそこまで真面目な人とは思われない、どこか嘘つきで、姑息で、ぐうたらで…まるで「クズ」だと見られることが多い。
このようにぱっと見は真面目に見えて、中身はクズという性格の人を「真面目系クズ」と言います。
自分が真面目系クズをではないかと自覚する人の多くは、就職活動に向けて自己分析を始める大学2~3年生の頃になってそのことを薄々と自覚することが多く、そのまま就職活動に挑むも、おもうように内定が出ずに就職浪人や内定が無いまま卒業してニートになってしまうケースもあります。
今回は、真面目が取り柄のはずなのに、なぜかその真面目さが企業や採用側から評価されないという、「真面目系クズ」についてお話しいたします。
真面目系クズの特徴とは
「真面目系クズ」とは一見すると真面目なのに、その中身はクズで到底真面目とは呼べない性格のことを指します。初めて真面目系クズという単語ができたのは、2ちゃんねるの大学生活板とも言われています。
その特徴を上げると…
- 素行自体は悪くはなく、よく目上の人の言う事を聞くので反抗しないので学生時代(主に大学よりも前)の先生や親から評価は良いが、とりわけ何かが優れているというわけではない。
- コツコツ努力を積み重ねる事はできるものの、その結果が努力の内容に見合うほどのラインに届かず、悪い意味でそのギャップに驚かれる。
- 真面目そうに見えて実は自己中心的で相手を思いやる心に乏しい。そして、そのことに無自覚であること多く顰蹙を買いやすい。
- 外面は良い方なので知り合いや顔見知りこそいるが、親しい友人と呼べる人はいない。人と深く交流する事でボロが出てくるので人間関係が続きにくい。
- 積極性がなくリスクをとる行動を過度に恐れている。学生時代はそれで問題はないが、社会人になると積極性の無さによるトラブルを抱えるようになる。
- 本気を出せばすぐに終わるようなタスクに手をつけず、結局手付かずのまま放置して逃げ出してしまう。自制心がなく誘惑に惑わされやすく、罪悪感は感じているのに自分を甘やかしてしまう癖が身についている。
- 自分は真面目であるというプライドやアイデンティティが確立されてはいるが、それが足枷となってプライドやアイデンティティが揺らぐようなチャレンジができず、気が付けばただの真面目アピールだけで中身がない人間になっている。
…などの、特徴があります。
ただし、「真面目系クズ」という言葉自体が現在はひとり歩きしている状態で、血液型占いのように誰にも多かれ少なかれ当てはまってしまうな言葉になっているのもまた事実。しかし、共通しているのは「真面目に見えて実は真面目ではない、クズである、要領が悪い」という真面目の良い点を打ち消している点です。
真面目系クズと呼ばれる人は、新社会人や新入生などの新たに人間関係を築く場面において最初のうちは真面目に見えることから周囲からの評判もよく、それなりに「いい人」「信用できる人」と思われます。
しかし、付き合っていくうちに徐々に自堕落な部分が出てきたり、その自堕落な部分をごまかすためにその場しのぎの嘘をつくことで自分の評判を落としてしまいがちです。
もちろん、自堕落な部分やズボラな部分は誰にでもあるものですし、プライベートでそういうスキを見せること自体は問題ありませんが、プライベートに関わらず自堕落な部分を見せてしまう、そのこと改善しようとせずに嘘を付く、ごまかすという行動が相手から顰蹙を買い、自分の信用を失墜につながってしまうことには気をつけなければいけません。
自堕落な部分で相手に迷惑をかけてしまったら「ごめんなさい」と素直に謝る。そこでちゃんと謝れば少なくとも「真面目系クズ」ではなく、普通の「真面目」な人だと思われます。
真面目系クズの本当に厄介な点
「真面目」と「クズ」という一見すると正反対の意味の性格が組み合わさった特徴を持つのが「真面目系クズ」。そんな二面性のある性格ゆえに随分とタチの悪い厄介さもあります。
クズなのに真面目ではなく「真面目なのにクズ」という点
その厄介さの原因は、性格のギャップがわかる順番にあります。
