自己愛性人格障害と恋愛依存の関連性について

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自己愛性パーソナリティ障害を始めとして自己愛の強い人の中には、なかば恋に恋する人のように、恋愛に依存してしまうあまり周囲と衝突を起こしたり、生きづらさを抱えてしまうことがあります。

恋人と付き合うといっても、その関係はあくまでも不安定で揺らぎやすい自尊心を支えるために、恋人の存在を必要としている。つまり、恋人の存在に精神的に依存しており、非常に危うい恋愛関係です。

また、恋人の方も自己愛の強い人が持つ情緒的な不安定さや精神的な脆さに気づいて、面倒事にならないために別れを切り出すこともあります。しかし、自己愛の強い人が既に恋人に強く依存している場合だと、別れる時のショックが強すぎてひどく傷つく。

そして、その傷つきを癒すために、また別の依存先となる恋人を求める…と、刹那的で衝動的な関係を繰り返し、自分も周囲も辛くなる関係にのめり込んでしまうのです。

今回は、そんな自己愛の強い人が恋愛依存に陥る心理や背景について、お話いたします。

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自己愛の強い人が恋愛に依存するメカニズム

自己愛は強いが自信がなく、常に無力感に苦しんでいる

自己愛の強い人は、自分に酔っているナルシストのように、傍目には自信満々で悩みや不安などあるようには見えない人だと受け取られがちです。

意識高い系の人のように、威勢のいいことを口にしたり、さも自分は何か優れた能力なり、美貌なり、人望なりを持っており「自分は社会的な成功者だ!」と、万能感に満ち溢れた人に見えます。

しかし、そうした行動の裏では、自分に対する自信のなさを感じていたり、本当は自分は優秀でもなんでもなく平凡な人間でしかない…という、自己無力感を強く感じています。

ただし、そのことを正直に周囲の人に言う事には抵抗を感じている。もし言おうものなら、自分の弱みが他人に握られてしまい、自分の方が格下だと見下される不安があるからこそ弱みは見せないし口にも出さない。

しかし、それでは不安は残ったままなので、代わりに威勢のいいことを口にして、自分を実物以上に偉大な人物であるように演出することで不安を晴らそうとします。

自信のなさや無力感を埋めるために恋人の存在に依存する

実物以上に自分を大きく見せることに上手く行ったとしても、それはあくまでも演出が上手く言っただけであり、現実の自分が成長しているわけではありません。

自己愛の強い人は、自己演出が上手くいけば行くほどに、平凡でなんとも言えない自分と周囲の人を騙したことで手に入れた過大評価されている自分との差の大きさを自覚する。そして、自分の無力さ、虚しさ、ちっぽけさを感じることで自信の無さや無力感を強めて行くのです。

ここで、自分のちっぽけさや自分を大きく見せようとする自分の醜さと向き合えれば生きづらさを和らげることが可能です。

しかし、自分の醜さと向き合うことは、自己愛の強い人からすればストレスが大きく、何とかして現実と向き合わない方法で乗り切ろうとします。(もちろん、自己愛の強い人に限らず、自分の醜さと向き合うのは簡単ではないが、肥大化した自尊心が傷つかないことを優先する自己愛性パーソナリティ障害の特徴を持つ人は、現実と向き合わない方法を選んでしまいがち。)

その方法としてあるのが、恋人に精神的に依存することです。

恋人に不安定な自尊心が崩れないように支えてもらう…例えば、

  • 意味もなく褒めてもらったり
  • 何事にも肯定的な言葉をかけてもらったり
  • 自己愛の強さを指摘する人の存在を一緒に貶したり
  • 「あなたならできる」と応援や励ましのかけてもらったり

…など、自信の無さや自己無力感を恋人という名の他人の存在を有効利用して、解消しようとするのです。

なお、自分で自分を励ますことも出来るかもしれませんが、自己愛の強い人の中には「まるで自画自賛しているように見えて、なんだか卑しい」と自分の醜さを感じると同時に、それを一人で受け止めなければいけない苦痛があるために、他人の存在を利用して自分を褒めるように仕向けると考えられます。

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相手に強く依存しているために、恋人と別れた時のショックは大きくなる

恋人に強く依存しているために、仮に恋人と別れるとなれば、そのショックは大きくなります。

恋人の存在で、どうにか自尊心が崩れずギリギリの状態で持ちこたえてきているため、もしも恋人と別れるとなれば、本格的に自尊心が崩れて立ち直れなくなる恐怖がある。

自分のメンタル面の大事な支えである恋人の存在を失うことは、自己愛の強い人からすれば、まさに自分が自分でなくないアイデンティティを喪失することと同じとも考えられます。

なお、恋人からみれば、自己愛の強い人は、「やたら褒めてほしいだとか、励ましてほしいだとか、尊敬して欲しいだとか求めてきてばかりのめんどくささがある人」であり、長く付き合い続けるうちにめんどくささに嫌気が差して別れたい気持ちにかられやすい相手でもあります。

また、自己愛の強い人は他人に要求をする割には、自分から要求を求めた相手に対して何か施しを与えたり、感謝や尊敬などのお返しをすることは少ない。そのため、付き合ううちに不公平感が募ったことで、自然と恋人関係が解消されやすい特徴を持っている人ともいえます。

失恋のショックを埋めるために、衝動的な恋愛に走っては別れるをくり返す

自己愛の強い人から見て、失恋により自分の自尊心を支えてくれる人がいない状態は、なるべく速く解消しなければいけません。

そのため、自己愛の強い人は、失恋後にすぐに新しい恋人(というか依存先)を見つけて付き合いだす。そして、新たな恋人を心の拠り所とすることで、不安定な自尊心を安定させようとします。

ただし、上述したように新しい恋人においても、自分ばかりが要求して相手には何も与えない不公平な関係になるため、関係は長続きせずに自然と別れる…そして、新しい依存先、もとい恋人を見つけるという、刹那的で衝動的な恋愛関係にのめり混んでしまうのです。

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執念深さからストーカーになることも

自己愛の強い人は「しつこい」行動を取ることがあります。

恋愛依存においては、別れた相手に対して恨みの感情を持ちSNSなどを駆使してプライベートを詮索する…つまり、ストーカーとなって、別れた相手を執念深く追い続けることもあります。

なお「しつこさ」は、こと恋愛においては押しの強さとみなされて、恋愛対象としての自分の魅力を増す材料でもあるため、一長一短があるのも事実です。

特に、積極的なアプローチに弱い人や、「必死になる=自分への好意の高さを表している」と感じてしまえば、自己愛の強い人に惹かれてしまうのも無理はないといえます。

ただし、このしつこさ良い方向に働くこともあれば、悪い方向に働くこともある。そして、悪い方向に働いた場合は、元恋人たる自分の身の安全を脅かすものになりかねない危うさがあることは、知っておいて損はないと思います。

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