他人に共感できない人は本当に悪なのか 共感に関する心理学について

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世間一般的には、他人に対して共感すること…つまり、相手の感じていることや気持ちを理解し寄り添う事は「善」であると見なされています。

ややスケールが大きくなりますが、世界平和の実現や貧困や格差をなくすためには、他者に共感することこそが課題である…と言う類の考え方は広く浸透していることでしょう

くわえて、共感することが得意な人は、優しい人、思いやりがある人、信頼されやすい人…と言うような、ポジティブな印象をちやすい。

まさに「共感とは絶対的な正義であり善である」という考えを当たり前のように持ち、そしてその考えに何ら疑問や違和感を持たない人はきっと多いことでしょう。

その一方で他人に対して共感できない人、共感そのものをしようとしない人については、なんとなく「人の気持ちを理解しようとしない冷たい人」「信用できず法や道徳に反する行動に出かねない危険な人」と否定的で「悪」なイメージを持つ事が多いと感じます。

今回はそんな共感をめぐるテーマについて、心理学の知識を踏まえてお話しいたします。

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「共感すること=善」という考えが生まれた背景

心理学において、共感とは以下の3つの要素から構成される総称とされています。

  1. 情動的共感:他者の感情の共有、その人の行動状態に合わせること。例えば、他人が感じている辛さや怖さに対して、自分自身もそれと同じものを感じることがこれにあたる。
  2. 認知的共感:他者の感情に対して考え理解する能力のこと。目の前にいる人がどのような感情を持っており、それをどう感じているのか…と思いを巡らすことがこれにあたる。
  3. 共感的配慮:他者が感じている苦しみや辛さに対してなんとかしようと意欲を高めること。心理学では同情とも呼ばれている。

人間が共感と言う仕組みを持つようになったのは、他者と親密な関係を築く事に役立つ。そして、社会の中で生きていく上では、他人と親密な関係を築く事(=集団の形成)は欠かせません。

つまり、人間が社会的な動物として生き伸び、さらなる繁栄をしていくためには、共感が極めて重要な役割を果たしている。言うなれば、人間は共感する能力を駆使することで、現代に至るまで繁栄を続けし、社会を形成してきたとも言えます。

そんな、共感によって成り立つ社会だからこそ、共感そのものが善であり、正しいものであるという認識が芽生えたと考えらます。

共感が持つ負の側面

しかし、共感そのものが、いつどんな場面でも正の側面しかないと言うわけではありません。

例えば、情動的共感を例にすると、他者が持っている反社会的、反道徳的な感情に対して共感してしまい、犯罪行為やいじめなど他者に危害を加える行動に加担してしまう可能性も考えられます。

「他人の気持ちに寄り添い同じ気持ちになる」と言えば聞こえはいいですが、その気持ちが社会の混乱を招きうるものや、法や道徳に背くものであった場合、「共感すること=善」の考え方を支持し続ける事は難しいでしょう。

仮に支持し続けようものなら、犯罪行為やテロ行為、戦争、いじめ、ハラスメントなどを肯定してしまい、社会の秩序を乱してしまう。その結果、自分の身の安全が危うくなるだけでなく、秩序の悪化から人類は衰退しましたとさ…という、洒落にならない結末にならないとも言い切れません。

このように、情動的共感は道徳や社会規範の基準としてはふさわしくなく、むやみに良いものとして肯定すれば「この人は〇〇さんと言う人が嫌いで、私もその考えに共感できる。だから、〇〇さんに厳しい態度を取るのは社会的な正義である」といった攻撃的な思考・行動そのものを正当化してしまう危険性があるのです。

また、共感する感情そのものが辛くて不愉快なものである場合、共感することに成功したとしても、抱えなくてもいい辛さや不愉快な気持ちを抱えてしまうことで、精神的な苦痛を味わってしまうというデメリットがあります。

他者の辛さや悲しさに対して寄り添う事は、無条件に良いものであるとして推奨されていることもありますが、共感した結果、自分自身がただ辛くなって苦しむだけになるという身も蓋もないオチにならないとも言い切れません。

その他にも、人の暗い過去に寄り添った結果「共感して暗い気持ちになった自分が恥ずかしくて情けない」という自責感で苦しんでしまうこともあります。

これらの負の側面を考慮すれば、共感することが絶対的に善であるとは言い切れない、むしろ共感した結果苦しい思いをするぐらいなら、あえて共感しないままでいることも、時には有効であるという主張も可能になります。

共感できる相手は無意識に選別している

私たちが誰かに対して共感する時、その共感は自分と近しい間柄の人や、自分と共通点の多い相手に対して強く共感するように働くとされています。

その一方で、自分とは全く近しい間柄ではなく、共通点もない相手に対しては、そもそも共感することは少ないとされています。

つまり、私たちは無意識のうちに共感しやすい人とそうでない人と選別した上で共感している…という共感対象の偏りを持っている。しかし、そのことに自覚している人は非常に少ないことでしょう。

そもそも、共感する仕組みや思考が進化したのは、家族など親しい間柄から成り立つ集団における関係を、より強固且つ安定的なものにするためとされています。

自分が所属している集団を構成する人たちとの絆が深まれば、困ったことがあればお互いに助け合ったり、自分が食料や財産を手にすればそれらを集団内にいる人に分け与えるなどして、自分が所属している集団の確実な繁栄や安全の確保につながる。

そのため、共感する事は近しい間柄の相手にはよく働くようになり、その一方で自分とは全く関係のないよそ者にとっては共感が働かないようになったと考えられています。

言い換えれば。よそ者は自分たちの集団を乱しかねない天敵であり、そんな相手に対して共感をして集団内に招き入れることは合理的ではない。

だからこそ、よそ者には共感しない。そして、後述するようにむしろ排他的な態度を取るようになるのだとされています。

ある属性を持つ人に強く共感するほど、その属性を持たない人に排他的になる皮肉

人間の共感には偏りがある事を踏まえて「共感=善」とする考え方を見ていくと、共感しやすい人との絆と理解は深まりますが、共感しづらい相手は絆も理解も進歩しないまま。

この状態では、共感しやすい相手には優しさや親しさを持てるようになるかもしれませんが、共感しづらい相手に対しては無理解や無関心といったつれない態度をとってしまう。

共感そのものを善とし推奨する考えそのものが、実は自分とは違う背景を持つ他者への理解や関心、ひいては世界平和の実現や貧困や格差の改善にはつながらない。むしろ、他者との衝突を招きやすい状態を作ったり、異なる価値観を持つ人への排他的な態度や、断絶を助長することになりかねないというを招くという皮肉な見方も可能です。

現に、閉鎖的で内向きなコミュニティーが集団内の人には非常に優しく共感を寄せ合っている。しかし、自分たちとは異なる主義、思想、文化を持つよそ者に対しては排他的な態度をとり、決して交わろうとしない…といった光景は、学校、職場、ご近所・親戚付き合い、趣味の人間関係、など日常生活の至るところで見られるものしょう。

ただ漠然と「共感=善」と考えているばかりでは、本当に自分とは全く接点のない相手との共感は深まらないどころか、むしろ溝が深まってしまう。

こうした共感が持つ不都合な部分に対して、果たして共感できるか否か…は、非常に難しく簡単には結論を下せないことのように感じます。

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参考書籍

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