コミュ障の人に多いのが、頭の中で色々何を言うべきが悶々と考えすぎることがクセになる。しかし、考え過ぎたものの、結局何を言うのがその場にふさわしいのかが導き出せずに、「あ、はい、そうですね…」と、なんとも素っ気ないコメントをしてしまう…というパターンです。
もちろん、相手から見れば、コミュ障な自分が必死に考えていることや、頭の中でどれだけ思考を巡らしているかまでを見通すことは不可能です。
唯一分かるのは素っ気ないコメントだけですが、それも「ひょっとして私の話に興味がないのかなぁ…」「ちゃんと話を聞いているのだろうか?」と疑わしく思われたり、親しみにくさを感じる原因となります。
もちろん、コミュ障である自分としては冷たくあしらうつもりでコメントを返したわけではなく、むしろ誠実且つ真面目に考えた結果出てきてしまったコメントです。
しかし、そのことが伝わらずに、冷たい人、話していても面白くない人だと思われてしまうのは、しっかり伝えられない自分に非があることが分かっていても辛いものです。
今回は、そんな考えすぎた結果コミュ障になってしまう人の思考の癖や原因、対策などについてお話いたします。
考えすぎによるコミュ障にみられる思考の癖
考えすぎてしまう人に多いのが、
- 完璧主義のせいでミスのないコミュニケーションを追い求めている。(実際にそれができるかどうかはさておき…)
- 会話に「正解」を求めている。
- 深読みをする癖がある。
などがあります。
では、それぞれの特徴について詳しく説明していきます。
完璧主義で理想が高い
完璧主義で話す内容、タイミング、声のトーン、表情など、コミュニケーションに関わるあらゆる要素に対して完璧なものを求めるパターンです。
もちろん、採用面接やスピーチなどのミスの少なさやコミュニケーションスキル高さが評価される場面で完璧を目指すのならいいのですが、完璧主義ゆえに普段の何気ない会話、世間話、ネット(SNS)上の会話にまでも完璧を求めてしまい、精神的に消耗する傾向があります。
しかし、完璧主義な人が抱く理想像のほとんどは、今すぐ達成できるようなものではなく、そしてあまりにも理想像が高すぎるために、大抵はうまくいかずに挫折してしまいます。
挫折することは非常に辛いものですし、精神的なショックは大きいものです。ですが、そこで理想像を割と現実的なラインに設定することができず、あくまでも完璧にこだわることを止めません。
そんなことが続くうちに、完璧な理想像を抱いているものの、それになろう努力したらショックを受けることを学習し「理想のコミュニケーションを目指すのは辛いから、あえて何も言わなない方が傷つかなくても済むから賢い判断だ」と考えます。
そして厄介なのが、この時に完璧主義は捨てきれない…むしろ、捨ててしまったら今までの自分を否定する辛さが待っているため、完璧主義を目指している自分を残しつつ、完璧主義な自分であまり苦しまないようなコミュニケーションを身につけてしまうのです。
それが、上述したような考えすぎるものの素っ気なく浅いコメントに現れてると考えられます。
- 「考えすぎる」ことで完璧主義な自分を残せる。
- 「素っ気ないコメント」をすることで完璧なコミュニケーションができない自分を傷つけなくても済む。
という本人にとっては一石二鳥でメリットを感じているため、改善したくてもなかなか改善がしにくくなるのです。
正解と思われる返事をみつけようとする
コミュニケーションをするときに「この場面ではこう言うことが正解」と、会話に正解を求めてしまう癖が、考えすぎによるコミュ障を招くことがあります。(まるでコミュニケーションを○×クイズか何かと勘違いしえいるかのよう…)
完璧主義の人にも共通して見られますが、
- 会話においてミスをしたくない。恥ずかしい思いをしたくない。(=うまく話して注目を浴びたい)
- 相手から嫌われたくない。(=話がうまい人だと思われて好かれたい)
- アバウトなコメントで相手に迷惑をかけたくない。(=人の役に立つことを言いって褒められたい、認められたい)
という気持ちが、コミュニケーションに正解を求める原因として考えられます。
なお、正解を求める話し方は「明日は雨が降りますか?」という「はい」「いいえ」の二択で答えられる、選択肢が限られている内容であればそれなりに有効です。
しかし「明日は寒くなりますか」「今日はいい天気ですね」と、単純に二者択一で答えられない世間話のような内容に対しては非常に相性が悪くなります。
そして、正解を求めるが故に「はい」「いいえ」で答えた後に、その後の会話が続かず沈黙状態になるという欠点もあり、和やかに話したい、談笑を楽しみたい場面では不向きです。
正解を言ったら行ったでそこで会話が終わる。かと言って正解がわからず素っ気ない返事をしてもそこで会話が途切れてしまう…と、正解を求める会話は、自らをコミュ障に追い込む会話といっても過言ではないのです。
深読みをしすぎてしまう
相手から投げかけられた言葉に対して、
- 「返す言葉の中に、言ってはいけない地雷ワードがあるのではないか?」
