自己愛性パーソナリティ障害の人は、
- 自分が特別扱いされる事を当たり前のように要求してくる。
- 隙あらば自慢話や自分語りしてくる。
- 平気で他人をマウントするような言動が非常に多く、鬱陶しさを感じてしまう。
- 嫉妬深くやたら張り合ってくる、絡んでくる。
など、他人に対して余計なちょっかいをしてくることが目立ちます。そのため、この手の人と関わるとなれば「どうにかして大人しくさせたい、黙らせたい」という類の願望を抱くことは珍しくありません。
賑やかで和やかな話をするのならともかく、興味の無いことを延々と、それも自慢やマウントばかりで、聞いてて気持ちよくない話題でうんざりする。
そのくせ、こちらが話題を振っても勝手に却下して自己愛の強い人の話題に塗り替えられたり、話題の内容に対して勝手にマウントを取ってその場の主導権を握ろうとしてくる…など、話せば話すほどにうんざりすることに悩まされてしまいます。
今回は、そんな自己愛の強い人を静かにさせるためにできる事について、お話しいたします。
自己愛の強い人と関わる前に
まず最初に、もしも自己愛の強い人と距離を置くことが可能であれば、潔く距離を置くことをおすすめします。
自己愛の強い人は、(他人をないがしろにする割には)自分が傷つけられたり、ぞんざいに扱われる事を強く嫌う。
加えて、反抗的な態度を向けてくる人に対して、激しく怒り狂うことがあるため、真正面から立ち向かうのではなく、なるべく関わらないようにして身を守るのが賢明です。
また、後述する黙らせる方法も、必ず効果があるとは限りません。仮に黙らすことができても、それをきっかけに相手から敵認定されて仕返しを食らう可能性がないとは言い切れないのが実情です。
仕返しとして根も葉もない噂を流されて自分の信用を著しく傷つけられる。あらぬ嫌疑をかけられて、自分の居場所や役職を失う恐怖に怯える…など、事態が泥沼化しないとも言い切れないからこそ、なるべく関わらないようにすることを推奨します。
自己愛性人格障害の黙らせるための策
簡単に距離を置くに置けない関係…たとえば、職場の人間関係、実の家族、義理の家族、ご近所さんなど、社会生活を営む上では簡単に切れない相手であれば、黙らせる方法を視野に入れることもあるでしょう。
では、どのようにして黙らせればいいのかについて、以下で詳しく説明していきます。(※なお、ここに載っている方法はくれぐれも自己責任でお願います)
多数の味方を作って同調圧力をかける
自己愛の強い人を黙らせるには、一対一で立ち向かうのではなく大勢対一で立ち向かう。つまり、多数の味方を集めて同調圧力をかけ、大人しくなるように仕向けるのです。
職場や学校などの集団生活を送っていれば、自分以外にも自己愛の強い人の言動に反感を持ちつつも、それを内に秘めて抑圧している人が多数存在しているものです。
まずは、同じ不満を持つ人で悩みを共有して結束を固める。そして、ある程度自己愛の強い人を押さえ込むだけの材料(過去にやらかした事件や出来事など)を集めた後、じっくりと問い詰めて説教をする。
そのほかにも「あなたに対して不満を抱えている人が、これだけいるんですよ」と示して、自ずと行き過ぎた言動を慎むように圧力をかけていくことで、自己愛の強い人を黙らせることができます。
自己愛性人格障害の人よりも立場や地位が上の人を味方につける
自己愛の強い人は、社会的な地位や立場が高い人には平身低頭な態度をとる傾向がある。つまり、所属している人間関係のヒエラルキー上位に属する人に対して、比較的おとなしい行動をとります。
これを逆手に取ってできるのが、上で触れた味方作りの時に、自己愛の強い人が恐れ多き存在とみなしている人を味方として招き入れる。虎の威を借りる狐がごとく、権威を盾にして相手を大人しくさせるという方法です。
格上の人が後ろにいるとわかれば、自己愛の強い人とて迂闊な事をすれば、自分の立場が脅かされるイメージが想像できてしまう。たとえば、格上の人に自分の悪行を告げ口されて嫌われてしまう、何らかの処罰や指導を受けてしまうであろうことが想像できてしまうからこそ、大人しくなるというわけです。
感情的な対応はしないようにする
