筋トレのせいで攻撃的な性格になる心理・理由について

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貧弱な体型やメンタル面の弱さ、不健康な生活習慣などを改善するために、筋トレを始める選択をする人は多いかと思います。

筋トレを続けていく中で、確かに自分のコンプレックスとなっていた部分が解消されたものの、一方で他人に対してやたら攻撃的でイキった態度や、人を見下しマウントを取るなどの失礼な行動をとるようになった結果として煙たがられてしまう人が出てくることは、きっと少なくないと思います。

では、どうして筋トレをすることで性格が攻撃的に変わってしまうのか…今回は、このテーマについてお話しいたします

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筋トレで攻撃的な性格になる原因として考えられるもの

テストステロンの影響

筋トレをすることにより、ホルモンの1種であるテストステロンが大量に分泌されます。

このテストステロンは、筋肉の増大に働く他にも、闘争心や競争心、など心理面での変化を促進する作用がある。このため、やたら他人に対して攻撃的な態度をとってしまう行動につながるのだと考えられます。

また、テストステロンには、他者と関わることを拒み自ら孤独を選ぶようになる心理を強化する側面もあります。

攻撃性が高まることは、言い換えれば自分にとって危害を加えたり、敵になりうる人・集団に対して敏感に反応しやすくなるとも言えます。

つまり、筋トレにより精神的に高ぶることで、普段なら何とも思わない人間に対して「自分のことを傷つけてくるかもしれない敵である」とみなしてしまうようになる。

そのことでストレスを抱えなくても済むように、孤独を望む心理が強化されるのだと解釈することもできます。

無意識のうちに弱い人間であることを再認識してしまう

貧弱で内気な自分を変えたいために筋トレを始めた人の場合、自分や筋トレをして、攻撃的になるのは、「自分自身が筋トレをして改善しなければいけないほどに、他人より劣っている存在である、弱い存在である」ということを再認識してしまうことにより、攻撃的な態度が強まってしまうと言う考えもできます。

筋トレをしていく中で、自分自身の弱さに良くも悪くも向き合ってしまい、自分の弱さのせいで起こり得る恐怖や脅威を強く自覚してしまう。

そして、それらの恐怖や脅威を未然に防ぐためにも、他者に対して威嚇する目的として攻撃的な態度を取るようになったのだと考えられます。

また、自分を弱い存在だと無意識でも強く自覚するようになることで、防衛機制の反動形成が働き、弱さとは真逆の攻撃的で荒々しい態度をとってしまうという解釈も可能です。

過剰な自己肯定感・自尊心によるもの

他のスポーツと比較して、筋トレは自己肯定感や自尊心を高めやすいのが特徴的です。

まず筋トレは、基本的に自分1人で行えるため、他人と競争したり比較する場面に巻き込まれなくとも済む。結果にコミットする某パーソナルジムのように、一人で筋トレできる環境・・サービスが整っている昨今なら、スポーツジムで他のトレーニー(筋トレをする人の事)と顔を合わせる事なく、(コーチ付きではあるが)一人で完結して体を鍛えられます。

つまり、筋トレと言うスポーツは、他人と比較して落ち込みにくく、自分で自分を過小評価しづらいのスポーツなのです。

また、大きなものを持ち上げる、こなせる回数が増えていく…など、自分の成長の結果がシンプルで文字通り手に取るように確認しやい。筋トレという運動により、自分の体が大きく変わっていることを確認しやすいのも特徴的です。

相手との勝ち負けを競うスポーツ(野球、サッカーなど)や、得点を競うスポーツ(フィギアスケートなど)では、自分が成長していると実感できるかどうかは、自分の対戦相手や審判などの他人の存在によって左右される側面がありますが、筋トレの場合は基本的に自分1人で完結している、且つウェイトの重さ、こなせるセット数のような客観的な数字で把握できます。

