スポーツや勉強で何か新しい目標を立てても三日坊主になってしまい続かない。目標を立て継続こそしてはいるが、なかなか思うような結果がでずモチベーションが下がってしまう。そういった状況になると「自分はなんてメンタルが弱いんだろう」と悩んだ経験がある人は少なくありません。
しかし、「メンタルが弱い」と感じる原因はメンタルそのものにあるとは限りません。場合によっては、「メンタルが弱い」と、うまくいかなかった原因を勝手にメンタルに決めつけているだけにすぎず、本当に解決すべき根本の原因から目を逸らし続けている。そんな状況だから上手く行っていないだけかもしれません。
メンタルの強い人がやっている目標の立て方のコツとは?
何か目標を建てるときに、その目標が達成できればメンタルが強い、目標が達成できなければメンタルが弱いと考えている人は少なくありません。
今の日本のように大人も子供もストレスフルな現代社会では、「メンタルが強い」ことが何よりも価値のあることだと思われていますが、実際にメンタルが強いと周囲から思われている人が常に目標を達成し続けており、立派な成功を収めている、というわけではありません。
周囲からメンタルが強いと言われる人は、自分のメンタルの良い癖や悪い癖を把握していて、その時々のメンタルの状態に応じて目標を柔軟に設定し、達成できるように調整しています。
逆にメンタルが弱いという人は、自分のメンタルを上手くコントロールできていない。詳しく見ていくと、メンタルのコントロールが上手くできないような目標の立て方をしていることが多いです。だからなかなか目標が達成されにくく、目標のための努力を継続していても目標達成に至らず挫折してしまう傾向があります。
メンタルの強い人がしている目標の立て方
メンタルが強い人にとって、メンタルとは目標達成のための推進力でありエネルギー源であります。そのエネルギー源たるメンタルどうしたら正しく利用できるようになるかは目標の立て方にヒントがあります。
なるべく具体的で明確な目標を立てる。
メンタルが強いと言われる人はなるべく具体的で明確な目標もの立て方をしています。目標の内容も例えば…
「毎日ストレッチをする」
→「毎日お風呂上がりにストレッチをする」
→「毎日お風呂上がりにストレッチを15分する」
→「毎日お風呂上がりに、肩甲骨、股関節、足の筋肉のストレッチを15分する」
という具合に、すべき目標を限定していくことで、目標を達成しやすくなります。
ただ漠然と「毎日ストレッチをする」という目標から、いつストレッチをするか、何分ストレッチをするか、どこのストレッチをするか、と条件をつけ足していくことでやるべきことが具体的かつ明確になります。
これは中学の英作文の基本「5W1H(いつ、どこで、どのくらい…etc)」を参考にすrれば、目標がより明確にしやすくなります。もちろん、ここであげた数字などの条件は、今の自分がちゃんと達成できそうなラインに設定しておくことが大切です。
目標が具体的で明確になればなるほど、目標達成のための推進力たるメンタルが働きやすく途中で挫折する場面が減ります。しかし、目標の中身があまり定まっておらず曖昧であればるほど、推進力たるメンタルも曖昧になってしまいがちです。
メンタルが弱いとい感じている人は、知らず知らずのうちになんとなく曖昧な目標を立てるだけ立ててその中身をじっくり吟味していない。そんな状態で実践してしまうという悪い癖が身についてしまっている可能性があります。
大小2種類の目標を立てる。
さきほど目標は具体的で明確であると達成しやすいと言いましたが、かと言ってスケールの大きい目標を立てるべきではないというわけではありません。
一般的にメンタルが強いと言われる人は、プロのスポーツ選手だったり、世界的に有名なビジネスマンや経営者が例としてよく上がります。そういった偉業や何かと大きな成果や結果を出している人たちは大きな目標を立ててちゃんと実行したからこそ、今の立場があるのです…ごくごく当然のことですが。
そのような人達のようにスケールの大きい結果を出すための目標を立てる際は、大きなスケールの目標とそれに関連する小さな目標とをセットにするのがコツです。
例えば、インターハイに出場したいという目標の場合は…
大きな目標「インターハイに出場する」
大きな目標に関連する小さな目標「練習で自分の強みを伸ばし、弱点もカバーもする」
