自己愛性人格障害の男性の行動の特徴について

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この記事は「自己愛性人格障害の女性の行動の特徴について」の続編です。

自己愛性人格障害の男性の行動面の特徴は、女性のケースとも共通しているものもあります。しかし、女性とは違うのが、自己愛の強さからくる行動が「男らしい行動」として好意的に解釈されてしまい、受け入れてしまうことがある点です。

(最近はめっきり聞かなくなりましたが)男尊女卑、家父長制、亭主関白といった文化・風習に通ずるものがあるために、自己愛が強くて面倒な男性として見られるのではなく、昔気質な男性として、自己愛の強さからくる迷惑な行動が許容されてしまうのです。

しかし、傲慢で自分勝手な行動に出る割には、内心は非常に臆病で小心者な一面がある。しかし、そんな「男らしくない」内面を他人に知られれば、自分の自尊心が深く傷つく恐れがあるからこそ、更に傲慢さに拍車をかけたり、他人を威圧するかのような言動に出てしまうことがあります。

今回は、そんな自己愛の強い男性に見られる行動面の特徴についてお話いたします。

(※なお、タイトルでは「男性」となっておりますが、ここで触れている行動面の特徴は女性でも見られるものもありますので、参考にしてください。)

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自己愛性人格障害の男性の行動の特徴

社会的な地位、権力に対するこだわりが強い

自己愛の強い男性は、勉強の成績、学歴、就職先のネームバリューやブランド、所属先での肩書き、人脈、年収、資産…など、社会的な地位・権力に対するこだわりの強さがよく見られます。

社会が認める価値に重きを置き、それらを身に付けることで自分の有能さ、魅力、そして自分が特別な存在であることを周囲の人間にアピールして、賞賛や尊敬の声を集めたいからこそ、こだわりを見せると考えられます。

しかし、社会的に認められているものに強くこだわる裏には、自分に自信がなく「自分はこれがいい」と自分でものの価値や評価を決めることに困難を覚えている。

進学や就職など、自分の人生を大きく左右するが決断に対して、自分の基準で「自分から見てこれは良いor悪い」「他人がどう言おうと自分はこれで納得する」という評価が下せないからこそ、社会…つまり、自分以外の誰かが評価したものを全ての価値判断の基準にしてしまうのです。

ただし、自分以外が決めた評価を拠り所としているため、社会の流れや自分の所属している集団の雰囲気が変われば、その流れに従って自分の意見や主義主張をコロコロと変えてしまうという、一貫性の無さが欠点となりがちです。

上昇志向の妙な偏りが目立つ

社会的な地位に執着を見せることに関連して、自己愛の強い男性は妙な上昇志向の強さが見られることがあります。

勉強・スポーツ・仕事など、あらゆることにおいて、一番になったり、さらなる成長を求めて邁進する…というのならまだしも

  • 一度も挫折や失敗もなく、順風満帆に社会的な成功を収めることを望む。
  • 人生どん底→人生ばら色…のように、一発逆転の成り上がりを望む。
  • 社会的な地位を獲得するための挑戦において、常に多くの人から応援され、支持されながら成長していく未来のみ描く。

など、小説や漫画などフィクションの世界の主人公にでもなったかのような、現実離れしていて妙に偏っている上昇志向を持っていることが特徴的です。

自己啓発本でよく見るような胡散臭さすら感じる上昇志向になってしまう原因は、自己愛の強さからくる「自分は特別な存在である」という思い込みの強さが、現実離れした偏った上昇志向を生み出しているのだ考えられます。

普通のサクセスストーリーでは「自分は特別」であると感じづらい。だからこそ、過度な理想が投影された、フィクションというか、都合のいい妄想にすら見えてしまうサクセスストーリーを描いてしまうのです。

なお、現実離れした理想のサクセスストーリーを描いてしまう点では、同じく心理学用語の「幼児的万能感」に通ずるものがあります。

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格上の人に対しては媚びへつらい、格下の人は見下すか利用する

自己愛の強い男性に見られるのが「他人は見下すか見下されるかしかない」という、人間関係の極端さです。

年齢、立場、経済状況などで自分にはかなわない格上の相手に対しては、媚びへつらって太鼓持ちになる。立場が上の人と親しくなれれば、「立場が上の人の知り合い(あるいはそれ以上)」という地位を獲得して注目を集められるイメージが描けるからこそ、圧倒的に立場が上の人に擦り寄ろうとします。

一方で自己愛の強い男性から見て、格下の人と付き合っても自分の社会的評価が上がる材料は無いに等しい。そのため扱いは冷たくぞんざいになる、あるいは手足のようにこき使おうとします。

