「部活動の顧問の先生が強くて練習に出るのが辛い…」と言う悩みを抱えている人、中高生なら誰もが一度は聞いたことがある悩みかもしれません。
先生によっては、学校の中でも怒ると一番怖い先生だと評判になっているケースもあり、「部活動は好きだけれども顧問の先生は苦手」という複雑な気持ちに悩まされることも多いものです。
また、体育会系の部活動や全国出場を狙う意識の高い人が集まる部活動だと、「多少怖い先生であっても我慢しなければいけない」という暗黙の了解が広がっていることも多く「部活のためには我慢して怖い先生のもとで指導受けるのが常識である」と考えてしまうこともあるでしょう。
しかし、昨今の日大のアメフト部のタックル騒動や、スポーツ界におけるパワハラ問題が話題になっている様子を見ていると「スポーツ指導=恐怖や暴力に頼らないものであるべき」と言う考え方が徐々に浸透しつつあるようにも感じます。
部活動だからといって怖い先生に耐えるばかりではなく、なんらかの形で先生に働きかけて部員が安心できる指導ができるように働きかけることも、部活に所属している一員として大事なことではないかと感じます。
目次
怖ければ正直に「怖い」と顧問に伝えてみることも大事
怖い先生と言うのは、自分の指導が不必要に怖がらせていると思っていなかったり、過度に萎縮させている自覚がないことがあります。
自分がどれだけ恐怖を与えているかに無自覚であるために、部員が怖がっている様子を見て不思議がったり、怖がっている様子を見てさらに怒りを増して、乱暴な指導へとつながってしまうのです。
もちろん、情熱的な性格で暑くなるあまりについ乱暴な物言いで指導してしまう先生もいますが、その結果としてブラック部活動のような常軌を逸した暴言や理不尽なペナルティーが正当化されてしまうのは問題だと思います。体罰やパワハラが当たり前の部になることは、避けなければいけません。
部活動の一員である以上はただ顧問の先生の言うことを聞くばかりではなく、場合によっては部員の方が顧問の先生に働きかけて、良い雰囲気の部活動を作っていくことも重要です。
あまりにも怖すぎて練習に集中できないのであれば「正直怖くて練習に集中できないので、もう少し優しくしていただけますか?」と、自分の気持ちを伝えて見ることも方法のひとつです。
自分の気持ちを言葉で伝えないままでは、当然気持ちは相手には伝わりません。
かなりの勇気は必要になるかもしれませんが、しっかり自分の気持ちを大人に伝える事は、学校を卒業後にも役に立つコミュニケーションスキルなので、身に付けておいて損はありません。
もしも直接言えない場合は相談相手に頼ってみる
もちろん、直接顧問の先生に「怖いのでもっと優しくしてくれませんか?」と簡単に言えば苦労はありません。
簡単に言えないからこそ、ひとりで抱え込んでしまったり「顧問が怖くて悩んでいる自分が情けない」と自分で自分を責めてしまうのです。
怖い人に対して1人で挑むのはなかなか難しいものです。
だからこそ、自分以外の誰かに相談してみたり、顧問の先生に伝えてもらえるようにお願いをしてみることも方法の1つです。
ほかの部員に相談してみる
ほかの部員に自分の悩みを打ち明けて、集団になって顧問の先生に訴えてみるのも方法の1つです。
もちろん相談する場合は、自分と同じく顧問の先生を怖いと思っている人を見極めてみるようにしましょう。
もちろん、「怖いけれども我慢しなきゃいけないよね…」と言われて、小6の先生に言えないままと言う状況もありえます。
しかし、誰かに相談して気持ちを共有できる人が見つかったことにより「怖がっているのは自分1人だけではない」と言う安心感を手に入れて、今までよりも怖さに対してそれなりに耐えられるようになることも期待できます。
副顧問の先生に相談をしてみる
部活動は顧問・副顧問の2種類の先生が担当していることがあります。
もしもメインの顧問の先生が怖くてしょうがない時は、副顧問の先生に相談をしてみて、指導内容を変えてもらえないかとお願いしてみるのもいいでしょう。
顧問の先生といってもひとりの大人であり、学校の先生間の評判は敏感になることが多いものです。
子供(部員)から言われるのではなく、関係者(副顧問)から言われたほうが、冷静に物事を受け止めることができるので、改善につなげやすいとも言えます。