このように、自己肯定感や自尊心が身に付きやすい特徴を持っている筋トレですが、過度な自己肯定感は「自分は多少乱暴な行動に出ても問題無い。むしろ、自分は身体能力的に優れた存在になったのだから、多少乱暴になることそのものが認められるべきである」といった、自分に対する特別意識を抱いてしまう懸念がリスクがあります。

自己肯定感や自尊心を上げることそのものは否定しませんが、それが過度なものになってしまうと、社会と折り合いがつけられなくなる状況を招くリスクについては覚えておくべきでしょう。

防衛機制の同一化のせいで攻撃的になる

防衛規制の同一化とは、自分にとってあこがれの存在と自分を重ね合わせて、自分もその存在であるかのように振る舞うことを指す心理学用語です。

メンタル面の弱さや劣等感の克服のために筋トレを始めた人の場合、筋トレをしていてメンタル面が強くて脳筋的思考の人、たくましくアグレッシブでちょいワル(死語)な人に対する憧れを持っていた。そして、そんな憧れの人に近づくために筋トレを始めた結果として、体格面で近づくだけでなく、メンタル面も憧れの人そのものと同一化してしまったのだと考えられます。

なお、同一化は車を運転している時だけ凶暴な性格になってしまう人の場合にも当てはめられます。

車のハンドルを握ることにより、自分よりも物理的に大きくて、丈夫で、力を出せる自動車と言う存在に同一化してしまった。そのため、自分は並の人間よりも強くて力のある存在だと感じてしまうために、運転中にだけ凶暴な態度をとるようになるのです。

このことは筋肉を身に付けることでも同じと言えるでしょう。筋肉と言えば、強さやたくましさの象徴であり、文字通り自分自身を守る鎧そのものとも表現できます。

そんな強さの象徴である筋肉と自分自身とが同一化してしまったために、気分が大きくなって他人に対して攻撃的な態度を取っている…と言う解釈もできます。(余談だが「自分自身を守る鎧」と言う点では体脂肪も同じではあるが…)

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筋トレで性格が攻撃的になることの功罪

筋トレにより、外交的・社交的な性格になり、人と関わることに対して今まで以上に恐怖感を感じなくなる事は、もちろん好ましいことでしょう。

上では筋肉と言う名の身を守る鎧をつける負の側面について語ってきましたが、これはあくまでも行きすぎた場合のリスクであり、適度であれば自分が抱いているコンプレックスの改善に効果があるといえます。

しかし、筋肉及び自己肯定感や自尊心が身に付いたことで、今までなら恐怖を感じていたものに対して恐怖を感じなくなる事は、決して良い面ばかりではありません。

このこと、精神科医のハインリッヒ・クリューバーとポール・ヒューシー行った実験の結果をもとに説明できます。

ハインリッヒらわ情動(特に不快情動)に深く関係する脳の部位の一種である、扁桃体を切除したサルを用いて、その後の行動の変化を観察すると言う実験を実施。

不快情動…つまり、怖さを感じる部分を失ってしまっているため、このサルは通常であれば近づかないような敵に対しても、恐怖心を感じることなく近づいてしまうと言う行動をとるようになってしまいました。

当然ながら、サルにとっての敵に迂闊に近づいたため攻撃されて傷ついてしまい、このままでは生物として生き延びるのが難しいであろう事は容易に推測できるでしょう。

このように、恐怖心が薄れる事は、言い換えれば今までなら怖さのあまりに確実に避けていたであろうことに近づいて、自ら傷ついてしまう場面を増やしてしまう側面もあります。

筋トレをして恐怖心を感じにくくなったのは喜ばしいことかもしれませんが、恐怖心がなくなることで起こりうる恐ろしい結末…つまり、他人に対して攻撃的な態度をとったがために、人から嫌われたり不信感を持たてしまうこと。

そのほかにも、明らかに関わるべきではない危険な人物・集団に関わってしまい、身の安全が脅かされる状況を招いてしまう可能性については、筋肉の増減関係なく考えておくことが大切だと感じます。

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参考書籍