孤独を選ぶ自己愛性人格障害の心理と問題点

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自己愛性人格障害の人は持ち前の自己愛の強さゆえに、いわゆるナルシストのような自己アピールの激しさ、かまってちゃんのような他人を振り回す言動が多いという特徴があります。

しかし、自己愛が強いからといって誰もが他人の注目を集めるために積極的に他者と交わることを選ぶとは限らず、自分の肥大化した自尊心が傷つくことに過度に恐れて、あえて他人とは交わろうとせず孤独な生活を好む人もいます。

どうしても「自己愛が強い人=他人から認めてもらうためにも社交的、孤独を嫌がる」と思われる傾向がありますが、実はその限りではありません。

今回は、そんな孤独を選ぶ自己愛性人格障害の人の心理・背景などについてお話いたします。

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自己愛が強いのに孤独を選ぶ理由

自己愛が強い人の言動を見ていると「自分のことが大好きで他人のことなんて気にしていない、自分本位な性格の持ち主」だと感じることがあるでしょう。

例えば、なんども鏡で自分の髪型の状態をチェックしたり、自分がよく見られるために写真の写り映えを気にしたりする行動からは、他人は眼中になく自分のことで頭がいっぱいな人と感じるのも、至って自然でしょう。

しかし、こうした自己愛の強さからくる行動は、実は他人からどう見られているのかを強く気にする傾向の強さがあったり、他人を通して見られる自分にこそ価値があるという考えにこだわっているために起きるものでもあります。

自己愛性人格障害の人は、他人から見下されやり、嫌われることを強い不安を感じる傾向があり、不安を感じないためにも、他人からいい意味で注目を浴び続けたいために、過度に容姿を気にしたり、実物以上に自分をアピールしようとする。自分のことしか見えていない行動には「他人からよく見られたい」という思惑が込められていると考えられるのです。

こうして見る限りでは、たしかに自己愛性人格障害の人はあらゆる形で他人との関わりをよくもつので孤独な生活とは無縁と考えるのも自然でしょう。

しかし、他人と積極的に関わろうとする行動の裏では、自意識過剰な言動や自分を実力以上によく見せる行動に対して指摘や批判を食らうことに過度な不安を覚えやすく、常に緊張を感じながら他人と積極的に関る辛さを感じていることです。

自分をよく見せるといえば聞こえはいいですが、言い方を悪くすれば巧妙な嘘をついて自分が素晴らしい人間だと錯覚させるような行動をとっているとの同じです。

そのことを指摘されると、反論に困ってしまう。また、仮に反論しようものなら言い訳がましい醜い自分を見られてしまう恐れがあるので、自己愛性人格障害の人からすれば何としてでも避けたい気持ちが強くなります。

まっとうな指摘や批判の意見をくらおうものなら、肥大化した自尊心がひどく傷つくのは明白。(なお、人によっては疑問の意見ですらも自尊心が傷つくので「絶賛以外は認めない」とイエスマンを強く求める姿勢をとることもある。)

しかし、自尊心が傷つく不安を感じていても、周囲から認められチヤホヤされることを強く望む気持ちはなかなか収まらない。

その結果、言動がエスカレートして、嘘や誇張を交えた方法に手を染めてでも他人の注目を浴びようとしては、その方法のダーティーさを指摘されるのではないかという不安を感じている。要するに、にっちもさっちもいかない状態で葛藤を覚えているのです。

そんなモヤモヤする状態に陥らないために、(他人から認められ賞賛されたい欲求はあっても)あえて孤独を選び、自分の自尊心を守ることに専念するのです。

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孤独になれたからといって落ち着くわけではない

孤独な状態になれば、当然自己アピールをする意味もありませんし、他人から自分の言動に対する指摘や批判が来ることはありません。

身近なところに自分の自尊心を傷つける人はいないので、孤独な状態はまさに絶対安全な場所を確保したと言えるでしょう。(同時に、身近な人も面倒事が降りかからないので、皮肉にも双方ともにこの状況は安全と表現できる。)

しかし、上でも触れたように「他人を通して見られる自分にこそ価値がある」という強い考えを持っているのに、あえて孤独を選び他人の視界に入らない生活を送るのは、本人からすればストレス源です。

他人の目がなく見下される不安こそありませんが、他人の視線がないために「自分は空っぽもように感じる」「自分で自分がよくわからない」という空虚感に苦しみ、決して落ち着ける状態にいるとは言えません。

しかし、かと言って他人の視線がある場所に飛び込もうにも、指摘や批判を受けることへの恐怖が拭えない状態で苦しむ。

このように、

  • 他人の視線なしでは空虚な気持ちに襲われ不安になる。
  • 他人の視線がある場所では批判や指摘される不安に怯える。

という、これまたにっちもさっちもいかない状態で葛藤を覚えている、気持ちが落ち着かないのです。

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引きこもりと自己愛性人格障害

自己愛性人格障害の人の中には、孤独な生活を選んでしまった結果として、不登校、引きこもり、無職・ニートになるなど、社会との接点がない生活を選ぶこともあります。

勉強や仕事などで他人から指導を受け自分の未熟さを痛感したり、指摘を受けて自尊心を傷つく状況を強く避けたい気持ちがあるからこそ、社会の中で生きるのではなく、自分一人で完結する世界で引きこもろうとするのです。

当然ながら社会と関わることを避けているので、収入面の問題がいつも付きまとうのはもちろんのこと、肥大化した自尊心が傷つかないことを優先にした生活を求めるあまりに…

  • 人が多くいる場所や時間帯に出かけることが減る。(生活リズムが乱れ、ますます社会参入・復帰が難しくなる)
  • そもそも出かけることが億劫になる。(肥満、運動不足による生活習慣病のリスク増)
  • 心身の不調を自覚しても病院で医師に相談することすらも自尊心が傷つくので避ける。(早期発見・治療が遠のく)

など、メンタル面以外の健康も犠牲にした生活に陥るリスクがあります。まさに、肥大化した自尊心に自分自身が振り回されて、生きづらさに苦しむ生活を送るハメになるのです。

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