- 「相手が投げかけた言葉を、字面通りに解釈するのは間違いではないのか?」
- 「かと言って当たり障りのないコメントでは、つまらない人だと思われてしまうのはないか…」
と、深読みをしすぎた結果、なんと応えていいのかわからず、素っ気ないコメントになってしまうのです。
深読みをしすぎるのは、上で触れた完璧主義や会話に正解を求めることにも共通していますが、そのほかにも、
- 話すことに慣れていない。
- 真面目で責任感が強すぎる。
- 自分に厳しすぎる姿勢が裏目になっている。
などの悩みを持つ人にもよく見られます。
そして、このような悩みを持つ辛さを味合わないために、あえて人と交流する機会を避けてしまうために、余計にコミュ障と考えすぎる癖をこじらせてしまうことが目立ちます。
考えすぎによるコミュ障化への対策
完璧主義の原因となってる真面目さ、厳しさを緩めていく
完璧主義や真面目すぎて融通が聞かないことがコミュ障の原因となっている場合は、それらを緩めて完璧よりもベターな会話を心がけましょう。
「完璧を求めすぎることが裏目になって、完璧になれずショックに苦しむぐらいなら、素っ気ない返事or何も言わない方がマシ」とならないためにも、そっけない返事以上の返事…例えば、自分が素直に思ったことや感じたことを言ってみたり、言い終わった後に相手に質問を投げかけてみて、会話が続けられることを意識してみるのがいいでしょう。
完璧な返事よりも、とりあえず伝わる返事になるように心がける
完璧な返事になるように言葉を吟味したものの、うまくいかずに素っ気なくなるぐらいなら、まずは簡単な言葉でもいいので、とりあえず伝わる返事になることを心かげてみるのも対策の一つです。
拙い返事でも完結で伝わりやすく返事であれば相手も好意を得やすく、コミュニケーションで大事なキャッチボールが成立します。
逆に、何も言わないまま黙っていてはキャッチボールは成立せず、相手を困惑させてしまいます。
ボキャブラリーが拙くてもいいのでとりあえず伝えてみることは、コミュニケーションの基本であるキャッチボールをとりあえずは成立させる事と同じです。
まずは自分なりに言葉を返してみて、その様子をみた後に話題を修正・変更して、お互いの話が弾むように会話を運んでみることを意識してしましょう。
冷静な気持ちで話をすることを忘れない
考えすぎている状態は冷静さを欠いていることが多く、普段なら気にならないことが気になったり、気にならないことに対して過度な深読みをしてしまった結果、コミュ障を招いてしまうことが考えられます。
焦っていてばかりでは、考えすぎている自分を客観的に見れないばかりでなく、相手が今何を話しているかにまでロクに気が回らず、一人であたふたしている状態といっても過言ではありません。
会話において、冷静になるのは言い換えれば会話に対して無反応、冷たい、興味がなさそうと思われる行動と思われがちですが、テンションをあげてノリよく話すことばかりがコミュニケーションの正解ではありません。
冷静さを欠いて、考えすぎるのが止まらず何も言えなくなって会話に詰まるのであれば、まずは深呼吸をして気持ちを落ち着けて、そのあとに話したいことを整理して話してみるようにしましょう。
考えすぎている時の内容を記録しておき、あとで見直す
話が終わったあとに、考えすぎているときに思いついたこと…例えば
- 「○○と言ったら相手が嫌がるかもしれない」
- 「○○と言ったら相手に心配や迷惑をかけるかもしれない」
- 「○○と言ったら恥をかくかもしれない」
などの、不安の数々をメモをしておく。そして、その不安の数々が会話の中で本当に起きたかどうかを照らし合わせます。
照らし合わせていくうちに、「○○が起こるかもしれない…」という不安の的中率の低さを客観的に確認できたり、所詮はただの自分の思い込みや決めつけにすぎず、気にしてもさほど意味がないと確認できることでしょう。
メモでもノートでもいいので、根拠のある形に残しておく。後で見返した時に、この前の不安の的中率は限りなく低いから、余計な心配は必要ない、と前向きになって自信をつけることがこの対策が目指しているところです。
考えすぎているときは、あたかも不安の数々が全て的中するかのように感じますが、後で振り返るという作業を通して、それらの不安は全然あてにならず思い込みや決めつけに過ぎなかったと確認することが、考えすぎによるコミュ障を改善することに一役買います。
作業自体は割とめんどくさいですが、一度記録しておいて何度も見返し「以前感じていた不安が本当に起きたか?どれだけの確率で起きているか?」何度も確認できます。
また、過去のデータを元に照らし合わせる中で「自分が抱いていた不安は、時間がたっても実際には起きず、ほとんどは思い込みに過ぎなかった」という事実の確認もでき、コミュニケーション全般に対する苦手意識を払拭することにつながります。
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