例えば漫画に限らず現実世界でも、初対面では素行不良でなんだか信用できそうにない人なのに、実は謙虚で真面目だったという事がわかり、最初のマイナスイメージからのギャップで好感を得られやすい傾向があります。しかし、真面目系クズはその逆です。
初対面は真面目でなんだか信用できそうな人なのに、実は積極性がなく自己中心的でクズだったということが分かり、最初のプラスイメージからのギャップで一気に評価を下げてしまいます。評価が上昇するのには時間がかかるけれど、下げるときはナイアガラの滝のように激しく評価が下がってしまいがち。まるで株や為替相場のチャートのように、上げるのはジワりジワリとした動きなのに、下げるとなれば一瞬。
クズなのに真面目ならともかく、真面目なのにクズというのが何よりのがマイナスポイントなのです。
クズを自覚しつつ自分は真面目だと思い込んでいれば更に厄介
真面目系クズと呼ばれる人は、「クズと自覚しつつも根は真面目である」と思い込んでいるというケースが多いです。
真面目という言葉自体、人の言うことを聞けて謙虚さがあるという良い意味もあれば、おとなしくて積極性に欠けるという悪い意味のどちらの釈もできるが故の厄介さですね。クズと自覚しているのは決めては後者の意味によるものです。
なお、クズと自覚していないケースも同様に厄介。自分は「クズではなく真面目」なんだという思い込みが強くなればなるほど、周囲との認識のギャップは開く一方。就職活動の頃にはこのギャップに苦しめられ、尽く選考から落ちるケースもあります。
また、本人は真面目であることにプライドを感じているケースも多く、そのプライドのせいで更に周囲と自分の認識のギャップも広がりがちで厄介です。プライドをくじくにしても、そのままのプライドで突き進むにしても、トラブルの火種を常に持ち続ける状態となります。
真面目系クズのメンタルの鍛え方
自分の理想と現実とのギャップを認識する。
真面目だと思う自分のイメージと、実際はクズだという周囲からの評価としっかりと自覚することがまず第一に必要です。その上で、理想の自分に近付くために時間をかけて地道な努力を継続していくことが大切です。
もちろん、自分一人ではなく周囲の人と協力するのもやり方の一つです。自分で自覚できない自分の評価を他者から得ることは、真面目系クズの改善の他にもスポーツやビジネスの場面でもメンタルトレーニングや自己内省の方法として行われています。
直せる範囲からすこしずつ直していく
自分の理想像と現実のギャップを正直に認められたら、後は理想の自分の近づけるように地道で時間のかかるであろう努力を継続していくことになります。
理想像が現実からかけ離れていればいるほど、努力に時間も労力もストレスもかかりますが、その場合は理想像に至るまでの道のりをいくつかに分けて小さな達成感を得られるように目標を設定していくことで、モチベーションを持続しやすくできます。
モチベーションの持続のさせ方に関しては、以前書いた記事で詳しく説明しておりますので、そちらをご参考に。
真面目系クズであることを開き直らない
真面目系クズでもいいやと投げやりになってしまうのは、理想像を今のちっぽけな現実に合わせる事に他なりません。そういった開き直りで一時的にメンタルが楽になっても、根本的な悪い意味での真面目さが改善されていなければ、また同じようなストレスを抱え込む原因になります。
まとめ
・真面目系クズとは「真面目なのにクズ」という二面性を持った性格。特徴は多々あるが、悪い意味での「真面目」さが働いてしまっている性格の人のこと。
・「クズなのに真面目」ではなく「真面目なのにクズ」という点が実に厄介で、他者からの評価を落としやすい性格。
・「自分はクズではなく真面目である」という思い込みが強い場合、周囲との軋轢をうみやすい。
・自分の理想像と現実とにギャップがあるので、真面目系クズを直していくにはまずそのギャップを認識に、出来る範囲でその差を埋めることを目標としていく必要がある。