豆腐メンタルの人と関わっていると
- 些細なことですぐに落ち込んでしまったり、過度な恐怖を感じる。
- 精神的に打たれ弱く、小さなことでも「自分はもうダメだ」と諦めたり、逃げる癖がある。
- 精神的に傷つくの恐れるあまりに、何事にも消極的な態度を取ってしまわれて、コミュニケーションをとるのに苦労する。
など、扱いの難しさ、めんどくささのせいで、つい関わるのがアホらしくなって匙を投げたくなる…そんな、気持ちを抱かせてくる相手と言えるかもしれません。
とはいえ、豆腐メンタルの人が、自分の部下や後輩として一緒に仕事をしていく場合や、友達や恋人として接するとなれば「豆腐メンタルの人はめんどくさいから付き合わないようにしよう」…と、相手をブロックすることは流石に難しく、豆腐メンタルの人と上手くコミュニケーションする方法を身につけていくことが必要になるものです。
では、豆腐メンタルの人と接する時は何に気をつければいいのか、どういった言葉のかけ方や態度を取ればコミュニケーションしやすくなるのか…今回は、このテーマについてお話いたします。
目次
豆腐メンタルの人には「自分は信頼できる人間である」という態度を見せていく
豆腐メンタルの人は、普段から不安や心配事が多くて上手く関わりづらい人かもしれませんが、一方で彼らが抱いている心配事についてこちらが理解を示したり、「私は心配しなくていい人間ですよ」と示せれば、信頼してくれて上手く関わることができるというメッセージを放っている人とも言えます。
「心配性で不安を感じやすいから面倒な人」とある程度まで相手の特徴を理解しているものの、めんどくさいからと言って切って捨てるのではなく、その特徴をよく見て、こちらから歩み寄る姿勢をもつことが、コミュニケーションをとるには欠かせないのです。
具体的に、豆腐メンタルの人にとって「私は信頼に足る人間ですよ」と示していくためには…
- 二人で決めた約束事はしっかり守る。
- もしも不手際を起こしてしまった時は、素直に謝罪をする。
- 矛盾した態度をとらないようにする。(例「怒らないから言ってみなさい」からの「怒る」…など。これは心理学では二重拘束[ダブルバインド]と呼ぶ。)
など、ごく当たり前の事を淡々とこなす。そして、相手に対して「この人は信頼できる人だ」という印象を持たせていける人間になることが大事なのです。
なお、身も蓋もありませんが、豆腐メンタルの人と上手くコミュニケーションができていないのは、ただ相手が怖がりだとか自意識過剰だとか、その人自身にのみ問題があるのではなく、実は豆腐メンタルの人に余計な不安を抱かせるだけの要素が自分にはある、という可能性も考えられます。
そうした自分では気づきにくい自分の懸念材料について冷静に振り返り、豆腐メンタルの人に信頼できる人間であると示していくことが、最初に心がけておくべきです。
…ただし、ここで書いたことは、簡単なように見えていざ実行していくとなるとかなり難しい事でもあります。しかし、豆腐メンタルの人と上手くコミュニケーションを取る必要性があるのなら、少しずつでもいいので実行していくことが大事です。
極端な物の見方に気づかせると同時に「他の見方もできるよ」と提案して接してみる
豆腐メンタルの人は
- 「生きるか死ぬか」
- 「0点か100点か」
- 「ビリかトップか」
と、良い悪いどちらも極端に物事を捉えてしまう物の見方の偏り(=認知の歪み)があると同時に、その偏りのせいで、些細なことでも極端に悪く捉えてしまい、落ち込み苦しむ性格の持ち主であると言えます。
そんな極端な物の見方では、等の本人だけでなく関わる人も振り回してしまう。そして、関わる方から見れば、あまりの極端さに「ネガティブになるな」と言いたくなったり、関わることそのものを放棄したくなる衝動に駆られることでしょう。
しかし、豆腐メンタルの人と上手く関わるためには、相手の考え方を頭ごなしに否定するのも、関係を切ることも、どちらも避けること。
それと同時に、豆腐メンタルの人に対して「こういう物の見方もできるのでは?」と、新たな物の見方…それも、なるべく現実的に、そして物事を過度に悪くも良くも捉えていない妥当な物の見方を提示していき、過度な不安に襲われることから相手を助けていくようにします。