自己愛の強い人との(一方的なものも含め)会話をヒートアップさせないためには、たとえ相手が感情的になってきたとして、あくまでも冷静に落ち着いた対応を貫くことです。
自己愛の強い人は、感情的に話すようになってきた相手に対して
- 「本当は嫉妬しているんでしょ」
- 「ムキになるのは図星だからだ」
- 「キレるのは大人げない」
など、(どの口がいうかとツッコミたくなるような)挑発とも取れる苦しい言葉を投げかけると同時に、そんな言葉を言える自分の方が一枚上手であると考えたがる。
状況が不利になってもなお、最後まで賢明にマウントを取ろうとする、妙な粘り強さというかしつこさを見せることがあります。
こうした泥仕合にならないためにも、たとえ挑発的な言葉や態度を取られることがあっても、努めて冷静に対応する事を心がけてください。
相手の弱みやコンプレックスを知っていることをそれとなくほのめかす
自己愛の強い人は自分をやたら大きく見せたがることがあります。
しかし、やたら大きく見せたがるのは、言い換えれば素の自分があまりにも平凡すぎて、人目を引くような魅力がないだとか、良いとも悪いとも言えない微妙な経歴しかなくて注目を集めづらい事を、うっすらとでも自覚している。だからこそ、過剰に経歴を盛って露骨な自己アピールをしようとするのです。
そんな人が一番恐れているのは、他人から見て自分は注目を浴びる程度の人間ではないと見透かされてしまうことです。
要するに「私は貴方が隠しておきたい弱みやコンプレックスを知っていますよ」ということをそれとなくほのめかしておくだけで、自己愛の強い人は「あの人は私の弱みを知っているから、迂闊にかかわらない方が安全だ」と判断して、絡んでこなくなる可能性が高まります。
そのためには、
- (あまり気が進まないかもしれないが)相手の露骨な自己アピールの内容をよく聞いておく。
- そのアピールの内容に不自然な点、露骨すぎる点、食い違う点がないか探っておく。
- (もし可能なら)自己愛の強い人の過去をよく知る人に話を聞いておく。
- (もし可能なら)自己愛の強い人が積極的に話したがらない話題が何であるかを調べておく。(積極的に話したがらない=話すとボロが出てしまう話題である可能性が高い)
そして、質問や疑問をぶつける要領で「△△のことはよく自慢しているのに、なんで○○のことはあまり話さないんでしょうかね?」と、それとなく相手の弱みを握っていることを示してみることです。
話せる時間をあらかじめ決めておく
もちろん、なるべく穏やかな方法で相手を黙らせる…というよりは、長く話させないことも、策として検討に入れておくのもいいでしょう。
そのためには、自己愛の強い人と話すときに「今日の話は○○時まで」と、制限時間を設定しておく。そして、制限時間が過ぎたら途中でいいので話を切り上げ、その場を後にするのです。
自己愛の強い人がやたら喋ってしまうのは、当の本人にのみ原因があるのではなく、話し続けられる状況を作ってしまうこちら側にも原因があるとも言えます。
その原因を潰すためにも、話すときの制限時間を決めておくという対策は効果的です。
余談 自己愛の強い人を黙らせても仕返しがないとは言い切れない
最後に余談になりますが、なるべく穏やかな方法で自己愛の強い人を黙らせたとしても、それで必ず仕返しをしてこない…というわけではない点は、よく覚えておくのが大事です。
自己愛の強い人は、他人への共感が希薄、あるいは無いという特徴があります。
これは言い換えれば、自分のやっている行動のせいで他人がどう感じているのかについて、想像力が及ばない。つまり、自分が他人に不快感を与えている事への自覚ができず、自分のやらかした行動を反省もできない。むしろ、反省する必要性を微塵も感じないことも珍しくありません。
他人に不快感を与えているという罪の意識を持ちづらいために「迷惑だから黙ってて」と言われても「自分は迷惑なことなんてしていないし、そんな対応を受けるのは不当だ」と感じて、仕返しを正当化してしまうことが、自己愛の強い人の厄介な点でもあります。
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