ただし、場合によっては各下の人でも優しく接する人もいますが、その優しさは「各下の人でも優しく接して見捨てないだけの徳を持っている自分」を演出するために他人を利用する。要するに、自分をよく見せるためにマウントを取りやすい格下の人間を利用する傲慢さが潜んでいるため要注意です。

なお、対等な関係から成り立つ友達や恋人の間柄ですらも「格上or格下」と、上下関係で見てしまうことも目立ちます。近年認知度が上がっている、友達[friend]の振りをした敵[enemy]を意味する「フレネミー[frenemy]」にも通ずるものがあります。

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親分・子分のような上下関係から成り立つ人間関係を築こうとする

自己愛の強い男性は、自分を親分、関わる人を子分とした、上下関係から成り立つ人間関係を築こうとします。

ただし、親分・子分と表現しているように、この関係は立場が上の人が立場が下の人を自分の手足のように不当に利用する人間関係であり、不公平さが問題になる関係です。

また、子分として付き合っている人に対する感謝、ねぎらい、気遣いなどは無いくせに、子分に対して親分である自分への感謝、ねぎらい、気遣いを求めてくるという傲慢で横暴な言動があるため、気が付けばパワハラやモラハラ、DV(ドメスティックバイオレンス)などの問題に発展しかねない危うさがあります。

なお、冒頭でも述べたように、立場が上の人が下の人を使役する関係は男尊女卑、家父長制、亭主関白といった文化・風習に通ずるものがあるため、人によっては不平等な関係でも受け入れてしまい、問題が表面化しにくいことも目立ちます。

体育会系の組織であったり、田舎で昔ながらの関係が残っている人間関係においては、そもそも自己愛が強い云々といった認識すら出てこず「男性が威張るのはこういうものだから…」として、許容されてしまうこともあります。

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男らしく見えて打たれ弱い内面がある

上でも触れているように、自己愛の強い男性は、一昔前の男性らしさを示す価値観、ガキ大将のような男らしさに通ずるものがあるため、傍目には打たれ強くて肝が据わっているとか、図太くて多少のことではへこたれない打たれ強ささあると感じる人も多いものです。

しかし、そのイメージとは裏腹に自己愛の強い男性の内面は、自信の無さ、自尊心の不安定さ、自分の価値基準を持たずいつも他人が決めた価値基準にこだわることで生じる「自分は空っぽである」という虚しさに苦しまされ、精神的に不安定さ、うたれ弱さに悩まされています。

ですが、普段から散々権威や権力に貪欲な姿勢を取ってきて評判を集めてきたり、ビッグマウスな態度や威張り散らした態度でなんとかやってきた当人からすれば、自分の男性らしく無い弱さを他人に見せるわけにはいかない。

もし、弱さを見せようものなら、自分の評価がガタ落ちして自尊心が激しく傷つく不安がある。「普段は威勢のいい事行っているのに、実は小心者で大したことない男」だと、本格的に認知され見下されるてしまう恐怖があるからこそ、自分の弱さを誰にも相談できない。その結果、精神的な不安定さや打たれ弱さが悪化してしまうのです。

なお、余談ですが、ネットスラングの「メンヘラ」の特徴を持つ男性の中には、自己愛の強さ故に他人や社会と上手く折り合えず生きづらさを抱えたことで、メンヘラの特徴を持っていると自覚するケースもあるように感じます。

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美男子ばかりが自己愛が強いとは限らない

さて、自己愛性人格障害に対してよく知らない方からすれば、自己愛性人格障害の男性と聞くと「自己愛=ナルシスト、ナルシシズム=イケメン、美男子に見られるもの」と連想することもあろうかと思います。

ナルシシズムの語源になった、ギリシャ神話に登場する美少年ナルキッソスが、湖に映った自分の美しさに惚れて口づけしようした結果、溺れ死んでしまった話を見ても「自己愛=イケメン、容姿が美しい人」という考えをもつのも至って自然な事だと感じます。

しかし、自己愛の強い人は、必ずしもイケメンや美少年のように容姿の魅力がある人に限った話ではありません。平凡な顔・容姿の人や、あまり恵まれた顔・容姿ではない人でも見られます。

むしろ、見た目があまりにも微妙であり、注目や賞賛を浴びれなかった経験があるからこそ、その反動としてやたら社会的な地位にこだわったり、人を見下し支配することで優越感を手に入れてしまうケースもあります。(もちろん、このことは男性に限らず女性でも同様です。)

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