&「練習・栄養・睡眠が整った生活リズムを続ける。」
&「試合で実力を出せるように体調管理の方法を学び身に付ける」
という感じにスケールの大きな目標だけでは曖昧になりがちなのを、段階を踏んで小さなスケールの目標をいくつか立てていき、それぞれ達成していくことで大きな目標も達成できる。そういう目標設定の全体図を持つことが基本となります。
繰り返しになりますが、小さなスケールの目標は必ず大きなスケールの目標に関連したものに設定しておきましょう。何ら関連のない目標を立ててしまっては、大きな目標の達成につながらないどころか単純に時間の無駄になってしまいます。
また、大きなスケールの目標を持つことは、自分の実力や限界を小さいスケールのままで止めてしまう事態も防ぎます。それどころか大きな目標そのものが、さらにスケールの大きい目標への次なるステップにつながり、自分の可能性を広めることにもつながります。
上にあげた例で言えば「インターハイに出場」という目標が達成できたのなら、次は…
→「インターハイで上位入賞する」
→「インターハイで優勝する」
→「インターハイだけでなくオリンピックを目指す」
という具合に目標のレベルを徐々に上げていくことで、自分の実力の限界を決めずにステップを踏んで伸ばしていく目標設定を立てることができます。
もちろん、最初からオリンピックを目指すというスケールの大きい目標でもOKですが、その場合でもまずは地に足をつけた身近なところの目標、具体的で明確な小さいスケールの目標を立てて、それらをしっかり達成していくことが大切です。
メンタルが強い人は人を頼る事も上手
もちろん目標がトントン拍子に達成されていくに越したことはありませんが、当然目標達成の道中で壁にぶつかって挫折しかけたり、どうしていいかわからなくなり不安に駆られる場面は出てきます。目標が具体的で明確であり、目標達成のエルギーたるメンタルが良い調子であっても、必ず目標が達成される保証はどこにもありません。
そういう時は、一人で不安を抱え込まずにメンタルのコーチングを専門に行っているトレーナーなどに相談してみるのも方法の一つです。誰かに相談したりすることをためらったり、不安を打ち明けることに抵抗を持ってしまう癖はよくあることですし、一人で不安を抱えていても目標が無事に達成することもあります。
しかし、そこで不安な場面になっても一人で解決するというやり方が身についてしまい、それ以外の方法で問題を克服できなくなってしまいがち。とくに真面目で努力家な性格であればなおのこと。一人で解決するというやり方はその場しのぎでは有効かもしれませんが万能ではありません。長い目で見ると目標達成から遠ざかってしまう原因になってしまいます。
ピンチに陥ったときは他人を上手に頼る事や、メンタルトレーニングの本を読むなどして対応策の引き出しを増やしていくことが大切です。そういうを事繰り返していくと、ある大きな目標達成への道筋が一つしかないというわけではないということにも気づけるのが何よりも大きな収穫です。
まとめ
・メンタルと目標は密接な関係にある。
・メンタルは目標を達成するための推進力、エネルギー源のような存在である。
・メンタルがしっかり活用されるような目標の立て方が大切。あいまいな目標ではエネルギー源たるメンタルの効果を存分に活かすことが難しくなる。
・目標を立てる際はなるべく具体的で明確であるとよい。スケールの大きな目標の場合はそれに関連したいくつかの小さな目標とセットにして組み立てるとOK。
・目標達成が危ぶまれる場面では、一人で抱え込まず他人に頼る事もまた目標達成のひとつのやり方。そこから目標達成のためのルートが複数あるという事に気が付けるとBEST!。
メンタルが弱いという思い込みは、本当は自分メンタルが弱いのではなく目標の立て方が下手なだけだったり、目標にあったメンタルのコントロールの仕方を知らないという事実を隠してしまいます。
また、メンタルが弱いという思い込みそのものが自分の実力を過小評価する結果となり、気が付けばその過小評価に見合った実力しか発揮できないという結果を招いてしまいます。
「メンタルが弱いから実力も乏しい」という目標に向かってメンタルが推進力を発揮してしまい、悪い意味で目標が達成されてしまったという事ですね…気をつけたいものです。