コミュ障の人の中でも、いわゆる喋りすぎたり、空気を読めない発言が目立つことで、コミュニケーションしづらい相手だと感じてしまう、いわゆるアッパー系コミュ障の人との会話は非常に疲れるものです。
アッパー系コミュ障の人は、よく話したがる傾向がありますが、その一方で他人が会話の主導権を握ることを好まず、一方的に自分が話せる状況ばかりを求めたがる。「話題の中心は自分でなければいけない」とでも言いたげな一方的なコミュニケーションになるので、油断していると、つい相手のペースに乗せられてしまいます。
では、具体的にアッパー系コミュ障の人とはどのような付き合い方をすればいいのか…今回は、このテーマについてお話いたします。
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アッパー系コミュ障との付き合い方のコツ
相手の発言にいちいち突っかからない
アッパー系コミュ障の人は、とにかく過剰気味な自信でよく喋る傾向があります。
言葉の節々にどこか他人を見下すようなニュアンスを含んでいたり、自分を尊敬することを暗に求めてくるような、鼻持ちならない話し方をするために周囲から関わりづらい人だと見られてしまうことが目立ちます。
たとえば、話し方の癖としては
- きっぱりとした断定口調や断定表現で話す。(さながら、政治家の街頭演説のようである)
- 「自分の意見こそが全てであり、正解である」という、自分の立場を正当化するような発言が目立つ。
- 相手への配慮を欠いた、辛辣でキツい言い方をしてしまう。(相手への共感が薄いという点が、話せるけど「コミュ障」たる所以である)
という具合に、他人に対してつい一何か一言口にしたくなるように煽る話し方をする特徴があります。
しかし、ここで相手の発言に対していちいちツッコミを入れたり、突っかかってしまっては、アッパー系コミュ障の人の不安定な自尊心を傷つけてしまい、過度な落ち込みや激しい怒りを招きかねません。
アッパー系コミュ障の人は、自分に対する全うな指摘や意見ですらも「自分を傷つけてくるアンチor敵だ」とみなしてしまう、極端な思考を持っているためには、上手く関わることを意識するのであれば、話しの内容に突っかかることは、最小限にとどめておくようにしましょう。
どんな時でも張り合おうとか、口論しようとか、つい熱くなってしまうのではなく、あくまでも適度に受け流すことを意識するのが、不必要にいがみ合わないためにも大事なのです。
相手のイエスマンにならないようにする
適度に聞き流すことが大事と書きましたが、くれぐれも相手の言葉を全て肯定して、イエスマンになってしまわないように、一定の線引きを設けておくことも欠かせません。
たとえば、アッパー系コミュ障の人が話す事に夢中になりすぎて、自分のプライベートにまで首を突っ込んできたり、ありもしない噂やデマを口にするなど、見過ごしてはいけない事を話し始めた場合は、その内容に対してこちらもしっかり口出しをする…というように、相手が超えてはいけないラインを超えてきた場合は、こちらも話に加わって誤解を解いていく事が大事です。
自分の中で
- 聞き流してもOKな話題
- 聞き流してはダメな話題
について、ざっくりといいから決めておき、そのルールに従ってアッパー系コミュ障の人と関わるように心がけましょう。
相手に対して他人の立場に立って物事を見れるように勧めてみる
相手とある程度信頼関係ができている場合であれば、相手に対して他人の気持ちや立場について考えられるように、会話の中で示していくことも効果的です。
ただし、示していくときにアッパー系コミュ障の人の立場は劣っているor間違っていると決めつけた上で、他人の視点に立てるようにすべきだ…と、相手の立場を否定する方法は避けた方が賢明です。
アッパー系コミュ障の人は、自己中心的な考えが強いと同時に、自己中心的な考えを否定されることで激しく動揺してしまいます。
相手の立場に立つことを教えていくには、自己中心的な考えにも共感や理解を示しつつ「他の人の立場も考えてみたらどうかな?」と説得する形で、接してみるのが賢明です。
大事なのは、アッパー系コミュ障の人の自尊心を不用意に傷つけず、かと言って自尊心を肥大化させて傲慢な行動を悪化させないように、上手く説得していくことが大事です。
相手を説得するためには、たとえ自己中心的というあんまり認めたくない考え方を持っている相手であっても、その考え方を正面から否定せず、まずは一度認めたあとに「こう言う見方もあるよ」と提案していくようにすれば、温厚に事が進みやすくなります。
指摘する場合は具体的で手短に済ませる
よく喋るのでぱっと見は明るく、多少指摘されたぐらいでは過度に落ち込まないだけの精神的なタフさがあるように見えますが、実は指摘や批判に対して非常に打たれ弱いことがあります。
また、単に落ち込むだけでなくあまりのショックに逆ギレし、指摘した相手を口汚く罵るなどして、ますます関わりづらさを増してしまうことがあるからこそ、指摘をするときはなるべく具体的に、そして手短に済ませることが大事です。
たとえば、しゃべるのはいいものの、話が脱線してしまうことで困っている場合は「しゃべりすぎるな!」と一喝するだけでは具体性は乏しい。下手をすれば人格否定と受け取られてしまうおそれがあります。
それを防ぐためにも
- 「今は○○の話題ではなく、△△の話題を話してもらえますか?」
- 「時間が無いので、△△の話題にすすめてもらえますか」
と、具体的な指示や説明を加えた指摘を手短に行うようにします。
なお、具体的で手短な指摘をするということは、言い換えれば指摘する側の力量(コミュ力)が求められているとも言えます。
ベラベラと喋る人を前に感情的にならずあくまでも冷静沈着に、そして、怒りから必要以上に説教をしないなど、自分の感情をしっかりコントロールできるようになることが、この指摘を行う上では必要になるとも言えます。
礼儀を欠いた対応をしない
アッパー系コミュ障の人は、とにかく自己中心的で相手を無視して喋りたがるという厄介な特徴があるために、「こんな相手に敬意なんて示したら自分が損する」と感じて、つい失礼な態度を取ってしまいたくなりがちでしょう。
しかし、あくまでも上手に付き合うことを目的とする場合は、相手が失礼な態度をしてきているからといって、こちらも同様に失礼な態度を返してしまっては険悪なムードを招いてしまう。それこそ口論に発展して、余計に面倒な事になるリスクもあります。
あくまでも、礼儀を欠いた対応はせず、社会人や学生など今の自分の立場相応の礼儀を忘れずに、相手と関わるように心がけましょう。
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