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豆腐メンタルの人を叱る時の接し方
豆腐メンタルの人と関わる上で悩みやすいのが、相手を叱る場面です。
些細なことで過度に落ち込んでしまうことから、叱り方の加減が難しい。キツく叱れば相手を萎縮させてしまう。
とはいえ、あまりにも軽く叱ったら、叱られていることに相手が気がつかないまま終わってしまう。他にも、過度に落ち込まれるのが面倒なので、叱らないままにするのも、それはそれは良くない…と、あれこれ悩むことが多いものでしょう。
そんな豆腐メンタルの人に対して叱る時のポイントについて、いくつかまとめてみました。
怒鳴らずに落ち着いて話すことをこころがける
叱る時に心がけておくべきなのは、怒りに身を任せて感情的に怒鳴らない事が大事です。
非常に打たれ弱い豆腐メンタルの人は、大声で威圧するだけでも、ストレスを感じやすく叱られている内容が頭に入らなくなるどころか、その時の恐怖がこびりついてトラウマになることがあります。
そうならないためにも、まずはこちらが落ち着いて、淡々と話せる状態になってから、豆腐メンタルの人を叱っていくようにします。
加えて、もし可能なら
- 人前で叱って自尊心を傷つけないようにする。
- お茶でも飲んで、休憩しつつ優しく叱る。
など、なるべく相手の負担を取り除きつつも、叱るべきところは叱るように接していく事も検討に入れてみましょう。
話す意外にも文章による指摘も取り入れてみる
「叱る」と言っても、その方法は話すだけではなく文章でも可能です。
文章による指摘…たとえばメールを使ったり、手書きのメモを使ったり、場合によっては文章の他にも図表や箇条書きを含めて説明するなど、やり方は様々です。
また、文章の場合は大声を出す場面はまず無いので、大声で相手を威圧する心配がなくなる。叱られた相手が後で見返すときのチェックが容易など、言葉によるお説教にはないメリットもあります。
ただし、文章の場合はあまりにも淡々としすぎて文字から受ける印象が辛辣なものになることで、豆腐メンタルの人がストレスを抱えてしまうこともあります。その場合は、後述するように後でフォローがする事を取り入れてみるようにしましょう。
「責めていないよ」と後でフォローすることも大事
たとえ、いくら豆腐メンタルの人を優しく叱ったとしても、自分のいたらなさや未熟さを痛感して自己嫌悪したり、「自分は他人に迷惑をかけた非を責められているんだ」と拡大解釈して、自分を追い詰めてしまうことがあります。
その状態を和らげるためにも、叱ったあとは「あなたのことを責めているのではありませんよ」という、さりげないフォローをいれて相手が立ち直れる手助けをしていくことが大事です。
叱りっぱなしで放置するのではなく、しっかり支える姿勢を見せることで、相手から信頼を得ることもでき、よりコミュニケーションしやすくなることが期待できます。
豆腐メンタルの人に優しくするときの注意点
豆腐メンタルの人を不必要に傷つけないためにも「優しく接する」ことは合理的です。
しかし、優しく接するときに気をつけておきたいことが、なんでも相手の言いなりなることは避け、ある一定の線引きをすることです。
豆腐メンタルの人が、優しさをいいことに付け上がった態度をとったり、繊細であることを盾に揺すり集りをするような状態にならないように、過度に優しくしないことが大事です。
叱ることに比べると優しくすることは非常に簡単ですし、お互い嫌な気持ちになることもまずありません。
しかし、よく見れば「豆腐メンタルの人を不必要に刺激しないように」ために、いつも優しくしている。つまり、豆腐メンタルという特徴に一方的に振り回されているのと同じと言えます。
豆腐メンタルの人が今よりも積極的にコミュニケーションを取ってくれるようになるためには、優しさ一辺倒ではバランスが悪いことを覚えておくようにしましょう。
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