陰キャラとは「陰気なキャラ」の略称であり、陰気で暗い…ということから派生して、
- 恋人や異性の友達がいない
- 友達が少ないorいない(=ぼっち)
- アニメや漫画などのインドア趣味
- 文化系の部活に所属している。あるいは帰宅部。
- おとなしくて人前に出たがる性格ではない。
- 口下手、コミュ障、会話が苦手。
- 打たれ弱く、ナヨナヨしている。メンタルが弱い。
などの特徴を持っている人のことさします。
陰キャラはそんな特徴を持っているために、いじめや嫌がらせのターゲットになりやすく、リアル、ネットの世界に限らず辛い思いをしている人が多いものです。
今回は、陰キャラがいじめられやすい理由と対策についてお話いたします。
目次
陰キャラがいじめのターゲットになる理由
人間関係内での立場が弱い
一般的に陰キャラ(あるいは「陰キャ」)と呼ばれている人は、大半はスクールカースト(学校内ヒエラルキー)において下位に所属する人たちです。そのためクラス内ので発言権、影響力は弱くなる傾向があります。
少しでも目立とうものなら「カースト下位なんだから出しゃばるな」と言わんばかりのバッシングを集中的に受ける損な役回りとも言えます。
また、バッシングがエスカレートしていじめや嫌がらせ発展したり、「立場が弱い」という事を材料にし「陰キャラならいじめても反撃を受けにくい」と都合よく解釈した人が出てくることでいじめの対象になってしまうこともあります。
ぼっちor友達が少ないので反撃を受けにくい
陰キャグループに属する人は
- 変わり者なのでクラスから浮いている
- 人と話すのが苦手なために交友関係が浅く孤立している。
- おとなしい性格のため友達が比較的少ない。あるいはいない(=ぼっち)
という、友達の少なさが共通しています。
いじめのターゲット選びには、ターゲットの友達の質と数が大きく影響します。
友達の数が多い人、あるいはスクールカースト上位の友達と繋がっている場合は、いじめの対象にしてしまうと逆にいじめたほうが反撃を食らう可能性が高くなり、負けるリスクが上がります。
しかし、陰キャラのように
- 友達が少ない
- 上位グループとの交流が無い
- ぼっち、仲間はずれ
などの特徴があると、その分反撃を受ける可能性は下がり、より確実にいじめを成功させやすくなります。
大人しい性格なので反撃されにくいと思われやすい
いじめのターゲット選びは、いじめる相手の性格も判断材料になります。
ターゲットが荒っぽい性格だったり、すぐに友達や先生に助けを呼ぶような性格の場合は反撃を受けやすくターゲットとしてふさわしくありません。
しかし、陰キャラのように大人しい性格であったり、ナヨナヨして頼りない性格の場合、反撃を受ける可能性は低いのでターゲットとしてふさわしくなってしまいます。
また、大人しい性格ゆえにいじめていることを他人に伝えるのが苦手であったり、うまく丸め込めばいじめている事実の口封じもしやすいので、いじめのターゲットとしてはふさわしいという側面もあります。(…極めて理不尽なことではありますが)
「いじり」の対象になりやすい個性・特徴が多い
陰キャラの人は、陽キャラ含むスクールカースト上位の人から見ると
- 運動音痴のため些細な動作をネタにしやすい
- 不思議ちゃんキャラでツッコミどころが多い
- アニメ、漫画などの二次元インドア趣味にやたら詳しい
- 不細工、太っている(or痩せている)、イケメンや美人以外とは別の特徴的な顔をしている
などの、いじりやすい個性や特徴が目立ちます。(あくまでも、ここで紹介したいじりやすいポイントは一例)
下手をすればスクールカースト上位の人よりも目立つ個性や特徴を持っていることもあり、上位グループにいる人からすれば「もしかしたら自分の立場を脅かすかもしれない」という脅威を感じたり、「見下している相手なのに自分よりも魅力があって気に食わない」という事を感じ取って強い嫉妬心を抱くこともあります。
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陰キャラいじりから陰キャラいじめに発展するケースも
陰キャラに対して何かしらの脅威や嫌悪感を抱いた事で、排除したいという心理が働くのも無理はありません。
しかし、露骨ないじめをすれば自分の評判を下げてしまう恐れもあります。