保健室の先生・スクールカウンセラーに相談してみる
もしも、副顧問が部活動にいない場合は保健室の先生やスクールカウンセラーの先生に相談してみるのも方法の1つです。
保健室の先生であれば、学校生活に困っていたり、悩みを抱えている生徒の相談に慣れていることが多く、話を聞いてくれるだけでなく、安心した学校生活を送るためのサポートも行ってくれることがあります。
また、スクールカウンセラーの先生も保健室の先生と同じく、悩みや困りごとをしっかり聞いてくれて、かつ心の支えになる存在です。
もちろん、話を聞いてもらうだけでなく保健室の先生やスクールカウンセラーの先生から、顧問の先生に話かけてもらうように頼むのも効果的です。
副顧問の先生と同様に、大人から部活動に関する悩みがあったと言われたら、そのことを重く受け止めて、指導の改善につながることが期待できます。
親や家族に相談してみる
ひょっとしたら、思春期なので親や家族に相談しにくいかもしれませんが、本当に困っているのであればしっかり悩みを打ち明けてみることも大事です。
怖く感じる人に対しては味方・理解者を作って対処する
ここまでで述べてきた方法に共通をしているのは、強く感じる人に対しては相談できる相手…すなわち、味方や理解者を作って対処するということです。
同じ部員、副顧問などの学校の先生、親などの自分以外の誰かが理解者や味方になっているとわかるだけでも、怖いと感じる先生に対して「自分1人で立ち向かっているわけではない」と言う自信を得ることができます。
そして、自分1人で解決するのではなく頼れる人を頼ってみたり、頼れる人と一緒に解決するなどの方法も、怖い人にしっかり思いを伝えて部を改善していくことにつながります。
もちろん、場合によっては怖い顧問の先生のいる部活を辞めて、他の部活に移ったり、クラブチームなどの外部の集団に入ることもあるでしょう。
しかし、「顧問の先生は怖いけど、かといって部活を辞めて先輩や後輩、同級生と疎遠になるのは避けたい」と言う気持ちを抱えているので、部活を辞めずに顧問の先生に何とかしてほしい、という複雑な気持ちを抱えている場合は、簡単に部活を辞めるのではなく、まずは味方や理解者を作って、顧問の先生に働きかけてみるようにしましょう。
顧問を怖がっている自分を責めないように
人によっては「あなたは何かを怖がるような人には見えない」と思われているものの、実は非常に怖がりで、怒鳴り声やっぱ声に敏感に反応してしまう自分がコンプレックスであると言う人がいます。
例えば、
- 男子の癖に怖がり
- 体育会系の癖に怖がり
- 部活でいい成績出しているのに怖がり
などのように、外見からは全然怖がりに見えないと思われているからこそ、自分が怖がりであると打ち明けられずに、怖がりな自分が強いコンプレックスとなって苦しくなるのです。
このような見た目と中身のギャップが激しい人は、素直に自分が怖がりであることを打ち明けるのではなく、周囲が抱いているイメージに自分を合わそうとした結果、苦労してしまうのです。
特に、体育会系の部活だと「多少の怒鳴り声や厳しい指導に耐えられなければ1人前ではない」とか「体育会系は怒鳴られたり、厳しい指導もうメンタルを鍛えるためには大事」といった強引な指導論を言われて、苦しむことが多いものです。
しかし、人間はストレスに対して無限に我慢できると言うものではありません。
一般的にストレス耐性が強く、不安や恐怖に対処できると思われがちなスポーツ選手でも、精神的な不調からパフォーマンスを落としてしまったり、メンタルの病気になって長期の療養を強いられることがあるものです。
ただひたすら怖い先生のもとに耐えることばかりが、果たして本当に自分の身体能力や技術を磨くことに効果があるのでしょうか?
ただ怖い人に耐えるばかりではなく、安心してのびのびと部活をできる環境を整えていったり、怖さを我慢できない自分を責めずに誰かに相談して楽しく部活を送れるようになることこそ、長い目で見れば部活の成績を良くすることにつながるのではないかと感じます。
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