今の立場を失いたくない人であれば、陰湿で周囲からわかりにくい方法で相手の個性をけなして価値を下げようとします。
その方法こそ「いじり」です。
いじりは表面的には親しみや興味から相手をいじって仲良く交流をしているように見えますが、その裏ではいじりを通して相手の価値を下げ、相対的に自分の方が上だと周囲にアピールするのです。
このようにずる賢い方法でいじってくる根底には、言い変えれば陰キャラに対する嫉妬の念を抱いていると言ってもいいでしょう。
なお当然ですが、自分が「この人いじりやすいなぁ」と感じたからからといって、相手の意思や主張を無視して自分達が楽しむためにいじられキャラに仕立て上げる事は、相手を傷つけることにほかなりませんし、いじめを正当化する理由にはなりません。
しかし、人間は集団心理が働くことで「いじめてはいけない」と分かっていても、集団になることで自制心が弱まる、罪悪感や責任感が薄れて心理的なブレーキが効きにくくなり、簡単にいじめに手を染めてしまうものです。
「赤信号みんなで渡れば怖くない」というギャグにもあるように、人間は集団になるとルールや規範、道徳を簡単に破ってしまいます。
それどころか
- 「ルールを守っている方がおかしい」
- 「たとえルール違反でも周囲に合わせないと仲間はずれにされてしまう」
と感じて、非合理的な行動を取ってしまうのです。
なお、集団心理は陰キャラも陽キャラもそれ以外のキャラも関係なく、人間であれば誰もが飲み込まれる可能性があります。
※集団心理やいじられキャラが辛いという心理については以下の記事で詳しく解説しています。ぜひご覧ください
陰キャラいじめに対してどう立ち向かうか
陰キャラだからという理由でいじめてくる人の中には、陰キャラに対するコンプレックスや今の自分の立ち位置に対する不安や不満を解消する目的でいじめてくる人もいます。
例えば、もともと陰キャラグループだったものの、高校or大学デビューで成り上がりを果たして陽キャラ含むスクールカースト上位に所属して調子に乗るものの…
- 「やっぱり陰キャラグループの方が居心地がよかった」
- 「正直言って陽キャラグループの人間関係が面倒で抜け出したい」
- 「調子に乗り過ぎたせいで、居場所を失ってしまっていることに焦りを感じている」
という、他人には言いにくい悩みを抱えている相手がいい例です。
「今のグループは正直つらいので抜け出したい」という気持ちと「今のグループから脱出して元の陰キャラグループに戻るのだけは嫌だ」という相反する気持ちの板挟みからくるストレスを、自分よりも格下である陰キャラの人たちにぶつけるのです。
このような場合でいじめてくる相手に対しては、「今の立場は守りたい」という強い保身の気持ちがあるので、それを利用して対策を立てます。
一例としては、
- いじめをしてきたらグループのトップ、先生、親に報告すると伝える。
- もともと陰キャラ勢だった事を、所属先の人の所に伝えると仄めかす。
- もしも上位グループに属する人と学校外で交流があった場合、その事をいじめてくる相手にそれとなく告げて牽制する。
などの対策を練ることができます。
相手に強い保身の気持ちがあればこそ、もしいじめをしてきたらどのような未来が待っているのかを丁寧に説明し、いじめる気を削ぐように仕向けるのです。
このようにリスクを説明して相手を説得する技術は、大人になっても役立つ一種の世渡りの術、交渉術とも言えます。
なお、ここで上げた対策はあくまでもいじめに対する自己防衛の手段として用いるように制限をかけておくようにしましょう。
また実際に行うか否かは、いじめてくる相手とその周りの人間関係をよく観察した上で実際に対策通りに動くかどうかを自分で決めるようにしましょう。
陰キャラいじめはいじめる側のコンプレックスが原因の可能性も
そもそも陰キャラに対する全くコンプレックスがない人なら、自分よりも各下の相手に対してやたら粘着していじめる…というのは考えにくいものです。
わざわざ上位グループの人間関係と遠く離れた格下の、しかも陰キャラをターゲットにしていじりやいじめをしてくる時点で「いじめてくる相手は上位グループの人間関係で何か悩みや、不満、不安、葛藤を抱えているのでは?」という疑いの視点を持ち冷静に対処することが大事です。
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